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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
3章 ≪すくーる・ぱにっく!?≫
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12話・DARK CLOUDS

―――side空志

 ・・・朝か。

 窓からは少し湿った空気が入ってくる。

 もうすぐ梅雨に入るのかな?

 ボクはとりあえず起きようとする。

 まぁ、できなかったけど。

 ここで突然ですがクイズです。ボクは何故起きることができなかったでしょう?

 その一、でっかいレオがボクに乗っかっていた。

 その二、実は金縛りにあったんだ!!

 その三、どこぞの吸血少女がボクを抱き枕にしてた。

 さぁ、どれ!?

 てか、絶対にわかるよね。答えは三です。


 「・・・って、良く見るとまだ五時か」


 え?驚くところが違う?

 いや、こうもしょっちゅう添い寝されるといい加減に慣れてきてしまった。

 いや、だめなんだろうけどさ!?

 ボクは起きれない。そして、リカは気持ちよく寝ているっぽいからまぁ・・・このままにしておこう。

 ボクはなんとはなしに目の前の顔を眺めてみる。

 ・・・・・。

 ・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 「・・・暇だ」


 目が覚めちゃって二度寝はできそうにない。

 ボクはリカに八つ当たりしておくことにする。


 「魔法陣展開」


 そこにはカバンの魔法陣。

 ボクはそこからとあるものを取り出す。


 「・・・ふふふふふ」



―――sideリカ

 ・・・ん?

 アタシは顔に違和感を感じた。

 そして、目を開ける。

 目の前にはもう既に起きていたソラがいる。

 ・・・は!?コレはまさか!?


 「寝顔が見られちゃった!?」


 よだれとかしてなかったかな!?

 いびきとかしてないよね!? 


 「・・・・・・ブ!?」


 「何でそこで笑うの?変な顔してなかった?」


 「くくくくく・・・ゴメン。洗面所に行って鏡見て」


 「え?何で?」


 「行けばわかる。・・・てか、もうそろそろ放して欲しい」


 う~ん・・・ホントはもう少し一緒にいたかったけどしょうがない。それに何でソラが笑ってるか気になるし。

 そして、洗面所に向かってみる。

 そして、鏡を見てみる。


 「・・・・・・・・・・・・・・・何コレ~~~~!!!???」


 アタシの顔にペンでヒゲが書かれていた。でこには猫の文字。

 ・・・ソラね。


 「ソラァァァァアアアアアア!!!???」


 アタシはソラの部屋に再度突撃。


 「いや、起きたいのに起きれなくて暇だったから」


 「酷い!?暇って言う理由で乙女の顔にイタズラしたの!?」


 「まぁまぁ、大丈夫大丈夫。それ水性ペンで描いたから」


 「もぅ~・・・」


 アタシは顔を洗いに行く。

 ・・・でも、よかった。ソラが元に戻って、こんな風にイタズラをするまでに回復してくれて・・・。

 アタシはソラに見えないように顔をほころばせた。


 「でも、アタシだっけって言うのはズルイよね?」


 「・・・ソンナコトナイヨ」


 「問答無用!!」


 「ちょ!?マジで!?ボクじゃ防げないよ!?」


 そんな風にわーぎゃー言ってた。

 そして、それは突然だった。


 「できました!!」


 バダーーーーーン!!!!!


 扉を開けたとは思えないような爆発音を響かせてシュウが勢い良くソラの部屋に入ってきた。

 ・・・というわけで今の状況を確認してみよう!

 ソラはベッドの上。

 アタシはソラにのしかかって水性ペンを構えている。

 シュウはソラの部屋の扉のところでフリーズ。

 ・・・これってマズくね?


 「どうしたんだ?」


 「朝から騒がしいよ~」


 既に起きていたのかリュウと鈴音も来た。


 「・・・すみません。二人が既にそういう関係だったとは露知らず・・・あ、どうぞ、続けてください」


 そして、そのまま出て行こうとする。


 「待って!?違う!!いや、違わないかも知れないけど誤解です!!」


 「むしろ誤解でもいい!」


 「・・・朝っぱらから何をしてんだよ」


 今日もこの寮だけ朝からとてもにぎやかだった。



―――side隆介

 「で、それであんな状況になったと?」


 「「・・・ごめんなさい」」


 「信用できるか!?」


 今はリビングだ。

 オレが起きると何故かソラの部屋がやたらとにぎやかだった。

 そこでソラの部屋に行ってみるとそこにはリカに襲われかけているソラの姿が。

 ・・・いろいろとR指定になりそうなんでそこは察してくれるとありがたい。

 まぁ、こいつらの話によると、ソラがリカにイタズラをしてそれに対してリカは同じように水性ペンで仕返ししようとしたようだ。


 「・・・お前等はガキか?」


 「まぁまぁ、いつものコトだよ~」


 いつもこんなんじゃオレはイカンと思うのだが?


 「でも、夜もどうせリカは添い寝して、それで早めに起きたソラがちょこ~っとイタズラしただけでしょ?」


 「・・・リカさんの顔色から見てほぼ完璧ですね」


 「?・・・何で顔が赤いと完璧ですぅ?」


 「そこはアレだろ?リカさんはソラさ「鈴音!ゴハンまだ!?」・・・今更だと思うのは俺だけですか?」


 シャオ、それは全員が思ってることだ。


 「・・・何でみんな頷きあってるの?」


 この超絶鈍感野朗バカソラを除いてだがな。

 ・・・まぁ、今はおいておこう。


 「で、徹夜してやっとできたのか?」


 「はい。うれしさのあまり、時間も確認せずにソラさんの部屋に突撃しました。シャンを実験台モルモットにしたかいがありました」


 「・・・シュウが怖いですぅ」


 「シャン、何でシュウから離れないんだ?」


 「好きだからですぅ!!」


 「・・・お前の姉はストレートだな」


 「まぁ、そんなことはほっといてソラさん。飲んでください」


 「ソラの薬は効果が切れてるよ?」


 「「「「「「・・・は?」」」」」」


 リカの言葉にみんながボクを見る。

 いや、ボクも昨日の夜、リカに言われて気がついたんだけど?


 「まぁ、ホントだよ。それに朝のことが説明できないでしょ?」


 「・・・お~!?そういわれるとそうだね!!」


 「でも、昨日は効いてたんでしょ?」


 「うん。何かがきっかけで効果がなくなったのかな?」


 「・・・いえ、ソラさんの解析結果では魔法薬の魔法はその人に最適化されるがために無効や、解除ができないということです。なので、おそらく解呪薬も効果を消すのではなく、その魔法薬の効果を・・・・・・・上書きして中和する・・・・・・・・・というものです」


 「そうなんだ。始めて知った」


 「まぁ、魔法薬なんて起源は適当に薬草を混ぜて魔法をかけたらできたというものですし」


 おい。それはイカンだろう。

 それでも魔法薬剤師か?

 まぁ、樹族は本能的に薬の作り方を知っている。

 ガチで魔法薬を勉教、または研究している人間の学校とかならそういうことはちゃんとわかったかも知れんがな。

 最初からできるがために原理を知らない。とでも言うところか?


 「まぁ、そんなことはどうでもいい。しかし、本当にできたのか?」


 「はい。シャン、コレを」


 そういうとシュウは写真を一枚、双子の姉に見せる。


 「はいですぅ?・・・消えるですぅ!!」


 姉はそういうと拳を繰り出す。 

 すると、写真はどういう原理か紙ふぶきになる。


 「何を見せた?」


 「龍造さんの盗撮写真です」


 「・・・何で写真がこんなになってんだ?」


 「ソラさんを見てわかるとおり、意識はちゃんとしてるんです」


 ・・・なるほど。

 要するに、姉のほうはジジイに向かって好き好き言ってた黒歴史をちゃんと覚えてるってコトか。


 「一応できたのですが・・・ホントに効いてないんですか?」


 「シュウは疑り深い・・・えい!」


 そういうとリカは今だ隣で一緒に正座をしているソラに抱きつく。


 「・・・うん。来ると思ったよ」


 「今日は騒がねぇのか?」


 「もう、無駄だってわかったんだよ」


 こいつもいろいろと苦労してんな。

 まぁ、ソラに変化が無い。

 ということはリカが言ったとおりなんだろう。


 「・・・だが、何で急に切れた?」


 「まぁ、あれじゃないですか?ソラさんがチートということでは?」


 「いつもなんでそれで片付けようとするの!?それにみんなも納得しないで!!頷かないでよ!」


 「まぁ、冗談はここまでにしておきましょう。実はそれなりに心当たりはあります」


 「なんだよ。あんのかよ」


 「・・・どうせなら最初から最後までチートを貫きなさい」


 「主張すらしてないんだけど!?」


 「で、それって何なの~?」


 確かに気にはなるな。

 こいつのおかげでオレ達はいらん苦労を強いられたしな。


 「・・・ですが、コレは予想、といいますか想像に近いので・・・確実にわかったらすぐに報告しますよ」


 「「え~」」


 「・・・お前がそんなことを言うなんて珍しいな。」


 「確かに、シュウは隠し事なんかしない人ですからね。それが大事なことでない限りですが」


 「・・・それってシュウは大事なことを隠してるですぅ?」


 「いや、今回はそんな重要なことはねぇだろ。ただ単に本当に推測の域を出てないだけなんだろう」


 「本人を前に堂々と言いますね」


 そう言いつつお前は苦笑してるじゃねぇか。

 だがな、オレも一つだけ考えてることがあんだよ。


 「シュウ、オレはお前と同じコトを考えてるかもしれんぞ?」


 「なら、わかるでしょう?私は言う気はありませんよ?特にお二方には」


 そういうとシュウはいつものように顔に爽やかな笑みではなく、どことなく不敵な笑みを浮かべて言う。

 ・・・やっぱ、お前もオレと同じ考えか?


 「・・・なんかシュウ君とリュウ君だけで話が通じ合ってるよ?」


 「・・・まさか、あんたらこそそっちのがあるんじゃないでしょうね?」


 「「んなわけない」」


 「うぅ~~~~~リュウさんとやら!わたしのシュウから離れるですぅ!!!」


 「シャン、いい加減にしろよ」


 「リカ!!いい加減に離れて!」


 「いいじゃん、アタシとソラの仲だし~」


 ・・・いつの間にかカオスな空間と化してるな。

 この事態を収拾する方法はないもんかね。


 ブンッ!


 そんな時に電子音まがいな音が聞こえた。

 だが、これはオレがよく知ってる音だ。

 ジジイが転移したときに発生する魔法の発動音だ。


 「お主ら大丈夫じゃったか!?」


 「お義父様!大丈夫だと智也さんから「わしの目で見た方が確実じゃ!!」・・・」


 「オイ。パーティはどうした?」


 「「「「「「「ぱーてぃ?」」」」」」」


 「あぁ、ジジイとお袋はこの金曜からこの休日を向こうの世界のパーティに当ててたんだよ。・・・・・・・・・・・・・・・オイ?何でお前らそんなに魔力を垂れ流してるんだ?こんなに垂れ流すと一般人にも感じられるぞ?」


 「龍造さん・・・≪雷燕ライエン≫!」


 「な!?何故じゃ!?」


 ジジイはソラの攻撃を結界でガード。

 だが、その結界内に冬香とシュウが。


 「とりあえず、死刑です。」


 「氷漬けにするわ」


 「ちょ!?待つのじゃ!?」


 朝食時の朝にジジイの絶叫が響き渡る。

 ・・・こいつらなんか勘違いしてるよな?



―――side空志

 「・・・魔王の会合デモンパーティ?」


 「そうじゃ、それはな、各国の魔王が集合して話し合う会議なんじゃ。それをわしらはパーティと呼んどる。じゃが、わしはアリアがソラが暴走しとると聞いて急いで戻ろうとしたんじゃが・・・帰してくれなんだ。今もこっそりと抜け出してきたんじゃ」


 「今頃会場では騒ぎになってるわ」


 「これでも魔窟ネストの魔王、二つ名は『結界の魔王』で知る人ぞ知るヤツだからな」


 「でも、魔王っていっぱいいるんだね~」


 「当たり前じゃ。一人だけじゃと他にまで手が回らんじゃろ?人間の国と一緒じゃ」


 「で、龍造さんはその会議に出席していたために昨日からいなかったんですね?」


 「それで、わたし達は勘違いしたってことよね?」


 「そうじゃ」


 「「「「すみませんでした」」」」


 「まぁ、よい。しかし本当に心配したんじゃぞ?昨日の夜の時点ですでにアリアから聞いてはおったんじゃが・・・」


 「抜け出そうとしたところを他の魔王に拘束されたのよ」


 「そうそう、例えば僕とかね~」


 そうなんだ。なんか悪いことしたな・・・。

 ・・・ん?


 「「「「「「「・・・誰?」」」」」」」


 そこには二十代後半らしい健康的に日焼けした男の人がいた。


 「・・・何故にお主がいるんじゃ?」


 「いや、『結界』のところの可愛がってる人間の子供を見ておきたくてね。隆介も久しぶりだね」


 「・・・紹介する。こいつは隣の国、霧の谷ミスティアの魔王、ライネル・W・ミスティア。・・・通称は『閃光の魔王』だ」


 「「「「「「「・・・は?」」」」」」」


 「よろしく~」


 そこにはにへら~とした軽薄そうな青年。

 ・・・要するに、この人も龍造さんと同じ魔王?


 「「「「「「「うそぉ!?」」」」」」」


 「マジマジ。おおマジだよ」


 「・・・わしと一番長い付き合いじゃったヴァネルの息子じゃ。まぁ、こいつの父親は放浪癖があって、ほとんど執政はこの青二才がしとる。今もどっかをほっつき歩いとる」


 ・・・魔王にはまともな人・・・というか魔物はいないのかな?


 「いやぁ、厳しいよ。ちょっとは加減してほしいかな~」


 はっはっはと笑い声を上げる魔王さん。

 ・・・なんだか龍造さんと同じベクトルな気がするのは気のせいだと信じたい。


 「で、お主が何のようじゃ?それに尾行つけるとは感心せんな」


 「まぁまぁ、いいじゃない。数少ない平和派ピースの魔王なんだし」


 「・・・いい加減にアタシの頭が話についていけなくなった」


 「ボクもだよ」


 「で、あんたみたいな魔王がこんな世界に何の用よ?」


 「・・・え?ただ単に君達を見に来ただけだけど?」


 「龍造さん、私達のことを話したんですか?」


 「・・・少しじゃがな。それに、わしは魔物と人間の共存を一応の最終目標にしとる。じゃから、お主らのように魔物や人間なんか関係ないという存在を他の魔王に見せつけ共存できることを示したかったのじゃ」


 「それに、君らでしょ?『闇夜の奇術師団』って。」


 「・・・中二成分がマックスだね」


 「有名になちゃったんだっけ~?」


 「負の方向で、ですけどね」


 「なかなかにキャラが濃いね~。一人はホントに吸血鬼だし」


 「アンタに言われたくないと思ったわたしは正常よね?」


 「うん。冬香は普通。で、吸血鬼のアタシがこんなところでのうのうと暮らしてたら悪い?」


 「・・・リカ、できればボクを盾にして言わないでほしいんだけど?」


 「そこは・・・ソラがオトコの甲斐性を見せてくれたらアタシの好感度も上昇するよ~って言ってみたりみなかったり」


 「・・・これ死亡フラグ?」


 「「違うと思う(ですぅ)」」


 「まぁ、巷で噂の人間はおそらくこの双子を除くオレ達だ」


 「龍造さん。なかなかに面白い子たちだね~」


 「ぬかせ。まぁ、お主らには話がもう一つある。お主らで冒険者ギルドかなんかに入らんか?」


 「・・・何そのRPG?」


 「いや、簡単に言うと何でも屋になれってことだ。だが、今回の事件の数々はオレ等は何も関係がない。特に魔窟の襲撃なんか最早ボランティアで街一つを救ったようなもんだ。でだ、ジジイは前から言ってたんだが。オレ達を何でも屋として雇い、報酬を何とかして渡したいとさ。ただの一般人が急に報酬だとか言われてポンと大金を渡しちまうと周りからの反発がすごいらしい」


 「あぁ~なんとなくわかる気がする」


 そりゃ、いきなりのぽっと出に・・・しかもボク等みたいな子供にそれはね~。周りの嫉妬とかすごいだろうね。主にボクの体験談から。


 「でも、ボク等はそんなの気にしな「龍造さん。ギャラはいくらよ?」・・・冬香?」


 ここには金の亡者がいたことを忘れていたよ。 

 すでに冬香の目はドルマークに変わっている。


 「ソラ、わしはお主らを何回も危険な目に遭わせた。じゃからな、少しで礼がしたいだけなんじゃよ」


 「・・・まぁ、龍造さんがそこまで言うなら」


 「ですが、ホントにいいんですか?」


 「いいんじゃよ。それに、向こうの身分証明の代わりにもなるしの。わしの権限を使えば何とでもなる」


 「・・・職権乱用じゃないの?」


 「大丈夫じゃ。それにソラはボードの免許ぐらいとっておけ」


 「え~」


 「リカちゃんと二人乗りできんぞ?」


 「いや、別に「ソラ!!全力で受けよう!!」・・・鎌出すのやめてくれたらすぐにする」


 「まぁ、そんなわけでこれじゃ」


 そう言うと龍造さんは一枚の紙を取り出す。

 そこには名前を書くらしい欄と戦闘職業とかを書くようだ。


 「じゃ、リーダーはリュウで」


 「おい。オレはそんなメンド「ご飯」謹んで受けさせてもらいます」


 さすがだ。

 ボクはスズに親指を立てておく。


 「あ、わたしは既に別のところに入ってるから補欠扱いにしといて。」


 「そう?わかった」


 そして、適当になんかいろいろと書いていった。

 ちなみにボクは何故か『魔道具技師』になってた。

 ・・・戦闘職じゃないのは気にしないでおこう。


 「で、このチーム名は?」


 「・・・メンドイ。『闇夜の奇術師団』でいいんじゃない?」


 「お主らは自分から敵を招き寄せるつもりか?」


 「「「「「「・・・」」」」」」


 ボク等はどうしたもんかなって考えてた。


 「・・・いっそのこと、逆の意味で『夜明けサンライズ』でいいんじゃね?」


 「「「「「よし、それで」」」」」


 「「適当(ですぅ)・・・」」


 まぁ、なんだかんだでボク等は龍造さん直属の部下的な立場の人間になった。



―――side龍造

 「龍造さん?」


 「なんじゃ?」


 わしはギルド申請の登録用紙を持って向こうの適当なギルド協会に持っていこうとしとったときじゃった。後ろからヤツ、ライネルが声をかけてきた。


 「本当のことは言わなくてよかったので?」


 「・・・あ奴等はまだ子供じゃ」


 「・・・そうですか。でも、正直信じられませんよ。隼人並の力を持った人間で隼人以外にこっちのことを考える人間んがいるなんて」


 「そうじゃな。じゃから、襲撃派アサルトの方のヤツに狙われそうになっとるんじゃろうが」


 「・・・これからはあの子たちは魔物と人間、両方に狙われますよ?」


 「じゃからこそのこれじゃ」


 「まぁ、龍造さんの名前で雇ったんなら他の魔物に襲われたんなら問答無用で優子さんや颯太さんを投入してその都市を滅ぼすどころか消滅できますからね。・・・・・・それに何より、貴方に喧嘩を売ろうって時点ですでに常軌を逸している」


 「やめい。それじゃとわしが化け物みたいに思われるじゃろうが」


 「・・・はぁ、よく言いますよ」


 「何を言うんじゃ?わしは『結界の魔王』じゃぞ?守ることにのみ特化した魔法を使うのがわしじゃ」


 「そいうことにしておきますよ」


 そう言うとその魔王は姿を消した。


 「お主がわしの心配をするなんぞ千年はやいんじゃぞ?」


 わしは一人ごちると、転移をした。



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