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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
1章 ≪異世界との遭遇≫
6/170

6話・GRIMORE

―――side空志

 「それは、本当ですか?」


 魔王様とのファーストコンタクトに成功した翌日、ボクは間家の朝食の席でそのことを話した。

 まぁ、もちろんだけど、間家の方々はものすごく驚いていた。


 「・・・ジジイ、その本に魔法陣のこと書いてたのかよ」


 「確かに、それなら誰も盗もうなんて思わないでしょうね」


 リュウと優子さんは若干呆れたように言う。

 まぁ、確かにそう思うけど。


 「ねぇねぇ、魔王様ってどんな人だったの~?・・・それと、お代りをお願いしま~す!」


 坂崎さんが茶碗をビシッと突き出し、ご飯のお代りを所望。

 ・・・・・・既に、ご飯を三杯も食べているのにね。そんな小さな体のどこに入るのかと不思議に思う。

 いや、下手な魔法よりも不思議だよね?


 「みゃ」


 「・・・・・・レオ、お前も相当食べているからね?」


 この腹ペコ子猫は、坂崎さんと同じレベルのご飯を食べまくっている。

 本当に、この小さな体のどこにそんな量が入るのか不思議すぎる。


 「それで、魔力は感じ取れたのかい?」


 颯太さんがそう聞いてきた。


 「・・・・・・まぁ、一応」


 「なんだ?そんな、微妙な顔して」


 リュウが言った自分の言葉に『ただでさえ微妙なツラが余計に微妙になる』と続けて茶化す。・・・いや、実際にそうだから泣けてくる。


 「これ、本当にそんな危険な力なんですか?」


 「どういうことだい?」


 「・・・まさか空志君、勝手にやったりしてないわよね?」


 そこで優子さんの顔が厳しくなる。


 「してませんよ!?だって、魔王の封印を力技で真正面から破ろうとしているんですよ!?そんなの使えば危険ってことぐらい、ボクでもわかりますよ!?」


 あらぬ誤解を生みそうなので必死に言う。

 それで信じてくれたのか、優子さんはその怖い表情を引っ込めてくれた。

 ・・・アレがあるから、正直ものすごくビビった。よかった、命があって。神様、今日と言う日をありがとう!


 「じゃぁ、何でそんなことを言いだしたんだよ?」


 ボクが普段はボロクソに言う神様に感謝をささげていると、リュウがそんなことを言った。


 「・・・だってボクの魔力、ものすごく低くない?」


 「・・・はぁ?」


 何故かリュウは理解に苦しむと言った表情でボクの言葉にそんな反応を示した。


 「だって、この中で一番すっごい魔力量なのが坂崎さんで、リュウと颯太さん、そして優子さんでボクの順番じゃないの?しかも、四人に比べたらボクなんかちっぽけ過ぎるよ」


 「「「・・・」」」


 何故か押し黙る間家の方々。

 ・・・・・・なんか、変なこと言った?


 「お前、本当に魔法を使ってないんだよな?」


 「まぁ、説明書はちゃんと読む派だから。ボクは」


 リュウは意味わかんねぇよと言いながら自分の両親に目を向ける。


 「・・・空志君の属性のせいかな?」


 「でも、魔力にとても敏感になる属性なんてあるのかしら?」


 優子さんと颯太さんが何やら二人でぶつぶつと話し合っている。

 ボクはよくわからず、ただただそんな間家の皆さんの行動に首をかしげるだけだ。


 「もぐもぐ・・・。お代りお願いしますっ!」


 「みゃ」


 腹ペココンビはもはや何杯目になるかわからないご飯のお代りを所望していた。






 なんにしてもやってみないことにはわからない。そう言うことでボクは再び地下室に。

 そこで優子さん監修のもと、ボクは魔法を使ってみることに。

 ・・・・・・ボク、生きられるのかな?


 「では空志君、やり方はわかるわね?」


 「・・・はい」


 確か、まずは自分の認識した魔力を、自分の手に集める。

 ボクは胸の奥にある力に働きかける。手に集まれ~と念じていると、徐々にその魔力の一部がボクの右手い向かう。


 「・・・そうね、その調子よ」


 優子さんがそう言うから、たぶん実際にできているんだろう。

 ボクは何も言わず、そのまま自分の魔力に意識を集中する。すると、徐々に右手が暖かくなってきた。 そして次の瞬間、ボクの右手の周りに風が渦巻き始める。


 「・・・風、か?」


 「あら、わたしと同じね」


 優子さん、風だったんだと思っているとさらに変化が。風だけでなく、右手がパチパチと言い始めた。どういうことかと思って見ていると、今度は水のような液体まで風と一緒に渦巻き始めた。


 「な、なんですかこれ!?なんか、右手が大変なことに!?てか、これじゃぁ局地的すぎる嵐じゃないですか!?」


 実際に、心なしか右手から時折光がパチっと言う音をたてながら発生している。


 「・・・なるほどね、風の最上位属性の『天空』ね」


 「え?これって、一つの属性?『天空』?」


 ややパニックになりつつも聞くと、今度は手がほのかに温かくなる。右手に視線を戻してみると、何故かそこにはさらに勢いを増して暴れ出すミニ嵐。


 「な、なんか大変なことになってますけどー!?」


 「・・・風、だけじゃないわね。たぶん、『火』の属性で強化してるのね」


 「え?『風』で、『天空』で『火』?」


 ますますわけがわからない。

 どういうこと?ボクは三つの属性を持ってるの?


 「ボク、三つも属性を持ってるの?」


 「違ぇよ。たぶん、お前は多重属性デュアルなんだよ。そんで持ってるのが『風』の上位属性『天空』、そして『火』だ」


 「・・・じゃぁ、ボクは二つの属性を持ってるの?」


 こんなに低いのに?

 しかも、前に聞いた話じゃ上位属性になるほど魔力の容量キャパは上がる。そして属性をたくさん持っているのも。

 それなら、間家と坂崎さんに及ばずとも、それなりにあると思ったんだけど?


 「これじゃぁ、レオにだって負けてるよ」


 「みゃ?」


 「・・・何言ってんだよ。動物が魔力を持つわけねぇだろ」


 リュウが呆れたようにそう言う。

 ・・・・・・え?でも、なんかレオからはそれっぽい感じのヤツを感じ取れるんだけどな?・・・ご飯の食べすぎのせいかな?これからはレオは食事制限を考えなくちゃいけないかもしれない。


 「そして、魔導書を見てみると・・・」


 優子さんがそう言いながら『サルでもわかる魔導書』のページをパラパラとめくる。

 そこには複雑な模様の魔法陣がいくつか描かれていた。そして、魔法陣一つ一つにいろいろな注意書きが書かれていていた。そして魔法陣の下には漢字と振り仮名で魔法の名前が書かれていた。


 「・・・下級下位の風系魔法、≪鎌鼬カマイタチ≫に≪風鎧フウガイ≫そして雷系魔法の≪雷迅ライジン≫と≪紫電シデン≫。水系魔法の≪小雨コサメ≫。他にもあるけどたぶん、『天空』に間違いないわ」


 「まぁ、そんだけ天候に関する魔法がありゃなぁ」


 「・・・どういうことですか?」


 ボクが疑問の声を上げると、自分に近い属性だからか、優子さんが教えてくれた。

どうも『天空』と言う属性は風の上位属性で、天候に関係する魔法を使えるらしい。その中でもボクは『嵐』のように荒々しい攻撃系の魔法が多い、らしい。


 「上位属性になるほど、自分の性質にあった属性的な特徴になるの」


 「上位属性になるってのは、そこに分類されている魔法をある程度は使えるからな。俺の『闇』で言えば、下位属性の似たような性質を持つ『影』とか『拘束』っつーのも使えるからな。ちなみに、俺は攻撃特化タイプだな」


 「要するに、ボクは『天空』の中でも、『嵐』に関する要素の魔法が使えるの?」


 「たぶん、な」


 まぁ、嵐と言えば身近にわかるのは『台風』。

台風と言えば暴風に雷、大雨、そして熱帯低気圧とかそんな所。大まかに見れば『風』に『雷』、『水』、『火(または熱)』と言った要素があるようにも思える。


 「じゃぁ、普通に考えて四つの属性を持ってるの、ボク?」


 「いや、確かにそう思えるけどな・・・。正直な話、そこまで多くの属性は使いこなせない。それに、適性の問題もあるしな」


 ・・・次々にと。・・・これじゃ、面倒な新単語のオンパレードだ。


 「適正って?」


 聞いてみると、要するにたくさん使える属性の中でどれが一番得意かっていうことらしい。まぁ、使ってみればいいんじゃね?とはリュウの言葉。


 「・・・でも、嫌にこの魔法展開方式は簡単すぎるわね」


 優子さんが険しい顔でそんなことを言う。


 「難しいんじゃなくて?簡単すぎる?・・・何か問題があるんですか?」


 ボク等の目的は魔法を覚えることじゃなくて、魔力を制御するこのはず。だから、正直な話あんまり関係ない気がする。


 「お義父様はおっしゃっていたでしょう?これを使えば自分なら簡単な世界を作れるって」


 「まぁ、オーバーだとは思いましたけど・・・」


 「ジジイ、んなことできんのか?」


 リュウも知らないのか、優子さんにそんなことを聞いた。

けど、口から発した言葉は優子さんの言葉を信じてないことが簡単にうかがい知れる。


 「それがね、本当なのよ」


 「「・・・え?」」


 「おぉ~!流石魔王様だね~!」


 ボクとリュウが驚くのをよそに、坂崎さんが呑気な感嘆の声を上げた。


 「そうだね。僕でさえ父のその魔法は一回しか見たことはないけど、アレは父の真言を超える最強の魔法だね。いや、この世界に父を超える魔法を放てるのは・・・一人しか・・・・思い浮かばないね。けど、その人は既に死んでいるから、実際にはいない」


 坂崎さんは相変わらず『おぉ~!』っと感嘆の声を上げているけど、ボクとリュウはただただ呆然とするだけだ。

 ・・・世界を創るって、神様の所業なのでは?という考えが頭の中をぐるぐると回る。と言うか、絶対にこの間龍造と言う魔王様は神様に喧嘩を売ってる。


 「だから、そんな魔法だからきっとすごく複雑だと思っていたの」


 颯太さんの言葉に続いて優子さんがそんなことを言い始めた。


 「・・・え?なんですか、その、実は超簡単そうでしたっていうフラグは?」


 ボクがそんなことを言うと、優子さんはボクの目の前に魔導書の一ページをつきつける。


1. 魔法陣を描く。

2. 魔力を込める。

3. 魔法名を答える。


 それだけしか書いてなかった。


 「って、なんですかこれ!?え?リュウとか、詠唱がどうこうって言ってたよね?」


 「こりゃ・・・サルどころか、ミジンコでもわかんじゃね?」


 一応魔導書には、紙に魔法陣を描いて発動させる方法。自分のイメージした魔法陣を魔力のみで作り出して発動する方法。さらには自分で魔法陣を作る方法等が書いてあった。

 ・・・・・・所々でパソコンっぽい用語がちらほらと出ている。まるで、この魔法陣の展開方法はパソコンの『プログラミング』のようにするんだぞと言ってるみたいだ。


 「確かに、この方法はマズい人の手に渡れば・・・危険すぎるね」


 やめてください。

 しかもこの魔導書、半ば魔王様自身の手によって託されたも同然のモノなんですけど!?ボクはそう心の中で叫んだ。


 「・・・本当に、この魔導書でいいの」


 優子さんが前に聞いたような質問をしてきた。


 「いや、いくら名前がふざけているからって・・・」


 「違うわ。これは危険よ。存在を知られてしまえば、この魔導書を狙う人も出てくるかもしれない。今、この魔導書の所有権を持っているのは空志君、君よ」


 「え?でも、これは魔王様の著書で・・・」


 「けど、お義父様はいまだに眠っていて、そして空志君の言ったことから、お義父様はこの魔導書を君に託した。そうよね?」


 「は、はい」


 優子さんの真剣な表情にボクは正直に答えた。

 たぶん、そうだよね?確かあの時、ボクように初期化したとかそんなこと言ってたような気がしないでもないし。


 「だから、それはお義父様、魔王間龍造の魔導書じゃなくて、三谷空志君の魔導書よ」


 「・・・」


 何となく、言いたいことはわかる気がする。


 「・・・大丈夫ですよ。借りた本はちゃんと返します。それに、力を制御したいだけっていうのも言ってますから」


 「・・・そう」


 そう言うと、優子さんは表情を緩め、ほほえみを浮かべる。


 「じゃぁ、とりあえずはその魔導書で魔法を練習しましょう。君がその魔導書を持っているのには、意味があるはずよ」


 そう言うと、優子さんは魔導書ページをめくり、その中の一ページをボクに見せる。

 そこには魔法陣の展開方法の細かい手順が書かれていた。それを一通り読んで、魔法陣のページに移る。


 「じゃぁ、これをやって見て。大事なのはイメージらしいわ。頭の中にこの魔法陣を思い浮かべて、魔法陣を展開させるらしいわ」


 それを聞いたボクは魔導書に描かれた魔法陣、≪鎌鼬カマイタチ≫を穴があくほどに見つめる。そして自分の中にある魔力を意識する。

 これを・・・・・・魔法陣にする。

 魔力を右手に集中させ、それを薄い板になるように体の中から出す。


 「・・・・・・魔法陣展開」


 そして、ボクの目の前に魔法陣が出てきた・・・!


 「・・・なんだか、全然この挿絵と違いません?」


 うん。ぶっちゃけるとそうだった。出てきたのは白い魔法陣。けどなんか、奇麗な円じゃないし、記号とかもぐちゃぐちゃだし、ものすごく不恰好だった。

 とりあえず優子さんに聞いてはみたものの、優子さんも首をかしげている。


 「おかしいわね?お義父様はこんなのじゃなかったのに?・・・まぁ、発動してみたらどうかしら?」


 ・・・なんだか、ものすごく頼りない言葉だ。けど、それ以外にやることがないのも事実。とりあえず、最後のステップでもある『魔法名を言う』を実行してみる。確か、言葉に魔力を込めて言うんだっけ?

 ボクは深呼吸して、その言葉に魔力を込める。


「―――≪鎌鼬カマイタチ≫」


 ボクが魔法名を答えると、それに呼応して魔法陣が強く光り始める。

 ついに、魔法が発動するのかと、ボクは子供のようにそわそわしていたと思う。まぁ、結構興奮していたと思う。初めての魔法だし?ボクの脳内ではアニメや小説、映画のような主人公がボク自身に置き換わっていたようにも思う。

 そして、ボクの初魔法は・・・。


 「ダメ、みんな逃げて・・・!」


 「・・・え?」


 優子さんの鋭い声。

 そして、ボクの生み出した魔法陣から風が無秩序に放たれる。ボクはこの光景が理解できず戸惑っていると、魔法陣を中心に風が爆風の如く発生。地下室にいたみんなを巻き込んで暴発した。






 「魔法陣展開」


 今、優子さんが魔導書を見ながら魔法陣を展開。

 そこに現れたのは白い魔法陣。ただし、ボクが展開したのとも違う、そして魔導書の見本の魔法陣とも違う、不恰好なモノが展開された。

 ボク等は颯太さんの影に隠れてその光景を見ていた。


 「・・・なるほど、そう言うことね」


 優子さんが右手を下げると、魔法陣も勝手に消えてなくなった。

あの暴発事件から数分後、どうしてあぁなったのか優子さんが検証するべく魔法陣を使ってみることになった。

 けど、結果はご覧の通り。ちゃんとしたものができなかった。


 「『使い手を選ぶ』、まさにその通りだったわけね」


 「父も何でこんなトリッキーな方法を考え出したのか・・・」


 何故か颯太さんと優子さんがハァとため息をつく。

 魔法陣を解除して安全になったため、ボク等は颯太さんの影から出てくる。


 「どういうことだよ?お袋でも使えねぇ方法なのか?」


 「いいえ。これは誰でも使える簡単な方法よ」


 「いやいやいや、ボクどころか、優子さんも使えなかったじゃないですか」


 優子さんの矛盾した答えにボクは突っ込む。


 「いえ、私はこっちの方が便利そうだったから先に教えたのよ。けど、魔法陣の展開方法にはもう一つあるわ」


 優子さんはそう言うと、ボクの魔導書を手に取り、右手を魔法陣に触れてそこに魔力を流す。一体何がしたいのかとボク等は首をかしげる。


 「魔法陣展開!」


 すると、魔導書に描かれている魔法陣が輝き、そこから見本と全く同じ緑色の魔法陣が浮かび上がる。

そして優子さんはその魔法陣を準備済みの案山子に向かって向けて一言。


 「≪鎌鼬カマイタチ≫!」


 魔法名を叫ぶ。

 ボク等はあわてて颯太さんの影に隠れるけど、その心配はいらなかった。魔法陣から風の刃が放たれ、案山子をスパッと一刀の下に斬り捨てる。


 「「「お、おぉ~」」」


 ボク等高校生は奇しくも同じ反応を示す。

 そして優子さんがこちらを向く。


 「この魔導書によると、これが『媒介展開』そして空志君と私が失敗した方法が『抽象展開』って言うらしいわ。お義父様は『抽象展開』で常に魔法を展開してたから、先にこちらを教えようと思ったのだけど・・・」


 「まぁ、この展開方法には欠点があったんだよ」


 「欠点?」


 颯太さんの言葉にボクは首をかしげた。


 「言ってしまえば、この『抽象展開』は鮮明なイメージが必要とされるんです。そのせいで、少しでもイメージがあやふやな部分があると先の空志君や優子の展開した魔法陣のようになってしまいます」


 「・・・え?じゃぁ、アレですか?」


 詠唱なし。とても簡単に使える。けど、完璧に覚えないと使えない。どっちかと言うと玄人向けの魔法展開方法?そうじゃなきゃ熟練者専用?それも魔王レベルな。


 「一応、さっき優子がやったように紙なんかに描いた魔法陣を展開するっていうのもできる。けど、遅い」


 「それこそ、私のようなスピード重視な戦い方だと確実に負ける程度にはね」


 問題だらけじゃん!?

 てか、『使い手を選ぶ』ってそういうこと!?使い慣れるまでに習得を耐えられるかどうかの根気よさがいるって意味で!?


 「でもね、大丈夫よ」


 そこで優子さんが慈愛に満ちた笑みを浮かべてボクに微笑む。

 流石だ!ここまで検証するのにも、優子さんが一番頑張ってくれていた。たぶん、何か画期的な方法で魔法を使えるように・・・。




 「『主人公☆大作戦』なら、ピンチになった時に魔法陣の一つや二つぐらい、簡単に使えるようになるわ」




 「ですよねー!?」


 うん、半ば予想はできていた。だから、逃げる準備だって完璧さ!

 そう思ったら、ボクは何かに足元を掬われた。

 よくよく見てみれば、優子さんの手には日本刀が。


 「さぁ、戦闘訓練バトルの始まりだ・・・」


 「いやぁぁぁぁああああああ!?」


 結果として、フルボッコにされました。


作 「というわけで『魔導書』をお送りしました!」

颯太 「・・・」

作 「初登場の颯太さん、元気がありませんね?」

颯 「いえ、空志君が不憫すぎて・・・」

作 「大丈夫です。人生、生きていればこういうこともありますって!」

颯 「あっては困ります」

作 「さぁ、次回!」

颯 「逃げましたね」

作 「なんか色々と進展?次回もよろしく!」

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