第3話 勇者
グサッ!
俺の剣がスライムを貫く。
この世界のスライムはドラ◯エとは違い、アメーバ状の物体で、ふわふわと宙に浮いている。
「ビュルッ!」
スライムは死ななかったようで、体の一部を飛ばしてくる。しかし当然ながら俺には効かない。
「ハァァァッ!」
その隙をついてシロナがスライムに魔法を放つ。この魔法はメテオボールといい、俺には全く効かなかったが、中級のそこそこ強い魔法らしい。
スライムはシロナのメテオボールによってグニャグニャと溶けていった。
念のため今の俺達のステータスを確認しておく。
名前 クロア
LV29
性別 男 職業 勇者 属性 全属性
称号 召喚者、大魔導士、勇ましき者
基本ステータス
体力 850
魔力 無限
攻撃力 480
守備力 5000
スキル
魔力供給LV2(自分が指定した人1人の魔力を少しずつ回復させる)
魔法融合LV2(魔法を3つまで融合できる)
魔力付加LV4(自分の身につけているもの全てに魔力を付加出来る)
剣豪LV1(剣装備時、攻撃力アップ小)
剣の道LV1(剣技を覚えられる)
魔法
エレメントボール(火、水、土、風、闇、光)
エレメントメテオボール(火、水、土、風、闇、光、無)
剣技
乱れ斬り 消費体力4(対象のモンスター1匹に3発の連続斬り)
装備
武器 魔族の宝剣LV2(攻撃力900)
防具 旅人のローブ
装飾品 なし
名前 シロナ
LV30
性別 女 職業 不明 属性 無
称号 不明
基本ステータス
体力 900
魔力 400
攻撃力 2200
守備力 700
スキル
不明
魔法
メテオボール(無)
剣技
不明
装備
武器 魔王の佩刀
防具 魔王の鎧
装飾品 金のネックレスLV50
こんな感じだ。やはり俺はチートならしい。新たなスキルも増えた。剣ってやっぱりかっけー!俺もかっけー!要するにかっけー!
シロナのほうはよく分からない。なぜか不明なところが多いし……まあこれから分かっていくことだろう。
「にしても疲れたなー。ここらへん村とかないの?」
俺はシロナに問いかける。
「ボクが知っている限りこのあたりに大きな村はないはずだよ。」
「また野宿かよー!」
そう。森の中に落とされた俺たちは、村も見つからないまま、彷徨っていた。これで野宿3日目!
ここらへんはモンスターが多く、寝るときも交代制なので、心休まることがないのだ。
別に俺だけなら、高い防御力のおかげで寝ることもできる(ここらへんのモンスターでは俺に傷をつけることは出来ないことが分かっている)が、隣にはシロナがいるのだ。俺だけぬくぬくと寝るわけにはいかないのだ。
野宿がしばらく続きそうな予感にうんざりしながら、俺たちは1日を終えた。
その頃、神の国にて
「勇者たちよ!初めてのミッションを与える!」
勇者の1人、大刀奈津美は初めてのミッションにワクワクしながら、王の話を聞いていた。
もう1人の勇者の名前は分からない。自分の名前が嫌いなそうで、名乗ってくれなかった。だから、勇者をもじってゆうと呼んでいる。今は隣で熱心に話を聞いている。
「街へ降り、下界になれよ!それが最初のミッションだ!」
奈津美は肩すかしをくらった気分だった。
なんだよ!異世界まで来てショッピングかよ!
「了解しました!」
ゆうは嬉しそうに首肯している。
「了解しました……」
私も一応頷いておく。
「そうか。では行ってこい!」
私は城から出た。もちろん街へなど行かない。
冒険をしてやる!