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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
6章 ≪季節はずれの幽霊編≫
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番外編1・十二星座と楽しいクエスト?

―――sideティーナ

 「と、言うわけでして・・・。引き受けてもらえますでしょうか?」


 もすごく、豪奢と言うか・・・。とにかく、すごいとしか言いようのないところでリオンさんと、今回の依頼主さんがしゃべってます。


 「・・・はい。本来、こういう仕事は我々、冒険者ギルドではなく、傭兵ギルドの方が確実ですが。・・・まぁ、魔物のランクがさほど高くなさそうなので・・・」


 『何がさほど高くない、だか。こっちにゃ、ティーナがいるのに、ネッ!』


 私は頭の中で聞こえた声に曖昧な笑みを送る。

 あ、別に二重人格とか、エア友達がいるとか、そういうイタイ子ではないですよ?

 それと、紹介も遅れました。

 私はティーナ・ライトテイカー。『十二星座トゥエルブ・コンストレイションズ』と言う冒険者ギルド所属の一つのパーティーに入っています。そして、ココでの役職名のようなモノが『双児宮ジェミニ』。

 そして、今話をしているのがリーダーのリオン・ワルダーさん。身長が二メートルもあって、体もすごくたくましい。司る星座が『獅子宮レオ』。

 ちなみに、さっき頭の中で語りかけていたのが、星を司る神霊、ステラ。リオンさんは、私達二人がいるから『双児宮ジェミニ』にしてくれた。ステラもみんなと同じようにしてくれてうれしいみたいだ。


 「では、そういうことで・・・。行くぞ」


 「あ、はい!」


 そう言って扉のほうへ向かうリオンさんに続いて私もぺこりとお辞儀をして出て行きます。

 そして、豪華なお家、つまりこの領地の領主様の館を歩いていると、リオンさんがぼそりと言いました。


 「・・・面倒な依頼だ」


 「そうなんですか?」


 「あぁ。・・・どうも、ここらで魔物が頻繁に出没し、悪さを働いているようだ。そして、領民から苦情が出てこういう風にしたらしい」


 「・・・なるほど」


 「おかしいな・・・」


 私がステラの声に引かれてそこを見てみると、そこには実体化してステラが・・・。


 「ダメー!?」


 「もがっ!?」


 ペンダントから出てきかけていたステラの頭を掴んでペンダントに押し戻す。

 こんなところで神霊なんか出てきたら騒ぎになっちゃう!


 「・・・ステラ、さっき何を言おうとした?」


 『イタタ・・・。おう?知らないの?ココはかなり平和な町なんだぞ?』


 契約していないリオンさんにはこの声が聞こえないので、私が伝えます。

 すると、リオンさんは釈然としない表情でステラに言います。


 「いや、確かに平和そうだが・・・」


 『いや、平和って言うのは、魔物が襲ってこないって意味で、だ』


 「・・・へ?」


 「どうした?」


 「いえ、それが・・・。この町では、魔物が襲ってこないそうです・・・?」


 「・・・だが、襲われているぞ?」


 『さぁ?でも、ココに出るのは・・・確か、『神速の魔王』ネ。噂ではどこかほっつき歩いているらしいけど』


 「・・・」


 「・・・さっきから、どうした?」


 「・・・いえ、魔王にもいろいろな方がいるのだなぁって」


 「・・・もしかして、魔王がいないのか?」


 『その可能性が高い』


 「そうみたいです」


 「なら、魔王が交代して方針が変わったというのは?」


 『さぁ?そこまでは感知できないネ』


 「そこまではわからないみたいです」


 「そうか・・・」


 今回の依頼は魔物の討伐。

 つい最近、近くの岩山に生息する魔物が活発に行動を始めたらしい。

 そして、一部の畑から作物がなくなったり、行商のトラックが何者かに襲われたりとか続けざまに起こったみたいです。


 「まぁ、なんにしてもまずは合流してからだな」


 「はい」






 「と、言うわけで、討伐だ」


 「あの、説明になってませんよ?」


 私はリオンさんの説明に頭が痛くなってきた。

 今、私達は泊まっている宿にいます。


 「へいへい」


 「わかったわかった」


 「・・・え~」


 でも、皆さんはわかったみたいだった。

 ・・・何で?


 「どうせ、口下手なリーダーじゃ無理だって」


 そう言って励ましてくれたのが、一番仲良くしてくれるルピア・デナンドさん。

 褐色の肌に赤い髪、体つきが・・・羨ましいです。大丈夫、きっと成長すれば私も・・・。そして、男勝りな女性で、姐御的な存在です。司る星座が『天蠍宮スコルピオ』。


 「そうそう、そこは、ティーナちゃんが後で説明してくれるだろ?」


 人のいい笑みで私にそう言ってくれたのは、アーロン・ダリウスさん、通称アルさん。華奢な体つきの男性で、よくルピアさんといます。

 私の考えでは、二人は実はできて・・・。


 「あ、アル!ビール買って来て。依頼達成した後に打ち上げする用のないから」


 「いや、今言うことじゃ・・・」


 「買って来い」


 「・・・はい」


 ・・・無理ですね。

 ちなみに、司る星座は『人馬宮サジタリウス』です。

 私はアルさんにがんばれと心の中でエールを送っておきます。


 「・・・他はどうした?」


 「いや、どっかに行っちゃってさ」


 「・・・そうか」


 どうしようかと考え込むリオンさん。

 ・・・確かに、コレでは少ないですね。


 「はい、はーい!」


 すると、私の身につけているペンダントから元気な声が。

 ペンダントから三十センチほどの、小人のような可愛らしい女の子が現れます。


 「ステラか?どうした?」


 そう、この子がステラ。

 見た感じは小人のようですが、れっきとした神霊です。

 よく子供っぽい言動を連発しますが、神霊です。

 私も、妹のような扱いをしますが、神霊です。


 「ティーナが行けば万事解決、ネッ!」


 「・・・却下だ」


 「えぇ~」


 「ダメだよ。私の力をそんなに使っちゃ」


 「でも、絶対にティーナが行った方がいい!それもすぐに!勘がそう叫んでるネ!」


 「「・・・」」


 「アハハ・・・」


 リオンさんも、ルピアさんも若干呆れてしまっている。

 すると、とんとんとノックをする音が聞こえる。

 リオンさんが一言だけ入れと言うと、二つの人影が入ってきました。

 一人はルピアさんにパシられてしまったアルさん。もう一人は・・・。


 「リーダ~。やっとお話終わったんですか~♪」


 「・・・あぁ」


 のほほんとした、おっとりした感じの女性。

 セフィア・ノールトンさん、通称セフィさん。ルピアさんが私のお姉さんのような存在なら、セフィさんはお母さんのような存在でしょうか?司る星座は『白羊宮アリエス』。


 「わかりました!では、行きましょう~!」


 そういうと、鼻歌を歌いながら準備を始めるセフィさん。

 ・・・あの、まだ説明してませよね?


 「セフィ、アンタ、何をしに行くかわかってるの?」


 「はい~♪討伐ですよね?」


 「なら、アンタは無理でしょ」


 セフィさんは、数少ない『治癒』の属性。

 その魔法にみんな、何回も助けられたとか。


 「でも、怪我しちゃいますよ?」


 「大丈夫だ。今回はそんなにランクの高くない、コボルト相手だそうだ」


 「・・・あれ~?」


 リオンさんが言った言葉に首をかしげるセフィさん。

 ・・・どうしたんでしょう?


 「あの、今回はそういうことになっていますが?」


 「おっかし~な~?」


 「何でよ?アンタが領主の館に直接聞きに行ったわけじゃないでしょ?」


 「でもね、ちょっと道に迷って森の近くまで行っちゃったんだよね~」


 実は、この人、ものすごい方向音痴だ。

 それも筋金入りで、誰かが見張っていてもいつの間にかいなくなる。

 でも、不思議と待ち合わせとかの時間にはちゃんとつく。


 「・・・要するに、そこで何か聞いたの?」


 「そうそう。森の警備してる人に聞いたよ~。つい最近、あの森に『死神』と『悪魔』が出るんだって~」


 「「「・・・」」」


 「あれ?みんな、どうしたの~?」


 何だか、話が大変なことになってきました。






 「大変な事になった」


 「あの、どうします?」


 あの後、私達は一旦情報収集のために町へと行きました。

 そして、聞き込みをして、『死神』と『悪魔』の情報を集めました。

 そこでわかったことは・・・。

 まず、『死神』も『悪魔』も魔物が活発になり始めた頃に出てくるようになってきたことです。おそらく、どちらも魔物の類でしょう。

 そして、大抵その二つはセットで行動しているとのこと。

 格好は二つともボロボロのフード付きマントをまとっていて、魔物にしても何の魔物かわからなかったみたいです。

 中には、小指で倒されたとか、ペンに負けたとか、野菜をやられたと思えば次の日には何故かお金が置いてあったとか、挙句に大勢のむさいおっさん達が縄で縛られてさらし者にされていたとかわけのわからないものもありましたが・・・。


 「そして、その『死神』と『悪魔』は突然現れて襲ってくるらしい。場所もランダム。まさに神出鬼没だ。・・・だが、聞き込みで詳しい場所を教えてもらうと、こうなった」


 そういうと、リオンさんは森の地図を取り出し、みんなに見せます。

 そこには赤い点がたくさんついています。たぶん、そこが『死神』と『悪魔』が現れた場所。そして、重要なのが・・・。


 「・・・ココを中心にして、出ている?」


 「そういうことだ」


 確かに地図のとある点を中心に、円になるよう点が配置されています。


 「今回受けた依頼は『コボルトの討伐』だ。だから、俺は無理に来いとは言わ――」


 「おし、みんな、準備しな!」


 ルピアさんがそういうと、皆さんは準備を始めました。

 私もその一人です。


 「・・・俺の――」


 「いや、いつものことだし、リーダーのおせっかい」


 「やっぱり、ココに行くんですか?」


 「そうだろうね。リーダー、作戦は?」


 「あぁ。むしろ、コボルトよりもこちらの方が危険かもしれない。だから、来たいものだけ――」


 「ココは、少数精鋭のほうがよくね?」


 「相手は二人、そんなに人数がいても・・・か」


 「じゃ、私がやります。これでも、力はありますから」


 「おっしゃー!ティーナ、よく言ったぞ!」


 「私もこっちですね~♪怪我しても大丈夫ですよ~」


 「おし!アル!アンタもこっち来なさい!」


 「え?僕は・・・はい、ワカリマシタ」


 「・・・・・・俺も、行く」


 こうして、私達は急遽、『死神』と『悪魔』の討伐も行う事になりました。

 私とステラ、リオンさん、ルピアさん、アルさん、セフィさんが『死神』と『悪魔』の討伐。残りでコボルトの討伐。

 たぶん、皆さんがいるから大丈夫です!






 「・・・ッ・・・歩きにくいわねぇ」


 「まぁ、結構薄暗いしね」


 「大丈夫か?気をつけろ」


 「あ、私は大丈夫です」


 そして、私の肩に乗ったステラが代わりに答えます。


 「ティーナは無意識に≪身体強化フィジカル・ブースト≫してるからな。たぶん、この中じゃセフィのが大変・・・」


 「呼びましたか~♪」


 振り向くと、そこには大きな荷物を背負ったセフィさん。

 一応念のために聞いてみると、怪我したときのための医療用品がたくさん入ってるみたいです。

 しかも、本人はニコニコと微笑み、汗一つついていません。

 そんな細い体のどこにそんな力があるのか、不思議です。


 「・・・そうでもなかったネ」


 「そうか・・・。もうすぐ着くぞ」


 リオンさんが地図を見ながらそういうと、突然強い風が吹きます。

 あまりの風に、リオンさんがつい手から地図を離してしまい、どこかへ吹き飛びます。

 そして、どこからか現れたのか、二つの人影が。その片方の人影が宙に舞った地図を片手で掴むと、それを見ます。


 「人?」


 「こんなところにか?」


 「・・・まさか」


 その人影は地図を眺めると、突然握りつぶし、風がその周囲を渦巻くのがわかります。

 次の瞬間には、細切れにされた地図が空へと飛んでいくところでした。

 地図を掴んでいた人影がもう片方の人影に目配せをすると、それで全てを理解したのか、こくりと頷きます。

 そして、一本の大鎌を取り出しました。

 ボロボロのフード付きマントに、大鎌を構えたその格好はまさに・・・。


 「『死神』・・・!?」


 「じゃぁ、そっちは・・・!」


 『悪魔』と言おうとしたとき、『悪魔』のほうを見ると、そこには何故かペンのようなものを構えた『悪魔』が・・・。


 「・・・何、あれ?」


 「・・・たぶん、噂の『悪魔』?」


 「武器は、ないのか?」


 リオンさんの言葉に反応したのか、ペンを動かします。

 すると、ペンを走らせた後には光の線が残ります。

 そこには文字で『ペンは剣より強し』と、力強く書かれていました。


 「・・・ねぇ、アイツ、殴っていい?」


 「・・・たぶん?」


 それが合図になったのか、『死神』と『悪魔』が猛スピードで駆けてきました。

 そして、私達も向かい撃つためにそれぞれが構えます。

 死神は明らかに人を超越したスピードで私達に接近し、その大鎌を振るいます。

 ルピアさんが大剣を、振るい、アルさんが背負った弓矢で死神を攻撃しますが・・・。


 「なん、だよ・・・この力!!」


 死神とルピアさんがつばぜり合いを始め、そこで死神が鎌を引きます。

 すると、込めていた力のせいで、ルピアさんが前につんのめり、そこへ死神の追撃が光のような速さで迫ります。

 下からすくい上げるように放たれた一撃で、ルピアさんが砲弾のように吹き飛びました。


 「ルピア!」


 「マジ!?」


 「ティーナ!『悪魔』!」


 「え・・・!?」


 ステラに言われて『悪魔』のほうを見ると、そこには複雑な記号のような、文字の様な物を宙に書いている姿が。


 「やばい!?あれ、古代魔法文字エンシェント・スペルか!?あんなの、使えるやつなんか見たこと無いぞ!?」


 何を言ってるのかよくわからないステラに説明を求めようと思ったとき、文字を書き終わったのか、『悪魔』はさっとペンを振ります。すると、文字の列がこちらに矢の如く放たれ、ステラに当たります。


 「ぷぎゃ!?」


 「ステラ!?」


 ステラに当たった文字は、ステラをまるで拘束するかのように巻き付いていました。

 でも、目だったダメージはないみたいですけど・・・?


 「だ、大丈夫・・・。でも、いざって時の精霊魔法が使えないかも・・・」


 「そ、そんな事が・・・!?」


 「ティーナ、来る!!」


 ステラの声でとっさに私は魔法で防御します。

 そこには、刀で切りかかってくる悪魔が。

 私は魔法の出力をあげ、弾き飛ばそうとすると、悪魔は刀でそれを切り裂き、私の目の前に。

 どういうつもりか、悪魔は武器を消します。


 「っ!・・・舐め――」


 よく見ると、掌に光の塊が。

 そこから、突然棒が延びてきます。

 私はとっさに後ろへ飛ぶことで攻撃を回避。

 ≪身体強化フィジカル・ブースト≫のおかげです。


 「な、何なんですか、あれは・・・?」


 「あんなの、あばずれ年増ぐらいしかできないって!」


 それ、誰ですか?と聞こうとして、またも攻撃を受けます。

 また、文字を飛ばしてきました!


 「同じ手は・・・!」


 「・・・」


 避けた先に回りこまれました。

 無言で棒を振るい、私にトドメでもさそうとしているのでしょうか?


 「させない!」


 「ルピアさん!」


 今まで、姿がなかったので心配していたのですが、どうも無事だったようです。

 死角からの一撃、完全な不意打ち。でも、相手は難なくそれに対応して見せました。

 棒を後へ突き出し、ルピアさんを牽制。ルピアさんは一旦距離を取り、流れるような動きで大剣を悪魔に叩きつけようとします。

 そして、今度は悪魔が下がります。


 「大丈夫なんですか!?」


 「あぁ!セフィに治してもらった。で、何もんだ、あれ?」


 「わかりません、それに、ステラの精霊魔法を無効化されました」


 「・・・嘘、でしょ?」


 ありえない。だから、わからない。

 でも、倒さないことにはどうしようもない。

 ちらりとリオンさんたちをうかがうと、そこには蹴りを主体とした徒手空拳で相手に猛攻を仕掛けるリオンさんと、その援護をするアルさん。でも、相手はそれをものともせずに戦っている。でも、それでもどこか余裕を感じる。

 なら、やることは決まっています。


 「すみません、時間を・・・」


 「オッケー!」


 そういうと、悪魔に向かってルピアさんが飛び込みます。

 悪魔はそれがわかっていたかのように左手に持っていた武器と、右手に持っていた棒を取り替えます。

 でも取り替えた武器は、とても小さな、掌に収まってしまいそうなほど小さなナイフ。


 「私を、舐めるなッ!」


 「・・・」


 相手は無言を貫き通します。

 そして、すっと横にずれ、ナイフを一閃。

 キンと澄んだ音を響かせました。

 何事かと私が見ると、そこには小さなナイフで刃を両断されたルピアさんの大剣が。


 「・・・はぁ!?」


 ありえ、ないです。

 それこそ、ドワーフの秘術で鍛えられた刃物でもない限り。

 噂では、ドワーフの鍛えた剣に斬れないものはないとまで噂されるもので、魔導宝具アーティファクトの剣は、大抵がドワーフの作品であると言われています。


 「る、ルピアさん!できました!」


 「わかった!」


 急いで私の傍に戻ってくるルピアさん。

 悪魔は、何故か追ってきません。

 ですが、好都合です。


 「≪流星の強襲シューティング・スター・アサルト≫!」


 上空で魔力が渦巻き、いくつもの光が流星の如く降り注ぐ。

 そして、それを見た相手は、自分の左手に持った棒をまた刀に変化させ、右手に持ち替えます。

 構え、居合い切りのような形で刀を何回も振りぬくと、白銀の斬撃がその数だけ放たれ、流星の全てを相殺。

 爆発して煙が舞う中、後を誰かに取られた気配が・・・。

 しまったと思ったときには、ルピアさんの首の頚動脈辺りにはナイフが、私の背中には刀が突きつけられていました。

 王手詰みチェック・メイト。まさにそれでした。私は死を覚悟しました。


 「・・・ちょ!?離せ!」


 ルピアさんもダメだと思いつつも抵抗しようとします。

 すると、信じられないことが発生します。

 悪魔は、わかったとでも言うようにあっさりと私達を解放。

 あっけに取られる私達をよそに悪魔はいまだ戦闘を続けるリオンさん達の方を向きます。


 「終わったよ」


 声、出せるんだとどうでも言い事を思いつつ死神を見ると、死神は消えたかと思うようなスピードで消失。いつの間にか悪魔の隣にいました。

 リオンさんもバランスを崩し、地面に倒れ、みんながあっけに取られる中、悪魔は私のほうを向いて一言言いました。


 「コレで、一勝一敗って事で」


 「あの、何のことですか?」


 「いや、ボクですよ?」


 そういうと、なんの躊躇いもなく、死神と悪魔がフードを取る。

 そこから現れたのは・・・。


 「ソラ君と・・・リカ、さん?」


 「どうも」


 ちょうど、一ヶ月ぶりの再会でした。



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