ある日の昼食 ~奏×紫音~
これはBL作品です。
もし「無理!」って方がいたら、「戻る」を押してください!
ここでCROWNメンバーの紹介!
リーダー:時枝都騎
年齢:16 身長:165 体重:54
血液型:A 誕生日:5月6日
性格:常識人。リーダーだから、キャラの濃いメンバーをまとめるのが大変。いまや苦労人。
桜庭紫音
年齢:17 身長:169 体重:57
血液型:A 誕生日:10月27日
性格:クールな無口キャラ。だけど、料理や裁縫が得意で女子力高め。
黒月奏
年齢:19 身長:173 体重:62
血液型:O 誕生日:6月28日
性格:ストイックなお兄ちゃんキャラ。体力モンスター。
野々井奈幸
年齢:19 身長:167 体重:55
血液型:AB 誕生日:10月8日
性格:ほんわかドS。脳内のテンションが高い。自称二枚目キャラ。
それでは、よろしくお願いします!
~奏×紫音⇒甘え上手な兄貴系×世話焼きなクール系~
俺はたまたまとれたオフを部屋で一人ゆっくりと過ごしていた。
そのつもりだったのに・・・・・。
「なあ、紫音。まだか?昼飯。」
「まだだ。ていうか人に昼飯作らせといて、そのセリフは何なんだ」
ソファでくつろぎながら言う奏に小さな苛立ちを覚え、俺はそっけなく言った。
せっかく俺が一人の時間を堪能していたというのに。
...........ものの数分前、
「昼飯食べに来た!」
なんて言って突然部屋に来た奏にそんな一日を壊されると思っていなかった。
ため息が出たのは言うまでもない。
「来るなら来るで、先に連絡してから来いって言ってるだろ」
と、俺が言えば
「でも、なんだかんだ言って、飯も作ってくれるのが紫音君の優しいところだよな~」
なんて言うから断れない。
「そんなつれなくするなって。紫音の飯はうまいから楽しみで待ちきれねえの。それに別に珍しいことじゃないんだからいいだろ、許せよ」
年上で面倒見が良くて、いつもみんなの兄貴みたいに振る舞ってるくせに、たまに子供のように笑うから、この人のことを俺はたまに、ずるい、と思う。
「作るのは別にいい。俺が言いたいのは、ただ待ってないで少しは手伝おうとしたらどうだってことだ」
「手伝う、かぁ.........でも俺料理できないよ」
「知ってる。でも皿出したりとか、料理以外でもあんだろ、出来ることは。」
「料理以外でできること............。分かった」
そういって、奏は立ち上がった。「その間はなんだ。少しでも面倒だと思っているなら別にしてもらわなくてもいい」と言おうとしたが、あまりきつい態度ばかりでもいけないかと、そこは自制した。何をしようとしているかは分からないが、とりあえず何かするつもりではあるらしい。
俺はそんな奏をよそに、料理を続けた。
食材を切る音がリズムよく鳴る。
突然。俺は温かい腕の中に包み込まれた。
「っつ!!お、おい!ちょっ、危ない!危ないから、離れろ!」
「んー...........いやかな」
「おい!!!」
「いや、俺にできることだろ?だから、紫音が料理をしている間、紫音が好きな料理をもっと楽しませてやろうかなと思って.........ね?」
「ね?じゃない!!っあーもう!何がどうしてそうなったんだ........」
「お、諦めたか?」
「今日の奏には何言っても通じない気がしたからな、もう」
「分かればいいんだよ」
奏は満足そうに「うんうん」と頷く。
俺は、きっと何か仕事の悩みでもあるんだろうと思った。そういう時にしか、奏は甘えてこない。
でも何があったのかはあえて聞かないことにする。これは俺なりの配慮のつもりだ。今は好きにさせておこう。
.........とは思うが、後ろから抱きつかれているせいで、首元に髪の毛が当たってくすぐったいから本当は止めてほしい。
「ん、もう、分かったから、出来るだけ俺が、料理しやすいよう、に、して」
くすぐったくて、つい不自然な言い回しになってしまったことに少し焦る。たいして気にすることでもないのに、俺はなんだか変なところを見られたような気がして、冷や汗をかいた。
「.........なんでそんなたどたどしいの」
つかれたくないところをついてくる奏に、本当はわざとなんじゃないかと思ってしまう。
奏はそんな俺の顔を覗き込むようにまた顔を近づけた。
ああ、また髪が揺れる。
「別に」
俺の余裕が少しずつ奪われていく。
「あ、もしかしてくすぐったい?」
奏はにやりと笑って言う。
「別に」
俺は同じ答えを返す。
「そっか、俺の髪が当たってくすぐったいのか」
わざとらしく髪を揺らす奏。
「んっ........べ、別に」
「あ、今ちょっとびくってなった」
「ち、ちが、なってない!」
「へ~、紫音ってくすぐったいのとかだめなんだな」
「っておい!話をき、ぃっつ、、、ぁ」
「その反応を見る限り、くすぐられるのも弱いけど首もだめって感じだな~。いつも完璧な紫音の弱点がこんなところにあるとはな」
俺は恥ずかしさで顔を覆いたくなった。
他のメンバーにだけは言われたくない。特に奈幸!!あいつはSだから絶対に利用してくる!!
「.........い、な」
「ん?どうした、紫音?」
「いう、な、.......他の、メンバー、には........」
羞恥心に耐えられなくなった俺には、今これしか言えない。
すると、心なしか奏の俺を抱きしめる力が強くなった気がした。
「・・・なあ、紫音」
「ん?」
「俺、今のお前見てると変なことしたくなる」
「・・・は?」
そういって奏は俺のエプロンをめくりシャツに手を入れ始めた。
「ぃあっ!つ、つめた!って、おい!おま、何やっt、ぅ!」
「ん~、なにって触ってんの。紫音の体を.......ははっ、紫音顔赤い」
普段触られることなんてない分、余計に体が反応する。
「んなこと、わかっぅんっ・・ぁっ、!っぅん、なとこ、さわって、んじゃね・・・ンっ」
焦りがつのり、余裕もない。俺は混乱して頭がうまく回らない。
「そんなとこってどこ?いってみなよ」
「い、えるか、ばか、ぁ、っん、あっ、やめ・・っう、そこ、なんか、あ、だめ・・・ぁっ」
もう、料理どころじゃない。俺は力の抜けた体を必死に支えようと奏の腕にしがみつく。
「はあ・・・・・やばい、このままじゃ俺、紫音にもっといろんなことしちゃいそう」
首筋と上半身にはう奏の全てに翻弄する。
「ばっ、か、ぁぅ、ん、っは、ぁ・・・・か、なで・・・・ぅ、もう、むり、たてない・・・・すわら、せて・・・・・」
「あっ、ああ、ごめん。調子にのり過ぎた。」
はっとなったように、奏は俺から手を放す。
それと同時に俺は崩れ落ちそうになったが、奏はそんな俺を抱きとめた。
「いま、ソファまで運ぶから」
「あたり、まえだ.........後で覚えてろよ」
「うっ.........わかったよ」
奏に抱きかかえられ、俺は奏から顔が見えないように顔をそむけた。
多分今の俺の顔は誰かに見せれるようなものじゃない。
いつものきつい言葉も、奏にいろいろとされたせいで声に威勢がないし、こんなことで俺はたやすく崩れる奴だったのかと落胆を覚えもした。
なのになぜか思う。
『嫌じゃなかった。』
これはきっと心にしまっておくべきだ。
読んでくださってありがとうございます!