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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
2章 ≪学園編≫
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1話・NEW DAYS!

―――side空志


 ちゅんちゅん。


 テスト返しという名の悪夢から生還した翌日だ。

 今朝は心地よく眠っていた。

 ボクはスズメの鳴き声で目が覚める。

 ふと気づくとボクの横に違和感が。なんか肘あたりにやわらかい物が?レオかな?

 ・・・ボクはまだ眠いんだ。うん。寝ぼけてるんだ。

 ・・・もう少し寝させていただこう。

 隣に女の子が寝てるとかどこぞのラブコメだろう。


 「・・・ん」


 その少女がもぞもぞと動く。

 そして目を開ける。


 「あ、おはよう。ソラ」


 「おはようじゃねぇぇええええ!!!!」


 ボクのベッドに潜り込んで寝ていたのは白髪に赤い目の美少女。

 アンジェリカ・シェルス、通称リカだった。

 ちなみにレオは床で寝てた。


 「何でここにいるの!?」


 「人肌が恋しくて・・・」


 ウソ付け!!

 リカはまだ人間不信が治ってないだろ!!

 クラスのやつとどころか先生に関しては≪魔窟ネスト≫の魔物の先生としか話せないぐらいにダメだろ!


 「じゃ、おはようのキスを」


 「いや、何の脈絡もない上に、いい加減吸血をキスって言うのやめよう。今回を入れて二回しか言ってないけど。それと・・・」


 かぷ。ちゅ~。


 「話を聞、け、よ・・・」


 ボクの首をがっちりホールド。

 ボクに抱きついて首筋に犬歯をつきたてて血を吸う。

 前は腕を差し出したらそっちで吸血してくれたのに・・・。

 何でか最近はボクに抱きついて首あたりに吸血する。

 コレはいろいろとまずい構図だと思う。

 それにかなり密着する形になる。

 それにリカは美少女だ。ボクの気が変になりそうだ。

 だがしかし!!今のところは理性が勝っている。

 ボクの精神力をなめるなよ!


 「ん~」


 「・・・」


 サーセン。

 リカサン、ボクの胸にあなたの胸があたってます。さっきより強く抱きしめないでください。

 いろいろとかなりまずいです。


 「ソラく~ん朝ごはんだよ~」


 この声は!!

 救世主降臨か!?

 ・・・いや、今のこの状況はダメだろ!!


 「リカ!離れて!!」


 「え~」


 何だこいつは!?

 今の状況がわかってないのか?


 「ソラ君?入るよ~」


 「あ、ちょ!」


 ガチャ。


 「・・・ゴメンね。お取り込み中だったんだね」


 「えへへ~」


 「ちっがぁぁああああう!!!」


 扉を開けたのは校内にファンクラブを持つ天然系ののほほんとした少女。

 坂崎鈴音。通称スズ。『リバース』の属性を持つ魔法使い。


 「どうした?」


 次にやってきたのは間隆介。通称リュウ。

 ドラゴンで擬人化すると結構なイケメンになるボクの悪友。

 ついでに魔王の孫だ。『闇』の属性を持つ魔法を使う。


 「事件のにおい!?」


 駆け込んできたのは平地冬香。眼鏡のショートカット。凛々しいお姉さまな女子。

 女子にモテるらしい。ちなみに、転入一日目でリカとともにファンクラブを作らせることに成功している猛者だ。


 「朝からにぎやかですね」


 爽やかな笑顔で入ってきたのは李樹リー・シュウ。樹族の薬剤師の優男風の男子。

 こいつも転入した日に女子のハートをつかんだらしい。


 「・・・」


 そして、ボクは固まってしまう。

 この状況を打破するにはどうしよう。


 「朝から何やってんだ?」


 こんな風な状況になったのは、昨日のあれのせいだよな・・・。






 ~昨日~

「・・・死ぬかと思った」


 「むしろ、あれで生きてけるやつはお前だけだ」


 「ホントに規格外ね」


 うるっさい。


 「しかし、下手するとあの指揮官さんより強いかもしれませんね」


 「なぜか途中で狙撃されそうになった気がする」


 それはたぶんボクを狙おうとしたんだよ。

 狙撃銃スナイパーライフル構えた人がいたからね。

 突撃銃アサルトライフルを持った人が暴徒鎮圧用ゴム弾を放ってきたときはこの学園は治外法権なのかと思った。

 ボクのスキルは今日、レベルアップしたな。


 「こうして、ソラ君の人外度もレベルアップだね~」


 「それは嫌だ!!」


 ボク等が走ってるうちに理事長室に到着。

 理事長室は、職員室や、会議室など先生達がいる職員棟にある。

 ちなみに生徒会室やその他委員会の集まるための部屋もここだ。

 ここには学園運営のための棟だと思ってくれればいいと思う。


 コンコン。


 扉をたたく。

 中からどうぞという声。

 よし、準備は整ってる。


 「「死ねぇぇぇええええ!!!!!」」


 スズとボクは遠慮なく魔法を使う。


 「≪逆刺突剣アンチ・サーベル≫!!」


 「≪雷燕ライエン≫!!」


 ボク達は絶妙なコンビネーションで魔法障壁を無効化し一撃を与える。


 「な、ぎゃぁぁああああ!!!!!」


 理事長こと龍造さんの悲鳴が上がる。


 「・・・悪は滅した」


 「わたし達の順位を公表なんかするからだよ~」


 「だが結局、最下位は補習アリで張り出されるんじゃないのか?」


 「「・・・」」


 「ま、そんな事はほっといておぬし等に話がある」


 復活早いな!!

 前回の間家の方々にフルボッコにされたときもそう思ったけど。


 「単刀直入に言うが、寮に入れ」


 「無理」


 そう答えるのはボク。

 普通に考えて話が急すぎる。


 「親に話してもないのにそんなことを言われても・・・」


 プルルルルルルル。


 ・・・電話かな?


 「もしもし。あ、三谷さんですか。この度は急なことを申し付けて誠に申し訳ない」


 「何でだよ!!」


 『あ、空志?そこにいたの。急だけどゴメンなさいね』


 ボクが電話を奪い取ると、相手は我が母だった。


 「何この超展開!?」


 『でも、特別クラスに入ったんでしょう?そのクラスの子達は寮生活を義務付けられるんだからしょうがないじゃない』


 ・・・それってどういうこと?


 『皆さんに迷惑を掛けちゃダメよ。じゃ、がんばりなさい。理事長さんにもよろしく言っときなさいね』


 ガチャ、ツー。ツー。ツー。


 「・・・どういうこと?」


 「お前らは魔法使い。あるいは特殊なことができる。じゃから、わし監督の下でそっち系の特別授業を受けてもらう。スズネちゃんのほうも連絡をしておいたから大丈夫じゃぞ。荷物はすでに寮の部屋に届けた。足りんものは各自でそろえてくれんかの?」


 あまりのことにビックリする暇がない。


 「コレで話は終了じゃ。ホレ、次の授業に間に合わんぞ」


 ボク達は自分の教室へと戻っていった。






 「ということがあったんだよな」


 というわけでボク達6人は寮にいる。

 この寮は龍造さんが以前住まいに使っていたようで、普通の家だ。

 いや、結構大きめな家だ。

 部屋数が多く。まだ10はある。

 それぞれ勉教机とベッドは完備。

 部屋は自分で改造可。

 かなりの待遇のよさでビックリした。

 そして、寮の記念すべき一回目の朝にボクが添い寝をされているという事件が発生した。


 「ちょっと、このおもし、じゃなくて愉快な状況を説明しなさいよ」


 「冬香、言い直す意味があったのか?」


 「・・・既成事実を」


 おい、お前は突然何を言う?


 「そうか、それならしょうがない」


 「そうだね~」


 「しょうがないですね」


 「な~んだ、修羅場じゃなかったのね」


 「みんな!!何で納得したの!?」


 ここには常識が通じないのか!?


 「一番常識が通じないのはソラだと思う」


 「・・・いい加減に抱きつくのをやめて」


 ボクはリカを部屋から追い出す。

 ・・・制服に着替えてリビングに行こう。






 「おはよう」


 みんなも挨拶を返してくれる。


 「じゃ、朝飯だな」


 「そういえば、コレは誰が作ったの?」


 「わたしだよ~」


 ・・・大丈夫かな?


 「料理はできるんだよ~。そんなこと言うんだったら取り上げるよ」


 「いただきます」


 ボク等は朝食を開始。

 メニューはご飯と味噌汁。

 日本はやっぱコレだね。


 「・・・うまいな」


 ボクもそう思った。

 よかった。


 「おいしいですよ」


 「ありがと~」


 ボク等は適当にしゃべりながら食事を続ける。

 平和だね。うん。





 「みんなで登校か」


 一人での登校を常としていたボクにはちょっと新鮮だ。

 といっても、この広大な学園の敷地内の寮だからものの十数分で学校に着く。


 「じゃ、私達はクラスがこちらなので」


 「また、昼休みに合流するわよ」


 「おう」


 「おっけ~」


 「わかった」


 「りょーかい」


 そう言ってボク達は分かれる。


 「そういえばリカのクラスは?」


 「何を言ってる。オレ達と同じだぞ」


 ゑ?

 だって昨日はリュウしか紹介されてないじゃん。


 「ガントさんが後から来るって言ってた転入生はリカちゃんか~」


 そういえばそんなこと言ってたな。

 ・・・果てしなく死亡フラグな予感。

 今現在の場所は教室近く。

 ボクの頭の中で危険信号イエローが点滅する。


 「ゴメン。用を思い出したから先行ってて」


 逃げるのが一番!!


 「何言ってるの。ほら、行くよ」


 リカがボクの腕を組むようにしてつかんで引っ張る。


 ガラッ。

 ギン!!


 「さらば!!」


 「「「三谷ぃぃぃぃいいいいいい!!!!!」」」


 リカの腕を振りほどいて逃げる!!

 追いかけてくるのはスズとリカのFCの方々。

 全員が木刀やらメリケンやらで武装している。


 「貴様何を朝からイチャついてんだぁぁああああ!!!!!」


 「何でボクだけなんだ!?」


 「残りの二人は勝てる気がしないからな!!」


 ただの臆病者チキンだった。


 「だが、おれ達の同類だと思っていたお前が何故ハーレムを形成している!!」


 「いや、リュウとシュウもいる!!」


 「「「問答無用!!!」」」


 「話を聞けよ!!ってうわ!?ゴム弾!?」


 飛んできた方を見ると狙撃中スナイパーライフルを構えた女子が後ろの通路の影に。レシーバーのようなもので連絡を取っているようだ。

 冬香のほうか!!

 てか、どっかの過激派テロ組織よりヤバいぞ!?

 ここって学校だよな!?


 「止まりなさい!!」


 ボクは急停止。

 言われたことに従ったわけじゃない。

 ボクの前方に回りこまれてたんだ。

 しかも突撃銃アサルトライフル短機関銃サブマシンガン的なものを構えた状態で。

 ボクにはあれを無視して突貫する勇気(無謀)は持ち合わせていない。


 「アナタには選択肢があります」


 「・・・どんな?」


 「苦しみぬいて天国へ逝くか楽に地獄へ逝くか」


 「さらば!!」


 ボクは窓を開けて三階から飛び降りる。

 命は大切だからね!!


 「≪突風トップウ≫!」


 こっそりと風を起こす魔法を使ってボクの落下速度を落とす。

 着地。そして、逃走。

 三階からは「あいつ人間か!?」という言葉が飛び交う。

 いや、二階からなら何も無しで飛び降りて無事だ。何回かやったことがある。

 とりあえず、授業が始まるまで約10分。

 がんばって逃げよう。






 「お疲れ」


 「死ぬかと思った」


 「でも、魔法使ってよかったの~?」


 「あの程度なら大丈夫だ」


 やっぱバレてたか。

 だが、相手は過激派テロ集団より強いからしょうがないよね!


 「お~し。席つけ~」


 そう言ってくるのは我らが担任、ガント・バルドさん


 「三谷、俺は原土元太だって言ってるだろ」


 「サーセン」


 「適当だな」


 「おっさんだからしょうがない」


 「間、後で職員室来い」


 「だが断る!!」


 「門番してなくていいの~?」


 「・・・もうお前ら黙れよ」


 そういうと出席を取っていく。


 「よし、休みはいないな。それと三谷、坂崎、間、シェルス。お前らは午後は理事長室で特別クラスを実施すると理事長のお達しだ」


 「突然ですね!!」


 「ジジイだからな」


 「しょうがないよ~」


 「あの人はいい人だと思う。・・・特に寮のこととか(ボソッ)」


 リカがなんかおかしいが今は授業に専念しよう。



 コレがボクの日常ヒニチジョウ


作 「ついに始まりました第2章!!」

空 「この学校には常識がないのか!?」

隆 「無いに決まってるだろう。」

鈴 「龍造さんの学校だよ~。」

空 「聞いたボクがバカでした。」

作 「よろしい。というわけで、しばらくはほのぼので行きます。」

空 「どのあたりがほのぼの!?」

作 「全体的に?」

空 「ボクは命の危機にさらされてますが!?」

隆 「気にするな。」

鈴 「ソラ君にしてみたらこんなの楽勝だよ~。」

作 「というわけで、次回もこんな感じでほのぼのしていきます。事件等が発生するのは当分先になるのかな?」

空 「いや、コレで事件が発生したらボクは死ねる自信がある!!」

作 「じゃ、次回もよろしくお願いします。」

空 「うぉぉぉぉおおおおおいいいいいい!!!!!」

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