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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
6章 ≪季節はずれの幽霊編≫
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4話・GOAST?

―――side太郎

~数分前~

 俺のっターン!!!

 いや、すみません。モブの中のモブと名高い田中太郎です。

 今回は最初から登場はしてるけどホントにチョイ役という感がぬぐえないポジションだったが、久しぶりに俺視点だ!!


 『どうでもいいが、さっさと話し進めろよ』


 あぁ、そうだったな。

 そういや、お前、かなり久しぶりだよな?


 『あぁ。俺様はあの大会でちょっと出ただけだったな』


 そうだったな。

 あの後は結局は三谷達に全部の出番を持ってかれた。

 ・・・これがモブの宿命かッ!!??


 『だから、さっさと進めろよ』


 「わかってるって!」


 「うわぁ!?ちょっと、急にどうしたの!?」


 「あ、いや・・・。なんでもない」


 相方の女子、確か寮生の同い年のヤツで三組とか言ってた気がするな。

 まぁ、俺はアンジェリカさん一筋だから関係ないけどな!!


 『それがあの、吸血鬼少女を遠ざけてるって事に気付けよ』


 「黙れ」


 「いきなり何よ!?」


 あ、しまった。


 「いや、君に言ったんじゃ・・・」


 「もういい!!何なのコイツ・・・」


 女子はぷいとそっぽ向いていってしまった。

 ・・・マジかよ。


 『ップ。ダッセー!!』


 黙れ、このクソガキ!

 お前のせいだろうが!?

 俺はミストに当たりつつ女子の後を追った。






 「でも、何も出ないな」


 俺は多湖が用意したと思われる、手書き感あふれる貧相なお札をゲット。

 今は帰りの道を歩いている。


 「幽霊なんかいるわけ無いじゃない」


 「でも、鬼なら毎日見てるけどな」


 「どういうこと?」


 「ガントさん」


 「あぁ。確かに、鬼みたいなガタイ」


 いや、実際にそうなんだけどな。

 だがこれを知るのはごく一部の限られた人間のみ。

 まぁ、バレたら留年コースだけどな。

 それに、教えたところで信じるやつはいないだろう。

 その時、俺の視界の隅で何かが光った気がした。


 「おい。さっきそこで何か光らなかったか?」


 「え?本当?・・・幽霊なんじゃない?」


 向こうは俺がビビるとでも思ったのか悪戯っぽい笑みを浮かべる。

 普通なら、俺は笑い飛ばしただろう。

 だが、残念なことに俺はこの数ヶ月で普通とは程遠くなってしまった。


 『あぁ。俺もそんな気がする。それに、かすかだが魔力を感じる』


 「よし、ならその幽霊の正体を確かめに行こうぜ」


 「・・・え?マジ?」


 「マジマジ。・・・それとも何?俺に挑発しといて行かないとでも思ってたのか?」


 「そ、そんなの、折込済みに決まってるでしょ!」


 挑発するはずが逆の立場になってしまった女子はここで逆に俺の挑発に乗ってしまった。

 俺は先頭に立って林の中を進んだ。


 「ね、ねぇ・・・。こんなところ来て大丈夫なの?」


 『さぁな。だが、近づいてはっきりした。・・・魔力を感知した』


 「なぁ、やっぱ俺が一人で見てくるからさっきの道で待っててくれね?」


 「じょ、冗談幽霊なんていないから大丈夫よ!」


 まずいぞ。

 さっきの言葉で感情的になってる。


 『・・・まぁ、最悪は俺が盾出して守りゃいいがな』



 それだと、俺の留年確定だな。


 『いいじゃねぇか。女子守ってだぞ?あの吸血鬼の小娘に見直されるかもな』


 「しゃー!やるぞー!!」


 「ちょ!?いきなり何元気になってんの!?頭おかしいの!?」


 すると、少しだけ空けた空間が見える。

 ここらへんにいるのか?

 そして、それは唐突に起きた。

 いきなり、目の前にいくつもの青い炎が空中に浮かんだ状態で現れた。

 まるで人魂のように。


 「・・・え?何、これ?」


 ミスト!

 これは何だ!?


 『わからねぇ!だがな、俺様達が歓迎されてないことは確かだな』


 人魂はミストの言葉を聞いたかのように俺達を包囲した。

 そして、人魂が俺達に向かって突っ込んできた。


 「危ない!!」


 俺はとっさに女子の盾になる。そして、女子がいきなりの攻撃に悲鳴を上げる。

 やっぱり、魔法だ。俺に傷一つつかない。


 『タロウ!だがコイツらは多い!お前でも全部は無理だ!』


 「なら、どうすんだよ」


 「い、いきなり何!?」


 女子が文句を言うが今は勘違いを訂正してるほど余裕が無い。

 人魂はどんどん俺達に突進してくる。


 『・・・タロウ。お前の体の支配権を俺様によこせ』


 ミストはいきなりそんな注文を俺につける。

 ・・・何をする気だ?


 『俺はお前を乗っ取ろうとした前科があるが・・・』


 「まぁ、別にいいけど?」


 『・・・おい。話の途中に何だ?』


 「支配権はお前によこす。何とかできるならさっさとしろ」


 『お前な、わかってるのか?俺は呪われた魔導宝具アーティファクトだぞ?これをチャンスにお前の体を乗っ取るつもりかもしれないぞ?』


 「・・・お前な、俺は知ってるぞ。お前が実は優しいことを」


 『・・・お前の脳みそ大丈夫か?』


 「あぁ。だって、お前は俺の頼んだことをすぐに実行してくれてるだろ?それも、お前が嫌いそうな正義の味方ゴッコ的なことを。それに、お前の能力はお前が操作しないと発動しないんだ。じゃぁ、何で俺やみんなのためにその力を使ってくれる?」


 『・・・たまたまだ』


 「ミスト、お前は確かに呪われてるのかも知れない。それで人を乗っ取るのかも知れない。・・・だけどな、俺は何か理由があってお前はそれをしてるんじゃないかと思う」


 『・・・だからどうした?』


 「お前を信じるって事だよ。バカガキ」


 俺がそういうと、ミストが沈黙した。

 俺がミストに声をかけようとしたときだった。

 いきなり、俺の視界が変化した。

 俺は、何故か上から俺を・・・・・見下ろしていた。


 『どういうことだ!?』


 「ヘッ!・・・らしくねぇコトいってんじゃねぇよ、タロウ」


 その言葉に、俺が・・・正確には俺の口が答えた。


 『お前、ミストか?』


 「当たり前だろ。それが俺の視点だ。そこから三六〇度見渡して敵に攻撃する」


 『そう、なのか。つか、お前何する気だ?』


 「こうすんだ、よッ!」


 いきなり、俺の体を借りたミストが猛スピードでダッシュ。

 そしてそのまま蹴りで人魂を攻撃する。

 すると、人魂に斜めの斬線が入り、切れた。人魂は形を維持できなくなったのかそのまま消滅してしまった。


 『す、すげぇ。でも、俺にそんな運動神経無いぞ?』


 「・・・まぁ、お前の一〇〇パーの力だからな。これぐらいは誰でもできる」


 「た、田中、君?」


 俺が声のほうを向くとそこにはあの女子。

 ・・・そういやいたの忘れてた。


 『ミスト。さっさと逃げようぜ』


 「無理だな。相手が逃がしてくれそうに無い」


 確かに、向こうの包囲網がどんどん迫ってきてるような気がする。


 「俺様が食い止める。さっさと逃げろ」


 「で、でも、田中君・・・」


 「さっきの見たろ?大丈夫だ」


 「・・・わ、わかった」


 そして、女子は走っていった。

 そこへ逃がすまいと追撃を加えようとした人魂をミストはぶっ飛ばす。


 「余所見すんなよ。お前の相手は俺様だろ?」


 『・・・つか、ホントに大丈夫なのか?』


 「・・・実は、やべぇんだよな。コイツは魔力無効化体質キャンセラーの体に使うと俺の魔力が削られてくんだよ。ンでもって無くなれば俺様が消滅する」


 『おい!?そんな大事なことはさっさと言え!代われよ!?』


 「お前が出たところで意味が無い。それに、これは魔力無効化体質キャンセラーを自分でコントロールできれば特に問題はなくなる」


 『そ、そうなのか?』


 「あぁ。まぁ、今回は十数分がリミットだな。・・・それまでに殺る」


 『・・・字が怖ぇ』


 「行くぞ!」


 そして、俺の体を使ってミストは人魂を殲滅し始めた。



―――side空志

 「田中!大丈夫!?」


 「あぁ?・・・お前かよ」


 ・・・おかしい。

 田中はこんなキャラじゃなかったはずだ。

 ボクはいつものように≪月詠ツクヨミ≫を発動。

 でも、特に何の変化も無い。いつものように魔力が無い。

 すると、いきなり人魂がボク等に向かって突っ込んできた。

 ボクと冬香はとっさに魔法で応戦しようとするけどいきなり人魂が消失し、変わりに田中の姿が近くに現れた。

 状況から察するに、田中が高速で移動して人魂に何かしたんだろう。


 「・・・アンタ、誰?」


 冬香がやや困惑しながら聞いた。


 「俺様だって」


 「「俺様?」」


 ボク等の知り合いで俺様なんて呼称を使うのいたっけ?


 「だぁ~!俺様だっての!ミストだ!!」


 「・・・ゴメン、田中。今からミスト倒してお前を元に戻す!!」


 「違ぇ!?俺様がタロウに断ってやってんだよ!?ちゃんと戻す!つか、戻さないと俺様が死ぬ!!」


 「・・・信用できないわね」


 「おっけ。わかった」


 答えたのは同時。

 言ったことはまったく別の内容をボクと冬香が口にした。


 「あんたバカじゃないの!?相手は呪われた魔導宝具アーティファクトよ!?」


 「・・・大丈夫じゃない?」


 「・・・また、いい加減な」


 冬香が若干呆れるがボクは無視した。

 でも、それより先にすることがある。


 「・・・この、人魂どうする?」


 「わたしは氷漬けにするけど?」


 「俺様はそろそろ片付けないとやべぇんだよな」


 そして、人魂が再び襲い掛かってきた。


 「≪水鴎ミズカモメ≫!」


 「コード≪槍衾ファランクス≫!」


 「・・・シッ!」


 ボクと冬香は弾幕系攻撃魔法で殲滅し。田中の体を借りたミストは高速で移動して人魂を倒す。

 でも、一向に数が減る気がしない。


 「遅れました!」


 「す、すみません!」


 シュウと四条さんが来た!

 これなら何とかなるか?


 「でも、四条さんにピアスは渡してないよね?」


 「私と一緒だったんです」


 「なるほ、どっ!」


 「か、≪風の刃≫!!」


 一気に敵の数が減っていく。

 だが、何故か一向に減る気配が無い。

 ・・・どういうことだろう?


 「ソラ!アンタ、解析できないの!?」


 「・・・やってるけどよくわからない!どう見ても迎撃用術式が組み込んであるだけだよ!」


 「迎撃?バカか?こいつらは俺様達を認知した瞬間に襲い掛かってきたんだぞ!?」


 「今はそんなことよりも数を減らすことに集中しましょう!」


 そしてボク等が再び人魂の殲滅に集中してたときだった。

 軽快に地面を蹴る音が聞こえ、それがボク等のところに向かってくる。


 「おわぁ!?」


 そしてこけた。

 ・・・ハル君、君は何がしたいのかな?


 「ハル!?アンタなんでここに!?てか、暗いんだからこんなところに来ちゃダメよ!」


 「イテテ・・・・。あ、いたいた。ピアスをまだ返していなかったからここに急いできたんだよ、姉さん」


 「そんなことはどうでもいいから、アンタはさっさとみんなのところに行きなさい!」


 「いや、むしろハル君がいたほうが早く終わる!ハル君、炎を消して!」


 「え?・・・やるんですか?まだ、練習したこと無いんですけど?」


 「大丈夫!君は筋がいいからできる!」


 「ちょ、ソラ?アンタ何言ってんのよ!?」


 「そうです!魔法をほとんど使ってなかった春樹さんには少々酷です!」


 「よ、よくわかりませんが魔法をあまり使ったことが無いのならやめたほうが・・・」


 「足手まといだ!俺様がこのガキの分もやってやらぁ!」


 みんなが口々に言う。

 ・・・そういえば説明してなかったなぁ。

 しかも、ハル君は最後のミストの足手まといって言葉でスイッチが入ったようだった。

 真剣な表情になると、精神を集中させる。

 ボクはすぐさま前線を離れ、ハル君の下に行く。

 そして、ポケットの魔道具から青いラインが回路のように刻まれたナイフを数本だけ取り出し、ボク等を囲うようにして地面に突き刺す。


 「≪月界ゲッカイ≫!」


 そして、ナイフで囲った範囲に光の壁、結界が生成される。


 「よし、じゃぁ・・・火の分解をしよう。暖と乾だね。これは基本操作だから大丈夫」


 「・・・わかりました」


 みんなはボクが抜けた穴を埋めようと必死になってる。

 ・・・そんな殺気の篭った目で見ないでください。

 そして、ハル君の声が聞こえる。


 「―――魔法陣を展開。暖、乾に干渉」


 その言葉通り、魔法陣がボク等の足元に展開される。

 ごく普通の白い光を放つ何も書かれていない魔法陣だ。

 ま、今回は厳密に言えば魔法じゃないからこれで十分。


 「ちょっと!何してんのよ!?」


 「いいから。大丈夫大丈夫、この子、みんなが思ってるよりすごいよ」


 「本当に大丈夫なのかよ!?」


 「し、ししょ~・・・」


 「皆さん、ここはソラさんを信じましょう!」


 「って、シュウが言ったけどもうできたみたいだね」


 準備ができたのか、ハル君の魔法陣が強い光を放つ。

 そして、ハル君の言葉が命令を下した。


 「―――エーテルを操作。分解」


 その一言でいきなり人魂が消失した。

 人魂に殴りかかろうとしていたシュウやミストがたたらを踏み、冬香や四条さんが魔法の発動を中止した。


 「・・・で、できた~」


 「お疲れ」


 「何、したの?」


 「まさか、『リバース』ですか?」


 「違うよ。ハル君の属性は『エーテル』って言うのかな?・・・外部にある火や水、風に土の更に元に当たる『暖』『乾』『冷』『湿』を操るんだ」


 そう言ってもみんなはよくわからないみたいだ。


 「簡単に言うと、さっきの四つを組み合わせて火とか水を発生できる」


 「・・・え?それって、自然系の四元素属性全部使えるってこと?」


 「厳密には違う気もするけどあながち間違いじゃないかな?」


 「・・・すごいですね」


 「・・・だが、さっきは何をした?俺様には火が消えたようにしか見えなかったぞ?」


 「それは、あれは人魂ですが、厳密に言えば『火』。だから、火を構成する『暖』と『乾』を切り離して分解したんです」


 「そういうこと。癖のある属性だけどかなり強いね」


 「・・・と、とにかく、何はともあれ。わ、わたし達は助かったんですよね?」


 みんながほっと安堵のため息をつく。

 すると、冬香が進み出てきてハル君の頭をポカリと叩く。


 「いたっ。姉さん、何するの?」


 「でも、アンタはド素人なんだから、こんな無茶なことはしなくてもいいの。わかったわよね?」


 冬香はドスをきかせた声でハル君に脅すようにして言い聞かせた。

 ハル君はその剣幕に反射的に頷いた。


 「・・・じゃ、姉弟の話も終わったことだし、今回の原因究明と行きますか」


 そう言ってボクが≪月詠ツクヨミ≫を使い、魔力の元をたどろうとしたときだった。


 「ご主人様!コンビニで買ってきましたよ!」


 いきなり女性の声が聞こえた。

 ボクは声のした方向にすかさず≪焔鳥ホムラドリ≫を放ち、相手の位置を確認する。


 「・・・どちら様でしょうか?」


 「完全にこっちのセリフだね」


 そこには、病的なまでに青白い肌で、手にコンビニの袋を持ったメイドさんがいた。

 ・・・何でメイド?



作 「すみません。遅れましたが『幽霊?』をお送りします」

太 「俺が、主人公!」

作 「まぁ、この頭のおかしいのはほっといて」

ミ 『むしろ俺様のターンじゃね?』

作 「これもほっといて・・・。やっぱ、内緒でやってるんでいろいろと面倒ですね見つからないようにこっそりとするって」

太 「この調子で出番増やそうぜ!」

ミ 『確かにそれはいいな』

作 「まぁ、それでやっとできたこれを投稿してるわけですけども。・・・次回から『これがひねくれ者の作者・夜猫クオリティ全開』でいきます」

太 「ゆくゆくは三谷を押しのけて俺が・・・」

ミ 『冗談は顔だけにしとけ』

作 「・・・いい加減、うっせぇな。こいつら」

太 「なんだと?この主人公の俺に何を言うか!」

ミ 『つか、俺様の出番も出せ』

作 「安心しろ。これで田中は出番終了。そして次回からコメディに走る!」

ミ 『おい!?まだ、戦闘が終わった雰囲気じゃねぇぞ!?』

作 「それが『ひねくれ者(以下略)』」

太 「畜生!俺とアンジェリカさんとのラブシーンが!」

作 「んなもんないから安心しとけ」

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