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DARK・MAGIC ~闇夜の奇術師達~  作者: 夜猫
6章 ≪季節はずれの幽霊編≫
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1話・EXAM

―――side空志

 「ふ、ふふ、あはははははははははは!!!」


 ついに、ついにこの日がやって来た!!

 待ちに待ったこの日が!!

 この日になるとボクは最早呪われているんじゃないかというレベルで失敗してきた。

 二戦中、全敗。

 あの辛い日々、ボクは別にやりたくてやったわけじゃないのに何故かああなった。


 「くく、くはははははは!!!」


 笑が止まらない。

 これで、これでボクは・・・!!

 そして今日で汚名を返上する!!

 この日のためにボクは準備を重ねてきた。

 ただ、この日に打ち勝つために!!

 周りからのアホのレッテルを今日をもって引っぺがす!!


 「いざ行かん!!!」






 「おい、そんなにテストが好きでも変な笑いを上げるな」


 「・・・すみません」






 九月。

 二期生の学校にとって、今回は前期の期末試験。

 夏休み明けにあるって言うのがホントに泣ける。

 だがしかし!!!

 今回のボクは違う!

 今までは魔法を使いまくってぶっ倒れたりとかで補習の嵐!!

 だが、今回はそんなことは無い!!

 普通にテストを受けられる!!

 普通。

 なんていい響きなんだ!!

 やっぱ世の中普通が一番だね。

 ボクは配られたテストのプリントを見て問題を解いていこうとする。






 問1

 魔法展開方法にはいろいろな種類がある。その中で自分が知っているもの・・・






 「ガントさぁぁぁぁああああああん!?」


 「何だ?テスト中は静かにしろ」


 ボクは試験監督になっているガントさんにテストの問題について突っ込む。

 だって、隠しといてこれ!?

 何がしたいの!?


 「大丈夫だ。特定の人物仕様だ」


 「な、なるほど。さすがにそうですよね。いくらなんでもそうですよね」


 ボクは乾いた笑い声を上げながらもテストに意識を戻した。






 問2

 大馬鹿野郎、三谷空志の中間テストの点数は?






 「シバくぞ貴様ぁぁぁぁああああああ!!!」


 「うるさい!そんな簡単な問題で躓くな」


 「どういう意味、それ!?」


 「決まってんだろ。答えはゼロだ」


 「おい、言うな。まぁ、サービス問題だからいいが」


 「ダメだろ!?何このアホ教師!?」


 こいつら最低だ!!

 ・・・これだと他の問題もろくなものが無い気がする。

 ボクはとりあえず全部の問題に目を通してみることにした。






 問3

 次の中でフラグを乱立させるのが得意なのが?


a.上条○麻

b.三谷空志






 「ちょい待てやぁぁぁぁああああああ!!!」


 「いちいちうるさいぞ」


 「何この問題!?オタクか!?しかも何でボク!?」


 「これが一番難しいんだがな」


 「嘘だ!確実にボクは別の意味でのフラグゲッターだ!!」


 「え~。ものすごく難しいよ~」


 スズ、お前の目は節穴か!?

 つか、何でみんなも確立は二分の一とか言ってんの!?

 次!!






 問4

 テストなう






 「何つぶやいてんのぉぉぉぉおおおおおお!!??」


 「・・・いい加減にしてくれよ」


 「こっちがだよ!!何でテスト中につぶやくの!?しかもどう答えたらいいの!?」


 「最近流行のツイッターとか言うヤツだ。そして問題の答えを考えるのがテストだ」


 これは絶対にテストじゃない!!

 ほ、他の問題は!!??






 問5

 は○みねか○るさんの作品を三つ以上答えろ






 ・・・うん。ちょろいちょろい。

 え~っと・・・怪盗ピ・・・。


 「つっこめやぁぁぁぁああああああ!!!」


 「わ!?急に何!?キレる十代!?・・・あ、ガントさんはおっさんか」


 「ついさっきまで突っ込んでいたにも関わらず急に放棄するなぁぁぁぁああああああ!!!」


 「何を言うか。ボクは何を隠そうこの人のファンだよ?大抵の作品持ってるし」


 ちなみにホントに作者が大好きだったりします。

 たぶん、全シリーズ持ってたり。あ、そういえばつい最近新しいの出たらしいから買いに行かなきゃ。


 「どこまでマイペースか!!」


 「何だよ!?ホントは突っ込んで欲しいの!?今はテスト中だよね!?じゃぁ、ここからもこんな問題が続くのかな!?」






 問6

 いいとも~!






 「もういいいよ!!!」


 お昼のネタかっ!!??

 そこで、学校のチャイムがなった。

 ガントさんはついさっきまでのふざけた態度をいきなり元に戻し、答案を後から持ってくるように言った。

 そしてボクの答案も持っていかれた。

 何故だろう、ものすごく不毛な戦いを終えた後の気分だった。

 ・・・一応、全部書いたけど。






 「あぁ~終わった終わった」


 リュウがテストから解放されたことをものすごく喜んでた。

 まぁ、みんなそうだけど。

 周りにはテストの答えを合わせている人がちらほらといる。


 「やっと終わったよ~」


 「鈴音、お疲れ」


 「・・・ボクは精神的にものすごく疲れたよ」


 「あぁ。確かに今回はたまに難しいのが出てたな」


 ・・・何でそこでボクを見るのかな?

 もし、あの問題のことを言ってるんならボク等は今後の付き合い方を考える必要がある事態に陥りそうなんだけど?


 「おい。知ってるか?転校生が来たらしいぞ?」


 「また?この学校多いな。で、男?女?」


 近くの男子が話していた。

 どうも、またも転校生が来たらしい。

 ・・・確かに、リュウ達が来るわ双子が留学しにくるわでかなりの頻度で来るしね。

 ボクは何とはなしにその会話に耳を傾けた。


 「女子。でも、地味子だったらしいぞ」


 「な~んだ。どうせなら美少女がよかったのになぁ。まぁ、このクラスは美少女率高いからいいけどさ」


 「だが、あれじゃぁ、な・・・」


 そういうと男子達は何故かため息をついた。

 ・・・何で?

 まぁ、いいや。リュウなら転校生のこととか知ってるのかな?


 「リュウ、転校生がまた来たの?」


 「あぁ。らしいな」


 「あれ?リュウ君知らないの~?」


 「いくらオレでも学校の全部を把握してるわけじゃねぇしな」


 「・・・」


 「あれ?リカ、どうしたの?」


 何故かリカがきょろきょろとしている。

 何だか警戒してる小動物をほうふつとさせる。


 「・・・イヤな予感がする」


 「「「イヤな予感?」」」


 ボクとリュウ、スズは首をかしげる。

 リュウはそこで何故かボクを見る。

 でも、いつもと変わりないことを確認したのかリカに再度たずねた。


 「おい。危機察知スキルを持つソラが何にも感じてないんだぞ?」


 「いや、それはそれでいい加減にして欲しいかな?」


 「・・・でも、感じる」


 ボク等はそんなリカを見てついにテストで頭をやられたという結論に至った。


 「おし、リカ。シュウか親父のトコ行くぞ」


 「何で?」


 「あぁ~・・・定期健診だ」


 「ソラにしてもらうからいい」


 「ちょっと待とうか。できないから」


 それに何故かクラスの男子の殺気が上がったよ!?

 何で!?


 「リカちゃん、ソラ君が何でも言うこと聞くからってさ~」


 「ちょっと待って、何でそこでボクを売るの!?」


 「わかった!今すぐに行く!!」


 そういうとリカは何故かきびきびを準備を始めた。

 途中で鼻歌交じりに何かをくちづさんでいる。

 そして何故かそのリカのうれしそうな仕草にクラスの殺気が減少、変わりに諦めムードな雰囲気が漂う。

 ・・・そういえばつい最近はテロ攻撃を受けなくなったね。

 たぶん、みんな誤解を解いてくれたんだろうね。


 「やっぱ、地道にでもわかってもらえるっていいね」


 「いや、全然違うからな。もう、全員がいろいろと諦めてるんだよ」


 「何を?」


 「・・・たまにソラ君がわざとしてるのかな~って思うときがあるよ~」


 リュウとスズが呆れたようにため息をつく。

 ・・・何で?

 てか、これは地味に仲良くなってますよアピールかっ!?

 ま、そんなことはいいからリカをシュウと颯太さんに頼んで治してもらおう。

 そしてボク等は上機嫌なリカの後ろについて教室から出て行こうとしたそのときだった・・・。


 「・・・っ!?ソラ!!危ない!!」


 「はい?って、ちょ!?」


 扉に手をかけたリカがいきなりボクの手を掴んでぐいっと引っ張って自分のほうに持ってくる。あまりの力に腕がもげそうなぐらい痛い。

 だが、リカの切羽詰った声にボク等は半ば反射的にいつでも魔法を放てるように準備する。

  そして、ボクは扉の前にいないにもかかわらず何故か扉から突撃してきた何かによってぶっ飛ばされた。


 「ししょーーーーー!!!」


 「―――ッ!!??」


 声にならない悲鳴が上がる。

 鳩尾に入った・・・!!しかも、のしかかられてる!!

 でも、師匠?

 そんな事言う知り合いはボクの周りには一人しかいない。

 そしておそらくはその女子を見てみると・・・。


 「・・・誰?」


 ガチで知らない人だった。

 てか、ホントに誰?

 下手したらこの子リカ並みに美少女だよ?

 長い前髪からのぞく大きな二重の目が印象的だ。

 男子はこういう儚ない感じとかそういうのにぐっと来るってリュウが言ってた気がする。ボクは実際にそういう感じの子を見たことが無かったからよくわからなかったけど、なるほど。わかる気がする。


 「誰!?ソラから離れて!!」


 「え?わ、わたしですよ!?アンジェリカさん!?」


 「誰だ?」


 「わたし達の知り合いにこんな可愛い子っていたっけ~?」


 「そ、そんな・・・可愛いだなんて・・・。坂崎さんお世辞が上手です」


 そういうと顔を少し赤らめてもじもじと動く。

 そして、前髪がすとんと落ち、顔の上半分を隠す。


 「「「あぁ~!?」」」


 「は、はい!?どうしたんですか!?」


 ボク等が出した大声に驚いて女の子が立ち上がって周りを警戒する。

 って、やっぱり!?というか何この新事実!?


 「四条さん!?」


 「奏!!」


 「奏ちゃんだ~!?」


 「・・・こいつ、精霊魔法の」


 「は、はい?今、き、気付いたんですか?」


 きょとんとした表情で四条さんがボク等に言う。

 リカはそこで何も言わずに四条さんの前髪を上げてクラスのみんなに見えるようにする。

 その途端に歓声や驚愕の声が上がる。


 「お、おい!?何だあの可愛い子!?」


 「す、すごい可愛い子がいる!?」


 「なにあの子!?あんな子いた!?」


 クラス中の人間が軽くパニックに陥った。

 そこでリカは四条さんをみんなの視界から隠して前髪を下ろす。


 「あれ?さっきの子は?」


 「ついさっきまでそこに・・・」


 「おい!!さっきの子を探すぞ!!」


 そういうと一部の男子が四条さんの横を通り過ぎてどこかに走り去って行った。

 ・・・うん。下手な変装よりすごいね。


 「で、何でここに?留学?」


 「て、転校してきました!」


 ・・・なるほど。みんなが地味子とか言ってたのは四条さん・・・って、おい!?

 何で!?君はサリナさんとこの学校で魔法を勉強するんじゃないの!?


 「せ、精霊魔法は学ぼうにも向こうで教えてくれる人がいないので・・・。それなら似たような事、つまりはマナを見れる師匠に何とかしてもらおうかと!」


 「・・・要するにソラが目当てね」


 ボクははっとしてリカを見る。

 すると、そこには≪月詠ツクヨミ≫を自動展開させるレベルの魔力を垂れ流したリカ様がいた。リュウとスズも魔力を感知して冷や汗をかいている。

 ヤバイな~。今日はカラコンしてないのにな~。


 [現実逃避はやめて何とかしろ!!]


 リュウからのアイコンタクト。久々だね。

 リュウとスズが立て続けにボクにアイコンタクトをとる。


 [おい!何とかしないとコイツが死ぬぞ!?]


 [ソラ君!何とかして!!]


 すかさずボクはアイコンタクトを返す。


 [どうしたらいい!?]


 [[いつもの作戦で!!]]


 [自分の身を売れと!?]


 リュウとスズはボクはどうなってもよかったらしい。

 でも、ここでボクが何とかしないと確かに四条さんがやばい。

 ・・・これが前門の虎に後門の狼ってやつか!?

 あるいは八方塞!?


 [・・・後で手伝ってよ]


 [わかったよ~]


 [オレ達にできることであればな]


 珍しく支援を申し出てくれた。

 これならまぁ、マシかな?


 「リカ、とりあえず落ち着こう。まぁ、ボクにできることなら何でもするから」


 「ゴメン。今はそれより重要なことがあるの」


 「「リカ(ちゃん)が断ったぁ!?」」


 ボクもビックリだ。

 リカは何故かボクが何でも言うことを聞くを発動させると必ず食いつくのに・・・!?


「ア、アンジェリカさんはい、いつも師匠にそんなことを・・・。ふ、不潔です!!」


 「そ、そんなこと(まだ)してないもん!!か、奏こそ何でソラに付きまとうの!?やましい気持ちがあるの!?」


 「・・・リカ、お前が反論できる要素がまったくないと思うぞ?」


 「わたしもそう思うよ。いつもあの手この手で・・・だからね~」


 ・・・あれ?

 ボクが当事者の内容のはずなのに全然ついていけない。


 「ち、違います!!わたしは、で、弟子として・・・!!」


 「でも、ソラは認めてないじゃん!!」


 「い、いいえ!!じ、実は心の奥底で認めてくれてるんです!!アンジェリカさんこそ師匠の何ですか!!」


「ア、アタシは・・・(未来の)お嫁さん!!」


 「いや、両方違うから。それにリカは何でいつもボクをそういう風にからかうの」


 「「ほら!!」」


 「・・・こいつ等、仲いいな」


 「でも、ソラ君もいい加減に気付いてあげようよ~」


 テスト明けの放課後は何故かやたらとにぎやかだった。



作 「新章突入!今回は『テスト』からのスタートだ!!」

空 「いや、全然テストじゃなかったよね?」

作 「実はさ、ネタが無くて。あのラディエさん登場並の面白さにできなかったんだよね」

空 「いいから!そんなことしなくてもいいから!」

作 「まぁ、というわけで今回はこんなもんで許してください。そして遅れてごめん」

空 「別にいい!それに遅れたことがついでになってるし!?」

作 「まぁ、これも俺様クオリティってことで」

空 「どんなクオリティ!?」

作 「というわけで次回からもがんばります」

空 「ボクの言葉は完全にスルーかッ!?」

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