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第二話、魔法少女……答える

一発ネタ。

超短いです。


「私、ミユキ。小学四年生! 趣味は読書と……お裁縫かな。お兄ちゃんたちのお手伝いをしてるの。好きな物? あ、最近はクリクラのオレンジタルトがお気に入りです! 魔法少女になってまたまだだけど、頑張ります!」


 ホロモニターの中で少女の笑顔が花開いている。新人広告制魔法少女ミユキがデビューしたころのインタビュー映像だ。


 こんなインタビューにまで既に広告、スポンサーの商品を推していかないといけないのは悲しいところだが、視聴者の大半はそれを分かった上で見ているのだからまあ、いいんじゃないだろうか?


 それよりも、だ。インタビューがありきたりだとは思わないか? もっとこう……さあ! 自分のどこが魅力的だとか、そういう自己主張があってもいいと思うのだ! だってミユキ、可愛いだろ!? 何、同じぐらいの美少女がたくさんいる? ぐぬぬ。


 マジカルミユキの軌跡を振り返ろうなんてチャンネルを見ておきながらそれか! よろしい、ならば次の映像を見てその考えを改めるがいい! こいつはボツになったが彼女の魅力がよくわかる渾身のインタビューのはずだ。よし、再生するぞ!



『じゃあ始めるぞ』


「は、はい」


 どこにでもありそうな部屋で、一人の少女がパイプ椅子に座っている。見る人が見ればわかるかもしれない。面接っぽいなと。


『緊張してる?』


「うん……」


 答える少女の声はクリアだが、逆に質問をしている側の声はどこか機械的。男女もわからないようなものだとわかる。少女がややうつむき気味なのに気が付いた人間はどれだけいるだろうか。


『どういうのが好き?』


「可愛いの……とか」


 悩んだ結果、ありきたりな答えになったからか、わざわざ口にするのが恥ずかしかったのか、たった一言口にしただけで画面の中の少女、ミユキは顔を赤くしていた。


『何回ぐらいしたい?』


「えっと……たくさん。たぶんたくさんです」


『楽しみなんだね』


「そう言われると……」


 有名ブランドではなさそうな服に身を包み、恥ずかしそうに揺れる姿は画面越しに様々な攻撃を仕掛けてきているに違いない。


『するの、好きなんだ?』


「最初にした時、すっごいどきどきしました!」


 と、そこで映像は途切れる。仕方ないだろ、後ろから乱入があったのだ。え、何のかって? 友達だよ友達。ミユキの友達が何か勘違いして飛び込んできたんだ。で、部屋を見てあれ?ってなって……おお、そうそう。こっちは魔法少女に何回ぐらい変身したいのかとか聞いてただけなのにな。


 四年生ぐらいなら知ってる子も多いとか冗談だろう? うちのミユキは綺麗なままなんだ! おい、やめろ。今度教えてあげようとか言うな! やめないと編集時にカットした色んなシーンの放送をなしにするぞ!


 ふふ、見たいだろう? 自分も見返したくなった。じゃあ制限の緩くなる10時過ぎぐらいに……。


「お兄ちゃん! 私に内緒で放送してるってほんと!?」


 やべっ、本人が来た。半端だけどここでオサラバ! またの放送をよろしく!!


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