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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
4章 ≪魔法学園奮闘記!≫
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5話・REVOLT OF INFERIORITY

―――side空志

 「はぁ~こっちの方がまったりしてていいね~。」


 「ホントだね~。」


 「・・・・・まったりしすぎてどっちがソラでどっちが鈴音のセリフかわかんない。」


 ボクは一番上のセリフです。

 まぁ、なんやかんやで結局は最下層ランクに落ちちゃったボク等です。

 そして、今は中庭の静かなところで食事中。


 「・・・・・ホントにコレがランクS全員を返り討ちにした伝説の人間か?」


 「あ、おはよ~今日もいい天気だね~。」


 「・・・・・今何時だと思ってる?昼だぞ?」


 ボクに突っ込みをくれるのはDの代表。カザハ。

 親切にボク等が困ったことがあるといろいろと手を貸してくれる。


 「・・・・・ホントに俺はこんなヤツに負けたのか?」


 そこにいるのは・・・・・ダレダッケ?


 「おい!?お前、自分の対戦相手の名前ぐらい覚えておけよ!?」


 「あ~!ロイ・・・・・。」


 「そうだ。俺はロイ「ガンリュウジマ?」そうそう、ガンリュウって、違うわ!ガリュークだ!!」


 「まぁまぁ、そんなにカッカしなさんな。ほれ、牛乳。」


 「カルシウムは足りてる!!・・・・・って、よく見たら賞味期限切れてるじゃねぇか!?」


 「・・・・・何で貴方が?」


 そういったのはカザハ。


 「ん?おい、三谷。なんか問題あったか?」


 「・・・・・特に無いと思うよ?」


 「ならいい。」


 そういうとボク等と一緒にゴハンを食べる。


 「今日もおいしいね。」


 「ありがと~。リカちゃんも手伝ってくれたんだよ~。」


 「お?そうなの?おいしいよ~。」


 「・・・・・もうっ。ケッコンして欲しいだなんて/////」


 ・・・・・ボクの記憶が正しければそんなことは一言も言ってないんだけど?


 「じゃ、なくて!!何でSの貴方がいるんですかっ!!!って話ですよ!!!」


 「あ~・・・・・カザハ。だったか?」


 「そうですが?」


 「別に同級生なんだし敬語じゃなくていいだろ?」


 「・・・・・は?」


 「いや、俺もSだ何だ言われて天狗になってたことに気づいたんだよ。こいつのおかげでな。」


 そういうとボクをさす。


 「でも、ボクがやったのってロイをボコボコにしたことだよね?」


 「そだね~。」


 「それもソラが一方的に。」


 「まぁ、それはしょうがない。とにかくだ。今までのこと、すまない。」


 そういうとロイはカザハに頭を下げる。

 カザハはよくわかってないのかフリーズしてる。


 「まぁ、いまだに下のランクを見下す傾向にあるためこんなところでしか話せないがな。」


 「・・・・・まぁ、確かにここは人があまり来ませんからね。」


 ここを教えてくれたのはカザハだ。

 人があまり来ないからすごく静かでいい。


 「許してもらえないかもしれないがな。コレだけは言っておきたかったんだ。」


 「いえ、俺に才能が無いのは事実です。それに、貴方はむしろ優しいほうでしたよ?」


 「だから、敬語はいい。俺のこともロイと呼べばいい。俺もカザハと呼ぶ。」


 「わかり・・・・・いや、わかった。よろしく。ロイ。」


 「こっちこそ、だ。カザハ。」


 そういうと二人は握手した。


 「ちなみにロイは自分からボクに負けたって理由でAにいったヤツだしね。」


 「何でお前が!?」


 「この前学園長を脅・・・・・話し合っていくつかの情報を聞き出した。」


 「・・・・・ソラ?今、脅してっていいそうじゃなかった?」


 「何のことかな~。」


 ボクは明後日の方向を向きながらボクの膝で昼寝をしてるレオをなでる。


 「・・・・・いや、少し考えてることがあるんだよ。そのために学園長のトコに行っていろいろ聞いてきた。」


 「考えてること?」


 「うん。それでさ、カザハ。」


 「ん?何だ?」






 「上のランクのヤツに目にモノ見せてやりたいと思わない?」






 そういうとカザハ以外が悪魔のような笑みを浮かべる。


 「・・・・・はい?」


 当の本人は困惑するだけ。

 まぁ、ノーって言われてもやるけどね!!






 「と、いうわけでランク戦争をしようZE!!」


 「それは美未のキャラだからとっちゃダメだよ。」


 ここはランクDの教室。

 生徒数は50人ほど。学年内で一番多い人数だ。

 その50人の生徒が首をかしげている。


 「え~っと。三谷君?それ何?」


 そう聞くのは女子生徒Aさん。

 まぁ、そうだろうね。

 疑問に思うだろうね。

 まぁ、それより重要なことがある。


 「だから、ボクのことはソラで・・・・・リカサン?何故に鎌を?」


 「・・・・・気にしない。」


 気になっちゃうよ!?

 まぁ、雰囲気がヤバいのであえて気にしない方向で。


 「簡単に言うと、クラス単位での決闘だよ。でも、ランクの入れ替えはないけど。ちょっとした特典があるよ。」


 「・・・・・そんなのあったの?」


 「俺もそんなの初めて聞いた。」


 「だろうね。明日発表される予定のヤツだからね。」


 「「「・・・・・は?」」」


 「いや、学園長と少しお話して、そういう制度を作ら、もとい、提案したんだ。そしたら以外にも通った。」


 「・・・・・ソラ、俺の耳が以上じゃなけりゃ、お前が学園長を脅したように聞こえるんだが?」


 「いやいや、ただ、実力主義とか言っといてボクの技量をガン無視した人って笑えますよねって話したらうれし泣きしながらで判子押してくれた。」


 周りからこいつひでぇとか聞こえるけどそんなものは無視だ!!


 「まぁ、実は絶対に言うなって言われてるけどね?」


 「おい!?いいのか?」


 「大丈夫大丈夫。ボクはうっかりしゃべっちゃっただけだから。」


 「「「・・・・・。」」」


 みんながボクに呆れた顔で見てくる。


 「まぁ、とにかくだ。下克上作戦だよ!!」






 「で、実際にはランク戦争って何をするんだ?」


 「ルールは簡単。まずはどっかのランクに宣戦布告。バトル。以上。」


 「「「わかるかっ!」」」


 なかなかにこのクラスってノリいいんだよね。

 まぁ、今はおいておこう。

 ルールはこんな感じ。

 基本的にはクラス全員参加。イヤなら別にいい。強制はしない。

 各クラスでこの戦争の代表を決める。要するに指揮官の立場の人だ。その人を倒したほうが勝ち。

 スポーツマンシップにのっとる。

 準備期間を設け、その間は授業免除。その代わり、戦争の準備をすること。


 「まぁ、大まかなのはこんなもんかな?」


 そういうとクラスがざわざわする。


 「じゃ、がんばろう。Cだしがんばれば何とかなるかな?」


 「でも。あたし達一番下だしな~。」


 「あ、言うの忘れてたけどボク等はSに攻める予定だから。」


 「「「・・・・・え?」」」


 ん?言い方が悪かったかな?


 「Sに物申しに行こう!!」


 「「「無理じゃボケぇ!!」」」


 そこかしこからコレだからエリートはとかできるヤツと違って俺には!!とか聞こえてくる。


 「まぁ、そういうと思って今回は特別ゲストを呼んでます。」


 「え?ソラ君?そんなの初耳だよ~?」


 「うん。内緒にしてたからね。というわけでどうぞ~。」


 そういうと教室の扉がガラッと開く。

 そこには、ハンサムな顔なのにしかめっ面でハンサム度をいくらか下げてる男の人。


 「紹介するよ。この人が城崎智也さん。『消滅の賢者クリア・セイジ』の異名を持つ炎の帝国バグニールの元軍人さん。」


 「・・・・・城崎だ。」


 「「「・・・・・ありえねぇ!?」」」



―――sideサリナ

 「・・・・・。」


 「死んでないで仕事してください。」


 「イヤよ。今日はあの三谷君に脅されて作った制度を明日までに発表するために職員に納得できるような説明を書いてたんだから!!」


 「・・・・・ランク戦争ですか・・・・・何をする気なんでしょうか?」


 「下克上に決まってるじゃない。」


 「・・・・・生徒会のほうはなんと?」


 「それがね、結構乗り気なのよ。」


 確かに、一人の戦いよりチームのほうが多くの戦略を練れる。そして、見栄えもそれなりにする。

 それに、言ってしまえば、コレはそれなりにこの学園の目玉にもなりうる。

 他にはない実戦的な魔法の訓練システムとして。


 「ですが、大丈夫なんですか?魔法が下手に当たれば大怪我どころか死人が出ますよ?」


 「・・・・・それがね、三谷君は既に考えてたのよ。」


 そういうと私は三谷君に渡されたローブをカルに見せる。


 「・・・・・何ですか、これは?」


 「ここにアンタの魔法を全力でぶつけなさい。」


 「は?そんなことをすれば机が大変なことになりますよ?・・・・・むしろそれが狙いですか?」


 「違うわよ!!あ~!!自分でやる!

 ―――穢れなき光。」


 「な!?」


 私が使っているのは上級の中位魔法。

 カルが驚くのは無理もないわ。


 「―――聖なる光をもって彼の者を裁け。

     ≪浄火の光セイクリッドフレア・ライト≫」


 突然、目のくらむような光が発生する。その光は対象を光の炎で焼き焦がす。

 本来なら。だが、そこには端が少しこげた程度のローブがある程度だ。


 「・・・・・何ですか?コレ?」


 「特殊な加工、というより魔法が施された服だそうよ。コレの着用を義務付ければ問題ないだろうって。ちゃんと注文してるから大丈夫とか言ってたわ。」


 「・・・・・彼は一体何者ですか?」


 「魔王、龍造君の生徒。」


 「・・・・・魔窟ネスト魔法技術テクノロジーですか。」


 「ええ。でも、コレができたのはつい最近らしいわ。それに相手はむしろ張り切ってるって言ってたしいいんじゃない?」


 まぁ、龍造君は自分の都市の技術をあーだこーだ言わないから。

 それにこのことは龍造君にも通してあるっぽかったしね。


 「極めつけは『消滅の賢者クリア・セイジ』をつれてきたことね。競技場の使用許可を取りに来るついでに。」


 「・・・・・ついで、ですか?」


 「ついでよ。」


 あの超絶魔導師をついで扱いとありえないわ。

 ホントに。


 「・・・・・嵐が始まるですか・・・・・。」


 「そうね。」


 私達はなんとはなしに競技場のほうを見た。



―――side空志

 「まぁ、信じてもらえないかもしれないけどボクは一度だけ智也さんに勝ってます。」


 「「「ふ~ん。」」」


 あれ?

 なんかみんなのリアクション薄くない?


 「いや、お前ならそれもアリかな~って。」


 「・・・・・カザハ、それはボクが人間やめてるように聞こえるんだけど?」


 「「「むしろやめてなかったの?」」」


 「・・・・・。」


 「ソラ君、元気だしなよ~。いつものコトだって~。」


 「ソラが人間やめてもアタシは見捨てないから!」


 「うん。トドメをありがとう。」


 「・・・・・で、俺は何をすればいい?」


 「ボクは智也さんに勝ちましたよね?」


 「・・・・・あぁ、そうだな。完敗だ。」


 クラスのみんながマジかよとか言ってる。


 「じゃ、ボクは今から戦ったら智也さんに勝てますか?」


 「・・・・・無理だな。」


 「ボクもそう思います。」


 「「「・・・・・何で?」」」


 みんなは疑問の声を上げるけど、ボクはそれを無視して銃を構える。


 「・・・・・そういうことでいいんだな?」


 「そういうことで。≪風火車輪フウカシャリン≫!!」


 そういうとボクはいきなり智也さんとバトル!

 みんなは突然のことについていけてないのか呆然としてる。


 「・・・・・甘い。」


 そういうと智也さんは剣をボクに振る。

 ボクはそれを片方の銃の刃で受けると、もう片方で智也さんを打つ。


 「≪クリア≫」


 そういうとボクの弾丸は消滅させられる。

 ボクはすぐに距離をとると、智也さんの唯一の弱点である月の魔法をこめた弾丸を放つ。


 「・・・・・面倒だ。」


 そういうと智也さんはブーストした状態のボクと同等のスピードでボクとの間合いを詰める。


 「≪雷燕ライエン≫!!」


 ボクは目潰しに雷の鳥たちを放つ。

 でも、既に魔法を使っていたのか智也さんに当たる直前で雷の鳥たちは消えうせる。


 「―――滅せ滅せ滅せ!

     全てを消し去り神を殺せ!!」


 「え!?真言はないよ!?

 ―――其は魔に属す法則!!」


 ボクと智也さんは真言の準備に入る。

 てか、ボクは消滅の魔法を封じるのはコレしかない!


 「≪森羅万象の消滅オール・シング・ディサペアー≫!!」


 「≪月夜ツキヨ≫!!」


 ボクと智也さんの魔法が同時に発動。

 ボクは迫ってくる魔法を『視る』。

 真言だろうとなんだろうと、魔法にはコアがある。

 いくら消滅の魔法でもそれは同じ。


 「みつけた!!」


 ボクは核を刀でぶった切る。

 すると、真言は強制的に破壊され、霧散する。


 「だが、チェックメイトだ。」


 「ですよね~。」


 ボクは真言を止めるのに精一杯で智也さんに後ろを取られた。

 というより、コレが狙いだったんだろう。

 ボクの背中には智也さんの剣が突きつけられていた。


 「と、言うわけ。」


 ボクはみんなにそういう。

 智也さんは剣を引いてくれる。


 「だが、今回はたまたま負けただけじゃねぇの?」


 「いや、ボクが後、何百回やろうが無理。」


 「・・・・・こいつのそれは確かに強い。・・・・・だが、それだけだ。」


 「「「???」」」


 「智也さん。もっとわかりやすく。」


 「・・・・・こいつの力は強いがそれを扱うほうが完全に扱い切れてない。」


 「あ、あれで!?」


 クラスのヤツが驚く。

 まぁ、しょうがないわな。


 「う~ん・・・・・ボクの属性は、『天空』って言ったよね?」


 クラスのみんながうなずく。


 「実は、もう一つ『月』の属性って言うのがあるんだ。」


 「何だそれ?」


 「・・・・・マナの視認。操作を可能とする特殊属性だ。だが、コレは一部でしかなく、古代の文献をあさらないと出てこないどころかその文献にもほんの少ししか書かれていないという謎の多い属性だ。」


 「まぁ、自分でいろいろやってはいるんだけど、ボクは使いこなせていないんだ。」


 「つまりだ。こいつは真剣は持っているが武術を学んだことないド素人と同じだ。要するにただの雑魚だ。初見では倒すことは難しいかも知れんが冷静に対処すれば勝てる。俺のようにな。」


 「そういうこと。要するにだよ。ボクが言いたいことは決してボクは最強なわけじゃない。ただ、ほんの少しだけ強いだけ。だから、無理だなんて思わないで。」


 「そだよ~。わたしなんか相手が攻撃した魔法を跳ね返すことしかできないんだよ~。」


 「・・・・・十分チートだ。」


 「そうだよ~。アタシのほうが鎌をブンブン振り回すしかできないんだよ~。」


 「いや、その怪力が既に凶器どころか核兵器だから。」


 「まぁ、ソラは俺達に一度負けたからって次も勝てないわけじゃないといいたいんだな?」


 カザハが聞いてくる。


 「まぁ、そうかな?それに、このクラスは少し面白い特徴があるしね。絶対勝てるよ。」


 そういうと、クラスのみんなは自信がなさそうな顔をしながらもボクの話を真剣に聞いてくれてる。


 「・・・・・わかった。お前を信じる。おい!みんな!俺達は最底辺の人間の集まりだ!」


 「自分のことなのに酷い言いようだね。」


 「お前は少し黙ってろ。・・・・・だが、こいつは俺達でもやればできると言ってくれた!!こいつの言葉に俺達は答えるべきじゃないか!?」


 「「「・・・・・」」」


 「そして何より、俺はあのエリート気取りのやつらにムカついてる!!」


 「「「確かに!!」」」


 「え?そこでみんな言う?」


 「俺達もやればできるって所を見せ付けてやろうぜ!!」


 「「「おう!!」」」


 ボクの言葉は華麗にスルーされた。


 「じゃぁ!!派手に暴れるぞ!!」


 「「「おっしゃぁぁぁぁああああああ!!!!!」」」


 まぁ、ボク等の戦いが始まった。



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