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青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
3/28

01-2




エルミアが歩きだしてから、約2時間が経った。

持参の時計と太陽の位置で見ての時間で、ここの時差が同じかわからないため正確ではない。

まず持参の時計を信用して良いのかすらわからない。


だが、この短時間で獲られる情報はあった。




「異世界決定で良いね、これ」




自身の前にある氷づけの化物を見て、エルミアは確信付けた。


化物と言っても、2mを超える熊のようなものだ。

顔や体型は熊だが、牙と思える物が推定で10cmあり、手から伸びる爪は牙よりも長い。


エルミアがいた世界では、彼女が知る限り見た事が無い。

他国での目撃情報すら無かった。

とりあえず、名称がわからないため熊(仮)とした。


その熊(仮)が茂みから現れて、エルミアに襲い掛かってきたのだが、何かをする前に氷づけになってしまった。


もちろん、氷づけにしたのはエルミアだ。


襲い掛かってきたからと驚く事はしない。

むしろ、森の中にいるのだから、何かが出てくるのは可能性の1つなため、常に警戒はしてある。


氷づけにする準備も万端だ。

その結果、見事な熊(仮)のオブジェが完成した。


術を使っての氷づけなため、解かない限り溶ける事はなく、のんびりと熊(仮)を観察している。


見れば見るほどここが異世界である事を示してくる。




「……次元レベルの転移……出来る気がしない。」




トリップ?

転生?

良く見て知る言葉ですね、面倒事ありがとうございます。

だけど、ラノベの主人公になった記憶はありません、憧れもありません。


一瞬は帰る手段を考えるも、それを発動させる為の力が足りない。

次元を生きたまま移動する術など、現実的に聞いた事が無い。



本日2回目の深いため息が、エルミアの口から漏れた。



「天命待ちにならなきゃいいけど……っと!」



よくあるパターンとしては、何かに呼ばれて、世界を救出したら帰れる帰らないになる。

だが、それは物語の話しだ。


それよりも、天命によって帰れるの方がよっぽど現実的に思える。

異世界とはいえ、父親や兄の年齢は越えたくはないが。


氷付けの熊(仮)に蹴りをいれて、氷ごと中の物まで砕いた。


放置しても良いが、倒したモンスターが自然に無くなるかわからないからだ。




「次はちゃんと相手にしてやるかな」




もし消えないなら、良い食料だよなと砕いてから気付いた。


食えそうなモンスターならの話だが。


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