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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
5章 ≪サマー・バケーション編≫
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1話・SUMMER DAYS

―――side空志

 暑い・・・。

 ボクはあまりの暑さに目が覚めた。

 ・・・既に夏休み。

 って、言っても初日だけど。

 てか、クーラーつけて寝たのに・・・タイマーセットしたけど何でこんなに暑苦しいんだ?

 ・・・何故か体が重い気がするけど気にしないでおこう。


 「んぅ・・・あ、おはよ」


 「って、できるか!何で!?ここってボクの家だよね!?」


 例のごとく何故かここに吸血鬼ヴァンパイアの少女がいた。

 そして、階段を上る音が聞こえ、二階にあるボクの部屋で止まる。


 「兄貴?起きてるの?入るよ?」


 「ちょ!?待っ!?」


 扉が開く音とともに一人の少女が現れる。

 三谷海美みたにうみ。一つ下の我が妹です。

 そして、我が妹はボクとリカを交互に見る。


 「・・・ゴメン。兄貴とリカさんがそんな関係だったなんて知らなくて・・・じゃ、ごゆっくり」


 扉を閉めると、おかーさ~ん!!と叫びながら一階へ。


 「って、違う!話を聞いてくれ!!」


 ボクは寝ぼけた頭で昨日のことを思い出しながら海美を追いかけた。





~昨日~

 「はぁ、やっと我が家に着いた~」


 「みゃ」


 ボクは自分の家の前にいた。

 寮で生活してたから懐かしく感じる。

 インターホンを鳴らして帰宅を知らせる。すると、すぐにボクの母さん、三谷奈美みたになみが登場。


 「あ、お帰り~。元気だった」


 「うん。元気。ただいま」


 「はじめまして。お義母様」


 そしてボクは中に入っていく。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?

 ボクが後を向くと何故かリカが。


 「あらあら、日本語がお上手ね~」


 「何で!?何でリカがここに!?」


 「リカちゃんって言うの?可愛い名前ね~。ささ、中に」


 「ちょっと待って、何でナチュラルに家に招いてるの?」


 「おかーさん?・・・あ、この人がホームステイの人?」


 「ほーむすてい?」


 「あら?空志には説明してなかったっけ?ここにいるリカさんは夏の間、我が家にホームステイすることになったのよ?」


 ボクはリカの首根っこを引っつかむと部屋の隅に行く。


 「どういうこと!?」


 ボクは母さんたちに聞こえないよう小さな声で聞く。


 「うん。アタシさ、家に帰れないから龍造さんに相談したらこうすればいいって」


 「・・・ゴメン」


 そうだった。

 リカは帰れないんだっけ?

 掟がどうとか言ってた気がする。


 「ううん。気にしないで(ふっふっふ。作戦どーり!!これでこの夏にソラと・・・きゃ♡・・・それであんなこととかこんなこと・・・)」


 リカは慈愛に満ちた笑顔で言う。

 でも、何故か黒く見える。それに笑顔が妙に怖い。


 「でも、何でうち?他の女子のところに行かないの?」


 「血がソラしか吸えない」


 なるほど。


 「とりあえず、スズか冬香の所に行って慣れてきなさい」


 「いやぁ~。む~りぃ~」


 そんなこんなで結局はうちに泊まることになった。






 ボクは何とかリカとの誤解を解消することに成功した。

 3時間ぐらい掛かったけどね!


 「せっかく今日は赤飯にしようと思ったのに・・・」


 「やっと兄貴にも春が来たと思ったのに・・・」


 「いや、赤飯って・・・春って・・・」


 この二人は何を言ってるんだろう。

 ・・・ホントに。


 「だって、兄貴には好きな人とかいないじゃん!」


 「いないね」


 「恋愛ぐらいしときなさい。そんな枯れた青春は楽しくないわよ」


 「そんな枯れた青春を謳歌している兄貴の部屋になんと超美少女なリカさんがベッドで一緒だったんだよ!?」


 「ダメ!ソラの青春は枯れたままでいいの!!」


 「いい加減にしてよ!?枯れた枯れたって悲しくなる!!」


 この女性陣はボクに恨みでもあるの!?

 やばい、目からアルカリ性の液体が出てきそう・・・。

 何なのもう、枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか枯れたとか・・・。


 「・・・何か兄貴がやばい方向に進んでるけど?」


 「そのうち戻るわよ」


 「ソラ?大丈夫?」


 「・・・うん。大丈夫。たぶん。だといいな」


 軽く心をズタボロにされながらも何とか立ち直る。

 何で夏休み初日からボクはこんな目に遭わなきゃいけないんだろう?

 ホントに神様を恨む。

 そして、インターホンがなる。母さんが玄関に向かっていった。

 でも、こんな時間に誰だろう?

 って、もう昼か。3時間ほど誤解を解くのに時間を費やしたのを忘れて・・・。





 「アンジェリカはここかぁぁぁぁああああああ!!!!!」





 玄関から大声が聞こえる。

 すると、居間に黒いマントを羽織った金髪に眼が赤色な外人の頭のおかしいおっさんがいた。


 「・・・急いでたわりにちゃんと靴は玄関で脱いだんですね」


 「で、リカさん。お知り合いですか?」


 「パ、パパ!?」


 「「・・・ぱぱぁ!?」」


 「おぉ!?我が愛娘よ!!」


 リカのパパは腕を広げてリカを抱きしめようとする。


 「いやぁ!?」


 「げぶぅ!?」


 そしてものすごい勢いで壁に激突。


 「・・・ホントにリカのパパ?」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残念だけど」


 なんと、リカの父親がこの家にやってきた。






 ボクは無理矢理海美と母さんを追い出すとリカ親子に居間の椅子を勧めてとりあえず話してみる。


 「ゴメン。アタシのパパ」


 「どうも。アンジェリカのパパです」


 「・・・とりあえず、名前は?」


 「アンジェリカのパパです」


 「・・・・・・お名前「アンジェリカ・ダディでも」もういいです!」


 「パパ!!いい加減にして!!」


 リカの右拳がアンジェリカ・パパの後頭部に直撃。

 アンジェリカ・パパは血の海に沈んだ。


 「アタシのパパでラディエ・シェルスです。見ての通り親バカで・・・」


 なるほど。

 ボクは同情の視線をリカに送る。


 「でも、何でラディエさんが?確か吸血鬼ヴァンパイアの掟で・・・」


 「お?卿は吸血鬼ヴァンパイアのことを知ってるのか?」


 いきなりラディエさんがむくりと起き上がり、ボクに鋭い視線を向ける。


 「はい。もちろん、リカが吸血鬼ヴァンパイアで貴方もそうだってことは」


 「・・・そうか・・・では、すまないが「だから話を聞いて!」こぱぁ!?」


 リカの鉄拳制裁二回目。


 「ソラは、アタシの(今は)友達(アタシの彼氏でゆくゆくは旦那様)なの!」


 「それは本当か!?娘はやらんぞぉぉぉぉおおおおおお!!!!!」


 「いきなり何の話ですか!?別にいりませんよ!?」


 いきなりラディエさんが激昂した。

 しかもどこぞの頑固親父のごとく。


 「いらんだと!?この超絶美少女の我が娘がいらんだとぉぉぉぉおおおおおお!!??」


 「あんた何が言いたいんですか!?」


 ダメだ。

 この人、親バカすぎる!?


 「ソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われたソラにいらないって言われた」


 「何でリカまで!?」


 「やっぱり・・・ソラ、一緒にあの世で・・・」


 リカ、ブラックモード降臨。

 この状態のリカはあの優子さんより恐ろしいかもしれない。


 「何言ってるのこの子!?別にボクはリカが嫌いで言ったわけじゃ・・・」


 「じゃぁ、(恋人として)好きなの!?」


 「うん。まぁ、(友達として)そうかな?」


 「えへへ~」


 いきなりリカがとけたような笑みを浮かべる。

 ・・・ものすごくうれしそうだ。


 「駆け落ちなど認めんぞぉぉぉぉおおおおおお!!??」


 「パパは黙ってて!パパなんか大キ「本題に入ろう」」


 「変わり身速っ!?」


 「アンジェリカにキライとか言われたらパパ立ち直れない!!」


 「黙れ親バカ」


 「うるさい・・・まぁ、そんなことはいい。で、だ。卿は何が目的だ?」


 「はい?何がですか?」


 「力か?」


 「はい?」


 「吸血鬼ヴァンパイアは夜の化け物の代名詞。災厄だぞ?」


 「いや、困ってたからですけど?」


 「・・・卿は我を馬鹿にしてるのか!?」


 ラディエさんからものすごい量の魔力が発生する。

 感情によって魔力のコントロールが一時的に狂ってる。


 「いや!?落ち着いてください!ボクは間龍造って言う魔王の知り合いです!」


 「誰だ!?それは!それが我に何の関係がある!!」


 「魔王って所に突っ込んで!?」


 「パパ!ソラが言ったのは本当なの!!」


 「マジで!?」


 リカの鶴の一声によってラディエさんから魔力の乱れが無くなる。

 てか、ホントにリカ強い。


 「いや人間は皆、欲の塊だ!力が目的で無いならお前はアンジェリカにあんなことやこんなことをッ!?」


 「何でそうなるの!?」


 「むしろして欲しいのに!!」


 「貴様ッ!リカを誑かしよって!!」


 「いえ、むしろお宅の娘さんの暴走を止めて欲しいぐらいです。ボクがそのおかげでどれほど生命の危機にさらされていることか・・・」


 ボクはここ最近起きた事件の全てを話した。

 どうにかラディエさんは話を聞いてくれ、理解してもらったようだった。


 「そうか。いや、愛娘が世話になった」


 「いえ。で、どうしてここに?」


 「アンジェリカを連れ戻すためだが?」


 「いや、確か吸血鬼ヴァンパイアは掟が・・・」


 「あ、あれ?そんな人間にあっただけで追放とかそんなの無いから」


 ラディエさんは手をひらひらさせてバカじゃねーの?って顔でボクに言う。


 「・・・リカ?」


 「え?でも、パパが・・・」


 「あぁ・・・あれね。アンジェリカに変な虫がつかないように人間に会わないように教育した。だって、美少女だし?」


 「・・・≪焔鳥ホムラドリ≫」


 「あぢゃぁぁぁぁああああああ!!??」


 既に末期症状に突入してる親バカだった。

 たかが嘘でリカの人生をいろいろと狂わせたらしい。


 「リカ。どうする?」


 「・・・まず、三枚におろす」


 リカは鎌を持ってラディエさんに迫る。

 ボクも銃をラディエさんの額に向ける。

 何故だろう?ものすごく躊躇い無く引き金を引ける気がする。


 「むっ?アンジェリカ、その鎌は≪血濡れの大鎌デスサイス≫ではないな?」


 「え?うん。ソラに作ってもらった」


 何故かリカは頬を赤らめながら言う。

 ・・・何で?


 「・・・おい、貴様」


 「はい?ボクですか?」


 「我と戦え!!貴様に娘はやらん!!」


 「・・・何でそうなるの!?」


 ボクの叫びが夏の空に響いた。



作 「新章突入!!」

ラディエ 「我は可愛い愛娘、アンジェリカのパパだ!!」

作 「と、言うわけで最初から全力でギャグをお送りします」

ラ 「ねぇねぇ。うちの娘かわいいと思わんか!?」

作 「はいはい」

ラ 「何だ貴様?娘が気に入らんのか!?」

作 「うぜー!?何この人!?」

ラ 「貴様に天誅を!」

作 「人の話し聞けよ!?」

? 「いい加減になさったほうがよくて」

ラ 「ごぱぁ!?」

作 「何であなたが!?」

? 「いえ、この人が迷惑をかけてると聞いたので。次回の予告をしてはどうでしょう?」

作 「あ、はい。・・・次回!リカパパVSソラ!いったいどっちが勝つ!?」

? 「・・・それだけですの?」

作 「・・・そして、勝負を決するとき、現れる!!」

? 「はい!」

作 「・・・次回もよろ」

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