表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
2/28

01-1




体が痛い。

うっすらと戻りだした意識の中で、少女‐エルミア・ノークスはそう感じた。


切傷のような痛みではなく、打撲傷のような痛みが全身から感じるのだ。




「…………っ」




痛みから息がつまる。

打撲は鍛練していればよくする怪我だが、ここまで痛いのは久しぶりだった。


だが、それ以外の痛みは無く、骨折とかも無さそうで、それは運が良かったとエルミアは思った。



意識がしっかりとしてくると、エルミアはゆっくりと目を開けた。


肌に感じる風は、とても優しくて山岳では感じる事がないもので、背中には柔らかい土の感触。


そして視界に入るのは緑が生い茂る木々。


右を見ても左を見ても木や茂みがあり、何処をどう見ても緑豊かな森だ。




「目を覚まして森って、テンプレかっての……」




落ちた瞬間に部下達が巻き込まれないように術を使ったため、特に心配はしていない。

使わなくても日頃エルミアに鍛えられているメンバーなため、巻き込まれはしないだろうが。


だけど、自分が落ちてしまった事に深いため息が出る。

普段から油断するなと言っておきながらと、修業の足り無さを考えさせられる。


歪みが閉じる前に見えた部下達の顔を思い出せば、少しの罪悪感を感じる。



「変に考えないで、陛下に報告しといてほしいなっと……《ヒール》」




原因は不明だがあのような空間の歪みがあるなら、国だけではなく世界レベルで危険がある問題なため、急ぎ報告してほしい。


痛みを我慢しながら起き上がり、打撲ぐらいだからと一番簡単な回復術を自分にかけた。


報告もとい報連相はきっちりと部下に教えてきた。

脳筋集団ではあるけど、馬鹿に育てた覚えはない。



ある意味、バカではあるが。




「よしっ……とりあえず、探るか」




痛みは消え、体力も同時に回復させ。

少し術の効きが悪いが、周囲を探索するには十分。


先ほどまで軍の仕事だったため、装備に心配はない。


この場所でのんびりしていても、ただ時間を消費するだけだ。

獲られる情報があるなら話は別だが、周囲を見渡しても何も無い。

気配を探っても、近くに人間等生き物の気配は全く無い。


つまり、ここに長居する必要は無い。

なら、探索するのみ。




「さて、太陽の位置よし……夜は月じゃなくて星が見たいね」




エルミアは1度太陽の位置を確認してから、そちらに向かって歩きだした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ