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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
7章 ≪魔法学園文化祭編≫
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26話・REVERSE

―――side隆介

 ソラにフェイクを任せた後、オレ達はレオの先導で奥に突き進んでいた。

 つか、大丈夫なのか?ルーミアは『こやつならわかる』とか言ってたけどな・・・。子猫状態のレオは小さな体には似合わないスピードで走っている。

 するとその時、遠くで爆発音が聞こえた。


 「ソラ・・・!」


 「ダメだ、オレ達が戻ったら、誰がスズを助ける。あっちには神霊もいる。大丈夫だ。それに、ここで戻ったらソラに怒られるぞ」


 むろん、何でスズを助けに行かなかったのかってな。

 今はあのバカを信用する以外に道はない。それに、戻ってソラもスズも助けられないじゃ意味がない。


 「・・・わかってる」


 「なら、行くぞ」


 そしてオレ達は、何も言わずに走り続けた。




―――side樹

 「シュウ!敵が多すぎるですぅ!」


 「それに、地面のいたる所から魔獣が!」


 私が急いで闘技場に戻ると、そこには魔獣相手に必死に戦う双子の姿がありました。

 ですが、何体かが魔力の多い闘技場に向かってしまっています。


 「闘技場の外壁の魔獣をお願いします!」


 そう言うと、私は闘技場の中に駆け込みます。

 案の定というか、非難がいまだに完了していないせいか結界が張られていません。おそらく魔獣が異常に強いことも関係しているのではないかと思います。

 そんなことを考えていると、突然結界が張られました。

 私は急なことに驚き、結界に激突しそうになりました。しかし、何故か結界を通り抜けてしまうことに。何が起きているのかわかりませんが、周りを見てみると、何故か魔獣は中に入れないようです。


 「・・・まさか、龍造さんでしょうか?」


 『結界の魔王』である龍造さんなら、このような条件付けの難しい魔法も難なくできてしまうような気がします。

 ですが、私達に連絡の一つもよこさないのは不自然です。


 「・・・とにかく、今は魔獣ですね」


 悲鳴や怒号が響き渡る闘技場内に行くと、そこにはDクラスの皆さんの前で積極的に戦闘を行っている四条さんが。

 一瞬、自分の目を疑いました。四条さんなら、この大勢の人がいる前で精霊魔法を使うことはないと思っていましたから。

 しかし良くも悪くも、私達の影響が出てしまっているようです。

 ですが、少し甘いですね


 「危ないです!」


 私は四条さんの死角から攻撃しようとしていた魔獣に拳を叩きつけます。

 四条さんは少しだけ驚いた表情になりますと、手に持った光の剣で魔獣を斬りつけます。すると魔獣は黒い魔力、呪力を体から放出しながら倒れます。

 おそらく、呪力をなくして死んだのでしょう。


 「大丈夫ですか?」


 「は、はい。ありがとうございます」


 いつものようにおどおどとした物言いですが、どこか力強く感じます。


 「いいのですか?」


 「・・・大丈夫です。精霊さん達と、精霊魔法はすごいんです」


 「わかりました。私が魔獣を引きつけます。そこに精霊魔法を」


 私は四条さんにそうお願いして、魔獣達に向き直ります。

 結構な数の魔獣がいますね。どこからこれだけの数が・・・?それに、魔獣達で争わないなど、最低限の統率がとれています。


 「・・・何か、ありますね」


 とにかく、今は闘技場内の人々の安全が優先です。




―――sideカザハ

 俺とレクト、そして忍はミスコンに行こうとしていると、突然魔獣に出くわした。

 一瞬だけ何が起きたのかわからなかったが、見た限りは低級な魔獣だ。幸いなことに俺達三人は状況に応じて前と後ろを交代できるメンバーだ。サクッとやって闘技場に向かおうとしていた。

 ただ、何故か異常に魔獣は強かった。

 しかも、他の所は黒い光線のようなものを吐いているとかもあった。あれはマジで死ぬかと思ったな。

 つか、これって・・・。


 「おい、これってあれか?」


 「・・・おそらくは」


 「強化された、魔獣かー」


 ソラ達の秘密を知るきっかけになったあの事件。

 あの時出てきたのは、呪力によって強化された魔獣だった。基本的に魔法を使わないはずの魔獣が呪力の塊を吐きだすと言ったふざけたことをしていた。


 「だとすると、マズいぞ?」


 「・・・四条殿であれば、簡単だったのでしょうが」


 呪力に対して有効な精霊魔法。それはあの魔獣達にも通用するみたいだ。

 確かに、忍の言う通り楽にやっつけれただろう。


 「けど、避難場所は闘技場。そしてミスコンの会場も闘技場。たぶん、四条はすでにそこにいるだろう。むしろ、観客達を守るのに四条がそこにいてくれた方がいいと思うな」


 「けどさー、四条ちゃんはたくさんの人の前で使わないかもよー」


 レクトが自前の兵器を取り出して魔獣に放ちながら言う。

 しかも近寄ってきた敵にはどこからか取り出したナイフや剣で切り刻んでいる。伊達にリオネの召使兼護衛兼幼馴染じゃないってことか。


 「倒すのには時間がかかりすぎます。ここは来場者の非難に回るのが上策かと」


 確かに忍の言う通りだ。

 ここは逃げよう。


 「わかった」


 そう言うと、俺達は一目散に逃げ出した。

 魔獣達はさっきまで戦っていたのに、急に逃げ出した俺達に怒りをあらわにする。何体もの魔獣達が俺達を追ってくる。


 「忍、魔法を頼む」


 「わかりました。≪停滞する世界ブレーキ・ワールド≫!」


 忍が魔法を発動させると、魔獣達の動きが遅くなる。

 忍が使ったのは、一定の空間に作用する魔法。指定した空間内にいると自分の動きが遅くなっていまう補助系魔法。でも、これは『重力』の類の力のはずなのに、何でこいつが使えるんだ?


 「今のうちに逃げるぞ!」


 「おー!」


 「念の為に。≪加速する世界アクセル・ワールド≫!」


 会談に差し掛かると、忍が何故か一定空間にいると自分の動きが速くなる魔法を使う。まぁ、こいつにも考えがあるんだろう。ここは信用して逃げよう。

 俺達は階段を駆け下りる。すると、後ろから≪停滞する世界ブレーキ・ワールド≫を抜け出した魔獣が怒り狂って追いかけてくる。

 そして今度は加速的にスピードが上昇する。そしてそのままの勢いで階段の下にいる俺達に向かって突進してくる。正直怖いが、大丈夫なのか?

 そう思っていると、何故か頭上を魔獣が砲弾のごときスピードで通り過ぎていき、ガラスを突き破って次々に外に放り出されていく。ちなみにここは四階。いくら強化された魔獣でも、この高さから落ちれば無事じゃ済まない。


 「・・・なるほど。前と同じのを狙ったんだな」


 以前のSクラスの教室間戦争クラス・ウォー。俺達が使った奇策だ。こういうスピードしか上昇しない魔法で相手にわざと木に激突させるって方法。ものすごい勢いで木にぶつかってSクラスの生徒は悲惨な目にあっていた。


 「はい。以前のあれ以来、≪加速する世界アクセル・ワールド≫の可能性に気づきました。今では加速領域内に投擲ナイフを投げ、威力とスピードを上げることに成功しています。」


 ・・・あれ?≪加速する世界アクセル・ワールド≫って、そんな魔法じゃないよな?というか、頭でさっきの魔獣がナイフに変換される。・・・あんなの食らったら、死ぬぞ!?


 「し、しのぶーが恐ろしい・・・」


 「な、なぜですか、レクト殿!?私は、研鑽に研鑽を重ねた結果、こうなっただけで・・・!」


 残念だな、俺もお前が恐ろしいよ。

 どおりで、風紀委員なんかに抜擢されるわけだ。俺は正直な話、≪停滞する世界ブレーキ・ワールド≫で違反者を捕まえる楽な仕事だと思っていたよ。


 「今度からは、最終兵器『忍』だな。今度の教室間戦争クラス・ウォーが楽しみだ」


 「くぅ~。リオちゃんのポジションがシノブーにとられるとは・・・!」


 そうだった、ちなみに今まではリオネが最終兵器『リオちゃん』の名をほしいままにしていた。本人は嫌がっていたが。


 「・・・て、早くリオちゃん見つけないと!?」


 「待てリア充。リオネはミスコンの準備を手伝ってたはずだ。あそこなら大丈夫だ」


 「そうですね。カザハ殿の言う通りかと。私達は逃げ遅れた方達の非難、救援に向かいましょう」


 俺達はそう決めると、走り出そうとしたその時だった。いきなり魔獣達の悲鳴が聞こえ、俺達は何事かと階段の窓から外を見る。

 そこには、細身の騎士の恰好をした人形があった。

 ただそいつは所々に氷が張りついていて、魔獣の一体が氷の粉まみれになっている。だが騎士の人形は魔獣を次々に駆逐していく。


 「・・・氷漬けにされてたけど、さっき俺達が魔獣をふっ飛ばしたときに偶然上に落ちたのか?」


 「・・・おそらく。というか、あの人形の操縦者は誰ですか?見たことがないですが?」


 「・・・」


 レクトが何故か目を見開いたまま固まっている。

 まさか、あれを知っているのかと聞き出そうとする。


 「レクト、何か知ってるのか?」


 「・・・か」


 「か?・・・虫ですか?」


 いや、それはないだろうと忍に突っ込んでおく。


 「カッコいいー!」


 すると、レクトはそう叫んだ。

 ・・・・・・いや、こいつ人形技師だけどさ。状況を考えようぜ。そんなことを考えていると、騎士の人形は周囲の魔獣の駆逐を完了し、どこかに歩いて行こうとする。


 「あ、待ってー!」


 「レクト殿!」


 「レクト!」


 レクトは何のためらいもなく窓から飛び出す。

 何回も言うが、ここは四階だ。魔獣はもちろん、俺達が飛び降りてもただでは済まない。というか下手したら死ぬ。

 だがレクトはピッケルのようなものを校舎の壁に突き刺し、スピードを落としながら器用に下りていく。


 「あぁ、もう!忍、≪停滞する世界ブレーキ・ワールド≫でおりられないか?」


 「やってみましょう」


 忍は魔法を発動させる。

 そこに俺達は飛び込み、ゆっくりと地面に降り立つ。

 ・・・うまくいってよかった。


 「おい、バカ。何してんだよ!?」


 レクトにそう言うが、党のご本人は何も聞いていない。

 むしろ、人形に近付いている。


 「レクト殿、危ないです!」


 「大丈夫だって~」


 レクトは気の抜けた笑みと一緒にそう言う。

 そして騎士の人形も動く、レクトを敵と判断したのか、手につけられた剣を振りかぶっている。

 俺と忍はもうダメだと思って目をつぶる。だが、何故か何も起きていないっぽい。俺達は恐る恐る目を開けると、そこには人形の胸のあたりに手をつけているレクトがいた。


 「やっぱ、ゴーレムだなー。けど、ここまで高性能なのは初めてだなー」


 レクトはそうつぶやくと、今度は手に魔力を込め始めた。

 そして紋章エンブレムから何かの道具を取り出す。


 「・・・んー、ここをこうして、こうすれば・・・」


 よくわけのわからない道具をあちこちにとりつけてレクトはうんうん唸りだす。しばらくするとレクトは人形から道具を取り外し、満足そうにうなずく。


 「これで、この人形はオレッチとリオちゃんのものだー!」


 「パクッたのかよ!?」


 「窃盗は、犯罪ですよ?」


 いろいろと突っ込みたいところが満載だが、今は無視しよう。

 レクトは満足そうな顔で俺達に向くと、一言言う。


 「オレッチ、リオちゃんにこれ渡してくる。やっぱ心配だからなー」


 そう言うと、レクトは俺達の返事も聞かずに人形に向き直る。

 すると人形がかくかくと動き始め、レクトに肩を回す。そしてレクトは『あでゅー』と言って人形と共に闘技場に向かった。


 「・・・レクト、人形使えるんだな」


 「そのようです。リオネ嬢程ではありませんが」


 まぁ、俺達だけでも何とかなるかと判断して客達の避難に向かおうとした。

 そこでまた地面が大きく揺れた。けど、今度はさっきの比じゃない。まるで、地面から何かが出てくるような・・・。


 「カザハ殿!」


 忍が俺を呼び、ある方向を指さす。そこには盛り上がった地面。

 これって、もしかしなくてもヤバくね?そう思った時、地面が爆ぜた。地面から土煙りがもうもうと舞い、さらにそこから何かの影が飛び出してくる。

 全部で三つの人影。一つは人間の青年のようだ。だが、どっかで見たことがある。

 対してもう二つの影は俺がよく知るものだった。

 金髪の年寄りくさい言葉を話す神霊の姉さんに、非常識の塊の青いローブを着た俺たちと同じ年の少年。


 「ソラと、ルーミアさん!?」


 その二人が地面から出てきた。




―――side隆介

 オレ達は薄暗い神殿内部を突き進んでいた。

 すると、俺には見覚えのない広間に出てくる。そして目の前にはとても大きな扉がある。


 「リュウ、この奥が制御室!一番奥!」


 リカはここに来たことがあるのか、ちらりと周りを見ただけでそう判断した。

 オレはその言葉を信じ、双剣を抜き放つ。


 「魔法剣≪闇十字≫!」


 交差させて振りぬいた剣から、黒い十字の斬撃が放たれる。

 それは扉に着弾し、ど真ん中にでかい風穴をあけることができた。

 レオがリカの肩に飛び乗りしがみつくと、リカは穴に飛び込む。オレも剣を抜いたまま中に飛び込む。

 すると、そこには何もなかった。正確には制御系の魔法陣や何かの石盤があった。だが、オレ達が求めるようなものがなかった。


 「ここじゃ、ねぇのか!?」


 「まだ奥がある」


 リカがそう言うと、肩にレオを乗せたまま奥に進む。

 オレは藁にもすがる思いでリカの後ろについて行った。そして、オレ達は見つけた。そこは祭壇で、祭壇の上には他と比べて巨大な石盤があり、何かしらのマークが刻まれていた。そしてその周りには様々な機械があった。どうみてもつい最近持ち込まれたものだ。

 しかもオレ体に背を向けて、石盤を見つめている女がいた。


 「・・・一応聞くが、誰だ」


 「あら、やっとお姫様を助けに来たわけ?」


 女はくるりと振り向く。白衣を着た研究者のようなやつだ。眼鏡をかけ、知的な雰囲気を漂わせる。

 だが、さっきの問答でよくわかった。オレは問答無用で魔法剣を使う。黒い斬撃が女を襲うが、女の周りに魔法の障壁が展開されてオレの攻撃は阻まれた。


 「おぉ、怖い怖い。けど、無限の魔力を得た私に、そんなちゃちな攻撃は効かないわよ、オ・ウ・ジ・サ・マ」


 いちいち言動が癇に障る。

 殺意があふれ、脳裏でこいつを殺せと囁かれる。


 「リュウ、ソラも危険な目にあってる。お願いだから、抑えて」


 「・・・わかってる」


 そうだ。オレだけが怒っているわけじゃねぇ。あいつら全員がこのゲスにキレている。しかも、ソラはオレの為にここへ通してくれた。まずは全員にスズの無事を伝える。話はそれからだ。


 「・・・お前風に言うと、『お姫様』はどこだよ、悪い魔女さんよ」


 「悪い魔女?私が?」


 何故か急に笑い出す女。

 何が面白いのか、ひとしきり笑った後、オレ達に言う。


 「どっちが、悪いのかしら?『闇夜の奇術師団』さん達」


 「・・・何で、オレ達だと思う?」


 半ば答えは予想できるが、一応聞いておこう。


 「教えてもらったのよ」


 「・・・フェイク」


 リカ考えていることが正解だろう。

 あの自称魔王のフェイクはジジイのことも知っているらしかった。だから、あの時ジジイと一緒にいたオレ達がそうだと判断されても不思議はない。


 「・・・オレ達は自分の身を守っただけだ。その証拠にバグニールの兵達は一人も殺していない」


 「何かしら?だから、貴方達は正義だとでも言いたいの?冗談も体外にしておきなさい」


 女の言葉がだんだん激しく、そして怒気を含み始める。


 「魔物は、絶対悪。その力をふるい、人間に恐怖を与える」


 「・・・なら、人間が正義だって言うの?」


 「えぇ」


 リカの言葉に女は何のためらいもなく即答した。

 オレもそうだが、リカも思わず絶句してしまった。


 「魔物はいるだけで罪。もちろん、それに加担する人間も悪魔よ。だから、私達は駆逐する。魔物を、脅威を。そうすれば世界から脅威はなくなり、真の平和が訪れるの。だから・・・・・・消す」


 まるで熱にうなされているかのように、そんなことを言い始めた。こいつは、狂ってる。何で、ここまで妄信するんだ?


 「だから、鈴音も・・・」


 「えぇ。でも彼女はマシね。我々の平和の礎の要たり得る、巫女よ。今までは、下劣な魔物どもに操られていたのよ。だから、私が元に戻してあげる。そして、世界の為に・・・」


 そう言うと、女は何かを操作する。

 神殿の石造りの床の一部が開いたかともうと、そこから培養槽のようなものがせりあがってきた。そして、その中にいたのは・・・。


 「スズ!」


 「鈴音!」


 緑色の水溶液につけられているスズ。胸元のあたりが肌蹴て、胸の真ん中に何かが描かれている。


 「お前、何をした!?」


 「彼女の属性は『リバース』。法則ルールを操る、強力な力」


 オレの言葉を無視し、女はそう言った。


 「んなこと、知ってる!」


 「いいえ、知らないわね。『リバース』、フェイク様に聞いたところ、貴方達は魔法のキャンセルにしか使っていないようね」


 オレが怒鳴ろうとしたとき、それをリカが手で遮る。リカは傍目から見れば落ち着いた表情だ。だが、その握りしめた手はぶるぶると震えている。


 「・・・鈴音の力は、魔法の根源を操っているの?」


 「あら、気付いていたの?」


 「・・・リカ、どういうことだよ」


 「鈴音が暴走した時、アタシ達はそう感じたって言った」


 オレは知らないが、マリネシア祭の大会でスズは暴走したらしい。そのおかげでオレは助かるが、スズが気絶。

 その後、確かにこいつらがそんなことを言ってた気がするけどな・・・。


 「『リバース』の魔法無効化の過程プロセスはいたって簡単。消したい魔法の魔力を消す、というよりも、その事象を反転させる」


 「・・・どういうことだよ」


 「簡単だよ。そこにあった魔力そのものがなかったこと・・・・・・になるのよ」


 「待てよ。それは『消滅』の属性じゃねぇか」


 どんなものであろうと、自分がその構造を理解さえしていれば消すことのできる最強の魔法属性、それが『消滅』。

 だが、スズの魔法は魔法に対してしか発動しない特殊なものだ。


 「愚かね。だから言ってるじゃない。消すんじゃないの、反転させる・・・・・の。つまり、魔力があるという状態の『逆』、魔力がなかったという状態に。反射に関しても同様ね。魔法がこちらに向かってくるという状態が『逆』になっているだけ」


 「それが、何だよ。わけわかんねぇよ。結局、お前等は何がしたいんだよ!?」


 「わかったわ、そんなに言うのなら見せてあげましょう。コマンド『無限魔力増幅インフィニット・ブースト』」


 女がそう言った瞬間、閉じられていたスズの目がかっと見開き、魔法の詠唱が始まる。


 「―――我、紡ぐは世界の理」


 それは、スズの真言≪リバース≫の詠唱だった。


作 「というわけで『逆』をお送りしました!」

香 「鈴音さんの属性の秘密が結局わからないですぅ!」

小 「俺も同じです」

作 「いや、予想外に字が多くなったからこういうことになりました」

小 「・・・シャンのような無計画さ」

香 「シャオ、おれはどういう意味ですぅ!?」

小 「そのままの意味だ」

香 「私のほうがお姉ちゃんなのですぅ!?」

作 「双子が姉弟喧嘩を始めたところで次回!次回はちゃんとわかるよ、『逆』の秘密、そして急展開!?次回もよろしく!」

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