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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
7章 ≪魔法学園文化祭編≫
168/170

32話・CHOICE OF HAPINESS

―――side隆介

 空色の魔法陣がはじけ、空が歪む。

 そしてそこから膨大な数の風の槍が放たれる。

 それはすべてオレに向かって殺到する。


 「っち!≪闇の浸食ダーク・イロージョン≫!」


 オレは影を操り、黒い壁を展開する。

 真言相手にこれじゃ無理だろうが、ないよりはましだと判断した。オレの作り出した黒い壁に当たると、小規模な嵐が発生し、オレの魔法を逆に吹き飛ばそうとする。

 オレは過剰に魔力を注ぎ込んで何とか耐えるが、これ以上はヤバい。

 そう思った時、急に攻撃がやんだ。

 オレは一瞬だけ事態がよくわからなかった。まさか封印を解いていたからか、真言を受け止めきれるとは思わなかった。


 「・・・あれ?」


 「なんだ」「あれ?」「れー?」


 だが、そこで何故かソラ達の素っ頓狂な声が聞こえた。

 オレは一旦壁を解除すると、空は依然として歪んだまま。それの意味することは魔法がまだ続いているということ。

 しかも、ソラ自身把握できていないのかカマイタチ達に聞いている。


 「・・・あれ、何?」


 「さぁ?」「さぁ?」「さぁー?」


 ボケたやり取りをしていると、突然咆哮が聞こえた。発生源は空の歪みから。

 オレ達は何事かと見上げるが、そこから衝撃的な者が見えた。

 それ・・は、空の歪みから体を出してきた。オレにとっちゃあまりに見慣れたシルエット。そして、ここにいるやつらも今回はこの姿に恐怖を覚えただろうと言うことがわかる。

 それ・・の全貌が徐々にあらわになる。

 それは、風で構成された巨大なドラゴンだった。普通のドラゴンとは違い、手や足に当たる部分がない。その代わりに翼が非常に大きく、翼が三対、合計で六枚の翼を持っていた。その姿は、明らかに空を翔ることのみに特化した姿。


 「天嵐翼龍シュガール・・・!?」


 アレは、マイナーな神話にだが、天と雷を司る嵐の竜神として出てくる。いや、正確には竜の姿をした神様だが。


 「え?ちょ!?アレ何!?」


 「知ってるか?」「知らないな」「なー!」


 観客達は演出だと思っているのか、のんきにおぉー!っとどよめいていた。

 だが、こっちは双方ともに想定外の事態に右往左往している。ソラの真言はまさに『空を裂き、天を衝き破る』、それを地で行く魔法だった。ざけんなよ、オイ!?

 そして、シュガールが動いた。

 シュガールは大きく息を吸い込むような仕草をする。もしかしなくても伊吹ブレスだ。だが、明らかにあんなのがこんな狭い場所で伊吹ブレスなんか使えば闘技場が吹き飛ぶ。


 「ストーップ!ダメだから!?死なない程度にお願いします!後、観客に怪我させるのも禁止!」


 「えー!?何で!?」「面白そうじゃん!?」「そーだー!」


 ソラが切羽詰まったようにシュガールに言う。だが、カマイタチ達はそれがお気に召さないようだった。

 すると、シュガールはいまにもはき出そうとした伊吹ブレスをやめた。

 一応はソラの言うことを聞くらしい。そしてシュガールは勝手に魔法を使い始めた。

 シュガールの前にいくつもの魔法陣が展開される。そして先ほどと同じ嵐の槍が放たれる。しかも、同時進行で何か別の魔法まで構築されている。

 ソラがやってる魔法陣の固定をして、別な魔法を構築しているのか・・・!


 「このッ、魔法剣≪竜尾断絶≫!」


 オレの双剣の魔力の刃が脈打ち始める。オレはそのまま剣を振りかぶると、黒い刃が鞭のように伸び、シュガールを斬りつける。

 だが、相手は雄叫びをあげ、魔力をそのまま放つ。それだけでオレの魔力の刃がぶれ、シュガールに当たることなくあらぬ所を斬りつける。そして、お返しとばかりに嵐の槍がオレに殺到する。

 オレはそれを≪影抜けシャドウ・パス≫を駆使して回避。影と言う影に転移し、嵐の槍の攻撃から身を守る。

 ただ、そんなことをしている間に相手のシュガールの魔法陣が完成してしまった。


 「・・・重ね重ね言うけど、本当にお願いします」


 魔法を行使してる人間が、自分の魔法に頼むと言うシュールな光景ができた。

 それをわかってるのかどうかはよくわからないが、目の前のシュガールは魔法陣を発動する。

 それは、こいつ自身が呼び出された魔法陣と同じ色の魔法陣、つまりは空色の魔法陣を展開し、それをオレに向ける。そして咆哮と共に魔法陣の輝きが強くなる。

 そして魔法陣からゆっくりと巨大な空色の球体が出てくる。

 それはオレ達の上空へ来ると、破裂した。

 球体から幾千もの槍が放たれ、それがすべてオレに殺到。それぞれが大気を震わせ、直撃すればただですまないというのが直感的にわかった。

 ・・・つかオレ、死んだんじゃね?

 流石にこの魔法を何とかする方法が思い浮かばず、オレは死なないといいなと現実逃避ぎみ、と言うか現実逃避そのものな思いしか浮かばなかった。


 「ダメー!」


 そんな声が聞こえたかと思うと、オレの周りに六角形の盾がいくつか展開される。

 一つ一つが一撃必殺の威力を持つはずの槍は、オレの周りに現れた盾によって全て無効化された。


 「リュウ君、大丈夫~!?」


 「悪い、助かった、スズ・・・」


 まぁ、スズがオレの周りに≪相殺殻アンチ・シェル≫を展開してくれたおかげで助かった。


 「姫よ、これは必要なことなのです!」


 ソラが唐突に朗々とした声で、セリフのようなことを言う。

 いや、周りから見ればこれは戦闘途中での会話のシーンに見えるんだろう。

 だが、スズはそれに構わずいつものノリでソラに食ってかかって行った。いや、オレはスズが怒っているところを見るのは初めてな気がするんだけどな・・・。


 「何で!?リュウ君はこんなにボロボロなんだよ!?」


 「姫よ、私は貴女を大切に思うがゆえに、この者を倒さねばならない」


 「だから、やりすぎだよ!」


 完全にソラとスズの話が食い違っている。

 いや、ソラはあえてそうしているんだろう。だが、何でわざわざそうする必要がある?これじゃ、劇が破たんするぞ?

 もちろんのことだが、Dクラス主催のこの演劇にはこんなシーンはない。だから、今のこれ全部アドリブ。そしてソラのセリフによって新たな設定が加わってしまった。この状況から劇のハッピーエンドに持っていくには、ソラのアドリブの『大切に思う、だからお前を倒す』と言うところの理由をきっちりとしなくちゃいけない。

 別に今までは『結婚を認めてもらう』っていう理由がオレとソラの配役の設定があったが、アドリブのせいでソラの方に別な思惑があるようなことになっちまってるからな。


 「いいえ、姫を魔物と結ばせるわけにはいきません!


 「もう、意味が分かんないよー!」


 ソラとスズが喧嘩っぽいものをしている。

 まぁ、これはいい。よくないかもしれんが、この際は置いておく。

 あの馬鹿ソラ、何を言いやがった?


 「ちょっと、待て。おいそこのバカ、何て言った?」


 「姫を、魔物と結ばせるわけにはいかない。ましてや、人を騙ったドラゴンなど!この国のためにも・・・」


 ソラは続けてセリフをだらだらと続けるが、オレはその部分をスルー。

 今、こいつナチュラルにオレの正体カミングアウトしやがった・・・!?

 つか、マジで何がしたい!?


 「お前、何をわけわかんねぇこと言ってんだよ・・・!」


 「事実を申しただけ。私は貴様のことを調べたが、残念ながら情報を何も見つけられなかった・・・」


 ソラのアドリブが長いからカットだ。

 要するにオレの家系を調べたがどこにも存在せず、怪しいと思って調べると、オレが偶然ドラゴンの姿に変身するところを見つけたとか何とか。

 で、人と魔物を結ばせるわけにはいかない。だから、ここでオレを殺して姫を魔物の足き魔の手から救い出す。そんな感じのことだな。


 「人と魔物は相容れぬ存在。・・・そして姫よ、かの者は貴女をだましていたのですぞ!」


 ソラはものすごくノリノリでスズにそう言う。

 ・・・こいつ、マジむかつく。


 「・・・知ってたもん」


 スズがぼそりとつぶやいた。

 ・・・やべぇ。わからんがものすごくヤバい気がする。


 「知ってるもん!リュウ君がドラゴンで、魔物さんだってことも!・・・けど、わたしは魔物で、ドラゴンな、間隆介君が、この世界で、一番・・・大好きなのー!!」


 スズが心の叫びを観衆の目の前で暴露した。

 耳が痛いほどの静寂に包まれたかと思うと、黄色い悲鳴や、冷やかしの声が観客席から聞こえてきた。

 そして当のソラはと言えば、この状況を見てニヤリとオレに笑いかける。

 ・・・そうかいそうかい。最初から最後まで、お前の筋書きシナリオどおりにことが進んだわけかよ。

 ソラは息を吸い込むと再び大きな声でセリフを言う。


 「姫は魔物に心を奪われ、ご乱心なされた!かくなるうえは、魔物諸共、姫も打ち取る所存・・・」


 ソラがそう言うと、隅から誰かが出てくる。

 緑髪のそれは、確かこのクラスの代表だ。


 「・・・姫、考え直してはくれまいか?」


 「・・・」


 スズはぶすーっとした表情でソラ達を見る。

 そして何の前触れもなくオレの近くに来ると、オレの腕をつかんだ。


 「・・・仕方がない。全て、卿に任せよう」


 「はっ!」


 そう言うとDクラスの代表が出ていき、またオレ達だけになる。


 「リュウ、これでお膳立ては完了した。後は、わかるよね?」


 オレ達の声がもう聞こえないようになっているのか、ソラは普通に話す。


 「・・・・・・そうだな、わかりたくねぇが、わかる」


 オレはそう言うと構えた。

 そしてソラは今だ自分の上空にいるシュガールに指示を出す。


 「彼の者たちに、正義の鉄槌を・・・!」


 シュガールはわかったとでも言うように咆哮を上げた。

 そしてオレはスズに耳打ちした。


 「いいか、今からアレをやる。むかつくあの野郎をぶっ飛ばすぞ」


 「うん。ソラ君やりすぎだもんね~」


 スズはたいそうご立腹のようだ。

 そしてスズが詠唱を始める。ソラは見てないから、これがどんなもんかは知らないはずだ。おそらくあいつの予定では、オレが魔法剣≪断竜漆黒剣≫を使ってあれをぶっ飛ばそうとしているように思っているだろう。

 その証拠に、スズが詠唱しているのを怪訝な表情で見ている。


 「・・・リュウ君。もう大丈夫だよ」


 「そっか、んじゃ頼む。・・・おい、ソラ」


 「何?」


 「今までと、そしてこっから先のこと全部、利子付けて叩っ返してやる!」


 オレはそう言うと、双剣を抜き放つ。


 「オレは、その魔法を『拒絶』する!」


 「≪リバース≫!」


 それと同時にスズがタイミングよくオレの魔法剣に魔法をかける。

 漆黒のドラゴンが閃光のドラゴンへと変貌し、何匹ものドラゴンが、ソラの生み出したシュガールにその咢を剥く。

 オレの魔法剣≪断竜漆黒剣≫は闇の特徴でもある『浸食』を極端に高めたもの。だから、あのロイとか言うやつのゴーレムに浸食し、魔法を壊した。

 だが、この魔法剣≪斬竜閃滅剣≫はその真逆、光の特徴を持つ。闇が全てを染める黒なら、光は何色にも染まらない白。つまりは『拒絶』。

 まぁ何が言いたいのかと言うと、オレ達の魔法は盾であると同時に矛。これより強い魔法なんて、ない。


 「何、それ・・・!?」


 ソラが初めて見た魔法に驚く。

 白いドラゴン達は、シュガールに食いつき、魔法を破壊。シュガールは断末魔の叫びと共に砕け散り、そして今度はその牙をソラに向ける。


 「ちょ!?これはマジでシャレにならないよ!?」


 「言っただろ、利子付けて返すってな。ありがたうけとっとけ」


 「こんなに、いら―――」


 その言葉と同時にソラに白いドラゴン達が襲いかかる。

 轟音が響き、地面が揺れる。土煙りがもうもうと舞うが、そこから人の気配はない。

 ・・・・・・逃げやがったか。


 「・・・え?えぇ!?・・・嘘~!?・・・はぅ・・・」


 いきなりオレの隣でスズが百面相をし始めた。顔を赤くしたり、青くしたりしている。

 いや、よく見ると、スズの耳には見慣れたピアスがある。

 ・・・そうか、スズは今まで劇に出ていない。そこでこのピアスを通じてセリフを教えてもらっていたのか?

 ・・・・・・ちくしょう、それなら誰でもできたじゃねぇか。


 「・・・どうした?」


 「ひゃ、ひゃい!?」


 一応聞いてみるが、何故かスズの挙動がいろいろと怪しすぎる。


 『間に指示だ。戦闘シーンは終了。ラストシーンに入れ』


 いきなり耳元でそんな声が聞こえて驚いたが、なんてことはない。

 これは風系統の魔法でできる、伝達の魔法。近距離で、且つ短い内容しか運べないが、闘技場の真ん中から入り口程度までなら余裕だろう。

 とりあえず、オレは指示に従ってスズにラストシーンに入るように小さく声をかけた。


 「う、うん!・・・あ、リュウ君、これつけって・・・」


 そう言いながら取り出したのは、竜の意匠が施された、耳に挟むタイプのピアス。つか、オレの通信用ピアスだった。何でここにあるのか疑問が残るが、大人しくつける。

 すると、いきなり通信が入った。


 『ちょ、さっきのはマジで死んだと思ったよ!?』


 やっぱり逃げてやがった。


 「こういうときには馬に蹴られて死ねって言うだろ?」


 『ボクはドラゴンに噛み殺されそうになったけどね!』


 「斬新でいいじゃねぇかよ。時代の最先端を行ってるな」


 『むしろ逝ってるよ!・・・まぁ、そう言うわけでラストシーンだね。台本どこ?』


 『ここ』


 『ありがと』


 もう、当たり前のようにリカがさっとソラに台本を渡す声が聞こえた。

 そこからオレ達はこいつ等の指示に従って劇を進めた。


 「ありがとう、勝ってくれて」


 「いえ・・・。貴方のためとあらば・・・」


 「じゃぁ、約束通り・・・」


 「それはできません」


 ここからセリフと内容が違うらしい。

 だが、何故かスズが肩透かしを食らったような表情になる。


 「私は魔物です。・・・心の優しい貴女に惹かれ、人里に下りてまいりましたが、所詮は魔物と人間。同じ時を生きることなど不可能です」


 「・・・ねぇ、リュウ君、ホントの言葉、聞かせて」


 スズがそう言う。

 まるで、セリフじゃないみたいに、自然な言葉。

 オレはつられて言葉を紡いだ。


 「人は、オレ達魔物から見ればとても弱い。寿命も百年ぽっち、オレ達ドラゴンからしてみれば、一瞬の時しか生きられないんだよ」


 周りがひどく静かだ。

 安っぽい言葉だが、まるで今この場には、オレとスズだけしかいないような錯覚に陥る。そしてこのオレ達だけの世界の中、オレは言葉を紡ぎ続ける。


 「確かに、オレとお前が同じ時を生きられるようにする方法はある。けどな、それはハッピーエンドじゃない」


 「・・・みんなが、先にいなくなっちゃうから?」


 「あぁ。この方法は、自分の寿命を、長いほうの寿命に無理やり延ばす。だから、人間とドラゴンがこれをすれば悲惨なことになるのはわかるよな?」


 「・・・うん。わたしが千年の時を生きて、周りの人はすぐに死んじゃう。家族も、友達も、知り合いも、大切な人も」


 「そうだ。傍にいるのはオレだけだ。確かに、互いのことを好きあっている者同士なら、それは幸せなことに聞こえる。けど、そのために他の全てを捨てなきゃいけない。・・・生きるってそういうことじゃねぇだろ?」


 一人のとても大切な人をとるか、家族や友人を捨てるか。これは要するに最低な取捨選択だ。どっちに転んでもハッピーエンドじゃない。


 「だから、オレはお前から全部を取り上げたくない。そのせいで、辛くなるから。生きている時間が長い分、それは余計に多くなる」


 「・・・・・・うん」


 「だから、オレ達は一緒にいるべきじゃない」


 「・・・ありがとう、リュウ君」


 突然、スズがオレに『ありがとう』と言ってきた。

 オレは意味がわからずに、困惑した表情を浮かべたんだろうと思う。スズはそんなオレを見て言葉を続けた。


 「わたしはね、リュウ君のこと大好きだよ」


 「・・・」


 『知ってる』、そう言おうと思ったが、口からは何の言葉も出てこない。

 いや、わかってるんだ。言っちまうと、歯止めが効かないくなるのが。


 「でもね、わたしはそれしか考えてなかったんだよね~」


 「・・・そうか、お前らしいな」


 「むぅ~。バカにしてる~。・・・・・・けど、リュウ君はわたしの為に、いろいろと考えてくれたんだね」


 スズの言葉が心に突き刺さる。

 別にオレはそんな大層なことをしていない。

 むしろ、ただ逃げているだけだ。目の前の少女が傷つきませんようにとひたすらに祈ってる、ただの弱虫だ。


 「だからね、リュウ君。もう一度だけ聞いてもいいかな?」


 スズの言葉はまだ続いていた。

 オレはその言葉に頷く。スズはそれを確認して、オレをまっすぐに見据えた。

 そして・・・。


 「間隆介君にどうしても言いたいことがあります。わたしは、こんなわたしの為に、一生懸命考えてくれる、とても優しい魔物の貴方が、世界で一番、大好きです。貴方の心の声を聞かせてください」


 「だから、オレは・・・」


 オレが言葉を続けようとすると、スズはオレの言葉を遮るかのように抱きついてきた。背中に手を回し、ひしとオレに抱きつく。まるで、オレが暴走した時に、止めようと抱きついたときと同じくらいに必死な表情だとオレは思った。


 「わたしはね、ぶっきらぼうだけど優しくて、普段は冷静なのにわたしの為に暴走までして怒ってくれるリュウ君が好きなの。どんな人間よりも、どんな魔物よりも。だから、今だけはちゃんと答えて」


 「オレは、ちゃんと答えて・・・」


 「今だけ!・・・魔物とか、人間とか、将来とか、寿命とか、そう言うのは何も考えないで!リュウ君の、本当の気持ちを、教えて・・・」


 「・・・」


 心にした蓋が、外れそうになる。

 だがダメだ。決めたじゃねぇかよ。


 「・・・オレは、お前が幸せなら、それでいい」


 偽らざる、オレの本心。


 「・・・ねぇ、リュウ君は『闇』って好き?」


 「・・・正直な話、オレはあまり好きじゃない。とても暗いし、まるで世界にオレだけしかいないように感じる」


 唐突な会話だったが、オレはありのままを答えた。

 オレは『闇』があまり好きじゃない。暗いし、自分はおろか、相手の顔も見ることができない。そんな暗闇がオレは好きじゃない。


 「でもね、わたしは違うよ。・・・ううん、リュウ君の『闇』は好きだよ」


 「・・・何でだよ。暗いと、相手の顔も見えないし、独りぼっちだって感じないか?」


 「・・・ううん。だって、リュウ君の『闇』は、優しいもん。いつも、優しくわたしを包んでくれるって思ってる」


 「・・・」


 「それでね、わたしはそんな風に包まれている時が一番幸せかな~」


 「・・・」


 オレは、何も言うことができない。


 「ねぇ、リュウ君はわたしのこと、どう思う?・・・好き?」


 「・・・」


 「・・・嫌い?」


 そんなこと、あるわけがない。


 「・・・ッ」


 「やっぱり、わたしじゃ、ダメなのかな・・・?」


 「そんなことは・・・」


 「だって胸も体も小さいし、頭良くないし、ちっちゃいし・・・」


 ・・・意外にも、ちっちゃいことを気にしていたらしい。


 「やっぱり、わたしじゃ、リュウ君、には、釣り合、わない、よね・・・」


 スズの声が途切れ途切れになる。

 気づけば、スズの顔が涙でぬれていた。

 誰がスズにこんな表情をさせる。・・・・・・オレだ。

 何でスズはこんなに苦しそうなんだ。・・・・・・全部、オレが悪い。


 「・・・ごめんね、リュウ君」


 スズは突然そんなことを言うと、腕の力を抜いた。

 手がオレの背中から離れ、徐々に体との距離が離れていこうとしている。


 『いいの?その手を離しても』


 声が聞こえたと思えば、オレはスズを自分から抱きしめていた。

 オレの行動にスズは驚くが、それと同時に悲しそうな表情も浮かべた。


 「リュウ君・・・無理しなくても、いいよ」


 なんでだよ、何で、こいつがこんな辛そうな表情をしてんだよ。

 ・・・自分オレが悪い。オレのせいだ。オレが、弱いから。

 じゃぁ、どうすればスズは笑ってくれる?いつもみたいに。天真爛漫な笑みを、オレや、みんなに見せてくれる?


 「ねぇ、リュウ君・・・」


 そうだよ。

 オレ、まだ何も言ってねぇ。じゃぁ、言っちまえばいいじゃねぇかよ。


 「もう・・・」


 ジジイとババアって実例もある。

 後のことはなんとでもすりゃいい。だから、今はちゃんと答えよう。オレの、大切な人スズのために。


 「リュウ君・・・」


 「好きだ」


 オレがそう言った瞬間、時間が止まった。

 スズの体がこわばり、頭一つ小さい所から、オレを見上げる。


 「リュウ、くん?」


 「オレは、坂崎鈴音が好きだ。つか、嫌いなわけねぇだろ。こんなただ逃げまくってたお笑いドラゴンが、暗闇を好きだって言ってくれるお前を嫌う理由なんてねぇよ」


 「本、当・・・?」


 「あぁ。何回でも言ってやる。オレは、どんな魔物よりも、どんな人間よりも、世界で一番、お前が、スズが好きだ」


 「うん、知ってる。知ってるけど、遅いよ~」


 「・・・本当に、悪ぃ」


 「本当だよ。わたしは、こんなに好きなのに、リュウ君は、ヘリクツばっかで、ちゃんと言ってくれないだもん・・・」


 スズはボロボロと涙をこぼしながら、オレの胸に顔をうずめる。

 オレは泣き続けるスズを抱きしめ、頭を撫でる。


 「そんな人は、ドラゴンに噛み殺されちゃえばいいんだよ~!!」


 「マジかよ。オレ、ドラゴンなのに?」


 「関係ないよ・・・」


 『いい雰囲気の所、悪いんだけどいいかな?』


 唐突に声が聞こえた。

 そう言えば、オレ達は劇の真っ最中なわけで。まぁ、周りにはギャラリーがたくさんいる。

 ・・・・・・考えるな。今なら悟りを啓ける。明鏡止水の極地に到達できる。だから、恥ずかしくて死にそうだと考えるな、オレ!!


 『まさか、劇中でマジの告白するとか誰も思わないよね~』


 『うん』


 ソラとリカのやりとりという心折しんせつで、オレは死にたくなった。

 スズも同じなのか、顔をこれ以上にないくらいに真っ赤にしている。


 『でも、死にそうなぐらいに恥ずかしいにも関わらず、ひしと抱き合ったままと言うのはどう思いますか、四条さん?』


 『は、はい!?おおお、お、おめでとうございます?』


 思わず互いにバッと離れそうになる。

 だが、ダメだ。ここで離れたらただのラブコメだ。初恋でラブコメ調とかオレは遠慮しておく。


 『・・・っち、面白くない』


 『ソラ、本音が漏れてる』


 『あ、あの、次はいいんですか?』


 『はいはい。じゃぁ、結ばれたお二人は、キスしてハッピーエンド!そう言うことだから!』


 ソラが一方的にそう言うと、勝手にピアスの通信が切れた。

 オレも忘れていたが、これは最後に結ばれて、キスして終わりでハッピーエンドな話だ。つか、さっき胸の内を全力で告白しあって顔を近づけるのはかなり難易度が高い。

 オレの顔もそうだが、スズの顔もトマトのように真っ赤だ。


 「・・・スズ、最後だ」


 「・・・うん」


 オレ達はその顔を徐々に近づけていく。

 そして互いの顔が近付き、顔が振れそうな位置に来る。


 「そう言えばリュウ君、最後じゃないよ」


 「・・・え?」


 スズが突然わけのわからないことを言う。

 いや、キスの演技フリして劇は終了だろう。

 スズはそんなオレの表情を呼んだのか、にこりと微笑んで言った。


 「最初、だよ」


 「っ!?」


 次の瞬間、スズの顔がぐいと近づき、オレとスズの距離がゼロになった。

 ・・・・・・意外にアグレッシブなんだな、お前。






 「演劇の大成功に、かんぱーい!」


 Dクラスの代表、カザハとかいうやつが音頭をとる。

 他のオレ達もそれに合わせて「かんぱーい!」と声を上げる。


 「リュウとスズのカップル誕生に、かんぱーい!」


 「「「かんぱーい!」」」


 そう思ったら、バカがナチュラルに付け足しやがった。


 「お前!オレ達をさらしものにして楽しいか!?」


 「楽しいね!」


 「この野郎!?」


 「はぅ・・・」


 オレとスズが羞恥地獄にとらわれているのを、ここにいるやつら全員がにやにやと笑って楽しんでいた。

 現在時刻は午後七時。文化祭も終了し、DとSが何故か合同で打ち上げ。いや、今回の騒動に一番近いところにいたからわからんでもないが・・・。

 そのせいで普段よりもぎゅうぎゅう詰めなDクラスの教室でわいわいと騒いでいた。

 ちなみに、他のクラスにいる冬香やシュウ達はそっちのクラスの打ち上げに参加している。


 「いいよなー。リオちゃん、オレッチ達もたまにはイチャイチャしようぜー」


 「なっ!?そそ、それではわたくし達が普段はイチャイチャしているように聞こえるのではありません!?」


 「いや、普段からイチャイチャはしてるよな?」


 Dクラスのバカップルの二人の言葉にSクラスの代表、ジグが突っ込む。


 「それよりも、最後のやつはすごかったな。まるで、お前が本物の魔物に思えたな」


 そしてジグはオレに向かってそんなことを言った。


 「・・・そうか?」


 オレはとりあえず適当に返しておいた。

 とりあえず、ボロが出る前に話題を変えよう。


 「つか、四条が精霊魔法を使ったのにもかかわらず、ミスコンで優勝ってのはどういうことだ?」


 そう、驚くべきことにミスコンで四条が優勝しやがった。

 精霊魔法を使うってだけでも差別の対象になるのに、観客と生徒からの圧倒的な票によって四条は優勝。『精霊の歌姫』なんて呼ばれる始末だ。


 「アレですぜぃ。四条さんとやらがひた隠しにしてきた精霊魔法を、俺達守るために使ってくれたんですぜぃ?好感はもてるけど、嫌うやつなんてどこにもいやしませんぜぃ」


 特徴的なしゃべり方で、副代表のグランが話す。

 どうやら、四条は率先して全員を守ろうとしたことが評価されて優勝したようだ。

 そしてミスコンの優勝者がどうのこうのってやつは、どうも一種のジンクスだったらしい。まぁ簡単にいえば、優勝して意中の相手に告れば必ず成功するっていう、文化祭の時限定で使える魔法だ。


 「まぁ、四条にはいなかったみたいだけどな」


 「可愛いのに、勿体ないですねぇ」


 ヒヒヒと悪だくみする悪役みたいな笑い方でグランは笑う。

 ・・・ホントに、こいつって胡散臭いよな。


 「で、結局お二人さんは本気で付き合うんだよね?」


 回避したと思っていたら、ソラが近くにやってきて話を蒸し返した。

 オレはソラを睨むが、当の本人はどこ吹く風と言った感じだ。

 ソラはここにいたジグとグランにオレと話したいことがあるからと、半ば無理やりに二人を追い払った。


 「悪ぃかよ・・・」


 「いや、全然。けど、魔物でドラゴンなうえ、魔王の孫であるリュウがどうして心変わりしたのかなって思っただけ」


 ・・・まぁ、確かにそう思うのも無理はないだろう。

 こいつは夏のオレとスズのやり取りを知っている。たぶん、オレ達が一緒にいるためにやることも知っているはずだ。そしてそのリスクも。


 「・・・オレ、『闇』って好きじゃねぇんだよ」


 「・・・けど、スズはそうでもないみたいだね。むしろ、リュウの『闇』は好きらしいね。ご本人よろしく優しく包んでくれるらしいから」


 やっぱり、オレ達の会話も全部筒抜けだったようだ。

 オレは半ば予想できていたが、やっぱり死にたくなってきた。


 「・・・それに、嫌だったんだ。泣く必要なんかないのに、泣かせることが」


 「リュウはボクのことを底抜けにお人好しだとか言うけど、リュウはそんなボクよりも全力で優しいね」


 「黙れ。つか、ここまでする必要はあったのか?スズも半ばお前等に騙されたみたいなもんだしな」


 スズのあのソラに対しての激昂、アレはピアス越しにリカがソラがシナリオにないくらいにオレをボコボコにしてるって言ったらしい。そこでスズはキレて、全力で魔法を行使。まぁ、ソラが退場してからすぐにネタばらしされて顔を青くしていたらしいが。だが、その次にオレがセリフ変更で言った部分を今度はシナリオにないとかほざいて、スズはオレがセリフじゃなくて本当のことを言ってると勘違いした。

 ・・・・・・オレは、そこまで臆病じゃない。・・・たぶん。


 「ボクは、煮え切らない態度のリュウの背中を押すには、こうした方がいいかなって思っただけ。それに、公衆の面前で告白すれば少しは吹っ切れるかなって思って」


 確かに、少し吹っ切れた。

 それは少し感謝してもいいのかもしれないな。


 「まぁ、キスまでするとは思わなかったけど」


 ソラはスズって意外に積極的だねと言う。わりとみんなに聞こえる声で。

 すると、そこでリカと話しているスズの挙動が怪しくなる。オレをちらりと見て、目が合えばさっと逸らす。まぁ、オレも似たようなもんだが。


 「何の、ことだ?」


 「バレてないと思ってるの?少なくとも、Dクラスのみんなはわかってるよ」


 「おい!?S関係ねぇじゃねぇか!?」


 オレがソラにそうまくしたてると、教室のあちこちからいろいろなヤジが飛んでくる。

 オレとスズのいろいろな精神メーターが振りきれそうだ。


 「それじゃ、ドラゴンさん。スズにちゃんと言うことがあるんじゃないかな?」


 「・・・わかってる」


 オレは声が憮然としたものになるのがわかる。

 オレはリカと話していたスズの所に行くと、声をかける。


 「スズ、オレはお前にちゃんと言いたいことがある。ちょっとついてきてくれ」


 「・・・うん」


 オレが手を差し出すと、スズはそれにつかまる。


 「・・・それと、リカもやるならさっさとしろ」


 リカにそれだけ答えると、オレは教室を出て行こうとする。

 だが、教室からはここでしねぇのかよとヤジが飛んできた。

 ・・・・・・とりあえず、ここで言うことは確定している。


 「・・・人の恋路を邪魔するやつは、ドラゴンにでも噛み殺されろ」


 オレはそのまま教室を出て行き、外に出た。

 夜空には雲ひとつなく、奇麗な満月が浮かんでいた。


 「・・・スズ、今度はオレからちゃんと言わせてくれ」


 スズは何も言わないが、首を縦に振る。

 オレはスズの目をまっすぐに見つめ、言った。


 「オレは、お前のことが好きだ。だから・・・」


 「・・・でも、本当に迷惑じゃないの?」


 スズはまだ不安なのか、オレにそんな言葉を言ってきた。

 ・・・まぁ、こんなことになるのも、全部オレが悪い。だから、正直に話そう。全部を。


 「・・・オレは、お前が幸せならそれでいい。今もこれは変わらない」


 「・・・・・・そっか~」


 そこでスズは悲しそうな顔をする。

 だが、待ってくれよ。オレの話はそこで終わりじゃないんだ。


 「けど、そのお前の幸せの中に、オレがいたら嬉しいとも思う」


 「え?・・・本当?」


 「今更、嘘言ってどうすんだよ?それとも、やっぱりオレは怖いか?」


 「ううん」


 「なら、問題ねぇな。・・・だから、オレと付き合ってくれ」


 「うん!」


 そして、オレ達はどちらからともなく互いを抱きしめあった。




―――sideリカ

 どうしよう?時間がない。それに、リュウはスズと結ばれた。この機に乗じてやってしまうべきだ。そう頭の中でささやく声が聞こえる。


 「アンジェリカちゃん?どうしたの?」


 アスカが何か言ってくる。

 けど、アタシはそれに構わず、壁際にいるソラに向かって歩く。何故かレオが大きくなって、その身にソラは体を預けている。そしてレオは眠そうな目でこの打ち上げを見ていた。

 今はそんなことはいいから、とにかく勇気を出せ!行ける!文化祭の魔法が、アタシの恋もかなえてくれるはず・・・!


 「今日、祝われる人は、もう一人いるの・・・!」


 アタシがそう大きな声で言うと、みんなの注目が集まる。

 そしてアタシは目の前にいるソラに言う。


 「今日は、十月二十三日は、ソラの誕生日なの!」


 一瞬の静寂、そして周りからはマジで?と言ったような声が聞こえた。

 そしてみんながハッピーバースデーと言い、さらには歌い始める。その中、アタシは言葉を続ける。


 「だから、誕生日プレゼントにアタシをどうぞ!と言うか好きです!付き合ってください!」


 本当ならもっと、ムードのいい後夜祭のフォークダンスの時に言おうと思っていたけど、この事件のせいでなくなっちゃった。


 「アンジェリカちゃん、それは重いよ・・・!」


 「・・・こればかりはアスカと同じね」


 外野がいろいろと言ってくるけど、今だけは静かにして。

 そんなアタシの思いが通じたのか、教室が沈黙で包まれる。そしてアタシはソラの返事を待つ。

 ・・・・・・けど、何故かいつまでたっても返事が来ない。

 やっぱり、吸血鬼じゃダメなのかなと思っていると、ソラの体がぐらりと揺れた。

 ソラは自分の体を完全にレオに預け、目を閉じていた。

 よく見ればレオ同様に寝息が聞こえている。


 「・・・寝てる!?」


 アタシがそう言うと、教室は一瞬の静寂に包まれる。

 そして、みんなが爆笑し始めた。


 「あ、ありえねー!?」


 「三谷殿、流石にそれは・・・」


 「けど、期待を裏切らないなー」


 Dクラスの男子達がそんなことを言う。

 アタシは、この状況をどうすればいいのか分からない。


 「ほら、でも三谷君は今日一日頑張っていたしね?」


 「まぁ、しょうがないっちゃしょうがないけど、アンジェリカちゃんの愛の告白をこうやって躱すとは・・・」


 「はぁ・・・・・・アンジェリカさんがかわいそうですわ」


 もう、みんなが勝手にそんなことを言い始める。

 なんだか、腹が立ってきた。女の子が一世一代をかけた告白をしたのに、この仕打ちはあんまりだ。


 「・・・ソラの、バカー!!」


 後日、エレオノール学園の校内新聞で『竜殴りドラゴン・キラー、鈍感すぎてドラゴンに噛み殺される(笑)』と言う記事が出回ったみたい。


作 「というわけで『幸せの選択肢』をお送りしました!」

空 「あのさぁ、なんかボクの打ち上げの後の記憶がないんだけど、どうして?」

作 「途中で寝てたんじゃないかな?(色々な意味で)」

空 「そっか。まぁ、あの日は色々と大変だったしね」

作 「まぁ、そんなわけで最後はリア充、末永く爆ぜろという内容でした」

空 「・・・間違ってるけど、なぜか突っ込む気になれない!」

作 「そんなわけでもはやメインヒロインおいてけぼりでゴールインした二人、これからどうなるのでしょうか?そしてリカちゃんにはいつか報われる日が来るのか?」

空 「いや、何気にひどいことばっかしてるよね?」

作 「もう、恋愛の描写がわかんなくて、勢いだけでやった」

空 「そしてこんなに長くなったんだね」

作 「無計画って、恐ろしいよね!」

空 「無計画なの!?」

作 「さて、次回はいつものようになんか挟んで次章という形です」

空 「そうそう、あのアンケートをやるんだよね?」

作 「イエス!みんな、聞いて驚け、なんとあの人もランクインだ!」

空 「というわけで、次のお話でもよろしくお願いします!」

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