第4話 ダンジョン
野宿7日目
今、俺はすこぶる機嫌が悪い。
「許せん。許さんぞ!」
俺は猛烈に怒っていた。
「まあそう怒りなさんな。のんびり行きましょう」
俺の怒りの矛先はこいつだ。
見た目は商人でもしてそうな感じのお爺さんだ。(魔人)こいつは見た目通り商人をしているのだが。
昨日の夜、モンスターに襲われていたのをシロナが助けたところ、恩を返したいと言い、俺たちと行動を共にしている。名前はアンドー
「俺はシロナと2人でラブラブしていたはずだ……こんなジジイが入ってきていい場所ではない!」
俺が言った刹那、効きもしない魔法が飛んでくる。
「誰がお前とラブラブなどするか!死ね!」
シロナもツンデレキャラ(妄想)が板についてきている。
「仕方ねーな。街までだけだぞ。」
俺は街までだけアンドーの同行を許可する。
俺たち一行は魔人の国レイブンを目指している。
アンドーの助けもあってか、半日で森を抜けた俺たちは、そこで石造りの横穴を目にする。
「あれは洞窟か?」
「はい。洞窟型ダンジョンですね。」
答えたのはアンドーだ。
「ダンジョンの中には、森などで出会うより格段に強いモンスターが潜んでいるんだ。まあボクにとっては雑魚も同然だけどね。」
シロナがない胸を張って威張っている。
「よし。じゃあ入ってみるか。」
丁度この辺りのモンスターが弱すぎて経験値がたまりにくかったところだ。いい運動にもなるだろう。
「仕方がない。アンドーはボクとクロアに任せてここら辺で待っていろ。」
「正気ですか!ダンジョンですよ!死にますよ!」
アンドーが必死になって訴えている。
「知るか!行こうぜシロナ」
「ああ」
アンドーは呆然としていた。俺が知ったこっちゃないが……
「うわぁ……近くで見るとでかいな。」
俺が驚愕していると、シロナが言った。
「いや、ボクは小さいぐらいだと思うけど……」
マジか。このサイズで小さいのか。どうみても10メートルはあるぞ。
「まあいい。とりあえず入るぞ。」
洞窟は薄暗かったが、天井から入ってくるわずかな光が洞窟を、ほんのり照らしている。
俺が洞窟に魅入っていると、いきなりモンスターが現れて手に持った槍で突いてくる。
ズシャァァァ
確実にヤバイ感じの音がしたが、もちろんノーダメージだ。
名前 オークキング
種族 オーク
体力 400
魔力 0
攻撃力 300
守備力 100
スキル
槍の道LV2(槍技を覚えられる)
槍技
乱れ突き
なかなか強いな。体力と攻撃力重視の近接タイプか。
俺は早速エレメントボール(火、闇、光)を放った。
しかし、オークはそれを見切り、あっさりかわすと、槍技乱れ突きを繰り出した。
俺は突き込まれてくる槍を自慢の防御力で、掴み、相手を動けなくした後、もう一度エレメントボール(火、闇、光)を放った。
至近距離から放たれたエレメントボールはそのままオークに向かって突き進む。
「ギィアァァァァァァ!」
今度こそオークは魔法をモロにくらい、焼け焦げていった。
「いきなりこのレベルのモンスターが出てくるのか……」
先が楽しみだぜ。
場所は変わって神の国のとある街フィンドにて
「なかなか強そうな武器を扱ってるじゃない。その武器を渡しなさい。」
私が神王にもらったお札をかざすと、商人はホクホク顏で武器を渡してくれた。ついでに、町を出る方法について情報を仕入れてから、私は店を出た。
「待っててね、黒亜。私が必ず助けるから……」
私はそう呟くと街の出口へ向かった。