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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
1章 ≪異世界との遭遇≫
21/170

改訂中

―――side隆介

 「このぉぉぉおおおおお!!!」


 「うっさいわ!!」


 オレは容赦なく魔法をぶっ放す。

 てか、正直メンドイ。


 「リュウ~後ドンだけいんのよ~。≪発射ショット≫」


 氷の槍の一斉掃射。

 さすが冬香だ。


 「アタシ疲れた~」


 そういって大鎌をぶんぶん振り回すリカ。

 ・・・・・オレ等、緊張感がないな。


 ドカ!バキ!ドコン!


 「・・・無意識にボコしたか」


 そろそろ戦況の確認か?

 ここらのザコはあらかた潰したように思うんだがな?


 「お前ら~。どうだ~?」


 「≪発射ショット≫。コレで終了~」


 「こっちはもう終わってる~」


 そうか、オレは周りの死屍累々としたこの惨状を見る。

 機構魔道人形の残骸、人・・・・・。

 だが、全員生きてる。

 重畳重畳。


 「ソラたちの所に行くか?」


 「そうね」


 「じゃ、行こう」


 「だが、オレはドコにいったか知らんけどな」


 「みんな~!!」


 この声は・・・・・坂崎か?

 声のしたほうを見るとレオにまたがった坂崎がこっちに猛スピードでやってくる。


 「ソラ君とシュウ君がピンチなの!!」



―――side空志

 「・・・・・シュウ。薬は?」


 「ここにあるのはただの水です。飲みます?」


 ・・・・・さいですか。


 「オラオラ!」


 「言葉遣いが荒くなってますよ!!」


 「さっきのような礼儀正しいほうがボクとしてはいいです」


 ガキン!


 ボクは盾になっている状態。

 シュウは隙を見て魔装のかかってないところに拳を叩き込んでもらってる。

 てか、正直疲れた。


 「二人がかりでコレか?」


 「うるさいチート」


 「チート一号が何を言ってるんですか?そして、今思ったんですけど、レオ君にアレをしてもらえばよかったんじゃないですか?」


 「あれ?」


 「ほら、言ってたじゃないですか。光線的な」


 ・・・・・。

 ・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 「そうだったぁぁぁああああああ!!!!!」


 「貴方はバカですか!?」


 「ホントにゴメンなさぁぁぁああああい!!!!!」


 「・・・あぁ、あのライオンの幻獣か」


 「「・・・」」


 ちょっと聞いてみよう。


 「レオの光線「咆哮覇のことか?」・・・」


 もし撃ってても効かなかったんだ。

 てか、この人に聞けば全てのことがわかるんじゃないの?

 特に『月』のこととか。


 「すみません」


 「何だ?」


 ボク達は戦闘を続けながらしゃべる。


 「賭けをしませんか?」


 「賭け?」


 「ソラさん?」


 「いえ、ボクには知りたい事があるんで。勝ったらボクが聞くことに答えてください」


 「恐ろしいほど私にメリットがないな」


 「じゃ、ソラさんが何でも一つ言うことを聞く。というのはどうでしょう?」


 何恐ろしいことを言ってんだこいつは!?

 それは、ボクにとって確実な死亡フラグだ!!!


 「よし、それいいな。お前、私の国に来い」


 「何、とんとん拍子に話を進めるんだ!?」


 ヤバい!コレは非常にヤバい!!

 しかも国に来いとか・・・・・。


 「絶対に負けられねぇ!!!」


 「「「「ソラ(君)!」」」」


 救世主だ!!

 みんなが神様に見えるよ!!


 「助けて!!ものすごくピンチだ!!」


 人生的な意味で。


 「・・・わりと大丈夫そうに思うんだが?」


 「黙れ、アホ魔王の孫!!」


 「ホントにどうしたんだ!?」


 「戦闘配置!!前衛にリュウ、冬香。そのフォローにスズとレオ。リカはボクの護衛。シュウは特攻しろ!!」


 「最後は私への復讐ですよね!?」


 当たり前だ。

 ついでに説明もしとけ。


 「・・・皆さん。敵は・・・」


 シュウが説明を開始する。

 じゃ、こっちは後ろに下がってやりますか。


 「魔法陣展開!」


 ボクは何も描かれていない魔法陣を展開。


 「またアレをするの?」


 「いや、あいつにはボクの月しか効かないと思う。」


 というか・・・。


 「真言級の魔法で一撃じゃないと倒せない」


 ボクは魔法の構築を開始する。



―――side隆介

 「おい、あんたの味方はオレ達が降参してくれねぇか?」


 「後で増援がくる手はずになっている。私さえ生き残っていれば問題はない」


 最悪だな。

 シュウの説明だとこっちはとにかく魔法を打ちまくるしかない。


 「しょうがねぇ!!≪闇の刃ダーク・エッジ≫!」


 「≪発射ショット≫!!」


 「がんばれ~」


 「私に何をしろと!?」


 魔法が咲き乱れる。



―――side空志

 構築しろ!

 月の魔法で。

 魔法が出来上がる。


 「ダメだ、こんなんじゃ勝てない」


 「どうするの?」


 「・・・」


 わからない。

 そもそも、月の属性がわからない。


 「どうすればいいんだよ!!」



―――side隆介

 「ソラはまだか!!」


 「コレはきついわね・・・」


 「わたしは燃費が悪いのに~」


 「ですから、私にどうしろと!?」


 てか、こいつは強い。

 ホントに頼みの綱はあいつの月だけだ。


 「ソラ・・・・・!」



―――side空志

 どうすればいいんだ?

 月の魔法はマナの操作ができる。

 ボクはそれしか知らない。


 「きゃぁあああ!」


 「スズネ!」


 「ウソ!?」


 リカの目線の先には倒れているスズ。


 「ちっ、≪闇の刃ダーク・エッジ≫!」


 「それは見飽きた」


 「がっ!?」


 「リュ!?」


 「余所見とは余裕だな。」


 「コレでどうです!?」


 シュウが拳を振るう。


 「単調すぎるな。そして、先ほどより速度が落ちている」


 その言葉と同時に倒れるシュウ。


 「みんな!!」


 「ソラは魔法を!!」


 そういってリカが飛び出す。


 「・・・・・吸血鬼ヴァンパイアか」


 「よくご存知で。」


 そして、戦闘を始める。


 「・・・・・クソ!!」


 焦るな!!

 冷静にだ!!

 でも、うまく魔法が構築できない。

 どれくらい考えたのだろう。

 リカの悲鳴が聞こえた。


 「きゃぁぁあああああ!!!」


 「リカ!!」


 倒れるリカ。


 「最後はお前だ」


 みんな・・・。

 ボクのせい?

 ボクが魔法を構築できなかったから?


 「う、うわぁぁぁあああ!!!」


 ボクの後ろから大勢の人の気配。


 「大丈夫ですか!?」


 敵の増援が来たようだ。


 「私の勝ちだな」


 どうしよう、わけがわからない。

 みんながやられた。

 ボクじゃ勝てない。


 「おい、悪友」


 声がした。

 リュウだった。


 「・・・リュ、ウ?」


 「ソラ君はこの都市の英雄ユウシャになるんだよね?」


 「あんたは規格外でしょ」


 「ソラさんのせいではありません。」


 「・・・・・ソラ。勝って」


 みんなの声はものすごくか細く、聞こえてくるのが不思議なくらいだった。

 ・・・・・みんな。

ボクはコレまでにあった魔物たち、そして龍造さんの願いが頭をよぎる。


 『この都市を守ってくれ。』


 「ボクは・・・」


 「・・・なんだ?」


 みんなを・・・。

 都市を、守りたい。

 最初から決まってた。

 なら、最後まであがく!!そして・・・。


 「自分が正しいと思う道を突き進む!!!」


 ボクの中の魔力が突然あふれ出した。


 「何だ!?この魔力量は!?」


 「―――それは魔の法則」


 ボクの言葉と同時にボクの前に小さな魔法陣が展開する。


 「コレはなんだ!?」


 パニックに陥る敵。

 魔法を放とうとする敵がいる。


 「≪月守ツキモリ≫」


 ボクを取り囲むように魔法陣が展開する。

 すると、敵の魔法が放たれる。しかし、魔法陣の壁に阻まれる。

 ボクは魔法を再開する。


 「―――でも、それは光」


 「何だこいつは!?」


 「こいつらを人質に取れ!!」


 「レオ!」


 「がぁぁあああ!!!」


 ボクは炎を使った治癒の魔法をかける。


 「みんなを安全なところに」


 ちゅん!どぉぉぉおおおおん!!!!!


 レオが咆哮覇で敵を蹴散らしながらみんなを回収。

 そして逃げる。


 「―――それは太陽の輝きのように全てを照らせはしない」


 「これは・・・・・まさか真言か!?こんなのは聞いたことがない!!」


 「―――太陽のようとまでは言わない。

     ボクは・・・」


 「・・・っち。≪消滅の槍クリア・ランス≫!」


 だが、ボクの魔法陣の盾は消滅の槍を弾く。


 「―――ボクは夜の闇を照らす小さな月の明かりでありたい」


 魔法陣が一際大きな輝きを放つ。


 「―――闇夜を照らす月のような希望の光となれ!!」


 魔法陣から魔力があふれ、暴れだす。

 そして、魔法陣がより一層輝く。


 「≪月夜ツキヨ≫」


 すると、周囲がまぶしい光に包まれる。

 ボクはたぶんだけどわかった。

 月の魔法。

 それは魔法の根源を操る力なんだと思う。

 だから、正確には『魔法』というのがボクの属性なんだと思う。

 でも、じいちゃんや龍造さんはこの力を夜を照らす月のようであって欲しい。そう思ったから『月』なんて呼んでたんだと思う。

 ボクはダークサイドの側に立った人間だ。

 でも、ボクはコレが正しい、そう信じる。

 魔法陣がはじける。

 ボクの手には魔力で構成された光の剣があった。


 「具現化マテリアライズだと!?そんな超古代魔術をこんな子供が!?」


 「具現化なんてボクは知らない」


 ボクは魔法のド素人だ。

 この魔法が失われた魔法ロスト・マジックだとかは関係ない。


 「この都市を、みんなを守れる力ってだけで十分だ!!」


 ボクは相手との距離をつめる。

 手の中の光剣を振りかざす。


 「ちっ!?」


 剣で受け止める。

 ボクの魔法のみで構成された剣は消えない。


 「何だこの魔法は!?」


 「敵を討て!!」


 ボクの手にある剣が魔法を発動。

 いくつかの月の魔法の弾丸が相手を撃ち抜く。

 相手は悲鳴も上げれずに気絶した。


 「ここにいる敵全てを薙ぎ払え!!」


 ボクは剣を敵の集団に振りかぶる。

 すると、剣が伸び鞭のように敵へ襲いかかり敵を全滅させた。


 「・・・終わった」


 ・・・ちょっと疲れた。


 「ソラ!!」


 上を見るとレオに回収されたはずのみんながレオの体にしがみついてこっちに向かっているのが見えた。


 「危ないから逃げろって言ったのに・・・」


 ボクは、みんなを見たからか、気が緩んだ。

 ボクはそこで意識を手放した。


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