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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
5章 ≪サマー・バケーション編≫
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5話・OPENER

―――side冬香

 周りはものすごい喧騒に包まれている。

 ま、お祭りしてるんだし当然か。

 特に何の予定もすることも無いわたしは適当にその辺を歩いていた。

 周りには幸せそうな家族や旅行者であふれてる。

 その中で、とある姉弟きょうだいを見つけた。

 その姉弟を見てると何故か苦しくなった。

 これ以上は耐えられなくて走り出した。

 誰もいないところへ。

 何で、わたしは・・・。

 最近は楽しかった。

 でも、夏になってまた・・・。

 誰か・・・助けて・・・。



―――side空志

 『レディース・エンド・ジェントルメ~ン!!ついに始まりました、マリネシア祭イチオシイベント!!闘技大会の始まりだ~!!』


 司会の声に観客たちが沸く。


 『まずは簡単にルール説明だ!!・・・何?知ってるって?そう言いなさんな。これが俺の仕事。これやんないと上司にどやされた挙句に給料が減っちまう』


 観客席から苦笑が漏れる。


 『あら?すべった?・・・ま、気を取り直してルールの説明だ!!ルールは簡単。一チーム六~十五人までで一試合の戦闘参加人数はこちらにあるサイコロを振って決めさせてもらう!』


 そういうとアリーナの上空に魔法のパソコンウィンドウのようなスクリーンが展開され、そこにサイコロのグラフィックが現れる。

 そのサイコロには三以下の数字が無く、一と二のところには七と八が書いてあった。


 『さらに!今回の試合は全三回ある!限られた人数での采配が勝負の鍵を握るッ!・・・てか、口で言ってもわかりにくいよな。ま、そんなわけで第一試合から行ってみよう!!』


 観客からの歓声が大きくなる。


 「始まったね~」


 「そうだね」


 「ね、ねぇ・・・周りの人たち強そうだよ?」


 「大丈夫だ。オレ達でだいたいは方をつける」


 「あぁ。そうだな!」


 『お前はザコだから黙ってろ』


 「みゃ~」


 「情報は既に集まってるよ☆」


 「ソラ!がんばろうね!」


 ・・・でも、スズの言ったとおり、周りの人達は強そうな人ばっかだ。

 むしろ、ボク等のような子供で構成されたチームが珍しすぎる。

 でも、ここはBブロックだし・・・。Aのほうにはもっとボク等と年が近いチームがることを願おう。


 「そういえばリュウ。ボク等は何試合目?」


 「今からだ」


 ・・・マジ?

 ちょっと!?心の準備が!!


 『では、第一試合!!冒険者ギルドから参戦!『夜明けサンライズ』とその愉快な中間達!!』


 「何この名前?」


 「オレ達以外にも一般人がいるからな」


 「・・・本当に愉快な仲間になりますよ。特にシャンあたりが」


 「いい加減にシャオは姉を敬うですぅ!!」


 『対する相手は!!傭兵ギルドからの参加!!『レイヴン』!!』


 向こうからは十五人ほどのチンピラ集団が現れた。

 ・・・全員ガラが悪い。


 「へっ。何だ何だ?相手はガキかよ。女子供相手に本気出す趣味ねぇんだけどなぁ」


 「おい!恥かく前にさっさと棄権しろよ!!」


 周りの人は下卑た笑い声を上げる。

 でも、観客からもボク等に野次が飛ばされる。


 『初戦から両者共に気合は十分!!では、ダイスロール!』


 上のスクリーンのサイコロが回る。

 そして、止まった目は4だった。


 『決まったぁぁぁああああ!今回は四人!!では一セット目、選手はフィールドに入ってくれ!!そして残りの選手は脇にある控え席に行ってくれ!』


 控え席?

 周りを見ると、バッターボックスみたいなところがあった。

 あそこに行くんだろう。


 「じゃ、誰から行くんだ?」


 「・・・とりあえず。ここはウケを狙って田中で」



 「チョイ待て。俺はウケ狙いなのか!?」


 『おっしゃぁぁぁぁああああああ!!!久々だぜ!!血が騒ぐ!!!タロウ!行くぞ!!!』


 ボクはリカにアイコンタクト。

 ・・・・・・今回はうまく行ったようだ。


 「・・・太郎。がんばって」


 「行ってきます!!」


 田中は自ら死地に赴いてくれた。

 あいつが単純馬鹿で助かった。

 とりあえず、ヤツにはスカウターの代わりになってもらおう。

 性能が限りなくゼロに近いけど。


 「っしゃぁー!!来いや!」


 「へへっ」


 「ザコが」


 「・・・あれ?二人?」


 『両者準備が整ったようです!』


 「待て!!これは陰謀だ!!おい!?ハメやがったな!?」


 「大丈夫。田中はミストも合わせて二人だから」


 「納得できねぇ!!!」


 『では、始め!』


 「マジかよ!?」


 『タロウ!やるぜ!!』


 「何でお前は元気なんだよ!!」


 「何をごちゃごちゃ言ってるんだ!!≪大地の挟撃グラン・ピンサー≫!!」


 地面が盛り上がって二対の壁を作る。 

 それは田中を挟むようにして潰そうとする。


 「ぎゃぁぁぁぁああああああ!!??」


 田中の断末魔の悲鳴。田中のいたところには土の柱。そして静寂に包まれる会場。

 ・・・なるほど。相手はチンピラだけどやっぱりそれなりに強いみたいだ。

 『大地』の中級中位魔法。

 それをあんな短時間でできるとは・・・。


 『・・・あ~・・・。『夜明けサンライズ』の田中選手。一撃でやられました』


 「ハッ!やっぱ所詮ザコか!!」


 「おいおい。俺の出番までとるなよ~」


 『では、次の試合に参ります。次の選手は・・・』


 「何言ってんの?田中はまだ負けてないよ」


 ボクがそういうと周りが


 「はぁ?お前馬鹿か?その地味なヤツは俺が倒しただろ?」


 「だとよ。おい。さっさとやれ」


 リュウがそういったとき、土の柱からいくつもの剣の刃が出てきた。

 それらは土を適当に斬り、土の柱を割る。その中から土ぼこりまみれの田中が出てきた。


 「マジ死ぬかと思った!!おい!俺には魔力が無いんだぞ!!殺す気か!?」


 柱の中は綺麗に田中のいた部分だけがへこんでいた。


 「いや、普通は死んでるから」


 ごく普通に魔力を持ってて人間は下級の中位までしか耐えられない。

 スズぐらいあってやっと中級の中位をかろうじて何とか耐えられる。

 でも、二回目は無い。


 「な!?魔力無しで中級中位魔法を無傷だと!?」


 「あ~なんだっけ?俺、魔力無効化体質キャンセラーとか言うやつらしいよ」


 『なんと!!田中選手は魔力無効化体質キャンセラーだった!?それなら魔法が効かなかったのもわかる!!』


 「ハッ!なら魔法に頼らなけりゃいいだけだ!!傭兵を舐めるな!!」


 魔法を放ったのとは違うほうが大剣を手に田中に突っ込む。


 「盾だ!!」


 『命令すんな!』


 田中が両手を前にかざすといくつもの盾が出現する。

 それらは空中に浮いて敵の剣を受け止める。


 「何だこれは!?」


 「教える必要はないな」


 『ハッハッハ!!俺様は魔導宝具アーティファクト、幻想武器『ミスト』だ!!』


 「空気読めよ!?」


 「それが『ミスト』であるはずが無い!!『ミスト』は所有者を乗っ取る呪われた魔導宝具アーティファクトだぞ!?」


 「俺、魔力無効化体質キャンセラーだから大丈夫だったらしいぞ」


 『不本意だがそういうことだ。俺の宿主を殺すとまた次を探すのが面倒だ。降参するなら俺は何もしねぇぜ』


 ミストはいつかみたいに田中の肩辺りに自分の姿を投影して不適な笑みを敵に見せ付ける。

 ・・・てか、こいつやめる気ないな。

 そんなことしたら・・・。


 「てめぇ!!」


 「ブッ殺す!!」


 「俺じゃねぇ!!」


 『そうこなくっちゃぁなぁ!!』


 相手がブチギレるに決まってる。

 ボク等は半ば戦闘狂と化したミストを呆れ顔で見る。


 「ッチ!この盾が邪魔だ!!」


 「だが魔法は効かないぞ!」


 『・・・面白くねぇ。タロウ。終わらせるぞ』


 「むしろさっさとやれよ!!」


 そういった瞬間、盾が消える。

 その代わりにまた、大量の盾が召喚される。

 ミストの剣は相手二人の剣を叩き斬り、剣の切っ先が首を捕らえる。

 誰がどう見ても相手の負けだ。


 『ハッ。ザコが!』


 「完全にお前悪役だよな」


 客席から歓声が上がる。


 『田中選手の逆転勝利ッ!!いやぁ、まさかのどんでん返し。強いぞ『夜明けサンライズ』!!』


 その言葉に歓声が更に大きくなる。

 向こうは逆にイライラしてる。まぁ、ただの子供に負けたんだからね。


 『では、二回戦!!選手は入場してください!!』


 「じゃ、誰が行く?」


 「オレ、メンドイからパス」


 「わたしが出たら相手が可愛そうだよ~?」


 「あたしは自身が無いな・・・」


 「ワタシは情報専門だからね」


 「ソラが行くなら行く」


 「ボクは正直嫌」


 「では、俺が行きます」


 「あ、それなら私も行くですぅ!」


 そういうと双子がフィールドに入っていった。

 相手は一人。

 でも、油断はできない。


 「・・・オレの相手は双子の姉妹か?しかもさっきのヤツよりガキじゃねぇか」


 「・・・誰が姉妹ですか?」


 「は?お前等だよ」


 「・・・俺は男です!!」


 「はぁ!?」


 ・・・そういえばシャオ君って結構中性的な顔立ちしてたね。

 前にも似たようなことがあって結構コンプレックスになってた気がする。


 『では、二回戦・・・始め!』


 「すみません。降参してください」


 「は?何言ってんだ?お前がするほうだろ?」


 「・・・シャン」


 「おっけ~・・・てい!」


 可愛らしい掛け声に似合わない轟音が響き、地面が揺れ、砂煙が舞う。

 そこで不自然に砂煙が掻き消える。

 砂煙の消えたところには双子と、大きなクレーターがあった。


 「もう一度聞きます降参してください。俺は手加減できますが、姉はできません。死ぬ覚悟がおありなら止めません」


 「シャンちゃんは最強なのですぅ!」


 他の方々からしたら『最凶』だよ。

 今回の試合は割と平和に終わった。






~その日の夜~

 「いや~疲れた~」


 「いや、リュウは何もしてないよね」


 「ホントだな。俺なんか全試合一回戦に出たんだぞ!?」


 「まぁまぁ、お二人ともそうおっしゃらずに」


 「みゃ~」


 ここは選手用の宿屋、男子部屋。

 あの後、二試合やったけどストレート勝ちで本戦に進んだ。

 まぁ、相手が相手だし・・・。


 「ま、明日からが本番だ。明日は勝ち残ったヤツらでくじ引きしてトーナメントを決める。本戦は桁違いに強いらしいぞ」


 「でもさ、ボク等って本気出していいの?」


 別にこれは嫌味じゃない。

 ボク等が本気を出すと言うこと、特にボクとリュウにリカ。それはボクなら魔法陣で、リュウは魔法剣、リカは吸血呪ヴァンパイア・スペルを使うってこと。

 ボク等が巷を騒がせる『闇夜の奇術師団』ってバレやすくなる。


 「あぁ・・・ジジイに聞いたんだけどな。やっぱり極力使うなとさ」


 「だよね」


 「お二人は大変ですね」


 「まぁね。・・・詠唱か~・・・。鬱になる」


 「お前、詠唱はからっきしだもんな」


 「そうなんだよ」


 「ま、オレも魔法剣使えねぇし」


 ボクとリュウはため息をつく。


 「ま、明日もいろいろあるし・・・もう寝る。おやすみ」


 ボクは一足先に眠りについた。



―――side茜

~同時刻~

 「と、言うわけでガールズトーク大会!」


 「「イエー!!」」


 「え?がーるずとーく?」


 「何するですぅ?」


 ノッてくれたのは坂崎さんと宇佐野さんだけだった。

 アンジェリカさんは三谷君がいないからって暗くなりすぎ!!


 「そう!みんなでお泊りと言えばガールズトーク!これが基本!!」


 「そんな基本初めて聞いたですぅ」


 「と言うわけで自分の好きな人を言っちゃおう!!」


 「え~!?」


 「・・・リカちゃんはみんな知ってるよ」


 「と言うわけで浮いた話一つ聞かない坂崎さんから!!」


 「わたし~?」


 坂崎さんはファンクラブができるほど可愛いのに何故か浮いた話一つ聞かない。

 そんな人の好きな人って気にならない!?


 「ん~・・・わたしはいないかな~」


 「じゃ、好みのタイプは!?」


 「お料理が上手な人!」


 「・・・ちなみに何故?」


 ・・・宇佐野さん。

 電子手帳開けてどうしたの。


 「ゴハンをお腹いっぱい食べたいから!」


 良くも悪くも欲望に忠実な人だった。

 気をとりなおして次!!


 「シャンちゃん!・・・は飛ばして宇佐野さん!」


 「何故とばすですぅ?」


 「だって、李君でしょ?」


 「ち、ちちち、違うですぅ!!」


 「・・・みんな知ってるから。しかも本人も」


 「・・・ワタシの情報は三万で売ります」


 「しかも宇佐野さんは自分の情報すら売っちゃうんだね」


 ダメだ!

 これはガールズトークじゃない!

 違う!一人だけ純情な乙女がいた!!


 「じゃ、アンジェリカさん!・・・って、三谷君だよね」


 「うん。ソラ以外ありえない」


 「うわ~言い切っちゃったよ。じゃ、告白は?」


 「無理~!!」


 アンジェリカさんは布団を被ってしまった。


 「・・・ワタシからすれば布団に入り込んだり腕にしがみついたりするほうが勇気がいると思う」


 「そんなことしてたの!?大胆!!」


 「それとソラ君の初ちゅーもリカちゃんが寝込みを「ダメー!!」」


 「シット!なんてこったい!」


 純情な吸血少女は以外に過激派だった。


 「じゃ、茜ちゃんは~?」


 「あ、あたし?」


 あたしの好きな人・・・。


 「う~ん・・・間君みたいなのタイプかも」


 「「「「おぉ~」」」」


 何だかガールズっぽくなってきた!!


 「ちなみに何で~」


 「間君てさ、ぶっきらぼうだけど・・・いざというときものすごく優しいじゃん?」


 「・・・ソラがいなくなったときも本人なんでもないような感じだったけど心配してた」


 「噂のツンデレですぅ?」


 「・・・なるほど。委員長は間っちがお好き、と」


 「う~ん。でも、別に間君は恋愛対象じゃないかな?あくまであんなのがタイプってだけで」


 その夜はガールズトーク(?)で盛り上がった。



作 「と、言うわけで地味に伏線、そして大会予選+α的なものでした」

鈴 「何だかいろいろあるね~」

作 「ちなみに僕の中ではリュウ、茜フラグは無いです」

鈴 「へぇ~。じゃ、誰なああるの?」

作 「さぁ?」

鈴 「じゃ、わたしは~?」

作 「・・・次回予告だぜ!」

鈴 「何で目をそらすの~!?」

作 「大会予選をクリアしたソラ達、次に現れる対戦相手に勝てるのか!!」

鈴 「みんなががんばれば大丈夫だよ~」

作 「そして、ついに・・・!!」

鈴 「ついに?」

作 「そこはお楽しみ。じゃ、次回もよろしく」

鈴 「よろしくね~」

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