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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
6章 ≪季節はずれの幽霊編≫
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11話・LINKING THE WORLD'S MAGIC

―――side龍造

 「見えた!!」


 「・・・」


 カオルは意識が朦朧としているのかさっきから返事が無い。

 あれから数分。

 やっと村の入り口が見えた。

 そこには、いつもと変わらないカオルの村の日常。

 人々が通りを行き交い、友人と談笑していた。

 そして、俺はその中に見知った人影を見つけた。


 「おばさん!!」


 「あら?龍造君?・・・また、ウチの娘は」


 「違う!カオルが怪我して、死にそうなんだ!!それに、魔物の軍隊が近くで拠点を張ってる!!」


 「何を言って・・・」


 そして、カオルのおばさんは、俺に背負われているカオルを見ると、血相を変えた。

 そして、おばさんの知り合いの人が医者を呼びに行き、俺はカオルをおろした。


 「か、カオル!」


 「・・・・・・おか、あ、さん?」


 「何で、どうして・・・」


 「俺のせいです・・・。俺が、逃げようとしたときに失敗して、カオルが魔法の余波で怪我を・・・」


 支離滅裂にいつもの林であったことをおばさんに伝えようとすると、おばさんが俺の目の前で膝をつき、同じ目線になって聞く。


 「龍造君、落ち着いて・・・。いつもの林で?」


 「・・・はい」


 そして、俺はおばさんに聞かれるままに答えた。

 魔法の練習をしようとしたら、声が聞こえて、そこには魔物がいて、俺達は掴まって、俺が魔法で逃げようとしたら失敗して、カオルが奇襲に成功させたけどその変わりに怪我をして、そして走って逃げてきて・・・。

 俺はそれだけのことを何とか伝えることができた。


 「・・・魔物だ!!魔物の大群だ!!」


 半信半疑に外を見ていた人が大声でそういった。

 俺はその声で村の外を見ると、先頭にはカオルが一撃入れた魔物がいた。

 ・・・やっぱり、俺が何とかするしかない。

 俺はそう思って村の外へと走り出そうとしたとき、何かに手を掴まれた。


 「カオル、離してくれ。俺なら、あいつらにココを襲わないように交渉できる」


 「・・・でも、そんなことしたら、龍造が」


 「待って、君にそんなことができるの?」


 そう、疑問に出したのはおばさん。

 やっぱり、気付いていたのはカオルだけだったのか。


 「価値はある。だって、俺は・・・」


 「ダメ、行かない、で・・・。そんなの、関係ない。龍造は・・・龍造だよ・・・」


 その言葉に、俺はホントに感謝の念が耐えない。

 でも、今のこの状況を何とかできる可能性を持つのは俺だけなんだ。


 「でも、俺は・・・こんなんでも・・・」


 魔王の息子だから。

 そう言おうとしたときだった。


 「そこか!!」


 ものすごい大声とともにあのリーダー格の魔物が俺を見てそういった。

 すると、一瞬だけ村人たちは呆けたような顔をして、それが誰に向けられたものかわかると、パニックに陥った。

 本当に俺達の言うとおりだったと、やっと理解できたようだった。


 「ま、待ってくれ!この村を、巻き込まないでくれ!」


 俺がそういうと、相手が言葉を返してきた。


 「誰のせいで、この俺が人間の小娘如きに傷を負わされたと思っている!!貴様らは最後まで生かし、その目の前で全員を殺してくれる!!」


 最悪だ。

 俺達のせいで・・・。


 「・・・龍造」


 そのとき、俺に小さな声で話しかけるやつがいた。

 ―――カオルだ。

 カオルは俺に小さく、だが、俺にはっきりとこう言った。






 「お願い、みんなを、守って・・・」


 「・・・・・・・・・・・・わかった」






 そうだった。

 後悔しないように・・・。

 カオルはいつもそうやって俺を引っ張りまわした。

 いつも、ハチャメチャなことやって俺をボコボコにしたりしたが、コイツはいつも俺達が後悔しないように魔法を勉強し続けてきた。

 だから、ココで・・・。

 俺は媒介展開をするのにいつも持っている数枚の紙とペンを取り出し、そこに慣れ親しんだ魔法陣を描いていく。

 その作業は、すぐに終わる。


 「おばさん!この紙を、村の外に!」


 「え?でも・・・」


 「時間が無いんです!これを、魔法で転移させてください。俺は、まだそんな魔法を使えない・・・」


 俺がそういうと、おばさんは何かを感じ取ったのか俺が書いた魔法陣の紙を手に取り、素早く転移の魔法を発動準備をする。


 「・・・どこに転移すればいい?」


 「村の外四箇所に円を描くように。それと、魔物の軍勢が入っていないところに」


 「わかったわ」


 そういうと、カオルのおばさんは転移を発動させ、紙が手元から消失。俺は自分の手に残った一枚の紙、≪ジュン≫の魔法陣が描かれた紙に魔力を流し込む。

 すると、それに呼応するかのように村の外に配置された魔法陣の紙も反応しているのが感覚的にわかる。


 「―――世界を結び、みんなを・・・カオル達を守る力を!!

     ≪結界ケッカイ≫!」


 すると、魔法陣が設置されたであろう場所から魔力があふれ、魔力線パスがつながる。そして、その魔力線パスに沿って半透明の壁がせり上がっていき、この村を四角形の半透明な部屋で囲む。

 ―――誘導展開。

 今日、たまたま見つけた魔法陣現象だ。

 きっかけは簡単。≪ツルギ≫は俺にとって使いにくい魔法だ。それは前にも説明したと思う。だから、魔力をカットしてもが≪ツルギ≫が消えないようにしようとしたとき、魔法陣が二つあればどうだ?ということに疑問を持った。

 俺が≪ツルギ≫の魔法陣を両方の掌に展開すると、その現象は起きた。

 まるで、魔法陣がそれぞれの存在を確認するかのように点滅を始めた。

 そして、カオルはすぐさま自分も≪ツルギ≫を展開。だが、カオルの魔法には何の反応もしなかった。たぶん、同じ魔力にしか反応しないんだろう。

 そこで、俺達は仮説を立てた。

 魔法陣は、小さなものでも数を増やせば強化できるのではないかと。

 そして、ハファリアさんもこの現象に興味を持ったのかそこで簡易的な実験をして、媒介展開をするとかなり安定することが判明。

 そして、今回は俺の得意とする魔法陣≪ジュン≫を展開し、上位の魔法へと昇華させた。

 すると、相手は行軍をやめ、俺の生成した≪結界ケッカイ≫に魔法を打ち込んで破壊しようとした。

 だが、俺の魔法はどうも防御に重点がおかれているためにか中々破壊することはできない。

 業を煮やした相手の指揮官っぽい魔物が怒鳴り散らし、部下を叱咤して自分も魔法を放つが俺の魔法はびくともしない。


 「貴様、どれだけ愚弄する気だ!」


 「黙れ、俺は、みんなを、カオルを守るんだよ!!」


 そういうと、相手は邪悪な笑みを浮かべ、俺に・・・いや、村人達に言うようにして言った。


 「守る、だ?お前は、自分の立場を知っているのか?お前は、魔王の息子だろ!!」


 相手がそう言った瞬間、パニックに陥っていたはずの村人達がしんと静まった。

 俺はというと、ついにバレた・・・と言う思いでいっぱいだった。

 そして、村人は理解が追いつくと俺を見た。

 そこには、戸惑いの視線と、憎悪に満ちた視線の二つで支配された。


 「この子が、魔王の息子?」


 「ありえない、あれは嘘よ!」


 「でも、何でそんな嘘を?」


 「でも、この子は俺達を守ってくれた」


 「待てよ、俺達を油断させて一気にやる気かもしれないぞ?」


 「でも、それならチャンスはいくらでも・・・」


 「だが、この魔物達がココに来たのはこいつのせいかもしれないんだぞ!?」


 あぁ、やっぱこうなるんだ。

 魔王なんて、所詮は魔物の王。悪の親玉だ。

 ・・・ゴメン、カオル。俺には・・・やっぱ無理かもしんね・・・。


 「・・・違うよ、龍造は、わたしの友達、だよ?」


 カオルのうわ言のような声が聞こえるが村人たちには届かない。

 いや、実際にうわ言だと思われているんだろう。


 「・・・ゴメンな、カオル。やっぱ、俺行くわ」


 「・・・ダメ・・・!」


 俺はカオルの手を強引に振りほどくと村の外へと歩き出す。

 そして、相手の指揮官の前まで行く。


 「どうした?『黄昏の魔王』の息子よ」


 「・・・取引したい。俺は投降する・・・だから、この村の人達には手を出さないでくれ」


 「・・・よかろう。ならば、この魔法を解け」


 俺は、自分が出て行くためにも魔法をとこうとした。

 そして、まるでタイミングを見計らったかのように炎の塊が敵の指揮官を直撃した。


 「ぐぅ!?・・・何者だ!」


 「俺だよ、『雷拳の魔王』」


 そういうと、声のした方向から槍を肩に担いだ一人の男が現れた。

 『黄昏の魔王』、すなわち俺の父さん。


 「父さん!」


 「龍造、絶対に魔法を解除するなした瞬間にこいつらはその村を襲うぞ」


 「・・・ッチ。だが、お前一人で何ができる?」


 「そうだな。子供相手にマジになる雑魚魔王の相手ぐらいにはなるんじゃね?」


 「・・・よほど死にたいらしいな」


 「そうだな。焼死体になる前にさっさと自分の領地に帰れ、どヘタレ」


 「言わせておけばぁ!!」


 ついにブチギレた相手が父さんに雷を纏わせた拳を突き出す。

 父さんは槍に炎を纏わせると相手の拳をいなし、槍の刃を地面に突き立てる。


 「≪神々の黄昏ラグナロク≫」


 すると、槍を中心に光が収束し、次の瞬間には大きな爆発を起こして炎が猛る。

 そして、周りは夕暮れのような空の色へと変化する。

 それが、父さんが『黄昏の魔王』と呼ばれる由縁。

 炎が収まると、そこには最早炭のようなとしか表現できないような物体があるだけだった。


 「まぁ、生きてるだろう。・・・だと、いいな」


 「ぎ、ぎざまぁ・・・」


 「よし、問題なし」


 いや、俺は問題大有りだと思う。

 だって、父さんのあの魔法は真言。今までどっかに隠れてて詠唱の準備をしてたとしか思えない。いや、それはまだいい。ただ、全員倒して、その後始末はどうすんの?


 「大丈夫だ。父さん権限で部下の人に頼むから!」


 そういうと親指を立てる。

 ・・・いや、グッじゃないよ。ホントに。


 「だが、すまんな・・・来るのが遅れて」


 「何がだよ。・・・全然遅れてなんかいない。だって、村の人達全員無事だ」


 「・・・そうか」


 父さんが俺に謝ったことの内容はわかってる。ただ、そんなのしょうがないじゃないか。


 「・・・俺は、魔王の息子だからな」


 そういうと俺は魔法陣を解除し、父さんに一歩歩み寄る。


 「・・・だから、家に帰ろう」


 「・・・そうだな」


 そういうと、父さんと俺は魔窟へと転移された。






 ~数日後~

 「・・・」


 「・・・アナタ、さすがにこれは・・・まずくない?」


 「俺もどうしたらいいかわからないんだ!」


 父さんと母さんが何かを言ってるような気がするが今の俺の耳には入ってこない。

 いつものように時は進み、魔窟は今日もにぎやかだ。

 ・・・でも、俺はその限りではない。

 さっきから何をすることも無くボーっとしてるだけだ。

 アレからカオルの村には近づいてすらいない。ただ、何故か魔法陣の研究だけは続けていた。いや、なんで続けているのかはわかる。

 でも正直な話、今の俺にできる魔法は二つほどしかない。しかも、ハファリアさんに何も言わずに休んでいた。・・・たぶん、カオルも怪我しているから行ってないだろう。


 「・・・父さん」


 「な、何だ!?俺にできることがあれば言ってみろ!!」


 「・・・ちょっと、知り合いの人に会いに行ってくる」


 そういうと、何故か両親が満面の笑みを浮かべて行って来いと言う。

 そして何故か抱き合って歓声を上げていた。

 ・・・さっきからなんなんだ?






 俺は魔窟内のゲートからエデン近くのゲートに跳ぶ。

 ココからは歩いて数分ほどでハファリアさんの家に着く。

 そして、いつものように歩いてハファリアさんの家に行く。

 すると、ボロ屋敷が見えてきた。俺は今にも壊れそうなインターフォンを押そうとしたとき、誰かがハファリアさんの家から出てきた。


 「「・・・あ」」


 一瞬、俺は夢でも見てるのかと思った。

 だが、コイツならありえると判断し、ハファリアさんの家から出てきた人物、カオルから逃走した。


 「ちょ!?待ちなさい!!」


 「待てと言われて待つやつはいない!!」


 「このやり取り懐かしい気がする!?・・・ッ」


 後から追いかけてくるはずのカオルの走る音が止まったことに疑問を抱き振り返る。

 すると、そこには俺を追いかけているはずのカオルが突然しゃがみこみ、自分のわき腹を押さえて痛みに耐えるような仕草をしていたカオルがいた。

 って、あそこは怪我したときの・・・!!

 俺はカオルに駆け寄って、片膝をついてカオルを見る。


 「お前、無茶すんなよ!怪我してんだろ!?」


 「・・・捕まえたぁー!!」


 「おまっ!?嘘かよ!?痛い!?痛い!?死ぬ!ギブギブ!!」


 「何でいつもの時間に来ないんだ、このアホ魔王の息子が!!」


 「ゴメン!許して!もうしないから!!」


 そこには、普通の少女にコブラツイストをされる魔王の息子と言うシュールな光景が出来上がっていた。






 「し、死ぬかと思った」


 「ふん!」


 俺はたいそうご立腹なカオル様により地獄への片道切符をプレゼントされる羽目になった。そしてその後、俺とカオルは誰にも見つからないよう、いつもの林に来て、そこの地面に座っていた。


 「で、何か言いたいことは?」


 「・・・死にたくないです」


 「却下」


 「即答!?」


 即答だった。

 どうやら、カオルは相当怒っているらしい。

 まぁ、確かに俺が悪いような気がしないでもないけど・・・。


 「・・・アホ龍造。何で、勝手に行っちゃうの?」


 「だって、俺・・・魔王の息子だし・・・。あれ以上いたら、カオルにも迷惑が掛かる」


 周りには俺のせいで魔物が村に攻めてきたって思ってるヤツが大勢いるだろう。

 それに、実際にそれはその通りだとしか言いようが無い。

 だから、魔王の息子と仲良くしていたカオルには確実に迷惑が掛かる。

 よくて村八分。悪くてエデンかどっかに魔物に加担した家族とその娘ってレッテルを張られて死刑。・・・そんなところか。


 「・・・うん。わたし、そんなにうそが上手じゃないから正直に言うけど、たぶん、迷惑かかってたと思う。・・・でも、それ以上に、龍造が行っちゃったことのほうがわたしとって迷惑だったんだよ!?」


 俺は、カオルの声が震えているのに気がついた。

 たぶん、こいつにしては珍しく、泣くのをガマンしているんだろう。


 「でも、俺だって、お前や、おばさんに迷惑をかけたくなかったんだよ・・・」


 「そんなの・・・!わかってる!でも、それぐらい、何とかしなさいよ!!」


 「・・・相変わらず、無茶なこと言うな」


 そして、俺は立ち上がる。


 「・・・でも、俺には無理だった」


 俺がそういうと、カオルは文句を言おうと口を開く。

 俺はその言葉にかぶせるようにして言った。


 「だから、いつか・・・俺が魔王になる。そして世界を結ぶ・・・『結界の魔王』として・・・な」


 「龍造・・・」


 あの時、カオルが言った言葉が頭の中に蘇る。

 その言葉だけ、一言一句間違うことなく完璧に思い出すことができる。






 『龍造はさ、わたしの攻撃性の高い属性と違って、みんなを守れる力だよ?・・・だから、『結界』って言うのはどうかな?』


 『『結界』・・・?』


 『うん・・・意味はね―――この世界を、結ぶって・・・』


 そういうと、カオルは自分を指差す。


 『こっちの世界と・・・』


 そして、俺を指差す。


 『そっちの世界を・・・そうすれば、みんな、幸せだよね・・・』


 『・・・そうに、決まってるだろ』






 俺はカオルを指差す。すると、カオルも自分を指差した。

 俺達はまったく同じ言葉を一緒に言った。


 「「そっちの世界と・・・」」


 そして、二人で俺を指差す。


 「「こっちの世界を、結ぶ・・・」」


 そういうと、俺はカオルに自分の手を差し出す。


 「そうすれば、みんなハッピーだ。・・・今の俺には力が無い。だから、いつか俺が・・・人間も、魔物も喧嘩しないような、争いあわないような世界にしてみせる」


 カオルは、俺の顔と差し出した手を交互に見ると、やけに不適な笑みを浮かべる。


 「その言葉に嘘は無いわね?もし、わたしが生きてる間にそうなってなかったら・・・わたしが勇者になってヘタレな『結界の魔王』をぶっ飛ばしに行くわよ」


 そう言いつつ、カオルは俺の手を掴んで自分も立ち上がる。


 「・・・それは・・・さすがに怖い・・・」


 「そう?だったら、死にもの狂いでがんばりなさい・・・。あ、そうだ。なんならわたしが世界最強の魔法でおまじないしてあげようか?」


 「あ、俺急用思い出したから帰るわ、じゃ!」


 「まぁまぁ、待ちなさいって」


 俺は手を振りほどこうとしたががっちりとカオルに手を掴まれていて逃げ出せない。


 「いやだ!何でこの場面で俺がお前の魔法の実験台にならなきゃいけない!俺は空を飛びたくない!」


 「大丈夫!今回は飛ばないから!・・・龍造には刺激が強いかもだけど」


 「お前、何するつもりだ!?」


 やばい、コイツ何かするつもりだ。

 いつもより目がマジになっていて危険な雰囲気しか感じられない。


 「・・・イヤだ!何で俺がお前にいつも振り回されなくちゃいけないんだよ!?大体、俺は一応魔王のむ・・・」


 俺はマシンガンの如く口からいろいろな言葉を吐き出すが、カオルの核兵器により口を閉ざすしかなかった。

 頬に、何か湿った感じが・・・?

 そう思って、カオルの顔を見ると、そこにはいつものように女の子らしくない不適な笑みを浮かべた少女。ただ、ほんのりと頬の辺りが赤い気がする・・・。


 「ほ、ほら!最強のおまじない、でしょっ!!・・・お母さんが言ってたもん!」


 「あ、あぁ・・・」


 ・・・ただ、威力が強すぎて自分にも被害ダメージが及んでいる気がする。


 「・・・じゃぁ、次に会うまでにちゃんと、やることしときなさいよ」


 「・・・期間が短くなってるぞ?」


 「安心して。ちゃんとカッコイイ女勇者になってぶっ飛ばしに行くから」


 安心できねー!

 いつもならそういうところだと思う。


 「・・・なら、そん時は俺がお前より強くなって返り討ちにしてやる。で、今までのことを利子つけて返済してやる、勇者よ」


 「できるんなら、してみなさいよ。魔王様?」


 俺達はそういうと笑いあい、それぞれの道を進みだした。



作 「やっと終わった龍造さんのターン!『世界を結ぶ魔法』でした!」

隆 「やっとか。二、三話のはずが長くなったな」

作 「自分でもビックリ。・・・まぁ、実はサブのほうがやたらとかけてるって事実」

隆 「・・・おい」

作 「大丈夫!メインはちゃんと終わらせるから!」

隆 「・・・大丈夫かよ、ホントに」

作 「まぁ、これで一応のタネ蒔きのほうも終了で、次回から時系列は戻ります」

隆 「ん?次回予告か?」

作 「そう。というわけで次回!やっと本題に突入。そしてわかる真実とは?」

隆 「・・・聞いてるだけだと壮大だな」

作 「残念、これはつりです」

隆 「自分から言いやがった!?」

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