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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
3章 ≪すくーる・ぱにっく!?≫
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2話・AT SCHOOL

―――side龍造

 「颯太。何とかならんのか?」


 「さすがに精神にまで干渉することはできません」


 わしは理事長室に颯太を呼んだ。

 もちろん、ソラの夜のことでじゃ。

 確かにいくら治癒でもできるのは怪我を治したり疲労を擬似的に回復させるぐらいじゃしの。


 「・・・最悪はリカちゃんに頼むか?」


 「お義父様がそんな鬼畜だとは思っていませんでした。」


 「冗談じゃから!優子さん、日本刀は出さんでくれんか!?」


 「だが優子。もう、症状が出てから一週間、それも毎晩だ。本当に何とかしなくてはいけない。ソラ君の場合は勝手に魔力が暴れる可能性もある」


 月の属性。強大すぎる力。

 厄介じゃの。

 じゃが、本人が望んで手に入れたわけじゃない。


 「おーっす。ジジイ!いるか?」


 「「「「「こんにちは~」」」」」


 「おるわい。」


 「あれ?颯太さん?珍しいですね」


 「まぁね。今日は父さんに呼ばれて・・・ソラ君はもう大丈夫かい?」


 「はい。それに一週間も前のことですよ?」


 「・・・そうだね」


 ソラはそういうが周りのリュウ達は暗い顔をしておる。

 ・・・どうやら変わりが無いようじゃな。

 颯太も気づいておるじゃろう。


 「じゃ、今日もいつものように訓練に励むのじゃぞ?」


 「ジジイ、それはオレ達に死ねということか?」


 「・・・がんばるのじゃ」


 「無理ですね」


 「さぁ、つべこべ言わずに今日も訓練イジメよ」


 「「「嫌だ!!」」」


 ダダダッ!!!

 ガシガシ、ドス!


 「何でオレはいつも踏まれるんだよ!!」


 「問答無用よ。行くわよ」


 「ボクはまだ死にたくない!!」


 「私もです!!」


 ズルズルと訓練場に引きずられていく三人。

 ま、がんばるのじゃぞ。

 わしは女の子達としゃべっとる。


 「「アホ理事長(ジジイ)!!」」


 聞こえんの

 わしは男子が消えると残りのメンバーに向き直った。


 「・・・でじゃ、ソラの様子はどうかの?」


 「最悪よ」


 「うん・・・昨日も夜中に叫んでたよ」


 「アタシがシュウに薬を貰ってソラに飲ませました」


 「・・・颯太」


 「・・・無理です。コレはソラ君の問題です」


 「「「・・・」」」


 「わし等は無力じゃな。あの子は誰よりもわし等のために動いてくれておるのに・・・」


 それには誰も答えられんかった。



―――side空志

 「・・・今日はコレで終了よ」


 「「「よっしゃぁぁぁぁああああああ!!!!!」」」


 やった!

 やっと終わったよ。

 今日も生きられたことにボク等は肩を叩き合う。


 「じゃ、今日はHRホームルームね。教室に戻りなさい」


 ボク等は教室へ向かう。


 「あ、リュウ君たちだ~」


 「ん?お前等も終わったところか?」


 「そうよ。今日はHRみたいね」


 「・・・でも、なんかあったっけ?」


 「さぁ?アタシはソラと一緒ならそれでいい」


 「よしリカ、よく聞くんだ。それを人前でいっちゃだめだ。あまりに危険すぎる。主にボクの命とか命とか命とか」


 「じゃ、私たちはこちらですので。また後ほど」


 「ソラ~そんなにリカと惚気のろけてるとリカのファンクラブに殺されるわよ~」


 「ならそんなに楽しそうに言うな」


 そういうとボク等は分かれる。


 「でも、いつも思うんだけど、ソラ君たちって何をしてるかリカちゃんは知ってる~?」


 「わからないけど・・・知らないほうがいいと思う」


 「・・・片鱗に触れちゃったんだね」


 「そういえばアレだよね。リカはリュウの家で勇者(笑)VS魔王(アホ)のへんな戦いのときに優子さんの手腕を見たんだっけ?」


 「・・・隼人の爺さんが来たのか?」


 「うん。まぁね。てか、リュウは知ってたの?」


 「決まってるだろ」


 「へ~勇者さんもやっぱりいたんだね。どんな人?」


 「ボクのじいちゃん」


 「え?・・・すご~い!じゃ、今まで勇者の孫と魔王の孫が一緒に親友してたんだね!!」


 「「親友じゃない」」


 そんなくだらない会話をしていると教室に到着。

 休み時間で教室の中はにぎやかだ。


 ガラガラ。


 「今日はもう、終わったの?」


 そう声をかけてくれたのはインチョー。

 セミロングの女子。


 「が~!!うっさい!!黙れミスト!!」


 あそこで頭抱えてるおかしい人間はモブの田中太郎。

 おそらくミストとまたケンカでもしてるんだろう。


 「ね~ミタニっち。面白い情報を見つけたのだ~☆」


 ミタニっちって・・・。

 ボクの目の前には見た目小学生の長い髪のツインテール。情報屋の宇佐野さんだ。

 でも、情報ってなんだろう?


 「・・・ちなみに?」


 「これ~」


 ボイスレコーダーを取り出す宇佐野さん。

 ・・・非常に死亡フラグな予感。


 「・・・要求はな「えい!」ちょ!?」


 ボクは交渉すらできずに再生のボタンを押された。


 『今日はHRみたいね』


 冬香の声。


 『・・・でも、なんかあったっけ?』


 ボクだ。

 ・・・って、じゃあ次は!!


 ガシィ!


 「やめろ!!離せ!!」


 「まぁまぁ、いいじゃねぇか」


 「よくないよ!!」




 『さぁ?アタシはソラと一緒ならそれでいい。』




 「「「三谷ぃぃぃぃいいいいいい!!!!」」」


 ヤベぇ!?死ぬ!!


 「お~し、お前ら席につけ~」


 「「「は~い。三谷を殺してから!!」」」


 「ガントさん!助けて!!イジメです!!」


 「あ~・・・ほどほどにな」


 「アンタそれでも教師か!?鬼だな!?てか、実際に鬼人オーガだよね!!」


 「と、言いたいところだが今回は少し時間がかかる。これが終わってから三谷は煮るなり焼くなり好きにしろ」


 「助けてくれてありがとう・・・って言いたいけど延長されただけだよね!?」


 「残りの人生を謳歌しろ」


 「なんでそうなるの!?」


 「そんなことよりさっさと席に着け。お前だけだぞ?」


 「・・・って、なんでみんなはもう座ってるの!?さっきまでのあれは!?」


 「ケジメが大事なんだよ。そんなだから死亡フラグばっかり立てんだよ」


 「ドンマイ、ソラ君」


 「ソラ~早く~」


 はぁ。

 ボクはため息をつきつつ席に着く。


 「よし、全員席に着いたな?今日は役職を決める」


 ・・・は?


 「決まってるんじゃないの?」


 「お前な、一回クラスを変えてるんだよ。だからもう一回決めなおさなきゃいかんだろ?」


 「え?でも、インチョー・・・多胡さんはクラス委員長だよね?」


 「あ、あたしね、委員長は前のクラスだったの。このクラスの全員そのノリで言ってるだけだよ」


 ご丁寧にもインチョー自身が言ってくれた。


 「・・・でも、なんで今更?」


 「忘れてたんだ。がははははははは!!!」


 「「「おい!?」」」


 何この教師!?

 全力でダメだ!!


 「それで理事長補佐に文句を言われたんだって」


 だろうね。

 優子さん怒らすと怖いからね。


 「と、言うわけで決めてくれ。多胡」


 「・・・確実にこのノリはあたしが委員長になるパターンですね」


 そう言いつつ黒板の前に立つインチョー。


 「じゃ、委員長を他薦、自薦どっちでもいいから出して」


 「「「委員長」」」


 クラスの全員でハモる。

 てか、インチョー以外に思い浮かばない。


 「ですよね~。じゃ、ガントさん。あたしが委員長です」


 「おう。じゃ、これに必要な役職が書いてあるからな。それと俺の名前は原土元太だ」


 そう言うとガントさんは一枚の紙をインチョーに渡す。

 インチョーは黒板に綺麗な字で役職とその人数を書いていく。

 何々・・・。

 生徒会代理(二人)、図書委員(二人)、環境委員(二人)、保険委員(二人)、が各男女一人。行事委員(四人)、情報委員(一人)、風紀委員補佐(四人)、清掃委員(残りの人)。


 「あ~。じゃ、決めま~す。挙手!」


 「「「アンジェリカさんが保険委員がいいと思います!」」」


 「「「坂崎さんが保険委員がいいと思います」」」


 二つの派閥が相手にガンを飛ばす。

 ・・・二つのファンクラブが激突?

 てか、こいつらって下心の塊だよね。


 「で、坂崎さん、アンジェリカさんはどうなの?」


 「ソラがやるなら」


 「ボクを基準にしないでよ」


 「だが、お前が止めないとリカが暴走したとき大変なことになるぞ?」


 「・・・そうだね。分かった」


 いろいろと心当たりが多すぎる。

 ま、今回はガンの飛ばしあいに夢中でこっちの会話に気付かれなくてよかった。


 「わたしは回復魔法が使えないよ?」


 「坂崎さん、魔法を使える必要はないと思うよ?」


 スズの隣の女子が優しく教える。

 でも甘いよ。スズは素でボケたんだ。

 一応あんな天然でも魔法使いだからね。

 ほら、その証拠に・・・。


 「え~・・・でも、颯太さんは回復魔法が使えるよ~?」


 確かに颯太さんは治癒属性だよ。

 でも、それは一般人には通用しないよ。


 「多胡、このド天然はとりあえずスルーしろ。むしろこんなやつに保健委員をさせたらけが人が増える」


 「・・・そうだね、他には?」


 「あのさ、質問なんだけどさ、後半のヤツってどんなの?」


 ボクはインチョーに聞いてみる。

 ボクの中学には風紀委員なんてなかったしね。


 「え~っと。じゃあ、この際全部説明するね・・・まず、生徒会代理、生徒会の下で働く特殊部隊」


 ・・・今なんて!?


 「何で特殊なことをするの!?」


 「図書委員、10万3千冊の魔ど「どこの禁書○録!?」の管理だって」


 スルーされた!しかもネタだ!!

 ここは学園都市か!?

 いや、そういえばここは魔物も働く職場か!


 「環境委員、間学園密林化計画実行」


 何をする気だ!?

 ここをジャングルにでもするのか!?


 「保険委員、清掃委員の怪我の治療、および支援物資の調達」


 何で清掃委員が怪我するの!?

 そしてここは戦地か!?

 実はこの学園では戦争がよく起こるんだな!?


 「行事委員、策士。ついでに学校行事の企画、立案」


 間違ってる!

 策士がメインじゃないはずだ!

 学校行事がメインのはずだ!!


 「情報委員、簡単に言うとスパイ」


 ・・・確実にとある人物のための委員だよね?


 「風紀委員補佐、風紀委員の下で馬車馬のごとく働く」


 人権が無視されてるのは気のせい?


 「清掃委員、教室が危機にさらされた時、速やかに駆けつけ、武力で対抗する。簡単に言うと教室の治安維持」


 兵士だな!!

 てか、危機にさらされることがあるの!?治安維持部隊!?

 清掃って消すって意味か!?


 「リュウ!!コレはどういうことだよ!?」


 「・・・いや、普通じゃね?」


 お前は脳に重大な障害がある!!


 「どこが!?ちょっとみんな!!」


 ボクはクラスの全員にふってみる。


 「「「別に普通」」」


 「うそだぁぁぁぁああああああ!!!」


 どうもボクが異常らしい。


 「ま、冗談はここまでにして」


 「冗談!?クラスがらみのドッキリ!?」


 「「「その通り!!」」」


 みんなが『大成功!!』と書かれた手持ちの看板をどこからともなく出している。


 「何でボクなんだよ!?」


 「きっとソラ君だからだよ~」


 「理不尽だ!!」


 「ほら、三谷君。決めるから座って」


 「そうだ。早く帰れないじゃねぇか」


 「だからけじめをつけて欲しいよね」


 「アレだから三谷は・・・」


 「何でボクはクラスから罵倒されなきゃいけないの!?」


 「・・・面倒だから三谷君とアンジェリカさんは保険委員で」


 「それなら回復魔法もできるし力が強いから大丈夫だね~!」


 「もう、そのネタはいいよ!」


 「よし!ソラと一緒」


 なんだかんだで委員会を決めるだけなのにとてもにぎやかなHRになった。




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