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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
2章 ≪学園編≫
44/170

22話・EVERYONE

最終話兼エピローグです!

これで学園編も終わりです。




って、言っても次回も舞台は学園なんですけどね。






 では、本編をどーぞ!!

―――side樹


 五行拳、それはいくつかの型からなる中国拳法の一種。有名なものはコレでしょうか?

 木行崩拳ほうけん・・・掌打

 火行炮拳ほうけん・・・アッパー

 土行横拳おうけん・・・フック

 金行劈拳へきけん・・・手刀

 水行鑚拳さんけん・・・突き

 確かこうだったと思います。

 これは組み合わせに重点を置いたものであると私は勝手に認識しています。

 ですが、魔法として使う・・・まるでリュウさんの魔法剣みたいですね。いうなれば魔法格闘術、でしょうか?


 「ですが、私もそれなりに場数は踏んでます!」


 手甲ガントレット、『鉄狼ティエラン』で敵の攻撃をガード。

 そして、そのまま腕を折る動作に移る。

 だが、相手は蹴りを放つ。

 私は肉体強化の薬を飲んでいます。それなのに何故か普通の人間であるはずのこの人はそれについてこれている。

 ・・・・・やはり、この拳法に何かあるんでしょうか?


 「・・・ッチ」


 いきなり舌打ちをしたかと思うと、私を思い切り吹き飛ばし、距離を開けました。

 どうしたのでしょう?

 また、懐から四枚の魔術符を取り出しています。

 コレはまずいですね。魔法ですか。


 「させません!」


 すぐに腰にあるポーチから薬を取り出し飲む。

 重ねがけ完了です。


 ドンッ!


 普通でも残像を出せるほどのスピードです。

 コレなら間に合うはず!

 ですが、相手は四枚のカードを既に展開させ終わったようです。


 「だが、遅い!」


 「くっ!」


 危険を感じ一気に後ろへ飛びます。


 「≪四聖十字≫!」


 魔法が発動。

 私にめがけて四つの魔力が襲い掛かってきます。

 ですが、今の私なら余裕でかわせる速さです。

 私は唯一の逃げ道であろう上空にジャンプ。


 「かかったな!」


 「なっ!?」


 四つの魔力が私に向かって追いかけてきました。

 さすがに空中では身動きが取れない。ピンチですかっ!?


 「コアの解析完了!」


 ダンダンダンダンッ!


 四つの魔力の弾丸が敵の魔法を強制的に終了させたようですね。


 「すみません。助かりました」


 「ま、ボクはすぐに亀をやっつけれたしね。一番大変そうなのは冬香だと思ったけどもうすぐケリが付きそうだし。てか、やたらと寒く感じる」


 「そう言われるとそうですね」


 「余裕だなッ!!」


 さっきからボクとシュウは適当にくっちゃべってるけど実際にはボクがシュウの援護をして、シュウは怒涛の拳ラッシュを繰り出してる。


 「ソラさん。この方の魔法は何とかなりませんか?」


 「無理かな?ボクはあそこの図書館で魔法に関することを結構調べたけど、この人はあくまで陰陽道をアレンジして作ったタイプっぽい。四聖獣と神獣を使ってたから風水系重視かな」


 「・・・厄介な属性だな。それで炎の魔導師を潰したのか?」


 「・・・そういえば貴方はどこの国の方ですか?」


 名のある魔導師の方でしょうか?


 「言うと思うのか?」


 「なら、ボクからも聞くよ。それはアンタの独断?それとも国が認めたの?」


 「・・・どうだろうな」


 「なら、ボクの想像を言う。まず、兵士の錬度がとてつもなく低い。それもまるで戦いなんかしたことのない一般人のように・・・・・・・。シュウ。あんなに錬度の低い国ってあるの?」


 「ありえませんね。つまり、コレは一般人を利用して秘密裏に行われている可能性が高いんですね?」


 私はソラさんの近くに戻って言います。


 「ま、あくまで予想だけど。でも、もしそうなら・・・」


 ですが、それは確信に近いでしょう。

 そして、ソラさんは相手を見据えて言う。


 「ボク等はアンタを絶対に許さない」


 その言葉でいろいろな場所から攻撃が敵に向かいました。

 衝撃波に黒い斬撃、風に雷、炎、氷、光線、地面から土の槍。


 「結!」


 それだけで敵は結界を展開し、攻撃を全てガードしました。


 「ッチ・・・あの詠唱速度が面倒だな」


 「わたしが≪相殺空間アンチ・ディメンジョン≫をすればいいんじゃない~?」


 「それだと敵がエリア外に出たら普通に使えるからあまり意味が無いのよ」


 「う~ん・・・ソラが血をくれたらアタシが何とかできるかも」


 「いや、普通に狙われて終了だよね?」


 「また六対一か・・・コレはあまり使いたくなかったんだがな」


 そういうと今度は十二枚の魔術符を取り出す。


 「ヤバい!スズ!≪相殺アンチ≫できる!?」


 「ほぇ?」


 「無理か!」


 「どうしたんですか?」


 私の疑問に答えてくれたのは敵でした。


 「≪十二天将陣≫!」



―――side空志

 ピンチだ。

 まさかそんなものまで持ってるとは思わなかった。

 十二天将。安部清明あべのせいめいが使っていたといわれる占術の一つ。

 またボク等の周りを今度は十二の頂点を持つ星型の結界で囲まれる。

 コレでボク等は逃げることができなくなった。


 「コレはホントにヤバい!」


 ボクは何とかしようと考える。

 ボクが何とかしなきゃ。

 ボクが・・・。


 ドカ!バシ!ゲシ!ゴン!ドス!ドン!バチ!ゴウ!ボン!サク!


 「な、何でボクがフルボッコにされるの!?」


 自分の召喚獣にもやられたよ!てか、レオ!爪でサクッとかないよ!血が止まらない!!


 「お前、さっき自分が何とかするとかどうせ考えてただろう?」


 「いや、そうだけど?」


 「ソラ、アタシ達もいるんだよ。・・・じゅるり」


 ・・・よだれで口が汚れてるよ?


 「ソラさん。今回必要なのは貴方が勝つ・・・・・方法じゃありませんよ」


 「ホントにバカね。アンタがするのはわたし達が勝つ・・・・・・・方法よ」


 ボクが勝つ方法とみんなが勝つ方法。


 「だから、ソラ君はもっとみんなを頼らなきゃ」


 「そう言えばそれが原因でボクはああなったんだね」


 そうだね。

 みんなが勝つ方法か。

 ボクがそう思った瞬間、何故か前よりも魔力がはっきりと見えるようになった。

 まぁ、今はいい。

 今からはみんなで勝つ!


 「ボクが魔法を解析する。アレは時間がかかりそうだからみんな、それまでボクを守って。それが済み次第ボクの言葉に従って」


 「「「「「了解!」」」」」


 核の解析!

 魔力の流れを視る。

 さすがにこれほどのものだ。発動には時間がかかる。解析にも。なら、時間を稼ぐ!

 ・・・コレは攻撃されても周りのマナで修復されていったりするみたいだ。

 でも、ボクみたいに完全にマナを操れる人はいない。


 「スズは詠唱。いつでも魔法を撃てるようにして」


 「わかったよ~。でも、≪相殺アンチ≫か≪逆刺突剣アンチ・サーベル≫しかできないよ?」


 「それで十分。リュウ、そこを攻撃」


 「あれか?」


 リュウは黒い斬撃でボクが指差したあたりを攻撃。

 すると、マナが薄かったそこは魔力を叩き込まれて不安定になる。


 「何だ!?・・・っく!!」


 相手は精神を集中させ、そこの部分を手動で直す。

 だが、相手は手探り、こっちははっきりと目で見える。


 「シュウ、リベンジしとく?冬香、あのあたりを弾幕。その後数秒だけ穴が開くと思う」


 「もちろんですよ!」


 「アタシも行く!」


 「なら、行くわよ!!」


 氷の弾幕。そして、結界が歪み、穴が開く。そこにシュウとリカは飛び込む。

 二人が出ると結界が自己修復され、穴がふさがった。


 「じゃ、適当にボコしといて」


 そして、二人は敵に突撃。


 「ッチ!出てきやがったか!」


 激しい拳の応酬、そして、鎌による攻撃。

 だが、二人を相手にしても敵はそれに対応する。


 「・・・何かの魔法?」


 「ソラ君、そんなことより解析は?」


 おっと、そうだった。

 核はどこだ?

 ボクは引き続き魔力の流れから核を探そうとする。

 でも、二人が敵の邪魔をしてくれてるおかげか魔力があまり流れていない。

 それでも、やるしかない。


 「ソラ、まだか?」


 「もう少しでわかると思う」


 あと少し。

 それで終わる。

 解析・・・・・・解析・・・・・・解析・・・・・・解析。

 ・・・・・・・・・・完了!


 「スズ!そこに≪逆刺突剣アンチ・サーベル≫!」


 「わかったよ~。≪逆刺突剣アンチ・サーベル≫!」


 実はスズの魔法は一部しか無効化できない。つまり、こういう結界の破壊はできない。そして、結界は一部じゃなくて全部破壊しないと壊れない。でも、ボクが核、あるいは魔力が集中してるところを教えて破壊すれば結界は勝手に自壊していく。まるで柱をなくして家のように。

 今回は、核が結界の外のカードになっていた。だから、ボクは結界の頂上、つまりは魔力が集中しているところを指した。


 パリン!


 ガラスが割れるような音を響かせて結界が壊れた。

 そして、ボクはカード全部に弾丸をぶち当てて、魔法を破壊。

 コレで完全に魔法が停止した。


 「っく!?」


 「リュウ!カードを打ち落として!冬香!拘束だ!」


 「コード≪氷地獄コキュートス≫!凍れ!」


 「魔法剣≪鞭刃≫!」


 冬香が氷で相手の足を凍らせ、動きを制限する。

 そして、リュウは相手が出したカードのみを黒い鞭のような刃で切り裂く。


 「シュウ!リカ!トドメ!」


 「りょーかい!」


 「もちろんです!」


 ガガガッ!!


 二人は微妙にタイミングをずらして攻撃。

 相手はそれに対応できなくなってきた。そして、武器を持つリカに注意が持っていかれる。


 「隙ありですよ」


 どん!


 シュウが放ったのは掌打。

 五行拳・木行崩拳。


 「かは!?な、何故貴様が!?」


 「私も曲がりなりにも格闘士です。ある程度の武術は師匠せんせいに叩き込まれてます。いつもは我流ですからコレは珍しいですよ」


 「・・・がはっ!?」


 ドサリ。


 ついに敵が倒れた。

 魔力反応は確実に気絶の状態。


 「よし、みっしょん・こんぷりーと!」


 バタ。


 「って、ソラァァァァアアアアアア!!??」


 リカがボクに飛びついて抱き起こしてくれる。


 「ゴメン。実は一週間ほどご飯も睡眠もとってない」


 「オイゴラァ!!何でそんなことになってんだよ!?」


 「アンタホントに救いようのないバカよ!?」


 「シュウ君!?何とかできないの!?」


 「回復薬ポーションは傷しか治せません!疲労は無理です!それこそ治癒属性の魔法使いを呼ばなくては!!」


 「それだ!!・・・親父!!ソラのアホがヤバい!とにかく来てくれ!!」


 はぁ、何だかホントに戻ってきた感じがするよ。

 あぁ、なんか眠くなってきた。


 「ダメ!それは死亡フラグ!!ソラ!死んじゃダメ!起きて!!」


 「親父ィィィィイイイイイイ!!!!!マジで頼む!!」


 「ホントにアンタは世界一のバカよ!!!」


 「何か薬は!?・・・何でこんなものしかないんですか!?」


 「ソラくぅぅぅぅううううううん!!!???」


 ボクはみんなの叫び声をBGMに深い眠りについた。






 ~一週間後~

 「何でこうなるの!?」


 「お前がアホだからに決まってるだろ」


 ボクにとっては二週間ぶりの学校。

 アレから大変だったらしい。ボクは過労で倒れて、リュウが颯太さんを呼び治癒を施してくれたおかげで何とかなったらしい。ボクが倒れてからの一週間もいろいろあったけどそれはまたの機会。

 ちなみにみんなからは五割り増しで家出のこととあわせて怒られた。

 でも、颯太さんの属性って『治癒』だったんだ・・・。通りで校医をしてるわけだ。

 で、今日はなんと中間テスト!実はこの学校は二期制だったんだね!

 てか、またこのパターン!?前のは何!?


 「新入生の実力テストに決まってるだろ」


 「・・・さいですか」


 「アタシもソラの看護でできてないよ~!」


 「リカちゃんドンマイ」


 「いや、お前も普通に勉強してたはずなのにヤバいからな?ここは to say truth だぞ。何が on say cholisse ! とか書いてんだよ。なんて読むんだよ!?」


 「・・・え?『オン、セイ、チョリッス?』」


 「何が『チョリッス!』だ!?舐めてんのか!?意味がわかんねぇよ!!お前は木下優○菜か!?」


 リュウはボク等に最後の悪あがきに付き合ってもらって、勉強を教えてもらっている。

 てか、できる気がしねぇ~。


 「おい、最後のテストだ。さっさと席につけ~」


 「・・・え?」


 「お!三谷いたのか?残念だったな。今日は英語で終了だ。簡単に言うとテスト最終日だ」


 死刑宣告をしてくるガントさん。

 って、マジ!?


 「理事長からはお前には補習を受けてもらう。だそうだ」


 「ありえねぇぇぇぇええええええ!!??」


 「さすがだな。勉強においてまでお前は死亡フラグを作るのか」


 「いらないよ!!」


 「「「さすが三谷(君)」」」


 まさかのクラスの全員が声をそろえて言った。


 「黙れ!ボクは死亡フラグを作りたいわけじゃない!!」


 「ま、そんなことはどうでもいい。筆箱と教科書を仕舞え。机の上には筆記用具のみ許可する」


 「ちょ!?ガントさん!いや、原土先生!!少しだけ待ってください!!」


 「お?珍しく俺の名前をちゃんと言ったな」


 そこでガントさんは豪快な笑顔を浮かべて言う。


 「だが、無理だ!」


 「言うと思ってたよ!!」


 「よし、三谷空志。カンニングで零点、っと」


 「はぁ!?何を・・・って、何でみんなはもう既に準備ができてるの!?・・・あ、ちょっと待って!!別にコレはそういうわけじゃなくてぇぇぇぇええええええ!!!!!!」


 テスト最終日なのに何故かにぎやかな一年一組の教室。

 ま、コレがボクの日常か・・・。


 「よし、お前は外にいろ」


 「ちょっ!?冗談じゃないの!?」


 「・・・お前、いい加減にしろよ」


 いや、誰かボクに平和な日常を返してください。


 「ソラ君は最初からこんな日常だよ~」


 「・・・ソラ、ドンマイ」


 はぁ、とりあえず、今回は英語だけでもがんばってやろう。

 少しでもみんなと楽しく、にぎやかな日々を過ごせるように。


 「では、試験はじめ!!」


 クラスの全員がしゃべるのをやめ、シャーペンで問題の回答を書く音のみが聞こえる。

 まるで、それは明日に向かって駆けていくような音だと思った。




作 「ついに二章終了!」

隆 「・・・・・最後のほうが微妙だよな。」

空 「そうだね。とくに体育館でボクが宇佐野さんと初めて会ったあたりから。」

作 「ぶっちゃけると、僕もそう思った。」

隆 「バカかお前は!?」

作 「魔窟の戦いを書いてるほうが楽しかった。」

空 「うわぁ~。それ言っちゃう?」

作 「ま、過ぎたことはしょうがない!」

空 「・・・・・それを世間一般では現実逃避って言うね。」

隆 「こいつはバカの塊だからな。」

作 「とにかく次回予告だ!!」

隆 「つか、人物紹介じゃねぇの?」

作 「イエス!そして、特別編も書いてみた!パロディ的な意味で!!」

空 「ダメだ!危険な臭いがする!!」

隆 「・・・・・ちなみにどんなだ?」

作 「それは・・・・・ふふっふ~♪」

隆 「・・・・・作者がトリップしたが見捨てないでやってくれ。」

空 「何はともあれ、これからもよろしくお願いします。では、また次回!!」

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