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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
7章 ≪魔法学園文化祭編≫
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11話・BOMB

―――side空志

 「我は貴様を倒し、姫を貰い受ける!」


 「ですが、私は貴方様に負けるわけにいかないのです!」


 今、ボクの目の前には騎士の恰好をしたリュウがいる。

 まぁ、ボクもリュウと似たような格好をしているけど。あれから忍のおかげでボク達は合流し、ゲリラ公演をしている。そして影ではみんなが魔法を使いまくって怪しいモノがないか探してくれている。

 ボクとリュウがやっているのは魔法を用いた決闘のシーン。ここでボクとリュウが魔法を使って戦い、スズが魔法で周りへの被害が行かないように結界を展開してくれているはずだ。


 「ならば、言葉は不要!」


 「私も、剣にこの思いを乗せましょう!!」


 ボクがのこのセリフが終了してからが決闘の合図。

 ボクとリュウは互いに距離を詰め、刃を潰した騎士剣でつばぜり合いを行う。

 そこからは全てアドリブでの戦闘の許可が下りている。後はできるだけ派手な魔法を見せつけるだけ。


 「―――雷よ、剣となれ!

     ≪空の雷鳴剣ライジング・ソード≫!」


 「―――影よ、喰らえ!

     ≪闇の侵食ダーク・イロージョン≫!」


 互いの魔法がぶつかり、ボクの雷の剣はリュウの闇の壁によって喰い尽される。

 このレベルで周りからは既に感嘆の声が上がっている。ボクとリュウが本気でぶつかればこんなものじゃ済まない。

 ボクとリュウは頃合いを見計らって互いに距離をとり、そこから魔法の応酬を続け、時に剣で斬り合う。

 ・・・・・・・・・・・・・・・みんな、早く見つけて。




―――side風葉

 「まだ、見つからないのか!?」


 「今、学園の六十%がやっと終わったところ!」


 「こっちが一回目終了!二回目を頼む!」


 今、俺は舞台裏で数人のクラスメイト達と連携して学園を調べている。

 俺たちなりにエリアをわけ、そのエリア内を三回調べ終わったら次のエリアを調べると言う形にしてある。

 だが、既に演劇は終盤だ。今はソラと間と言うソラの仲間が協力してこの劇を長引かせている。だが、教師からの圧力がすさまじい。ゲリラ公演をすることで学園生達に自分の所を宣伝しようとしている風に見えたんだろう。

 しかも、風紀委員までもが動いているらしい。ちなみに風紀委員はこの学校の治安維持部隊とでも言うのか、主な仕事が校則違反者の取り締まりで、大体魔法等で抵抗されるために普通は使用禁止の魔法の使用許可が下りている人たちの集団だ。

 話を戻そう、基本的に準備期間での宣伝はナシ。呼び込みは当日だけと言う決まりだ。今は風紀委員も忍がなんとか止めてくれているが、それもいつまでもつか・・・。

 最悪、残った部分はソラ達自身に探してもらわなくちゃいけないかもしれない。だが、もしも何かミスがあって爆弾があり、爆発でもしたら・・・。惨劇どころじゃ済まない。


 「マジで、面倒なことに首突っ込んだなって思うよ。俺は」


 「おい、カザハ。お前何やってるんだよ!?」


 叱責の声とともにやってきたのはS代表のジグ。

 俺達はSとDでありながらそれなりに仲がいい。とりあえず、俺は今起こっていることを手短に話す。まぁ、こいつはあの時にいなかったからソラ達の後ろの方はだいぶ隠したけどな。


 「・・・そんなことが?」


 「あぁ。だから、こうやっておおっぴらに魔法使うためにあれをしてるんだ。こうすれば、どんなに大規模な魔法使っても劇の方の演出って思われるからな」


 「だが、それなら先生達に知らせた方が・・・」


 「それをすると、理事長先生の意向に反する。ソラ達の話じゃ、一部の先生は知っているらしいけど、全員じゃない。だから、俺達が学園のためにこんなことしてるってわかられるとむしろ辛い」


 そう言うと、ジグは押し黙ってしまう。

 俺はジグから視線を外し、指示を飛ばす。

 すると、急にジグがまた話しかけてきた。


 「・・・俺も、手伝う」


 「何言ってるんだよ。お前みたいな優等生がこんなのに加担したらタダじゃ済まないぞ?」


 「お前らよりマシだ。俺は先生達や風紀委員の足止めをしてくる」


 そう言うと、ジグは俺の止める声も聞かずに走っていってしまった。

 ・・・お前の方が、罪は重いじゃないかよ。しかも、ものすごいバカだ。


 「お前ら、Sが時間を稼いでくれる!さっさと働け!」


 「「「イエス・サー!」」」




―――sideグラン

 どうも、またあの人たちは厄介事に巻き込まれているみたいで。

 いやはや、普通なら退屈でしかたがない学園のはずなのに、こうもイベントがあったら過労死してしまいますぜ?


 「・・・ターゲット、補足。距離五十です」


 「・・・いつでも動けるようにしといてくださいねぇ」


 でも、こんな天才の集まりのようなSがDの連中とバカみたいなことをやるっていうのも、楽しいのは事実。どうせ、普段じゃできないんだし、派手にやっときゃいい。

 ・・・でも、この作戦はそこはかとなく罪悪感が出てくるぜぃ。


 「・・・ポイントに到達。・・・本当にするの?」


 「・・・やるしかない。今、学園の未来は俺達にかかっていると言っても過言ではないんだぜぃ?」


 「・・・副代表、その割には楽しそうですね」


 「当たり前じゃないですかぃ。こんな面白いこと、そうそうできませんぜぃ?」


 「まぁ、確かに」


 納得するあたり、こいつもバカだな。

 しかも、何故か俺達男子はここで黒い笑みを全員が浮かべている。そしてその全員がお前らもこの苦しみを味わえ的なモノだ。

 ・・・・・・いつから、Sはこんなやつ等の巣窟になったのか。


 「カウント三で『魔女部隊』突撃してくれよぅ?」


 「・・・大丈夫です。では、カウントを始めます。三・・・・・・二・・・・・・一・・・・・・ゼロ!」


 そして、廊下を進んでいた先生や風紀委員たちの目の前に魔女のコスプレをした女子の一団が立ち塞がる。


 「一年Sクラスのハロウィン喫茶の試食をしています!ぜひ、どうぞ!」


 「今は忙しい。後にしてくれ」


 だが、女子たちは頑としてどかない。

 それはそうだろう。女子たちは最近のバイオテロ事件(笑)でSクラスの女子は女子力ゼロの烙印が押されてしまっている。一応、坂崎ちゃんのおかげでだいぶマシにはなったものの、彼女達の山のように高い誇りプライドはボロボロ。ここであのジグの旦那は一言言った。


 『・・・お前達、自分達は坂崎がいなくとも女子力はあると言いたくないか?』


 その言葉で、女子は情熱的な何かを取り戻した。

 そしてつい先ほど必死になって新作の菓子を作った。

 そこで更にジグの旦那の一言。


 『どうも、先生達がここら辺を回っているらしい。先生達に振舞ったらどうだ?』


 恐ろしいまでに女子を誘導し、今現在に至る。

 見た目は、本当に、普通に、むしろおいしそうだ。だけど、あれは絶対に何かがおかしい。もう、醸し出す雰囲気が違う。あれはヤバい。あの料理を経験した俺達にはそれがわかっちまいますねぇ。

 こっからは、ダイジェストでお送りするぜぃ!


 「そんなこと言わないでくださいよ。先生、可愛い教え子たちが頑張って作ったんですよ?」


 「後で来る。だから・・・」


 「ちょっとぐらい、いいじゃないですか!」


 「う、うむ。では、少しだけ」


 「じゃ、皆さんもドウゾ!」


 「あ、どうも」


 「はい、頂きます」


 「じゃぁ、私も」


 パクッ。(一口で食べる音)


 「・・・これは、うっ!?」


 「な、なんだ、こ・・・れは・・・・・・!?」


 「味覚が、はか・・・!?」


 バタバタバタッ!(次々に人が倒れていく音)


 ・・・ミッション、コンプリート!

 これでDの連中を邪魔するやつ等の到着を遅れさせることができたぜぃ!


 「・・・副代表、あの人達からエクトプラズム的な何かが出ていませんか?」


 「気のせいですぜぃ。と言うか、見なかったことにしたほうがいいですぜぃ」


 「・・・了解です」


 とりあえず、作戦が完了したことをジグの旦那に報告しますかい。

 ・・・・・・いや、落ち込んでいる女子のメンタルケアの方が先ですかねぇ?




―――side風葉

 「カザハ、こっちの作戦で教師陣は死・・・到着が遅れる」


 「おい!?何をしたんだよ!?」


 さらっと恐ろしいことを言い始めたジグに俺は突っ込む。

 ・・・・・・つい最近、こいつがDに染まりすぎてバカになってないかと言う懸念があったが、既に遅かったようだ。


 「この隙に、全力で調べあげろ!!」


 「「「ラジャー!!」」」


 「何でお前が指揮取ってんだよ!?」


 しかも全員言うこと聞いたし!?

 ノリがいいことに定評のあるDクラスだった。


 「・・・カザハ、何か見つけましたわ」


 リオネの一言で俺はすぐにリオネの近くに行く。

 リオネは人形遣いとしての力で文化祭に使われる人形に同調リンクし、人形の視線から教室内部に怪しいモノがないか調べてもらっていた。

 リオネは目を閉じて集中しているようだったが、普通に俺達と受け答えをしている。


 「どうした?」


 「いえ、気のせいならば良いのですが・・・。理事長室の近くの石像近くに、変なものがあります」


 「杏奈、アスカに連絡してくれ。理事長室の石像だ!」


 アスカはこの学園で一番高いところ、時計塔にいる。そこから『照準サイト』の属性の魔法で怪しい個所のチェックをしてもらっている。一応念のために狙撃銃スナイパーライフルは所持してもらっている。


 「・・・・・・アスカからよ。『もっと正確な場所を教えて、リオちゃん』だって」


 「爆ぜなさいと返して下さる?」


 「真面目にやれよな!?」


 仲はいいんだが、ふざけないでくれ。今はそういう余裕がない。

 杏奈は三毛猫、確か名前は『マイク』に何かを頼む。たぶん、リオネの言ったポイントに向かわせたんだろう。

 ・・・・・・つか、三毛猫にマイクってどうだよ?


 「だって、マイクの綴りって『Mike』、つまりミケじゃない」


 「心読むな、つかどうでもいい!」


 「ちなみに、マイクは三毛猫にしてはものすごく珍しいオスよ」


 「本当にどうでもいい!?」


 ・・・本当に、いい加減にしてほしかった。


 「・・・あ、アスカから連絡よ。『リオちゃん、石像退けて』」


 「いや、いくらなんでも石像退けるのは無理だろ」


 「わかりましたわ」


 「できるの!?」


 「わたくしは要するに生物の形のモノなら五感を共有し、動かすことが可能ですわ。それと、リオちゃんではありません」


 「そこは否定するんだな・・・」


 つか、人形師とか何でもありだな。

 ・・・いや、マーティスの家系だからこそできるワザか。


 「・・・わかったみたい。と言うかリオちゃん、石像にくっついているらしいけど?」


 「・・・」


 リオネは無言で目を開けた。


 「・・・さすがに、爆死の経験だけは御免被りますわ」


 「オレッチの作った人形じゃねぇからなー。痛覚の遮断が効かないからなー」


 どうも、これだけが人形師の欠点らしい。

 人形師は自分の操る人形と五感を同調リンクさせる。そのせいか、人形にダメージがあれば自分にもそれに見合った痛みが伴ってしまうらしい。普通はレクトのような器術師マキナーが調整した人形しか使わない。そうすれば反応速度はおろか、痛覚も遮断できるから一石二鳥どころか三鳥も四鳥もある。

 だが、これで解体をしたくてもできない。


 「・・・・・・杏奈から連絡。『爆弾かどうかはわからないけど、見た感じは文化祭準備のゴミっぽい』だってさ」


 「・・・・・・じゃぁ、他の所はどうなっている!」


 「もうすぐ、全エリアの確認が完了しそうだ!」


 「一応、怪しいのはリオちゃんの言った部分以外は無い!」


 「だから、リオちゃんはやめてくださる!?」


 俺はリオネに諦めろ、リオちゃんはクラス公認のニックネームだと心の中で言いながら考える。

 おそらく、念のためにもう一度頑張って探しても結果は同じ。今回のリオネの発見のように、怪しいモノがあればアスカが目でチェック。あるいは散らばっているクラスメイトの一人が現地に赴いてチェックすることで安全を確認している。

 なら、リオネの言っていたヤツが今のところ怪しいわけか・・・。


 「誰か、近くにいないのか?」


 「・・・今、忍っちが向かったらしいぞー」


 レクトがそういう。

 ・・・・・・よかった。忍はSクラスの処刑の犠牲にはならなかったみたいだ。


 「・・・お、忍っちから連絡だなー」


 レクトの言葉に全員が押し黙る。

 そして、レクトの口が開いて・・・。


 「・・・ただのポイ捨てのゴミだってさー。忍っちはこれ片してこっちに来るらしいぞー」


 その言葉で俺達は脱力した。

 なんだ、結局は取り越し苦労だったのか。まぁ、なにはともあれ、何も見つからなくてよかった。


 「・・・あら、レオ君?」


 「みゃ」


 すると杏奈がソラの飼い猫、レオを見つけた。

 レオはこっちの言葉がわかっているようなタイミングで一鳴きして答えると、レオはそのまま杏奈の所に直行。杏奈の膝に乗る。

 ・・・・・・本当に、自分が一番に何をすべきかわかっている。どんな躾をすればこうなるのか聞いてみたい。


 「・・・え?本当なの?」


 杏奈が驚く声にレオは頷く。

 すると、ひらりと杏奈の膝から降りてまたどこかにトテトテと走っていった。


 「どうしたんだ?」


 「・・・それが、ここと、ここ、そしてこの辺からも変な魔力を感じたって?しかも、これ調べてほしいみたい」


 「動物って、魔力を感じられるのか?」


 俺は疑問に思って聞いてみる。

 魔力を感じられるっていうことは、魔法を使えるっていうことだ。授業では魔力を感じると言う行為は魔法使いの放つ微弱な魔力同士の反発、あるいは共鳴が発生してわかるものらしい。だから、それほどの魔力を持たない動物ではそれが無理なはずだ。

 例えるなら、コウモリが超音波を発生させて物の位置を知る感覚に近い。


 「ううん。普通はできない。・・・けど、レオ君は三谷君が言うには『幻獣』らしいし?」


 確かに、俺もあの子猫のレオが変身して翼の生えたライオンになるところは数回だけ見ている。

 とりあえず杏奈の言った部分に赤で丸をつける。


 「・・・でも、ここって教室だぞ?」


 今は魔法があちこちで使われている。その中でこれだけが変な魔力ってどうしてわかるんだ?


 「・・・・・・魔力は、ソラの方へ教えた方がいいだろうけど」


 「今、最大の見せ場の途中。それが終わってからじゃ遅い」


 なら、どうする?


 「ジグ、お前達のクラスで変な魔力を感じ取れるやついるか?」


 「・・・それは、さすがに無理だ。教室内ではただでさえ魔力があふれているんだぞ?」


 「・・・だよな。じゃぁ、教室外は?」


 「それなら、何とかなるか?」


 すると、ジグは紋章エンブレムで連絡を取る。

 紋章を叩くと操作画面ウィンドウが開き、そこから対話トークのアイコンを選択。そして副代表のグランを呼びだす。


 「グランか?頼みたいことがある」


 『またですかい?さすがに、もう殺人紛いの犯行は・・・』


 「違う。教室以外に妙な魔力がないか全力で調べろ」


 『妙な魔力?まぁ、わかりましたぜぃ。不自然なものがあればこっちから連絡しときますかい?』


 「頼む。・・・・・・これで、とりあえずは大丈夫だ」


 確かに、Sクラスの魔力探知なら俺達より遥かに精度はいい。

 だが問題は学園の教室の方。こっちは魔力の判別ができない。


 「・・・・・・四条さんなら、できるのではないかしら?」


 「あぁ、四条ちゃんのせもがっ!?」


 「・・・どうした?」


 「「なんでも~」」


 俺と杏奈は口を滑らせそうになったレクトの口を塞ぎ、を睨む。

 ジグは精霊魔法がどうとか言わなさそうな人間だが、こういうのは俺達が軽々しく口にしていいモノじゃない。


 「とにかく、四条に頼もう」


 俺は紋章ですぐに連絡。


 『は、はい、しし、四条です!?』


 「四条、頼みたいことがある。妙な魔力を探してくれ」


 『みょ、妙な、魔力、ですか?わ、わかりました。せい―――』


 ブチっ!

 俺は自分から秘密をバラそうとした四条との通信を切る。


 「・・・いいのか、何か言いかけていたが?」


 「いいんだ。問題ない、大丈夫だ」


 「そ、そうか。・・・Dには、こういうことに特化した奴もいるのか・・・・・・」


 あぁ、そういう風に勘違いしておいてくれ。

 四条の魔法については俺達Dでは極秘事項トップ・シークレットになっている・・・はずだ。

 すると、突然俺の目の前に『CALL-四条奏』と言う電話マークの画面が出てくる。

 ついさっきの今でなんだと思いつつも出る。


 『だ、代表さん、酷いですよ!?い、いきなり切らないでください!?』


 「あぁ、すまん。こっちも事情があるんだ」


 「・・・俺には特に何もなかった気がするぞ?」


 お前のせいだと心の中で突っ込みつつ四条に何かあったのか聞いてみる。


 『は、はい!せい―――』


 「ジグ!お前の所からは何も連絡ないのか!?」


 俺はここにジグがいることを四条に知らせるため、あえてジグに話を振る。


 「きゅ、急にどうした?」


 『へ、え?Sの代表さんが、いるんですか?』


 「あぁ、そうだが?」


 『そ、そういうことですか。わ、わかりました。御迷惑をおかけしてすみません!』


 「・・・カザハ、俺は教室以外の捜索のことを言ったっけか?」


 「あぁ、言ってる」


 もちろん嘘だ。

 お前は最初から最後まで勘違いしておいてくれ。


 「で、どうなっている?」


 『は、はい。どうも、一階の・・・』


 俺達は四条に言われた場所に目印をつける。

 その内容の細かさにジグはただ目を見開いて驚くだけだ。


 「・・・すごいな、彼女は何の属性だ?」


 「・・・『探索サーチ』だ」


 とりあえず、適当に返しておく。

 ジグは聞いたことがないなと言いながらも感心している。よかった、信じてくれて。


 「四条、他にはないか?」


 『は、はい。・・・・・・で、ですけど、この配置は?』


 「配置?」


 俺はそう言われて見てみる。

 学校の見取り図には別にこれと言った法則性は無いように見える。

 何であの猫がこれを調べてほしいと思ったのかよくわからない。


 「・・・そういや、これって一階にしかないなー」


 「そう言われると、そうですわね」


 確かに、印をつけた部分は一階だけだ。

 ・・・つか、俺は何か思い浮かびそうなんだけど?


 『・・・す、すみません。こ、これに最初に気付いた方はだ、誰ですか?』


 「誰って言うか、ソラの飼っている猫だよ」


 「レオ君が調べてって」


 『レオさん、ですか・・・・・・』


 そういうと、四条からの声が途絶える。

 そしてしばらくするとまたも声が聞こえた。


 『そ、そちらに、平地さん、姉弟をお願いしました。お、お二人にそれを見せてください』


 「「「はい?」」」


 俺達は変な声を上げた。

 ・・・確か、平地姉弟ってのは姉が眼鏡かけたクールビューティな女子だよな?ただ、残念なことに少しブラコンっぽいけど。何でそんな奴等を?

 そんなことを考えていると、急に気温が下がってきた。


 「何、だ、これ?」


 「・・・少し寒い」


 ジグと杏奈がそうつぶやいた途端、誰かが突撃してきた。・・・冷気とともに。

 入ってきたのは、氷の狼。ただし、それに二人の人間がまたがっていた。


 「で、ここでいいのかしら?四条が言ってるのは」


 「すみません、驚かせちゃって」


 そう言って降りてきたのはソラの仲間の姉弟。

 明らかにカッコイイと表現するのが正しい女子に、礼儀正しく接してくる少年がいる。


 「お前らが、平地姉弟か?」


 「えぇ、そうよ。ハルに見せたいものがあるらしいから飛ばしてきたわ」


 そういうと、乗ってきた氷の狼を撫でる。

 それから凄まじい、それこそドライアイス何てめじゃない冷気が発せられているが、当の本人には凍傷すら起こっていない。


 「あ、あぁ、これを見てくれって・・・」


 そう言いながら、学園の見取り図を平地弟に見せる。

 すると、平地弟はそれを一目見ただけで怪訝な表情を浮かべる。


 「何ですか、この魔法陣っぽいモノ?」


 「・・・おい、それは本当か!?」


 「は、はい!?」


 「ちょっと、うちの弟に何すんのよ!?」


 姉がうるさいが今はそれどころじゃない!


 「四条が言ってたんだよ、配置がどうとか!それにレオがこれを調べろって言ってたのを聞いた瞬間にお前達を呼んだんだよ!」


 「・・・なるほど、わかりました」


 そういうと、平地弟はやたらとソラを連想させる仕草で答える。

 ・・・まさか、こいつあいつの悪影響を?


 「・・・そう言えば、ミタニーみたいな魔法を使うSの留学生がいたって聞いたけど?」


 「あ、たぶんそれは僕です」


 こともなげにそう言う。

 なら、こいつは二代目ソラか!?


 「すみません、僕はこれだけ見ても大まかな部分しかわかりません。カレンさんならすぐにわかるんでしょうけど・・・」


 そう言いながら点と点をつなぐ。

 するとそこには大まかだが、魔法陣が出来上がる。


 「・・・今、魔法陣で何かすることが流行っているんでしょうか?」


 ・・・俺に聞かないでくれ。


 「で、ハル。これの意味は?」


 「ごめんなさい、僕じゃわからないんだ」


 「まぁ、しょうがないわ。何にしても解除ね、一番近いのは・・・」


 そう言うと、平地姉弟は走り去っていった。


 『こ、これで大丈夫なはずです。春樹さんなら、ま、魔法陣の解除が可能です』


 どうも、これで一安心らしい。

 何にしても、よかった。早く気づくことができて。

 この時、俺はそう思ったがどうも甘かったらしい。


作 「というわけで、『爆弾』をお送りしました!」

冬 「で、今回はわたし達ってわけね」

春 「どうも、よろしくお願いします」

作 「もっと、楽に行こうぜ、べいべー」

冬 「・・・まぁ、そういうわけで敵もずいぶんと器用なことをしてきたわね」

春 「ギャグの部分は何も言わないんだね」

冬 「うちの弟を人外呼ばわりしたあいつらのことなんて、語る必要性皆無よ」

春 「・・・」

作 「さて、姉のブラコン発言に若干引いてるところ悪いけど次回!」

冬 「べ、別にブラコンじゃないわよ!?」

春 「・・・姉さん、信ぴょう性ゼロだよ」

作 「地味に春樹君が建てたフラグを回収するぜ!」

冬 「・・・!?それだけはダメよ、話の方向がおかしくなるわ!?」

春 「・・・?」

作 「次回もよろしく!」

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