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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
2章 ≪学園編≫
24/170

2話・SPECIAL CLASS

 PV15000、ユニーク2000。


 本当にありがとうございます。

―――side空志

 「で、特別授業って何?」


 所変わって理事長室。


 「魔法の練習じゃ」


 ・・・。

 優子さんが微笑んでいる。

 コレはものすごく危険なことが始まろうとしているに違いない。

 ここは逃げるのが一番か?


 「そこでじゃ、鈴音、リカ、冬香はわしが、隆介とシュウ、ソラには優子をつける」


 ダダダッ!!

 ガシッ!!


 「嫌だ!!ボクはまだ死にたくない!!」


 「私にもまだ作りかけの薬が!!」


 「ジジイ!!コレはどういうことだ!!」


 「女の子にそんな訓練をさせちゃいかんじゃろ」


 「本音は!?」


 「かわいい女の子たちとわきあいあいとしたいのじゃ」


 コロス!!!

 ボク達男子の心が一つになった瞬間だった。


 「戦闘訓練イジメの時間よ。がんばりましょう」


 「「「助けてーーーー!!!」」」


 数分後、学園中に断末魔の悲鳴が響き渡り、めでたく七不思議のひとつとなった。






 「ぱ、ぱとらっしゅ・・・」


 「私の目の前に花畑が~」


 「・・・」


 ここは訓練場のようなトコ。

 学園にこんな物があったとは知らなかった・・・。

 ボク達は三人がかりで挑んだにもかかわらず優子さんから一方的な戦闘ワンサイドゲームをされた。かすってすらいない。


 「でも、成長したわね。30%ぐらい本気を出したわ」


 一人ずつなら10%かい。


 「ソラ君の策略で15%ほどかしら?」


 ボク達の戦闘力はゴミのようだった。

 でも、奇襲すら通じないとかどうすればいいの!?


 「隆介は詠唱を省略しすぎ。威力が低いわ。シュウ君は薬を飲む動作が遅い。すぐ飲めるように工夫がいるわ。ソラ君はまだ自分の力を出し切ってないわね。魔法のレパートリーを増やしたほうがいいわね。全体はコンビネーションはまあまあかしら?」


 「「「ハイ」」」


 「終わったかの?」


 声のほうには龍造さん。

 シュウが龍造さんとの間合いをつめる。


 「ハッ!!!」


 「ごば!?」


 顎に掌打。

 龍造さんが浮く。


 「≪暗黒の刺剣ダークネス・スピア≫!!!」


 「≪焔鳥ホムラドリ≫!!!」


 すかさず魔法を放つボクとリュウ。

 軽い爆発音。

 すると、ボロ雑巾のような状態になる龍造さん。


 「な、なぜ、じゃ・・・ガク」


 「・・・一番の連携だったわよ?」


 「「「当たり前です(だ)」」」


 「ところでじゃが・・・」


 もう復活したのか!?

 ギャグ補正恐るべし!!


 「そろそろGWじゃろ?」


 「そういえばそうだな。」


 「でじゃ、ソラにログから伝言があってな。」


 「ボクに?」


 なんだろう?


 「武器の金を払えということじゃ」


 ・・・。


 「神金鋼オリハルコンっていくらぐらい?」


 「お前の銃はおそらく豪華な家が買えるレベルだな」


 「龍造さん?」


 「わしが払うと言ったのじゃがな・・・」


 ・・・。

 なるほど。


 「要するに弟子になれと」


 「・・・そういえばそんなことを言われてましたね」


 「すまんな、魔道具バカでなあやつは」


 「あきらめろ」


 「でも、そんな簡単に≪魔窟ネスト≫に行けるんですか?」


 「オレ等の寮の一室にゲートがある」


 「逃げ場はないんだね」


 なら、しょうがない。


 「じゃ、向こうに行く用意するから手伝って」


 「おう」


 「任せてください」


 ボク達は訓練場を出て行こうとする。


 ガシ。


 「まだ、訓練の途中よ」


 作戦失敗!?

 さりげなく出て行こうとしたのに!!


 「ソラ!!すまない!!」


 「ソラさんのことは忘れません!!」


 「おい!!」


 「逃がすと思っているのかしら?」


 「「ぎゃぁぁああああ!!!」」


 ・・・見なかったことにしよう。


 「気絶しちゃったわね。じゃ、しょうがないからソラ君だけで」


 ボクは生きて帰れるのだろうか?






 「・・・」


 「よくがんばったわね」


 ダメだった。

 今のところ最強の≪月夜ツキヨ≫を使って攻撃したがダメだった。

 てか、2、3回振ったら壊れるって知らなかった・・・。

 コレがダメならどうしろと?


 「でも、その具現化マテリアライズはまだ不安定ね」


 「・・・不安定?」


 「そう。その魔法は数回振っただけで壊れるやわな魔法じゃないわ」


 優子さんの説明によると、ボクが使える最強の技≪月夜ツキヨ≫は超古代魔術。つまりは失われた魔法ロスト・マジックと呼ばれる類の魔法らしい。

 失われた魔法ロスト・マジックとは、使い勝手が悪すぎて廃れたものと強力だけど、資質に左右されて限られた人にしか使えないために廃れていったものの二つがあるらしい。


 「具現化は後者に当たるの」


 へぇ~。

 そして本来、具現化とは魔力を超高密度で圧縮させる魔法らしい。それで擬似的な武器を創り出して 相手を攻撃するというのが普通。

 確かに、ボクのやつはただ魔法を収束させているだけの魔法。ぶっちゃけ、ものすごく粗い。

 本来は数回振っただけで壊れるヤワなものではないらしい。

 でも、コレでも結構強力だと思うけど?

 何の準備もなしに魔法をバカスカ撃てるし。


 「完全にものにできたらわたしでもどうか・・・」


 「絶対ものにします」


 よほど強力なようだ。

 しかも優子さんに勝てるかも知れないような。


 「でも、どうしてボクがこんな魔法を使えるんですかね」


 「月のせいだと思うわ」


 やっぱりこの属性は謎が多すぎる。

 どんなことができるのか自分でも把握できてない。


 「あの指揮官さんに聞けてたらな・・・」


 何でボクは寝てたんだろう。

 賭けに勝ったのに・・・。


 「指揮官さんって?」


 「いや、都市に攻めてきたときにいたじゃないですか。あの人の魔法の特性のために、いろんなことを知ってたんですよ」


 「あ、司書の智也さんね。」


 ・・・。

 今なんと?


 「実はね、あの人、あの後責任とかで国の職を解雇クビになったらしいの」


 そういえばかなり上の地位にいるとか言ってたな。


 「それをお義父さまが見つけて・・・」


 「要するに拾ってここの図書館の司書にしたんですね」


 うなずく優子さん。

 いや、龍造さん、あんた非常識すぎるだろ!?

 敵を魔物側こっちに引き込むとか!!


 「いや、わしが魔物だと言っても『おもしろい』と言っただけじゃぞ」


 「・・・いつも思うんですが神出鬼没ですよね」


 龍造さんがいた。


 「ま、とにかく大丈夫なんですね?」


 「そうじゃな」


 「すみません、少し聞いてきてもいいですか?」


 「わかったわ」


 ・・・わかりました。

 戻ってこないと次のときに地獄を見そうなのですぐに戻ってきます。

 ボクは急いで図書館に向かう。






 ここの図書館は独立している。

 どこかの棟にあるわけではない。

 見た目は普通に市とかが経営するような感じ。

 でも、学園の生徒しか本を借りることができない。

 ボクは図書館に入ると司書さんのいるカウンターに行く。


 「・・・ホントにいたよ」


 そこには都市を襲った指揮官の人。

 名前は忘れた。


 「こんにちは~」


 「ああ」


 「・・・」


 「・・・」


 「・・・・・・」


 「・・・・・・」


 「・・・そろそろツッコンでくれません?」


 「いや、世間は以外に狭いからな」


 さいですか。

 世界単位ですけどね。


 「だが、お前は何でここに?」


 「ここの生徒です。ちなみに名前は三谷空志。ソラでかまいません」


 「そうか。私は元軍人、現司書の城崎智也きのさきともやだ。で、何だ?あの賭けのことか?」


 「そうです。教えて欲しいことがあるんです。『月』の属性について」


 「『月』か・・・・・。厳密には『魔法』という名の属性か」


 「何か知りません?」


 「すまんな。あまり詳しいことは知らん。私が知っている範囲でよければ話そう」


 いや、それで十分です。

 ボクは何もわかりませんから。


 「まず、『月』の属性はパッシブで魔力の流れ、魔法や属性の解析、さらには相手の発動しようとしている魔法構造、そしてその攻撃予測といったような様なことができるらしい。だが、コレは基本的な力だそうだ」


 ≪月詠ツクヨミ≫のことか。

 魔法構造までわかるのか・・・・・。

 でも、コレは基本なのか。


 「その先は?」


 「私の知る文献ではこれ以上のことはわからなかった」


 「そうですか・・・・・他には?」


 「魔法特性としてだが、この属性は『創り出す』ということに特化した極めて珍しい魔法だ」


 「『創り出す』?てか魔法特性?」


 「知らんのか?」


 「なにぶん素人なもんで。」


 「・・・たとえば、お前の仲間には『闇』の属性がいたな?」


 リュウのことか。


 「『闇』は主に侵食というような効果や凶悪な攻撃魔法が多い。『氷』は水の派生系。そのためか空気中の水分を使って連射等の攻撃がうまくできる。『土』は硬化という具合。『火』なら破壊や再生という感じだ」


 「つまり、その属性での得意分野ですね」


 「そういうことだ。で、古文書によると月は先ほど言ったように『創り出す』ということに特化しているらしい」


 「でも、『創り出す』って具体的には?」


 「すまんな。そこから先を私も知りたかったんだがとうとう知ることはできなかった」


 「そうですか・・・」


 「私からも一つ聞いてもいいか?」


 「いいですよ」


 「三谷。お前は『月』の属性なのか?」


 「はい」


 別に隠すことでもないし。

 それにいずれわかっちゃうだろうしね。


 「・・・通りで負けたわけだ」


 「あなたにとってのイレギュラーですからね」


 「・・・だが、最後に使った具現化だが・・・」


 「不安定、ですか?」


 「違う。お前はそれを知っていたのか?」


 ・・・そうか。

 確かに知らない魔法をどうして使えたんだろう?


 「いえ、知りませんでした」


 「・・・ひょっとすると、それが『創り出す』力なのかもしれない」


 「どういうことですか?」



 「あれは具現化ではなく、まったく新しい魔法だったのかもしれないということだ」



 「新しい魔法?」


 「それにお前の魔法展開方法のこともある」


 「魔法陣のことですか?」


 「ああ、普通は詠唱を行い魔法名を言うことで魔法が発動する」


 そういえば詠唱は魔法構造ソースコードを決めて、どんな効果、規模等を設定するようなものってボクの魔道書に書いてあったな。


 「だが、あくまでコレは一般的な魔法で、だ」


 ・・・・・どゆこと?


 「数法術式、これは機械デバイスの補助で通常の精度を遥かに超える魔法を操れる。だから弾幕を張ることが可能だ。しかし、専門的な知識が必要で習得は酷く難しい。さらに完全にものにできてなければ普通に詠唱したほうが楽という非常に才能に左右されるスタイルともいえる」


 魔法の展開方法にもいろんな特徴があるんだ。


 「そしてお前の魔法陣は、『召喚』に近いものがある」


 「『召喚』?」


 あれだよね、異世界からいろんな生き物を呼んで使役するやつ。


 「まぁ、それで構わない。だが、異世界の魔物を使役する魔法なんてものではない。私達の言う『召喚』とは自分の中にある力を呼び出すものだ」


 「サーセン。わかりません」


 「しょうがない。『召喚』は魔法の中でも異色過ぎて誰も使ってないからな」


 「『創り出す』力に『召喚』ですか」


 謎が謎を呼んだ気がする。

 ま、魔法陣は作者の龍造さんに聞けば何とかなるでしょ。


 「すまんな」


 「いえ、ボクは全然わからなかったので。とても助かりました」


 「元敵が言うのもなんだが新しいことがわかればお前に教えよう」


 ・・・やっぱこの人基本的にいい人だよね。

 話していてそう思った。


 「お願いします。じゃ、またこ「ソラ!」ぶふぁ!?」


 誰かにタックルされた。

 いや、わかってるけどね!


 「リカ!!」


 「大丈夫!?何もされてない!?この歩く生き字引に!?」


 「いいえて妙だな。確かに私に知らないものなどそうそうないからな」


 「納得しちゃったよ!?それと強いて言うならリカに押し倒された」


 「・・・そういえばこいつはお前の彼女か?」


 「いえ、「そうです。」いや、違うでしょ」


 「いちゃつくなら外でやれ、ここは図書館だ」


 「だから、「そうします!!」ってコラ~!!」


 ボクはリカに引っ張られて外に拉致された。






 「というのが智也さんから聞いた内容です」


 「すごいの。わし等でも知りえる者が少ないことをよく知っておるの」


 またまた訓練場。

 帰ってくるのが遅いという理由で優子さんに殺されそうになった・・・・・。


 「で、ボクの魔法陣の特徴をさっさと教えろ」


 「人にものを「≪千刃嵐センジンラン≫」ぬぉぉぉぉおおおお!?」


 ボクが使ったのは風系統の魔法。

 鋭く、素早い多段攻撃は風の特徴。

 普通ならコレをモロに受けるとミンチになる。


 「・・・さすがに死ぬかと思ったぞい」


 だが、ボクの放った相手は普通じゃないし、常識も通用しない。


 「今度は拷問の魔法を組んで最初の実験台にする」


 「自分の力の本質の召喚じゃ」


 すぐに答える龍造さん。

 だが、意味がわからない。


 「簡単に言うと、個人の本質を魔法にするとその形で出てくる。たとえば、おぬしの強力な魔法は生き物が多いじゃろ?」


 「確かに鳥に蛇だね」


 「魔法に自分のイメージを組み込むとでも言っておけばよいのかの」


 「・・・たぶんわかりました」


 要するに自分のイメージを魔法に反映させる。

 それが魔法陣による魔法展開の特徴なんだろう。


 「じゃ、そっちの方面で魔法を『創り出す』ということをしてみればいい、と」


 「そうなるのかの?」


 ま、なるようにしかならないし。

 ボチボチがんばるしかないか。


 「でも、ここでしか魔法の試し撃ちとかできないよな~」


 「それはしょうがないじゃろ」


 ですよね~。


 「じゃ、訓練を再開するわよ」


 「ヱ?デモ、リュウ達オキテナイ」


 「一回起きたわよ~。すぐに気絶したけど」


 三度目の正直!!


 ダッ!!

 ガシ。


 「二度あることは三度あるのよ」


 「ぎゃぁぁああああ!!!!!」


 ボクの地獄はまだまだ続くようだった。


作 「ピンチだ!!」

隆 「今回のテストが赤点のオンパレードだったことか?」

樹 「そうだったんですか。」

冬 「バカは大変ね。」

作 「違~う!!ストックがなくなってしまった!!」

冬 「何の?」

作 「小説のだよ!!現在いろんなネタを捜索中だ!!」

樹 「がんばってください。」

作 「いや、手伝えって!!」

隆 「一介の登場人物に頼むなよ。バカか?」

作 「・・・・・奥の手だな。」

樹 「奥の手、ですか?」

作 「読者の皆様!!」

冬 「読者の方に頼むなんてクズね。」

作 「・・・・・ガンバリマス。」

隆 「で、次回は?」

作 「GWに行っちゃおうぜ!!≪魔窟≫!!」

樹 「他には?」

作 「サーセン。それしか決まってないっす。」

隆 「こんなアホでダメでクズな作者だが見捨てないでくれ。」

作 「誰か!!オラにネタを分けてくれ!!」

冬 「ドコの孫○空よ。」

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