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異世界魔法のナルシ召喚  作者: 佐々木かいびん
第2章 ウェポム編
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第8話 帰還

俺は山に囲まれた何の変哲も無い舗装路を走っていた。


「ブロォォォ」


俺が運転している車の音だけが鳴り響く…………………………………なんかデジャブ?


さっきまで竜と戦っていたような気がするのだが………………


隣では奈津美が気持ち良さそうに寝ている。


「この後確か俺は天使に会うんだっけ?」


俺は馬鹿馬鹿しいと思いながらもUターンして、来た道を引き返す。


天使視点

なぜ来ない?この後、勇者として召喚される大刀黒亜が乗っている自動車?がここを通り過ぎる手筈になっているのだが……おかしいな


「少し見に行ってみるか」


天使はそう呟くと動き出す。


シロナ視点

私が創ったブラックホールにクロアまで巻き込んでしまった……どうしよう。


「とりあえず魔王様に連絡しよう」


シロナはそう呟くと動き出す。


奈津美視点

私は寝たふりをしながら、本来天使のいたところを通らずに、引き返し始めた黒亜に内心舌打ちし、今まさに起きたふりをする。


「おはよー!」


奈津美はそう言うと動き出す。


黒亜視点

奈津美が起きた。

さあどうしよう。

森を抜ける時に一緒だったアンドーとかいう商人が言っていた事を思い出す。


確かこの世界とシロナがいた世界の時間は流れが違うとか何とか……向こうでの1日がこっちでの10分だっけ?今考えたらなんでアンドーがこんなこと知ってるんだろう?まあいいや。


とりあえず戻る方法を考えよう。


「奈津美?もう少し寝ててもいいぞ?目的地変更だ」


俺はそう言うと動き出す。


奈津美視点

ここまで来て目的地変更か……やっぱり黒亜も向こうの世界での出来事覚えてるんだ……

なんとかしないと……今度こそ召喚を成功させる!

体に魔力を纏い、天使に知らせる。


天使視点

奈津美の魔力を感じる。

あっちか……

天使は奈津美の魔力の方向に向かって動き出す。


黒亜視点

なんか奈津美の体光ってないか?

これはどこかで見たような……魔力だ!

まさかこの世界でも魔法が使えるのか?


ならば…………


俺は指先に魔力を集中し、魔力付加をし、エレメントメテオボール(闇)のチャージを開始する。


シロナ視点

あれから2日、私はアンドーの力を借り、凄まじい速さで休まずに魔王城へと帰ってきた。本当にアンドーは何者なんだろう?まあいいや。


「魔王様、クロアが消えてしまいました。もう一度召喚できないでしょうか?」


「シロナ自身がブラックホールに入ることは出来ないのか?」


盲点だった……

私は早速ブラックホールを自分のすぐ前に設置する。


「無に帰せ!ロスト・ゼロ!」


天使視点

天使は待っていた。車を先回りし、待ち伏せていた。

すると、車が見えてきた。


何だか早すぎるくないか?

ていうかなんで黒く光ってるんだ?

それに奈津美とは違う魔力を黒いやつから感じるのだが……


「ギャァァァァァァァ!」


黒亜視点

俺の放ったエレメントメテオボール(闇)が天使を焼いていくのを確認すると、俺は車のアクセルを限界まで踏み、天使に体当たりをかます………


瞬間、虚空に穴が開き、中から何かが飛び出してきた。俺は驚きつつも、アクセルを踏みっぱなしにした。


シロナ視点

ブラックホールから解放された瞬間、何かが私に向かって、凄まじい速さで突っ込んできた。

ぶつかってきた物をちらっと見ると、一瞬クロアが見えた気がした。


今回も読んでいただき、有難うございます。

次の更新は3日後、21日木曜日です。


明日には、これまた3日に1回ペースでもう一つ小説を作ろうと思っています。

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