11話・DWARF
―――side空志
穴に落ちたボク等、その穴は何故か滑り台のようなスロープになっていて、その中を結構な勢いで滑って行った。
そして終わりが唐突にやってきて、ボク等は滑り台から投げ出された。
「うわ!?」
「っ痛ぇー!?」
「う~・・・」
「・・・」
「みゃ!」
レオだけはちゃっかりボク等より先に飛び降り、自分だけ地面にすたっと降り立った。
ボクはそんなレオに少しだけうらみがましい視線を向けると、周囲に視線を遅らせる。ここは正方形に切り取られた小部屋のようだ。ただ、おかしなことについさっき作りましたと言う雰囲気が漂っている。そしてボク等が滑ってきた方向を見ても光が見えない。それに、誰かが追ってくるような気配もない。
「・・・どういう、こと?」
ボクが疑問の声を上げると、壁の一部から音を立てて丸い穴が現れる。そしてボク等が滑ってきた滑り台のようなものまで作られた。
ボクとリュウはその光景に警戒し、すぐさま魔法を撃てるように準備をしておく。そして滑りだからは、やたらと小さな、ずんぐりむっくりな人が滑ってきた。
「ふぅ・・・。オイ小僧ども、無事か?」
「・・・なんだよ、ログのおっさんか」
リュウが警戒を解いたため、ボクもそれに倣うようにして警戒をといた。
「この人が・・・ログさん?」
「あぁ、こいつが『ラギス雑貨屋』店主のドワーフ、ログ・ラギスだ」
もう、絵に描いたようなドワーフだった。
いかにも土いじってるとか、鍛冶で体鍛えてますって感じの筋肉質な体だった。
「隆介が見えたから、とりあえず仲間っぽいお前等を地面操作して助けたが・・・何があったんだ?」
流石ドワーフ。『土』っぽい魔法の扱いに長けているみたいだ。
ボク等は何があったのかをできるだけ詳しく話す。
「・・・ほう。お前が、あのアホ魔王がガチの封印施した人間か」
「ボクのこと、知ってるんですか?」
「まぁな。これでも、魔窟じゃ古株だ。わりとあのアホとは話してる。というか、わけのわからんことが起きるな・・・」
光に導かれていけば、そのせいで厄介なことになった。
けど別に、関わりたくて関わったわけじゃない。
「んで、そこの嬢ちゃんも魔物か・・・」
「あぁ、んで相手が数法術使ってたからな。たぶん、痕跡を辿られた。・・・オレ達と同じくらいの年なのに、あんな使いこなすバケモノがいるとは思わなかった」
「数法術に、痕跡、バケモノ?」
リュウの言葉の端々に気になる言葉を見つけ、ボクは聞いてみた。
「あぁ。アレは数法術ってやつで、数値による魔法演算を行い、魔法を行使する。つか、オレも詳しくは知らねぇんだよ。アレは、使いこなせれば精密な魔法も簡単に行えるし、あいつがやったみたいな弾幕なんて片手間でできる。言っちまえば、あんなの天才にしか使えない魔法だ。あの年で使いこなせるやつなんて、この世界にどれだけいるのか・・・つか、片手で数える程度しかいねぇとオレは思う」
どうも、ボク等は相当ヤバい相手にからまれたみたいだ。
「で、痕跡っつのは、要するにあいつが分かりやすいように目印をつけられたってことだ。まぁ、魔物なせいでこいつがここにわりかし簡単に入れて、その痕跡を辿ったせいであいつもここに入り込めたんだろうな」
リュウはメンドくせぇと言いながら、リカさんに向き直る。
「でだ。お前、種族は?」
「っ・・・」
そこでリュウはリカさんの種族を聞く。
「あんな明らかに凄腕な魔法使いに追われている。オレみたいな竜クラスの魔物でなきゃ、狙われるわけがねぇ」
「・・・言いたく、ない」
リカさんの口から出てきたのは拒絶の言葉だった。
でも、何で?
「そうか・・・しょうがねぇな。おっさん、これからどうする?」
「そうだな・・・」
けど、リュウの口から出た言葉はそっけないものだった。
それで、いいの?しかも、言いたくないって言った当のご本人さんもものすごく肩透かしを食らったような表情でいるけど?
「ねーねー、間君は何で聞かないの~?」
「お前な・・・人間にも人種差別の歴史があるように、魔物の中にもそんな歴史がある。・・・悲しいことにな」
「けど、わたし達はそんなことしないよ~?」
「あぁ。だがそれは相手がどう思うか、だ。オレ達は口ではどうとでもいえるけどな、実際にはこれが本当かどうかなんて、言った本人にしかわからねぇ。・・・つか、お前は案外デリカシーないんだな、女のくせに」
「あぁ~!間君、男女差別だ~!・・・むぅ、本当だね~」
ものすごくわかりやすい説明だった。・・・色々と。
そんなボク等に呆気にとられた表情のリカさん。けど、どこか複雑な表情をしているようにも思える。
「・・・まぁ、会ったばかりのボク等を信じてって言うのも無理かもだけど、大丈夫。だってほら、ボク等・・・友達だし?」
「みゃ」
普段は人見知りするレオも、前足でリカさんをペシペシと叩く。
これは、レオが友好を示す時に使う行動だ。・・・たぶん。けど、何故かリカさんの表情はずっと硬いままだ。
「けどおっさん、マジでどうする?あいつ、『氷』以外にも『土』も使えるみたいだぞ?・・・下手すりゃ、ココがバレてぺしゃんこだ」
「俺も、煎餅みたいになる予定は一切ないからな。・・・さっさと魔窟に逃げて、優子と颯太あたりにでも頼むか」
リュウとログさんがそう結論をつけて頷くと立ち上がり、ボク等に言う。
「こっから、おっさんに土を操作してもらいながらまっすぐ魔窟に向かう。・・・おっさん、頼むから耄碌して落盤とかだけは勘弁してくれよ」
「戯け。いつからこの俺が耄碌した?その言葉は、お前んとこの爺さんにでも言ってやれ」
そう言いながらログさんは空中に視線をほんの少しだけ彷徨わせると、壁の一つに節くれだった手をつける。
すると壁がうごめき、小さめのトンネルができた。
「ギリギリ、これで立ったまま歩けるはずだ。通路は俺が徐々に崩してっから、隆介、お前が先導しろ。道なりに行けばそのうちつきあたりに着く」
「わかった。んじゃ、行くぞ」
こうして、ボク等は薄暗い地面の中を進み始めた。
―――sideリカ
何で、この人達はアタシを助けてくれたんだろう?
やっぱり、見た目が人間っぽいから?
・・・そうだよね。アタシの正体を知れば、誰もかれもいなくなるもん。
だって、アタシが怖いから。
確かに、あの数法術を使う女の子もバケモノみたいなレベルの魔法の使い手。だけど、ここにいるのは本物のバケモノだ。
本当なら、さっきの湖みたいな明るい昼の世界にいるんじゃなく、今進んでいるこの薄暗くてじめじめした闇に身をひそめていなくちゃいけないような、存在だ。
『リカちゃんだね~1わかったよ、仲良くしよう~!』
最初に飛びつくようにして抱きついてきた女の子。
おっとりとしていて、おひさまのような子だと思った。
『これ、何本に見える?』
アタシに指を一本見せてきた、子猫を連れた少年。最初はバカにしてるのかと思ったけど、あの追跡者の少女からアタシを守ろうとしてくれた。
『そっか・・・しょうがねぇな』
見た目は人間だけど、本当は竜らしい少年。同じ魔物のアタシの為に色々と考えてくれた。その魔窟とか言うところに連れていってくれるし、後ろにいるドワーフにも話しをつけてくれた。
・・・・・・けどアタシは―――。
「・・・夜を、統べるモノ」
―――side空志
ぼこりと音を立てて、土の天井の一部に大きな穴が開く。しかも丁寧に階段付きで、登りやすくなってる。
久しぶりに見た太陽の光に眼を細めながら出ると、そこは魔窟の中央門。つまり、ボク等が最初にやってきたところだ。
「ここまで来れば大丈夫だ。・・・あぁ、久しぶりにこんな魔法使って、肩がこっちまった」
そうぶつぶつと何かを言いながら、ログさんは一人で魔窟に入っていく。その後ろ姿にリュウが声をかける。
「おっさん、言うの忘れてたんだけどな、オレ達はおっさんに用があったんだよ」
「用だぁ?」
リュウの一言に、ログさんは心底面倒くさいと言う表情を隠しもせずにふるまう。リュウは普通に慣れていたのか、気にしたような感じもせずに言う。
「こいつらに、武器貸してやってくんね?じゃなきゃ、ソラがお袋に殺される」
「・・・」
何故かログさんはものすごくかわいそうなものを見る目でボクを見る。
・・・いや、バカにされてるとかじゃないよ?たぶん、そのままの意味だから。
「そうか・・・それは、災難だったな。来い」
ログさんに連れられてボク等はメインストリートを歩く。
そしてちょっとミニサイズなお店に入る。けど、タネが分かればだけど、ログさんがドワーフという、小さめな種族のせいでこんな小さめ、というか低めの店になっていたんだね。百七十近いボクの身長の、腰を超えるぐらいの身長しかないから。
「どうする?優子を倒すには、勇者の剣でも倒せるかどうか怪しいぞ?」
「いや、今、魔王の強さを全否定しましたよね?」
「俺的に、おススメはこれだ」
そう言って取り出すのは明らかに重機関砲。
ただ、魔法を原動力で動かすためか、だいぶ軽量化されているようには見える。
「これは、あのアホの結界をぶっ壊してみたいと言う好奇心から生み出した武器。バカ殺し、通称FKだ」
「なんか、すっごいカッコいいこと言ってるように見えますけど、要するにアンタバカなんですね!?つか、何で魔王を射殺しようとしてるんですか!?」
「大丈夫だ。ジジイは撃たれても死なん」
「無意味な自信!」
「おぉ~、流石魔王様だね~!」
「・・・さっきから、何言ってるの?」
ずっと静かにしていたリカさんがボク等の会話に参戦。そう言えば、リカさんにはリュウが竜ってこと以外の素性は話してない。それに、ココのことも詳しく説明していないし。
「リュウ、説明」
「オレかよ。・・・とりあえず、オレはここの魔窟の魔王の孫だ」
そんなリュウの前置きから始まり、リカさんに魔窟のこと、ボク等のことを話していった。
「・・・そんなこと、あるの?」
「実際に、目の前にある。それが答えだな」
そこでリカさんはボク等を見る。
まぁ、実際に坂崎さんが魔法を無効化する『逆』の魔法を使ってくれているから信じてくれるはず。
「まぁ、そう言うことだ。ここは魔物の駆け込み寺みたいな役割もある。実際に、そう言った理由でここに入ってきた奴等もいる。なんだかんだで、争いを嫌う魔物ってのも多いからな」
「やっぱ、そうなんだね。よかったね、リカさん」
ボクがそうやってリカさんに言うと、何故かリカさんはキョトンとした表情でボクに言う。
「何で?」
「だって相手から逃げてたのは、戦いたくなかったからでしょ?」
「・・・・・・そんなんじゃ、ない」
リカさんはそう言うとそっぽ向いてしまう。
・・・これは、人を怖がっているのかな?いや、どっちかというと、アレだ。外敵から身を守ろうとしている小動物。人間よりはるかに強い固体の多い魔物だけど、その表現がしっくりくる。
こういうのは、ゆっくりとやっていくしかない。
「そっか。・・・というか、ログさんはいつまでそれを押すんですか?」
「優子に勝つには、これが一番と思っただけだ。・・・正直、足りん気もする」
「・・・お袋だからなぁ」
「アンタら二人の認識に納得できるボクが嫌だ」
女子二人と猫一匹はボク等の会話についていけない。いや、君達は知らないマンでいいんだ。知ったらいろいろと後悔するしね。
そして周りを見渡す。改めてよく見てみると、なんだか用途不明なものが多い。
「武器をここで貸してもらえって言われたけど、あんまりないよね?」
「ここには、最低限の武器しかねぇからな」
「あぁ、本格的なものなら俺の知り合いにいいやつがいる。そいつに頼むか?」
「いや、いい。どうせ、ここにいる間だけの奴だ」
「そうか。なら、優子相手に接近戦は不利だからな・・・」
なんか、話が完全に『打倒優子さん』的なノリになってしまっている。
諦めたらそこで試合終了とはよく聞くけど、こればかりはどうしても諦めるしかないように思える。もちろん、『これ』とは優子さんに勝つことだ。
リュウとログさんが何かを話し合っているその時、ボクはふっと何かを感じた。そっちを見てみると、乱雑に置かれた商品の奥に何かがある。
よくいるよね?なんか、商品を落として、適当に置いていく人。なんか気付いたからには無視できないと言う性格のボクは、それを何とはなしに手に取る。
それは鋼のような金属の球だった。またも用途不明な魔法の道具なんだろうと思ってログさんに声をかける。
「ログさん」
「あぁ?なんだ?」
ボクはログさんに鋼の球を見せながら言う。
「これ、なんか適当に置かれていたっぽいですよ?」
「そうか?・・・これは」
ログさんの目が鋭くなる。
それを見たリュウがログさんに聞く。
「んだよ、これ?」
「俺にもわからん」
「おい、おっさんとこの商品だろうが」
リュウは呆れたようにそう言った。
「いや、これは俺が作ったんじゃない。本当にこれは用途不明の魔道具なんだよ」
「おっさんが、わかんねぇの?」
「あぁ。魔力を込めてみてもなんの反応も示さない。こんなわけのわからんものを売るわけにいかなくてどっかにしまったんだがな、こんな所にいっていたとはな。・・・おい、そこの小僧」
いきなりログさんがボクを小僧呼ばわり。いや、リュウのことも小僧呼ばわりしてたけどさ・・・。
「なんですか?」
ボクがそう聞くとログさんはいきなり鋼の球をボクに投げて寄こす。
「やる」
「いや、商品でしょ?」
「俺も使い方が分からん。正直、邪魔だ」
「・・・客にゴミを渡すのはどうかと思います」
「アレだ。それが本当にすごいのなら、優子からの攻撃を受けてればなんかなるだろう。・・・たぶん」
ものすごく、心強い言葉を貰ってしまった。思わずログさんを絞殺してしまいたいと思ってしまった。
まぁ、気になることがあるから聞いてみよう。
「魔道具って、どう使うんですか?」
「簡単だよ。魔力をそいつに込める。ただそれだけだ。込めるっつのは、自分の魔力をそいつに流し込む感じな」
リュウの説明で、ボクはこの鋼の球に魔力を込めてみる。
確かに、魔力を込めても何も起こらない。
「・・・本当に、何も起こらないんですね」
「あぁ。故障しているのかどうかさえ分からん代物だ。普通、魔道具ってのは・・・」
そう言いながらログさんが実演してくれるのか、金属でできたカードのようなものをボク等に見せる。そして魔力を込める。
すると、カードに電気回路のような線の模様が浮かび上がったかと思うと、そこから火が生み出された。
「これは魔術符って、一番メジャーな魔道具だ。俺は『地』の魔法しか使えないが、この魔術符を通して『火』の魔法を使った」
「おぉ~!」
坂崎さんが興奮したように声を上げ、リカさんも少し興味深そうにみている。
けど、また気になることができた・・・。とりあえず、疑問を解消するために魔力を全力で込めてみる。
「オイ、いきなり何してんだよ?」
「いや、少し気になることが・・・」
リュウに何か言われるけど、そのまま魔力を込め続ける。
魔力が足りないように思えたけど、何故かボクの奥からはこんこんと魔力があふれてくるような錯覚に陥る。
「お前、どんだけ魔力を込めるつもりだよ!?」
「そうだぞ、そろそろ魔力切れになるんじゃないのか?適当にやめろ」
そうは言うけど、まだまだ余裕はある。
そして待ちに待った反応が来た。ただ今回は魔法陣が展開され、そして強く光る。
「オイ、おっさん・・・!」
「まさか・・・」
「ま、まぶしいよ~」
「みゃぁ~・・・」
「・・・」
そして、手の中の金属球の感触が消えた。
一瞬、失敗かと思ったけど、よく見ればテーブルに見覚えのないものがあった。それは二丁の拳銃。二つとも全く同じ形で、正直幼い子供が銃を描いてと言われて描いたかのような適当さだった。しかも何故か銃身の下には刃がついていて、銃としてこの形状はどうかと思う。
「おぉ~、なんだか魔法の武器っぽい感じだね~!」
「普通は、こういうのないから」
女子二人が口々にそう言う。
そしてログさんは驚愕の表情のままボクに聞く。
「・・・お前、何をした?」
「いや、魔道具が発動する寸前に回路みたいな模様ができたじゃないですか」
「「・・・」」
そこで何故かリュウとログさんが視線で語り合う。
そしてログさんはボクに向き直って一言。
「お前、颯太に診てもらえ」
「それかい!?とにかく、そう言った反応がこれには見えなかったんで、魔力を込めれるだけ込めてみようと思っただけなんですけど?」
「・・・なんだ、アレは魔力が足りなかっただけか!?」
ログさんは酷くショックを受けた顔をした。
けど、すぐに気を取り直してテーブルの上にある銃をみる。
「・・・分解、してもいいか?」
「いきなりそれですか・・・」
もちろん、丁重に断った。
「けど、いいんですか?半ば、詐欺っぽい感じで貰っちゃいましたけど・・・」
「そんな逸品を品定めできん俺が悪い。商人は目が利くこと、そして相手を詐欺の如くできるだけ高く売りつけることができるってことが一番重要だ」
「いや・・・何、犯罪者予備軍・・・むしろ犯罪者な発言しているんですか?」
「つまりは、目が利かなかった俺の責任だ」
ログさんはボクの言葉を華麗にスルーして言った。
言ってることはかっこよく聞こえるけど、内容を考えればただ単に俺の商売はあくどいぜって言ってるみたいなものだ。
それに、未練がましくこの銃をみてるし。
「・・・まぁ、いいなら貰いますよ?・・・てか、使わなくなったら売るっていう手もありますけど?」
「・・・・・・・・・考えとく」
ログさんの中ではものすごい葛藤があったんだろうと思った。出てきたのは保留の言葉だったけど。
とりあえず、ログさんはホルスターまでも餞別だとか言ってくれた。
ボクは最初に、腰に二つのホルスターをつけ、そこに銃を収める。すると、そこで頭の中に言葉が浮かんできた。
「『ナイト』に、『ナハト』・・・?」
つぶやくようにして言うと、いきなり腰に収めた銃が二丁、ホルスターと一緒に消え去った。
「え?ちょ!?何!?え?いきなり、無くしたの!?」
「・・・お前、さっきの言葉はなんだ?」
リュウがそう言う。
ボクはそれに半ば反射的に答えた。
「『ナイト』と、『ナハト』・・・?」
すると、今度はいきなりボクの腰にホルスターごと出現。
・・・え?
「・・・マジか、こりゃ、下手をすれば魔導宝具クラスじゃないのか?」
「ログさん、その魔導宝具ってなんですか?」
「簡単に言えば、至高の魔道具だ」
ログさんがそう言ってくれるけど、正直アバウト。
「魔導宝具ってのは、それ自体が力を持つ道具だ。ぶっちゃけると、とても強力な魔道具って所だな」
「・・・ログさん、これ返します」
なんか、リュウの説明を聞いてて怖くなってきた。これが元で狙われるとかないよね?
「アホか。大体の魔導宝具って言ってもピンキリでなぁ、ついでにそのほとんどが所有者を選ぶ。お前を殺したところで、そいつが所有者になる可能性は限りなくゼロに近い。だから、そんなもんを狙うやつはいない。それに、優子を倒すにはそれはうってつけかもしれん」
またその話にいってしまった。
「まぁ、安心しろ。俺はむしろそういう武器のが専門だ。整備ぐらいはやってやる」
「はぁ・・・」
こうして、 ボクはなんだかすごい武器を手に入れてしまった。
・・・優子さん、このせいでマジにならないよね?
作 「というわけで『ログ・ラギス』をお送りしました!」
鈴 「ログさんって、ドワーフだったんだね~!」
作 「まぁ、ここら辺は王道ですね」
鈴 「流石ファンタジーだね~!」
作 「ファンタジーですから。というわけで次回、新キャラの子と仲良くなろうぜ!」
鈴 「おぉー!」