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青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
6/28

01-5



「声がもう少し可愛かったら良いんだけど……子供っぽい話し方とかさ」


『お願いだから、言わないで!』



本人が一番理解してるらしい。

目を瞑り軽く下を向いて震えているが、丸すぎて尻尾がなければ、何処を向いてるかわからない。


手足はあるのか?と、疑問が浮かんでくるレベルで毛がふわふわで長い。



「……で、どうして私を見ていたんだ?」


『久しぶりに人間を見たから、どんな子かなって思ったんだけど……』


「感想どうぞ。」


『女の子なのに、かなり肝が座ってるなと。』


「…………ライポマースの軍服着てる時に、その感想を聞けるって事は、やっぱり異世界か。」



今の服装から軍の事に触れなかった。

ライポマースはエルミアが住み、軍人として所属している帝国で、色んな面から世界の上位ランクにあるため、かなり有名な国だ。

軍服を着ていたら一目で、その国の者とわかる。


その国の軍服を着ていて、肝が座った女の子と言われると、異世界なんだと改めて納得させられる。



『なぁお前、今……異世界って言ったか?』



エルミアが一人で納得していると、目の前で白い毛玉が目を輝かせながら、エルミアを見つめていた。

愛らしい尻尾が犬のように揺れている。



「異世界か? 言ったけど、それが?」


『この世界で異世界なんざ、経験してる奴しか出ない言葉だ! お前は何処の世界から来たんだ? 地球か? 地球なのか?』


「地球はいたことあるけど、今はガリアって世界からの転移ってとこだね。」


『今はって…………苦労してんだな。』


「言うな……」



どうして地球しか言わないのかは、あえてエルミアは聞かなかった。

大体の見当はつく。


苦労と言われると、思い出したくないものがいくつも出てきたが、それも流した。

黒歴史で済ませられる可愛らしいものではないのだ。。



『細かい話はそこの川に流して。ここで焚き火って事は、野宿か?なら、人間はいないけど、俺達の町に来ないか?』


「人間がいないって、普通に考えたら魔物や人外種が住んでるんだろ? 私が行って良いのか?」


『問題なっしんぐ! アイツらは、俺が転生者だって知ってるから、大丈夫。似たような状態のお前をほっとけるかよ。』



毛玉はエルミアの前で何度か跳び上がった。

いつの間にか警戒が無くなっている。


その姿はやはり可愛らしいが、どう聞いても声がやっぱり似合ってない。



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