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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
4章 ≪魔法学園奮闘記!≫
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18話・CHECK CURRENT

―――side空志

 ・・・・・・・・・・何だかボクの体がやらかいものに包まれてる。

 目を開けても真っ暗で何もわからない。

 とりえあえずボクは地面に手を着いて起き上がろうとする。


 「っうん・・・」


 「・・・」


 そういえばボクはここに落ちる前にスズは魔法で何とか防御してるのが見えたからレオをスズの方に向かわせて・・・というか、全力でぶん投げて、ボクはパニックに陥ってる四条さんを瓦礫から守るようにして抱きかかえた気がする。

 だから!!コレはそんなんじゃない!!

 事故なんだ!!

 そこで四条さんが目を覚ます。


 「・・・ご、ご機嫌麗しゅう・・・」


 四条さんはきょとんとすると自分の体を見る。

 すると、彼女の胸にはボクの手が!?


 「・・・き」


 「違う!?コレは事故だよ!?」


 「きゃぁぁぁぁああああああ!!??」


 「ソラ!?」


 何でここに!?

 何故かここにリカがいた。

 いや、急に現れたからたぶん霧になってここまで来たんだろう。

 そして、リカは今のボク等の状況を見る。

 ・・・ボク、死んだ?


 「・・・ふ・・・ふふっ・・・」


 「あ、あの、リカサン?コレは違うよ?君の誤解が・・・」


 「あはははははははははははははははははははははは!!!・・・・・・・・・・シネ!!」


 「ぎゃぁぁぁぁああああああ!!??」


 少し離れたところにいたスズとレオがボク等を見つけるまでボクはリカの鉄拳制裁を受けていた。



―――side隆介

 「ソラ!?」


 オレはリカの切羽詰った声に魔獣を切り伏せるとそっちを向いた。

 リカは地面が崩れて更にはまた埋まってしまったようなところを見ている。


 「おい!ソラがどうした?」


 「・・・リュウ?」


 リカは視点が合ってない目でオレを見る。

 何となくだが理解できた。


 「ソラに何があった!?つか、どこだ!?」


 「!?・・・ソラ!」


 そういうとリカは立ち上がって目を閉じる。

 ヤバい!?こいつ何かに変身しようとしてる!?


 「魔法剣≪影縫い≫!!」


 オレはすぐさま魔法でリカの影に剣を突き立てて拘束する。


 「・・・邪魔しないで」


 普段の姿からは想像ができないぐらい冷たい声でオレに言う。

 周りにいるこっちの学生もかなりビビってる


 「おちつけ!おい!!ソラはどうなった!?」


 「さ、さっきそこの地面が崩れて・・・それに・・・」


 マジかよ!?

 なら、こいつは地面に生き埋めか!?


 「・・・いや、大丈夫かもしれない」


 そういったのは引率の先生か?

 さっきソラがレイ先生とか言ってたな。


 「ここの地下は遺跡がある。ひょっとするとその中にいるかもしれない」


 「本当!?入り口はどこ!?」


 リカがこっちを向いてレイ先生につかみかからんばかりの勢いで聞く。


 「あぁ。学園の中にある。だから、サリナ理事長に許可を貰って他の先生たちに協力してもらって・・・」


 「そんなの待てない!!今回は戦闘ができる先生がいないからアタシ達に頼まれたんだよ!?なら、アタシだけで行く!!」


 そういうとリカは力づくでオレの魔法の拘束を解いた。


 「うぉい!?コレは他の魔法と違って鎖とかで縛らないから解くとかは術者以外にはできないんだぞ!?」


 「少し落ち着いてください!!」


 シュウはそこで話を聞いてたのかリカの首に手刀を叩き込もうとする。

 しかも今のシュウは既に薬の使用ドーピング中だ。

 リカでも対応が難しくなるレベルの攻撃を放つ。


 「遅いッ!!」


 「な!?がッ!?」


 リカはシュウに向かってシュウ以上のスピードで回し蹴りを放った。


 「何でソラが関わるとそんなに強くなるのよ!?コード≪氷地獄コキュートス≫!!」


 冬香もガチで魔法を使う。

 一気に周囲の温度が下がり、周りが凍りつく。

 ハチャメチャな魔法の応酬に周りのオレ達をよく知らないヤツ等は驚愕の表情を浮かべる。


 「って、おい!?アンジェリカさんは仲間じゃないのか!?」


 「そ、そうよ!!さすがにそんなコトしたら死ぬよ!?」


 「仲間だからこそだよ!!一人で行かせれるか!?それに、今のあいつはジジイでも止めるのは無理だ!!」


 「はぁ!?何をワケのわからないことを・・・」


 「邪魔を・・・するなッ!!」


 リカから魔力があふれる。

 オレはソラみたいに魔力を見れるわけじゃないがあまりの密度にオレでも可視できる。


 「・・・あれは・・・アンジェリカ殿ですか?」


 「正真正銘、アンジェリカ・シェルス、よ!!少しコレで頭を冷やしなさい!!」


 ビキビキと音を立ててリカのいる方向が凍っていく。

 だが、たどり着くのが遅かった。


 「吸血呪ヴァンパイア・スペル変化チェンジミスト≫」


 そういうとリカの体がブワッと黒い霧になる。

 そのまま黒い霧は地面が崩れあたりの割れ目から地面にもぐっていった。


 「畜生が・・・」


 オレ達はコレをさせないためにあいつを気絶させてでも止めようとしたんだぞ?


 「お、おい。さっきのはどういうことだ?」


 「・・・ジジイ。隠すのは無理だ」


 「ぜぇー・・・はぁー・・・そうじゃな」


 「・・・」


 ジジイは今までライネルのヤツと一緒に『豪炎の魔王』をボコしてたらしい。

 息が切れるまでボコしてたからか既に豪炎のヤツはボロ雑巾になって痙攣してる。


 「あれはどういうことだい!?」


 「・・・私達は一部を除いて人間ではありません」


 「そう。わたし達の中で人間はソラに鈴音、それとわたし。残りは魔物よ」


 「そして、オレ達は巷で噂の『闇夜の奇術師団』だ」


 全員の目が驚愕に見開いた。



―――side空志

 「・・・・・・ごめんなさい」


 「もう慣れたよ・・・」


 「助けてくれたのに・・・ごめんなさい」


 「さすがソラ君だね~」


 「みゃ~」


 ボクは暗くてよくわからなかったから≪焔鳥ホムラドリ≫を使って周囲の索敵と照明に使っている。どうもここは見た感じ遺跡っぽい。


 「で、何でリカがここに?というかどうやって?」


 ボクはいやな予感がしつつ聞く。

 そういうとリカは言いづらそうに応える。


 「・・・魔法を使った」


 ・・・やっぱりか。

 ボクは上を見る。

 そこからは光が見えない。あるのはただの土の天井。

 やってくるなら霧にでもならないと無理だ。

 ボクは指をほぐすとリカに思いっきりデコピンした。

 ぱちんといい音が響く。


 「痛ッー!?」


 「約束したのに破った罰」


 「でもでも、ソラが~」


 「冷静にここにリカ一人で来るより捜索隊組んで来てくれたらそっちのほうがうれしい。それにリカはもっとボク以外の人にも慣れた方がいい」


 「・・・」


 リカは涙目になってる。

 ボクはそんなリカの頭をなでる。


 「まぁ、助けに来てくれてうれしかったよ」


 「そ、そら~」


 「ちょ!?鼻水!?それに顔近い!?」


 「なるほど、こうやってソラ君はリカちゃんを骨抜きにしてくんだね~」


 スズがよくワケのわからないことを言ってるけど、今はそれどころじゃない!

 ボクはティッシュを取り出すとリカに渡す。

 リカにそれで鼻をかませるとボクは自分の胸元も拭く。


 「あ、あの・・・」


 ・・・忘れてた。

 ここには四条さんがいたよ。


 「・・・何でございましょう?お嬢様?」


 「え?・・・お嬢様、じゃ、ない・・・。アンジェリカさん・・・≪身体強化フィジカルブースト≫以外使えないって言ってた」


 [どうする!?バレそうだよ!?]


 [え?今日のお弁当はサンドイッチだよ~?]


 何でスズのときはいつもアイコンタクトが食べ物方面に!?

 ボクは次の展開を予想しつつリカにアイコンタクト。


 [・・・・・・/////]


 「うん。わかった/////」


 「何が!?」


 絶対にわかってない。

 何か子供は二人がいいかなって変なところにトリップしてるし!?


 「あ、あの・・・」


 「・・・気のせいじゃない?」


 「・・・キ、キス以上の関係で、ですか?」


 「そっち!?」


 それは根も葉もないうわさだよ!?


 「や、やっぱりウソでした」


 あ。

 コレじゃボクは別のことを隠そうとしてたんだよ!!ってなる。

 カマをかけられた・・・。


 「・・・いい。言う」


 「リカちゃん?」


 「・・・いいの?」


 「少なくともソラは味方でしょ?」


 「まぁ、そだけどさ・・・。でも、ボクとしてはもちょっと人間嫌いが治って欲しいかなって・・・」


 「あ、あの、ほ、本当にさっきから何のは、話を?」


 「いや、いろいろと事情とか「アタシは吸血鬼ヴァンパイアなの」うわ~。すっげ~思い切りがいいですね!?」


 思い切りがいいけどすぐにボクの後ろに隠れたら意味が無いと思うよ?

 ボク等は四条さんの顔色をうかがう。

 すると、そこには驚いた顔の四条さん。

 でも、ピクリとも動かないところを見るとフリーズしてるようだった。


 「お~い。大丈夫?」


 「奏ちゃん大丈夫~?」


 「・・・」


 リカはボクの後ろで縮こまってる。

 ボクは手を四条さんの前で左右に振るけど気づかない。


 「・・・どうする?」


 「何とかなるよ~」


 「・・・っは!?」


 「お?元に戻った?」


 「へ?さ、さっきの、ほ、ほんとですか?」


 「「うん」」


 「・・・」


 「え、で、でも、吸血鬼ヴァンパイアは日光が・・・」


 「始祖の血統らしいよ?」


 「・・・じゃ、じゃぁ、何で人の血を」


 「ボクが何故かリカに血をあげてます。で、カザハがよく言ってたのはリカが吸血してるときの」


 「・・・で、でも、あの魔法は三谷さんと・・・」


 「ゴメン。あれさ、嘘なんだよね。ボクの真言にはあれ以上のことはできない。それにいらない混乱を生むでしょ?リカは確かに吸血鬼ヴァンパイアだけど・・・つらい過去があったんだよ」


 「で、でも、何で三谷さん以外にも知ってるんですか!?た、例えば・・・間学園の理事長さんとか!」


 「みんな知ってるよ~」


 「まぁ、最初から話したほうがいいね」


 ボクはこの四月から自分の周りに起きたことを全部話した。

 四条さんは信じられないといった顔だけどね・・・。


 「まぁ、しょうがないよね・・・」


 「・・・で、でも、それなら説明の行くところが、い、いくつかあります」


 「確かに。いくら魔法が高校課程で実践的に行われるって言ってもボクとスズは知らなさ過ぎるしね。特にこの世界の常識とかもある程度は知ってるつもりだけどまだまだ知らないことだらけだしね」


 「え?そうなの~」


 自覚の無い通り名が『魔法壊しアンチ・ウィザード』は放っておこう。


 「で、でも、それなら三谷さんはオッドアイのはず?で、ですよね?」


 既にさっきボク以外のメンバーのスタイルを見てたからね。

 リュウが魔法剣使って冬香が数法術、シュウが薬と併用して格闘術。

 そして、スズは既に学校のほうで見てるし、リカは自分から吸血鬼ヴァンパイアって言った。

 なら、後に残されたのはボクだけだ。

 未知の魔法を使うオッドアイの『奇術師マジシャン』。

 ボクは今まではめていたカラーコンタクトレンズを外す。


 「・・・?」


 でも、そこから出てきたのはカラーコンタクトレンズと同じ日本人の茶色の目。


 「≪月詠ツクヨミ≫」


 「!?」


 ボクがそう言った瞬間に目がオッドアイになったのがわかったのだろう。


 「コレがボクがマナ、あるいは魔力を見るときに使う特殊魔法。龍造さんはコレがばれないようにカラコンをつけるように言ってたんだよ・・・・・・って、ぐぼぉぁああああ!?」


 「ソラ!?」


 「ソラ君!?」


 ボクはまたまた目に激痛を感じた。

 周りを見てみると近くに腕っぽいのがある・・・さっきの魔獣の一体のものかな?

 てか、グロい。


 「ま、マジでい、いた・・・い・・・ま、マナの・・・そう、さ・・・」


 ボクはこの呪力を何とかできないかとマナの操作をしてみる。

 でも、うんともすんとも言わない。


 「ね、ねぇ・・・じゅ、呪力ってどうやったらできるんだっけ?」


 「え?呪力ですか!?」


 何故かものすごく驚く四条さん。

 ・・・そういえば≪月詠ツクヨミ≫してると四条さんの周りに何か浮いてるのが見える?

 まぁ、今はそんな事はいい!!速く教えて!?


 「ま、魔力が魔法の使用によって乱れると発生するモノです。だ、だから、呪力は一般的には、み、乱れた魔力の流れを正せばいいとされていて・・・」


 なら、この呪力を消すには、今、この腕にまとわりついてる呪力をひきはがす、そして、本来あるべき姿にしてマナに還元?

 いや、わかんない。


 「・・・・・・・・・・なせば成る!!」


 「結局は気合なんだね~」


 ボクは秘儀。魔力の手掴みを発動。

 地味に手がしびれるような感じがするけど気にしないでおこう。


 「・・・え?・・・み、三谷さん!?そ、そんなことしちゃダメです!?」


 「へ?何が?」


 「あ!?・・・その・・・」


 四条さんは何か言いたそうだけどボクは自分の目が本格的にヤバそうだからそのまま続行。

 魔獣の腕の呪力をひきはがすと呪力はボクの手の中にボールのようになって収束した。


 「ソラ?それ何?」


 「あ、見えるの?これが呪力らしいよ」


 「呪力~?」


 「呪力!?」


 わからないスズのために説明。

 こんな現象が起きたことがわからない四条さんにボクは説明した。


 「よくわからないけど魔力を加工するとなるんじゃない?」


 「そ、そうなんですか?」


 「・・・でも、これどうしよう」


 こんな風になったら周りに何も被害を及ぼさなくなった。

 ただの黒いボールというか・・・。


 「名付けるなら『呪玉じゅぎょく』?」


 まぁ、後で龍造さんに相談してみよう。

 さて、今度はこっちかな?


 「で、四条さん。さっきから気になってたんだけど、その周りの丸っこいの何?」


 「!?・・・み、見えるんですか?」


 「うん、たぶん。なんか周りに幾つか浮いてるね」


 「・・・・・・精霊術」


 そう言ったのはリカ。


 「精霊術?」


 「・・・精霊にお願いして自分の代わりに魔法を行使してもらう方法。ソラのマナ操作の魔法に近い」


 「へ~。じゃ、普通に強いんじゃない?何で戦争に出なかったの?」


 ボクが聞くけど四条さんは何故か唇をわなわなとさせ、おびえている。


 「か、奏ちゃん?」


 「・・・精霊術はその人に魔力がなくても精霊を知覚できて、精霊と心を通わせればできる。それに魔法の構築も精霊に任せるの。だから、魔法使いからは精霊術使いは卑怯者呼ばわりされて差別されてる」


 「なッ!?」


 「!?」


 知らなかった。

 たかが魔法の展開系統が違うだけで・・・そんなことが。

 ・・・つまり、そう言うことか?


 「・・・精霊術は遺伝?」


 「ううん。突発的なもの。中には家族からも見放される子供もいる」


 「そんな・・・そんなのひどいよ・・・」


 「何がわかるんです・・・」


 そう言ったのは四条さんだった。

 いつものおどおどとした雰囲気からは想像ができないほど冷酷に・・・そして、暗い。


 「ただ、精霊が見えるだけで!!卑怯者呼ばわりされて!!わたしには魔力がほんの少ししかなくてッ!!それでもがんばった!!でも、周りはわたしが精霊術が使えるってわかると途端に卑怯者呼ばわりした!!」


 すごく、辛そうな表情で四条さんが言う。

 ・・・ボクはダメなヤツだ。

 知らなかったとはいえ四条さんが知られたくなかったことをこの目で暴いてしまった。


 「わたしはッ・・・!ただ・・・精霊さんとお話ができるだけなのに・・・」


 「「・・・」」


 リカとスズの二人はまるで自分達がやったことを悔いるような表情だ。

 ボクもそうだと思う。

 でも、ボクは他の人と違って気付いたことがある。・・・・・・この目で。


 「・・・四条さん。君も呪力を感知できるんだよね?」


 「!?・・・な、何で?」


 「ボクは『奇術師マジシャン』だよ?これはちょっとした手品。ボクが魔獣にやられそうになったとき、四条さんはとっさに精霊術で助けてくれたよね?」


 「え?あれがそうなの~?」


 「たぶんだけど。普通の魔法とは違う特徴があったんだ」


 「・・・特徴?」


 「うん。たぶん、呪力を消せる・・・・・・


 「「本当!?」」


 「たぶん。ボクが見たときに四条さんの魔法のときだけ一撃で沈めた。そして、呪力が消されたのをこの目で見てる。そして、ここに来なきゃいけない理由って精霊に頼まれたんじゃないの?呪力を消すのを手伝ってほしいって」


 「・・・そうです。精霊さん達は自分だけでは魔法を使えないの・・・そこで、精霊術を使える人が媒介になって精霊さんと一緒に使う」


 「で、遠くの魔獣がわかったのも精霊に教えてもらったんだよね?」


 「・・・はい」


 なら、話は簡単だ。


 「ありがとう」


 「・・・え?何で・・・」


 「いや、普通に考えてよ。四条さんがいなかったらボク等は魔獣にやられてたかもしれないんだよ?」


 「あ~・・・ソラ君全然だったもんね~」


 「ソラは普段はがんばってるからいいの!!」


 「でも、リカは本気でできなかったし・・・あれ以上は万全な態勢じゃなかったら確実に誰かが死んでた」


 主にボクとかボクとかボクとか・・・。

 何故かあの瞬間で狙われてたのはボクだけってミラクルが起きてるし。


 「それに最後はボクはホントに死にそうだった」


 「で、でも・・・精霊術は魔法使いの敵・・・」


 「なら、アタシは世界の敵」


 「!?」


 「アタシはソラ達に会って、本当によかったと思ってる。こんな・・・災厄でしかないアタシをソラは、みんなは、魔窟ネストの魔物達は受け入れてくれた。アタシは自分が吸血鬼ヴァンパイアなのが嫌。でも・・・・・・ソラ達に会えたことだけは、この血に感謝してる」


 「それって本人を目の前にして言うことじゃないよね?」


 「でも・・・」


 「でもさ、ボクが見た限りじゃそれほど癖が強い魔法もないと思うんだけどね。精霊術は自分の代わりに行使してくれる精霊の技量とか仲の良さでいろいろと変わってくる。しかも、精霊の気分によるところがかなり大きい。これってさ、精霊の気分が乗らなかったら魔法すら使えないってことだよね?」


 「何ていうか大変そうだね~」


 「いや、実際にものすごく大変だともうよ?この魔法構成なら普通に詠唱使った方が安定してる。精霊術は詠唱よりもがんばらないとダメだよ」


 少なくとも解析結果では。

 てか、この目ってホントにいろいろわかるな~。


 「そんな風に努力とかしてもバカにするとか何?その人だれ?今からシバき上げに行こう!」


 「「お~!!」」


 「え?ちょっと!?」


 「ま、そんなわけでボク等はこのことを絶対に誰にも話さない。むしろ応援するよがんばれ」


 「え・・・」


 ボクが言った途端に四条さんの目から涙があふれてきた。


 「って!?何で!?何で!?ボクなんかダメだった!?」


 「ち、ちが・・・そ、そんな風に言われたことなくて・・・」


 「・・・辛かったよね・・・」


 以外にも、リカが四条さんの頭を撫でた。

 あのリカが!!

 人間恐怖症のリカが!!

 ボク以外が触ると過剰に反応するリカが!!


 「しゃ、写メ!!」


 「か、カメラどこ!?」


 「何で!?」


 「これは永久保存だよ!!リカが自分からとか!!」


 スズもボクの隣でうんうん言ってる。


 「あ、ありがとうございます」


 「いや、むしろこっちがありがとう」


 「・・・三谷さん、いえ、空志さん!!」


 「・・・どうしたの?」


 「師匠と呼ばせてください!」


 「何故に!?」


 「ダメ!ソラはアタシの!!」


 「だぁー!?だから抱きつくな!!」


 「そんな風に言われたことがなくて・・・とてもうれしくて・・・それに魔法の使い方で精霊を見れるから・・・」


 「あ~・・・確かにボクなら何とかできそう」


 「じゃ、これからお願いします、師匠!!」


 「だからやめて!?」


 何故かボクに弟子ができました。

 認めないけどね!?



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