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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
1章 ≪異世界との遭遇≫
22/170

改訂中

―――side空志

 あれから一週間が過ぎた。

 ボクはあの後また数日間の間を眠ってしまったようだ。

 あの後、みんなから鉄拳制裁を受けた。まぁ、しょうがないね。

 龍造さんの結界は再構築され、今もこの都市を守ってくれてる。

 気絶した兵は強制的に森の外に送り出されたらしい。あの指揮官に聞きたい事があったのに・・・・・。ま、しょうがない。

 そして、もう都市は復旧した。

 さすがは魔物の都市。

 ドワーフの力の賜物のようだ。


 「ホントにこの2週間はいろいろあったな」


 「そだね~」


 「ホントにいろいろありすぎたな」


 スズとリュウが返してくれる。


 「ソラ、ホントに行くの?」


 そう言うのはリカ。

 説明をするのを忘れてて、つい最近話した。

 異世界から来たことを。


 「しょうがないですよ」


 「まさか、あんたたちが向こうの人だったとはね~」


 そういうのはシュウと冬香だ。

 今日は、ボク等が向こうに帰る日だ。

 間家の方々に魔法のお墨付きはもらった。

 ここは、異世界間の移動用のゲートだ。

 足元に大きく、複雑な魔法陣が描かれている。


 「機会があればまた会いましょう」


 「また、一緒に戦闘訓練をしましょうね」


 「はい、颯太さん。優子さんは結構です。レオを頼みます」


 ボクはレオを颯太さんに預けた。

 レオとってはこっちのほうが環境がいいと思ったからだ。

 そして、いろんな人が見送りに来てくれた。

 今や、ボク達はこの町のヒーローでみんなの名前は知れ渡っている。


 「お主ら、準備はよいか?」


 龍造さんが声をかけてくる。


 「ホントにありがとうございました」


 「こっちこそ都市を守ってくれてありがとう」


 「こっちもたくさんお世話になったからね~」


 「そうか。・・・・・じゃ、起動するぞ」


 ボク達の足もとの魔法陣が輝く。


 「コレは学園の屋上に通じている。じゃ、元気でな」


 「リュウは来ないの?」


 「オレにもやることがあんだよ」


 「そっか~。ちょっと寂しいね」


 「大丈夫だ。すぐに会える」


 ボクもそんな気がするよ。


 「「じゃ、また会おう!」」


 ボクとスズは気づくと学園の屋上にいた。

 時刻は昼時。今日は土曜の休日だ。


 「・・・帰ろっか」


 「・・・そうだね」


 ボクとスズはそれぞれの家へと帰っていく。






 ~数日後~

 うかつだった!!

 まさかテスト期間だったとは!!

 テスト自体は昨日終わった。

 ボクはまさかのノー勉で挑んだ。


 「ソ、ソラくぅん」


 ボクの教室にスズが現れる。


 「・・・聞かないでおく」


 「そうしてくれると助かるよ~」


 「お~い。今日は急遽体育館で理事長の話があるぞ~」


 そういったのはボクの教室の担任。

 みんなはえ~とか言いながら教室を出て体育館へと向かう。


 「・・・この学校にも理事長とかいたんだ」


 「そうだね。でもテストが~」


 頭を抱えるスズ。

 安心しろ。ここに同士がいる。






 いん・ざ・体育館。

 「理事長ってどんな人?」


 「そういや、理事長は15年ほどこの学校をほったらかしにするほど適当らしいぜ」


 そういったのは学生A。

 所詮モブの一人。


 「いや、ぶっちゃけるなよ!?」


 「ドンマイ、学生A」


 「ちくしょぉぉぉぉおおおおおお!!!!!」


 でも、似たような内容をつい最近聞いたような気がする。

 特に15年の部分。


 「静かにしてください」


 一人の先生がざわざわした体育館を静かにしようとする。

 わりかし治安のいいこの学校はその一言で静かになる。


 「では、理事長、間龍造からのお話です」


 ・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・。

 オイコラ、イマナンツッタ?


 すると、壇上には、≪魔窟ネスト≫の市長マオウ

 種族はドラゴンの龍造さん。


 「何でいるんだよ!!」


 「そこのキミ。静かになさい」


 「いや、無理ですよ優子さん!!」


 ・・・・・あれ?


 「何で優子さんまでぇぇえええええ!!!!!」


 そこにはスーツを着こなす眼鏡美人な優子さんがいた。


 「ソ、じゃなくて、君、ちと静かにしてくれんかの?」


 今、ソラって言いかけたよな!!

 スズのほうを見てみる。

 スズは隣のクラスで出席は前のほうだ。

 そこには呆然としたスズの姿がある。

 ダメだ。頼りにならない。

 体育館がざわざわしだす。


 「静粛に!」


 優子さんの一括で静まる体育館。

 ボクは混乱してしまって、話をろくに聞いてなかった。






 「どういうこと!?」


 「サプライズだね~」


 サプライズ過ぎるよ!?

 ボクは周りから好奇の目で見られてるし!


 「よし、じゃあ一年からクラス替えの教室を見に行くぞ~」


 ・・・・・ごめんなさい。

 超展開過ぎてついていけません。


 「聞いてなかったのか?理事長の権限で急遽クラス替えすることになったんだよ。各階の掲示板に張り出してるらしい」


 教えてくれるのは学生A。

 この学校はかなり前に話したとおり、広大な敷地を持つ。

 ボク等が普段いるのが教室だけの棟。教室棟。

 三回から順に一年、二年、三年という風になっていて、クラスは10もある。ちなみに一クラス30~40ぐらい。


 「いや、もうAやめれ」


 学生Aが文句をぶーたれる。

 メンドイ。

 じゃ、田中太郎で。


 「普通すぎて珍しすぎる!?」


 田中太郎がツッコム。


 「決定なのか!?」


 「スズ、おそらく龍造さんのことだ。他にも何かしかけてる」


 「そうだね」


 ボクとスズは真剣な表情で話し合う。

 田中太郎はスルー。


 「・・・」


 切ない顔をしてるが無視だ。

 今はそれどころじゃない。


 「とりあえず、クラスを見に行こう」


 ボクとスズは荷物を持って教室を出る。


 「俺は?」


 さらば、田中太郎。






 「やっぱ同じクラスか」


 「そうだね~」


 ボクの隣の席に陣取ったスズが言う。

 ボク等は一年一組になった。

 てか、いくらなんでも職権乱用だ。

 教育委員会に訴えなければ。

 ・・・しまった。ケータイは壊れたままだった。


 「おい、お前ら。着席しろ」


 担任が来たようだ。

 うん。ガタイのいい鬼人オーガ

 ・・・。


 「「ガントさん!?」」


 門番のガントさんだった。


 「何を言う。俺は原土元太はらどがんただ。ソ、じゃなくて三谷」


 「いや、ボロ出しかけてただろ!!」


 「そんなことより転入生だ」


 「スルーを決め込むな!!そしてすごくやな予感がするからその先はしゃべるな!!」


 「三谷、先生はお前をそんな風にした覚えはないぞ。」


 「全力であんたたちのせいだよ!!」


 「ま、転入生来い。後から遅れてもう一人来るからな」


 がらっ。


 「転入してきた間隆介だ」


 黒板にガントさんもとい原土先生が間隆介と書く。


 「ホントにすぐだったな!?」


 「何を言うんだ?うれしいくせに」


 もう、黙れよ!!

 そして、リュウが空いてる席に座ると、そこからは今後の予定とかが配られた。

 ボクは校内で変人のレッテルが張られた。






 「で、コレはどういうことだ?」


 ボクは周りの生徒から質問攻めに合うリュウにたどり着くとそう聞いた。


 「この学園がジジイの経営する学校だ」


 なるほど、全てを理解した。


 「・・・・・そんなに魔力を垂れ流してドコに行く気だ?」


 「いや、龍造さんを地獄の一丁目辺りに旅行させてあげようと」


 扉を出ようとするボクに声をかける。

 邪魔をしたらリュウといえど命に保障はない。


 「止める気はさらさらないがそろそろ来るぞ」


 「何「ソラ!」ぐふぉあ!?」


 何かがボクにタックルをかまし、床に押し倒す。

 それは、日本にしては珍しく、外人のようだった。グローバル化が進んでいる。

 髪は白髪。顔だちはかなりかわいい。町に出ると10人の男子が10人とも振り返るだろう。そして、目が赤い少女だ。


 「って、リカ!?」


 「会いたかったよ~」


 ボクに抱きついてそんなことを言う。

 ・・・死亡フラグな予感。

 周りの男子の殺気が膨れ上がっている。


 「相変わらずにぎやかね」


 「それが皆さんですよ」


 方や凛々しい委員チョータイプな眼鏡が似合う女子。

 方や爽やかな笑顔を常に振りまく優男な男子。

 冬香とシュウだった。


 「なにコレ!?」


 「私達もこの学校に入ったんですよ。偶然にも全員同い年だったようですね」


 そんなことは聞いてない!


 「わたし達が来てうれしいくせに~」


 そういって床に転がったままのボクの頬をつつく冬香。

 ・・・なんで女子の殺気が膨れ上がったし?


 ぴんぽんぱんぽ~ん。


 『今から呼ぶものは理事長室に来るのじゃ』


 逃げよう。


 『あ~。テスト最下位の三谷空志、坂崎鈴音』


 「「コロス!!」」


 「落ち着け」


 『面倒じゃな。というわけでいつものメンバー来い』


 「ソラー。一緒に行こう」


 リカがボクを立たせ、腕を組む。


 ブチィ!


 そんな音が聞こえた気がした。


 「「「三谷ィィィィイイイイイ!!!」」」


 みんなどうした!?

 目が血走ってる!!


 「坂崎さんだけでなくアンジェリカさんまで!!てか、アンジェリカさんはクラスではそこまで明るくなかったぞ!?」


 

 「さらにはお姉さままで!!」


 「何のことだ!?アンジェリカ誰!?」


 「あ、それアタシ。最初に会ったとき、声が小さくて聞き取ってもらえなかったの。フルネームはアンジェリカ・シェルス。でも、コレまでどおりリカって呼んでっ☆」


 そうなのか。それならしょうがないよ。

 リカはボク等に会うまで人間に忌み嫌われてきてきたから。

 この6人以外にはあまり積極的になれないっぽいし。

 じゃなくて!!


 「どうしてこうなってんの!?」


 「「「我らはスズネ愛好会!!」」」


 そう言って何人かの男子が声を張り上げる。


 「貴様のその狼藉、許すまじ!!」


 「ドコに許されない要素があった!?」


 「我らがスズネ譲を軽々しく『スズ』と呼んでいたではないか!!そして、最近までスズネ様の近くにお前はいなかったのに何故こんなに親しい関係になっている!?」


 要するに妬みですね。八つ当たりですね。

 スズはキョトンとしている。

 じゃ、次。

 ボクは次の集団に目を向ける。


 「「「わたし達はお姉さま後援会!!」」」


 「次。」


 「聞きなさい!!」


 腐女子にはかかわりたくない。

 どうせ、冬香に近づくなだろう。


 「「「おれ達はアンジェリカFCだYO!!」」」


 「みんな、行こう」


 「聞けよ!!」


 進路に回りこまれてしまった。

 ・・・メンドイがしょうがない。

 できればアホの集まりにはかかわりたくなかった。

 ま、さっきの腐女子よりはマシ。


 「君はアンジェリカさんをその毒牙にかけたじゃないか!!」


 いや、わけがわからん。


 「・・・ある意味そうかもな」


 リュウがつぶやく。

 ・・・何かした?


 「そして、アンジェリカさんから離れろ!」


 殺気がさっきより濃密なものになる。

 コレはヤバい。


 「離れろ!リカ、命が危ない!!」


 主にボクの。


 「え~。あの時は強く抱いてくれたのに・・・」


 ピシィ!!


 ・・・本格的にヤバい!!

 みんな何かを誤解している!!


 「みんな!誤解だ!!確かに抱いたけどそれはリカを守るためだったわけで」


 「「「キエロ!!」」」


 さらば!!

 ボクはリカを振りほどいて逃げる。

 こんなときのためのボクのスキルだ!!

 ボクは危機回避スキルを使って逃げ回る。

 ・・・どれくらい位逃げたんだろう?


 「そろそろ体を休めないとツライ」


 周りを見ると保健室があった。

 ベッドに隠れて病人のフリをしよう。


 ガラッ。


 「あ、ソラ君ではないですか」


 「・・・なんで颯太さん」


 「私はこの学校の校医です」


 もういい。ツッコムのに疲れた。

 ボクは近くの椅子に腰掛ける。


 「かくまってください」


 「あの騒ぎはキミが原因ですか」


 ボクは乾いた笑い声を上げる。


 「正直、生きていける気がしません」


 都市の防衛戦より疲れる。


 「ですが、顔に楽しそうな笑みが浮かんでますよ」


 ボクは自分の顔を触る。

 確かに笑ってる。


 「なんだかんだ言って、結構楽しそうですよ」


 「・・・そうかも知れないですね」


 「ソラ!」


 リカ達が保健室に飛び込んできた。


 「何でわかったの?」


 「恋する乙女の力だよ~」


 スズがわけのわからないことを言う。


 「そんなことより、呼び出しだから理事長のトコ行くわよ」


 「そうですね。ソラさん、行きましょう」


 「行くぞ、悪友」


 こんな非日常の日常もいいかもしれない。

 ボクは立ち上がる。


 「あ、そういえば、レオ君も連れてきました」


 すると、ベッドで寝ていたのかレオが顔を出す。


 「み~」


 コレで全員集合か。

 ボクはレオを呼ぶ。

 すると、レオはボクの後頭部に張り付く。


 「じゃ、理事長室まで競争と行きますか」


 「魔法は?」


 「無しに決まってるだろ。もちろん薬も」


 「バレましたか」


 準備はオッケーだ。


 「じゃ、行くよ」


 みんなは走り出す構えを取る。


 「位置について~ドン!」


 ボクはちょっとズルをする。

 みんながボクを非難しながら追いかけてくる。



 これからも日常な非日常が始まる。


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