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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
6章 ≪季節はずれの幽霊編≫
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2話・RUMOR

―――side空志

 「・・・なるほど、通りでソラがどこのクラスかわたしに聞いたわけだわ」


 どうも、冬香のクラスに四条さんが入ったらしい。

 そこで冬香は聞いたことがある気はしたけど実際には数日しか一緒に行動してなかったから気付かなかったらしい。

 それに、精霊魔法を使うせいで普通と同じ魔法使いみたいに魔力の感知が利かなかったらしい。

 それで魔法使いって気付かなかったようだった。


 「それにしても、お久しぶりですね」


 「は、はい。薬剤師さんですよね?」


 「まぁ、おおむね合ってるですぅ」


 「シュウは兼業で格闘士ですが」


 ・・・あれ?何で双子ちゃんが?


 「僕と同じで転校してきたみたいですよ」


 「・・・何でハル君も?」


 「院長先生が学校ぐらい通えって。それに魔法陣の展開方法はソラ先輩かソラ先輩に教えた人に聞かないと無理みたいなんで」


 「ちなみに寮はそちらに行くらしいですぅ」


 「おぉ~!今日からもっとご飯作らなきゃ!奏ちゃんも来るんだよね?」


 「は、はい。よろしくお願いします」


 「・・・むぅ」


 リカがふくれっつらになってる。

 もうこれ以上騒がしくなったらホントに近所からの苦情が来るよ。

 でも、これでかなりの大所帯になったね。特にここの屋上での昼食会が既に二桁を突破した。相変わらず田中はリカに迫っては撃沈をしてるし。


 「あ、そういえば噂知ってる?」


 「「「噂?」」」


 インチョーの突然の質問にボク等は疑問の声を上げた。

 すると、宇佐野さんが待ってましたとばかりに立ち上がって胸を張る。


 「ワタシから説明して進ぜようぞ!噂とは怪談のことなのだ!」


 「怪談?」


 「何で階段の話なんかするんだろうね~?みんな、階段でよく躓くのかな~?」


 「さ、さぁ?わ、わたしにはさっぱり・・・」


 「漢字が違ぇよ。『階段』じゃ無くて『怪談』だ」


 「要するにお化けの話ですね」


 「お、お化け?」


 お化けと聞いた瞬間、リカのむすっとした表情が恐怖の表情に変化した。


 「リカ、どうしたの・・・って、そうか、そうだったね」


 「ん?どうしたんだ?」


 リュウがリカとボクの様子が変なのを察したのか聞いてきた。

 ボクはリカに視線を向けると小さな声で無理無理とか言ってた。


 「・・・まぁ、こう言う訳だよ」


 「なるほど、大体はわかりました。リカさんは幽霊が怖いんですね」


 「意外ですね。だって、吸血鬼ヴァンパイアでしょ?西洋妖怪筆頭ですよね?」


 「まぁ、リカだし。吸血鬼ヴァンパイアの癖にソラの血しか飲めないから」


 「だが、そんなアンジェリカさんも可愛い!!」


 みんなの評価についにリカがブチギレた。

 ボクの隣に座っていたリカはバッと立ち上がると早口でまくし立てた。


 「だって、お化けだよ!?死んだ人の怨念なんだよ!?カガクでは説明のつかない事なんだよ!?」


 「いや、魔法も説明つかないから」


 「違うもん!!だって、だって・・・・・・怖いじゃん!?だって、吸血鬼ヴァンパイアは説明できるもん!でも、幽霊は何で発生するのか説明できるの!?」


 「とにかく、リカさんはホントに幽霊がダメなのですぅ?」


 「はっ!?そういえば遺跡でも怖がってたよ~」


 「うん、スズと四条さんがまったく女の子らしからぬこと言ってたのが昨日のように思い出せる」


 だって、甲冑相手に中の人がんばってるね~とか言うんだよ?

 絶対、お化け屋敷とか行くとお化け役の係りの人に笑顔でこんにちわーって言う系の人だ。


 「で、とりあえず噂って?」


 いい加減に話が進まないからボクは宇佐野さんに話をふった。

 すると、宇佐野さんは心得たとばかりに話し始める。


 「おっけ~!・・・九月に入ってから、噂が流れるようになったの。ちなみに大体が寮生からの証言。どうも学校の近くにある廃校舎近くの林から青白い火の玉っぽいのが見えたってさ」


 「・・・で?」


 「それだけだけど?」


 「なら、見間違いじゃねぇのか?」


 リュウの疑問は最もだ。

 ただ偶然誰かが夜に外で歩いてただけでケータイとかの液晶がそういう風に見えるときがあるって聞いたことがある。


 「・・・っふっふっふ。甘いよ、甘いのだよ三谷っち!!それはもうチョコレートパフェにあんこをかけたくらいにっ!!」


 「それ以前に不味いと思う」


 ボクのその言葉を無視して宇佐野さんは愛用のシステム手帳を取り出す。

 そして、いつものように淡々とした口調に早変わり。


 「・・・目撃される時刻が午後九時ごろと決まっています。そして、人魂は深夜二時ぐらいに消えてなくなるそうです。それがここ一週間ほどずっと続いています」


 「ずっと?・・・それに時間帯が変だな」


 「・・・確かに、幽霊が出るにはむしろ早いね。でも、人が出歩くには遅い」


 そう、これはそんな時間だとボクも思う。

 ・・・どういうことだろう?


 「そう、わかんないでしょ?だから、みんなで肝試ししよー!・・・ってことになったから」


 「「「・・・は?」」」


 「いえ~い!!」


 「おぉ~!いいね~」


 スズと宇佐野さん以外のメンバーが驚きを口に現した。

 宇佐野さんはともかく、スズは絶対に天然だ。


 「あの、初耳ですが?」


 「うん。一組の子で教えてないの間君たちだけだもん」


 「ちょっとよく考えろ。そんな夜中に肝試ししてみろ。学校にバレたら面倒なことにあるぞ?」


 「そこも大丈夫!理事長先生に言ったら司書の城崎さん連れてくならいいって」


 「城っちは既に懐柔済みだから問題は無いのだ~☆」


 何この連携?

 てか、智也さんがおとなしくついて行く?

 そんなのおかしい。智也さんはそんな夜中は危ないからやめろって言う、ボク等の知る大人の中で数少ないまともな人だ。


 「・・・っふっふっふ。これを見せたらすんなりオーケーしてくれたよ」


 宇佐野さんが見せるのは夏の冬香の事件のときにいた変な仮面を被った智也さんの写真。

 なるほど、黒歴史を封印したいんですね。

 核兵器を凌駕する宇佐野さんの情報という武器の前には智也さんも得意の『消滅』をもってしても対抗不可能だったらしい。


 「でも、これをボク等に見せていいの?」


 「だって、三谷っち達は知ってるでしょ?」


 確かに。

 まぁ、ボク等はそんな人を陥れようとはしないからね。


 「おい。どの口でそんなことを言う?お前の口癖は『全力で』と『罠は二重に』だろ?」


 「エ?ナンノコトカナ~?」


 「・・・三谷君、この二つを組み合わせるとかなりえげつないよ?」


 『罠は二重、全力で仕掛ける』

 うん。こんなことを座右の銘にするのはかなりの鬼畜と見た!!


 「「「お前だよ!」」」


 「じゃ、そういうわけだから肝試しがんばって」


 ボクはスズ作の弁当を取るとさっさと教室に行こうとする。

 そこをボクはガシッと肩を掴まれた。

 わかっていながらもボクは振り向きながら言う。


 「今日さ、ログさんところで修行しなきゃいけないんだよね。魔道具作りの。だからすっごく疲れるから寮で早めに寝たいんだよね」


 「うん!それがいいよ!絶対!!そうしよう!!」


 リカはボクの言葉に高速で首を縦に振りながら言う。

 ・・・見てるとリカが馬鹿になるんじゃないかって心配になる。

 そして、スズが何を思ったのかリカに耳打ちをする。

 すると、リカの顔がどんどん赤くなっていく。


 「よし、肝試し行こう!肝試しサイコー!」


 「うん。いってらっしゃい」


 別にボクがリカについてく道理は・・・。


 「行くよね?」


 「喜んで!だから鎌を仕舞ってください!!」


 脅迫されました。

 てか、学校で出しちゃダメ!!

 リカは満面の笑みで何だかうれしそうな表情。

 いや、むしろいろいろな欲とか黒い感情が湧き出てきてる気がする。


 「じゃぁ、そういうわけで三谷君は参加、と。他にも参加したい人がいたらあたしに言ってね」


 そういうとインチョーはどこかに行った。

 ボク等はそれを皮切りに次の授業に向かっていった。






 「ハァア!!」


 振り下ろされる刀。

 ボクはそれを間一髪で回避。

 ≪風火車輪フウカシャリン≫の推進力を使って高速での移動。

 でも、相手も得意の風の魔法でこっちに肉薄。


 「≪闇の侵食ダーク・イロージョン≫!!」


 黒い闇の壁がボクと相手の間に急に現れる。

 相手はその急な出現にもかかわらずボクがいるであろうところをまずは浅く逆袈裟に斬る。そして返しの刀でボクに致命的な一撃を当てようと追撃を加える。

 そこに高速で一つの影が飛来し、左の腕で刀の攻撃を流すようにして無力化。


 「≪水鴎ミズカモメ≫!!」


 ボクはそのまま水の鳥を出現させて相手にのみ攻撃。

 体勢が崩れていたにも関わらず相手はボクの魔法が少しかすった程度で済む。


 「シュウ!どいて!!≪紫電シデン≫!!」


 ボクは、刀をガードしてくれた影、シュウに言うと電撃魔法を発動。

 指向性を持った電気が≪水鴎ミズカモメ≫によって濡れた地面を走り、相手を感電させようとする。

 それを相手は刀による一閃で電気を切り払う。

 ・・・なるほど、その刀は雷をも斬ったとされる『雷切』なんですね。


 「ソラ!後に下がれ!!」


 「わかった!」


 ボクはすぐにリュウとポジションを入れ替えスイッチ

 援護していたリュウが前に出てボクが後に。

 そして、ボクは素早く呪文を詠唱。


 「≪月夜ツキヨ≫!!」


 魔法陣に手を突っ込み、引き出すのは大弓。≪月夜ツキヨ≫のバージョン弓、『月弓』。

 そこにボクは魔力を込め、弦の部分を引き絞る。白銀の光の矢が形成される。

 それに気付いた相手、優子さんが手に風を収束させてその塊でリュウ達をぶっ飛ばした。

 でも、こっちは準備完了だ・・・!


 「穿て!!」


 矢を放つ。

 優子さんは危険と感じたのか、ボク等の攻撃に対して初めて本気の防御姿勢をとった。優子さんはとっさに刀に魔力を注ぎ込み、ボクの具現化マテリアライズをボク以上の魔力密度を以って弾こうとする。

 でも、これについているのはただ魔力を収束させるためだけの魔術構成プログラム。いくら優子さんが最凶の破壊神でもこれなら何とかなるはず!!

 そして、それは優子さんの刀に真正面から激突し、優子さんを吹っ飛ばした。


 「・・・や、やった?」


 「おっしゃぁぁぁぁああああああ!!!お袋に初めて一太刀入れたぞ!!」


 「よかったです!本当によかったです!!」


 ボク等は思わず感動の歓声を上げる。

 すると、優子さんが少しボロボロになりつつもボク等のところに歩いてきた。


 「えらいわね。ここまでよく成長したわね」


 「つか、お袋もあれ喰らってよく平気だな」


 「薬、いります?」


 「でも、大丈夫ですか?」


 「えぇ、大丈夫よ。これで、私も本気でかかれるわ」


 「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」」」


 「来なさい。『風斬丸かぜきりまる』」


 そういうと、優子さんの両手に二つの小太刀が現れた。

 ・・・あの~、どういうことでしょう?


 「おい、お袋、その武器は何だ?」


 「え?これが私の本当の・・・武器よ。さっきのはどっちかというとサブで使ってるの。でも、これ使うと大抵の人が一回攻撃しただけで半殺しになっちゃうから」


 ボク等はその言葉を聞いた瞬間、ダッシュで逃げた。

 もう、それは音速を超える勢いのスピードで。

 でも優子さんは小太刀を逆手に構え、シュウの薬服用ドーピング時の二倍を軽く超えるスピードでボク等を回り込んで退路を断つ。


 「な、何ですか、それは・・・」


 「リュ、リュウ・・・何で息子なのに知らないの?」


 「お、お前、甘いぞ。この十五年間は封印してたお前の警護に時間を割いてたからな。んなことわかるか」


 「では、ここからが私の本気です」


 優子さんはいつものようなファンキーな戦闘狂じみた顔ではなく、いつもボク等に接する態度で言う。

 逆に、それがものすごく恐ろしいって事は本人は知ってるのかな?


 「では・・・、行きます!!」


 「「「ぎゃぁぁぁぁああああああ!!??」」」


 まぁ、結局はいつものようにボク等の悲鳴が間学園に響き渡った。



―――side冬香

 わたし達が龍造さんの元で魔法訓練をしてるとき、唐突に断末魔の悲鳴が聞こえた。


 「・・・」


 わたしは何も言わずに合掌した。

 わたしにできることはこれぐらいしかない。

 今、わたし達のいるところではそれぞれが自分なりの練習をしている。

 スズは≪相殺殻アンチ・シェル≫を縦横無尽に動かしては数をどんどん増やしている。リカは鎌を振り回して何かの型を練習、双子は二人で組み手。

 そして、我が弟のハルは・・・。


 「そうじゃ、そのイメージを解き放つ感じでの」


 「はい」


 そういうとハルは目を閉じ、精神を集中する。

 そして自分の掌に魔力を集中させる。


 「―――魔法陣展開」


 その言葉でハルの前に丸い円にいろいろな文字や記号が書かれた青色の魔法陣が展開する。でも、普段見慣れているソラのものと比べるとほんの少しだけ構造が単純そうだ。

 ハルは唐突にカッと目を開けると魔法名を答えた。


 「≪氷華ヒョウカ≫!!」


 その瞬間、魔法陣を中心にして冷気が漂う。

 そして、一気に空気が凍って氷塊を作り出した。

 ハルが前にも見せた一定範囲を凍らせることのできる魔法だ。


 「そういうことじゃ。魔法陣は使えるようになるまでは大変じゃが、このように呪文展開速度スペル・スピードはゼロじゃ。威力は込めた魔力量によって変わってくるのじゃ」


 「へぇ~。すごいですね」


 「じゃが、わしよりもソラのほうがいいと思うぞ?ソラには解析アナライズができるしの」


 「いえ、多くの人に聞くべきでしょ?こういうことは」


 「勉教熱心じゃの~」


 「でも、ハル。無理しちゃダメよ。アンタは体弱いんだから」


 「ふむ。そうなのかの?ソラが言うには魔力量的にはスズちゃんレベルじゃと聞いておるがの?」


 「へ~。そうなの・・・はぁ!?ハルって、『氷』じゃないの!?」


 「さぁの。わしは詳しくは聞いておらん」


 ちょっと、待ちなさい。スズレベルって事は、あの、智也とタメ張れるレベルよ?なら、わたしの力よりも明らかにハルのほうをやったほうがよかったじゃない。あいつら馬鹿ね。

 まぁ、わたしでさえ知らなかったんだからしょうがないか。それに、ハルが魔法を使ったところなんて全然見たことが無い。それでハルに薬飲ませて魔法を使えないようにしてたんだからね。


 「そういえば、おぬし等は肝試しに行くのか?」


 「あ~・・・わたしはパス。面倒だし。それに、ただの噂でしょ?」


 「え?姉さんは行かないの?」


 「・・・アンタ、行く気?」


 「ま、まぁ」


 「何でもよいがの、ソラには後で念のために調査をしておくように言っておいた。おぬしらも何かのときのために一応は心の隅にでも覚えておいてくれ。・・・まぁ、智也君もおることじゃし、大丈夫じゃとは思うがの」


 そういうと龍造さんは再び魔法陣のことをハルに教え始めた。

 ・・・ハルが行くのか。まぁ、別にそこまで過保護にする必要もないし、わたしは休ませてもらいますか。



作 「というわけで『噂』でした」

冬 「事件の予感ね」

作 「そうですね。そして、作者はぶっちゃけるとひねくれてるので楽しいことにします」

冬 「・・・アンタの楽しいはこっちにとって迷惑が多いのだけど?」

作 「そんなことより!最近は一章の一話から小説の修正をしてますそんな和歌家でタイトルが変わってるけど特にそんな変更はしてないので安心してください!」

冬 「いきなり摩り替えたわね」

作 「まぁ、いいじゃない。つーワケで、次回もよろしく」

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