14話・INVASION OF THE STAR
―――side隆介
あの後、ソラが帰ってきたのは夜遅く、オレ達が寝静まるような時間だった。
その時、オレはずっと起きていて、ソラがそのことに気づくと少しの驚きと、気まずさの混じった表情だった。
「・・・まぁ、オレは何も言わんがな。・・・リカが心配してたぞ」
「・・・そっか」
「いいのか?」
「・・・たぶん。・・・後々、リカのためになると思うし」
ソラは寝巻きに使っているジャージに着替えながらオレに言った。
オレに顔を向けずに。
「・・・オレはもう言ったからな。・・・あの時、少しはオレ達を頼れってな。だが、あの時にお前がやって無きゃオレがやってたのも事実だ」
「・・・だろうね。リュウはなんだかんだで優しいからね」
「お前ほどじゃねぇ」
その言葉を境に宿の室内に静寂が訪れる。
言う必要が無いからな。これでも三年の間、ずっとこいつを見て、ソラもオレを見てきた。たぶん、わかるだろう。
「・・・なぁ、リュウ」
「んだよ」
「・・・ボクはさ、甘やかしすぎたのかな?」
「さぁな。・・・だが、これだけは言える。お前がいなきゃ、リカはずっと人間を信じられなかったろうし、笑顔も見せなかった。・・・お前がしたいことをすればいい。わざと嫌われて、それで無理矢理にでも他人と関わらせようとしてんだからな」
「やっぱ、リュウはお見通しなワケだ」
当たり前だろ。
ソラはこうした。自分が最初にまん前に出る。そしてお前は相手を脅す役を買って出て、リカがそれを止めることを計算に入れた上での行動だ。そこで、いつもの平和ボケした性格のお前がリカにきつい言葉を浴びせれば、普段からの行動を考えれば自分を嫌うだろうと考えた。そうすれば、例え脅しが通用しなくてもリカを自分からある程度引き離すことができると踏んで。
だが、こいつは一つだけミスをした。
いや、この考えではむしろ効果的過ぎた。リカが、この馬鹿を好きだってことを・・・。
確かに、リカは多少どころかかなり強引なところがある。
ソラを想うあまり、かなり大胆な行動に出る。
それが、自分の人間嫌いに拍車をかけているとも知らず。
ひょっとすると、あいつもわかっているのかもしれない。
「だがな、あいつは怖いだけかもしれないぞ?」
「・・・また、裏切られないか、かな?」
オレはうなずく。
あいつは何回も友達になろうとしては正体がバレて殺されかけるっつー人生を送っている。
そこで、初めてできた本当の仲間を、『好きな人』っつー大切なヤツを絶対になくしたくないからあんな過剰なまでにべたつくのかもしれない。
「でも、それでボク等以外の人間と関わらないんじゃダメだ」
「あぁ。確かにな」
オレもそう思う。
それじゃ意味が無い。
「だが、あいつも冬香を想っての行動だ。少なくとも、四月のあいつはお前以外の人間が傷つこうがなんとも思わなかったとオレは思う。そこは進歩してると思うぞ?」
「・・・そうだね」
「あぁ」
「・・・いろいろゴメンね。面倒ごと増やしてさ」
「まぁ、しょうがねぇだろお前はトラブルメーカーだしな」
「・・・リュウにだけは言われたくない」
ソラはそういうと部屋に備え付けのシャワーを浴びに行った。
・・・明日はBブロックの決勝だ。オレもそろそろ寝よう。
―――sideリカ
体がだるい。吸血鬼だから、そんなコトあるはずが無いのに・・・。
・・・結局、ソラはアタシが起きているときには戻ってこなかった。
正直、アタシは吸血鬼。夜通し起きてても問題は無かったけど、みんなに無理矢理寝かせつけられた。
・・・いつも、すぐそばで感じるソラの気配が感じ取れない。
「・・・あの時みたい」
ソラが、暴走しちゃった事件。
あの時も、アタシはソラがまるでもう手の届かないところに行っちゃいそうで怖かった。また、無くしちゃうんじゃないかって思った。
「リカちゃん、大丈夫?」
「え?・・・うん」
鈴音がアタシに声をかけてきた。
返事をしてもどうしても頼りないものになっちゃう。
「・・・そっか。・・・さっきね、男子の部屋からソラ君が出てきたよ」
「っ・・・うん・・・」
「・・・でも、ソラ君も酷いよね~。こんな美少女にどなっちゃうんだもん」
鈴音はぷぅ~と膨れて愚痴る。
アタシを元気付けてくれようとする。
・・・いつまでもこれじゃいけない。
「あ、朝ごはんだからみんなで食べよ~」
「・・・うん」
―――side隆介
「おい!こっちだ!!」
オレは坂ざ・・・。
「リュウ君!!」
「・・・スズ様、こちらでございます」
・・・こいつ、人の頭の中まで読みやがって。
オレが言い方を変えた途端に何故か胸を張って得意げになりつつ席についた。
「で、どうだ」
「・・・やっぱ元気ないね~」
「・・・そうか」
ここにはオレとスズだけ。
他の男子はテーブルは近いが別のところだ。
ここはレストラン形式の食堂だからな。店員に頼んだ料理を持ってきてもらう。
「おっは~☆」
「おはよ~」
「おはようですぅ!」
「おはよう!」
最後に言ったのがリカなんだが・・・顔が引きつってる。
無理してるのがバレバレだ。
「あ!おはようございます!!アンジェリカさん!!今日もお美しいですね!!」
「あ、うん・・・そう・・・」
田中が馬鹿みたいな挨拶をするがリカは適当に流す。
・・・いつもならソラの影に隠れて『・・・』で終わるのにな。
田中は無視されるより辛いらしい。
田中も疑問に思ったのかソラに聞く。
「・・・おい、何か今日のアンジェリカさんおかしくないか?」
「何?田中はリカに罵られたい変態だったの?」
「バッ!?違ぇーよ!?」
・・・ソラが適当に話を摩り替えやがった。
それに乗る田中も馬鹿だ。
「・・・大丈夫ですぅ?」
「・・・これじゃやばくないですか?」
双子の疑問も最もだ。
だが・・・。
「やるしかねぇんだよ」
オレは自分に言い聞かせるように言った。
―――side空志
結局、リカとは一言も話さなかった。
・・・まぁ、ここで謝ったりしたら意味が無い。
ボクは自分にそう言い聞かせて、前を向いた。
ここは既に闘技場の控え室。
今日は大会Bブロックの決勝戦。
ここで優勝すればAブロックの優勝チームと戦う。
たぶん、冬香のチームと。
ボク等は何が何でも勝つ必要がある。
『さてさて、ついにきたぜ!!Bブロック、決勝戦だ!!』
その言葉で会場が沸く。
これまでとは違い、観客席は客でいっぱい。
あちこちから野次とかが聞こえる。
『では、まずはチームの紹介だ!!まずは・・・今大会、初出場。そして、若いながらも圧倒的な力でここまで勝ち昇ってきたぁぁぁぁ・・・冒険者ギルド所属、『夜明け』!!!』
その言葉に、会場が更に沸く。
・・・でも、ボク等はそこで特に緊張とかはさほど感じなかった。
それより重要なことがあるし。
『さて、そして対するは・・・出ました!!今大会の優勝候補!!やはり、ここでこいつらが立ちふさがる!!冒険者ギルド所属、『十二星座』!!』
その言葉に更に会場が沸く。
たまにそんなやつらやっちまえとか言う野次が飛ぶ。
・・・よほど強いんだろう。
ボクはそう思って向こうを見る。
そして、その時だった。
「・・・!!」
ボクは何かを感じた。
何を?と言われると返答に困る。
でも、確かに感じた。
「どうした?」
「・・・いや、なんでもないよ」
『・・・出た目は五!!さて、では第一回戦の準備をどうぞ!!』
司会の言葉と同時に会場が静まる。
どんな編成で来るのか興味津々だ。
「おし、我らが参謀、誰が行く?」
「・・・ボクだけで」
そういった途端、周りが一瞬だけ静寂に包まれる。
「おい!三谷、お前正気か?」
「ソラ君?どうしたの?」
「三谷君、冷静に考えて」
みんなはボクが昨日のことを引きずってるんだと思ってるんだろう。
それがわかったのか、リュウはボクに鋭い視線を向けただけだ。
「・・・お前の考えがあってのこと、だよな?」
「もちろん。ボクを誰だと思ってるの?」
「・・・わーったよ」
「間っち!?いいの!?」
「そうですよ!?」
「相手は優勝候補ですぅ!!」
「ソラ君もリュウ君もどうしたの~!?」
「・・・ソラ」
「だがな、一つだけ言っとくぞ」
リュウはフィールドに歩いていこうとしたボクに後から声をかけた。
・・・なんだろう?
「無茶はすんな。今のお前は・・・無茶をするときの顔だ」
「・・・無茶をする場面が無かったら無茶をしようが無いよ」
ボクはそう言って田中の足元に昼寝中のレオを置いていく。そして、ポケットからこっそりとスプレー缶をみんなの死角に置く。
・・・よし、幸いにも向こうはまだ決まってないみたいだ。
『どうやら『夜明け』のほうは決まったよう・・・ん?どうした?三谷選手が相手チームのほうに歩いていったぞ?』
ボクは、司会の人が言うとおり相手チームのベンチに向かっていった。
確認をするためと・・・。
「な、何だあんたは!?こっちは作戦を考えてるところだ!!」
背中に大きな弓を担いだ人がボクに文句を言うけどここでは無視しておく。
そして、そこにいる人を見渡す。
「・・・やっぱり、貴女だったんですね。占い師さん」
「・・・貴方は・・・あのときの」
「あり?ティーナちゃんの知り合い?」
「は、はい。この前、占いを」
「・・・なんだ?占いの結果が気に入らないのか?そーゆーのはお断りしてる」
「単刀直入に言います。そこの占い師さん、ボクと戦ってください」
「「「!?」」」
ボクがそういうと、周りの人達が驚愕の表情を浮かべる。
「ボクの見立てではこの人が一番強い。それに、この力に対応できるのはボクぐらいしかいない」
「何を言っている!!誰がお前の言い分なんか!!」
ボクに大柄な男の人が食って掛かってくる。
ボクが言葉を続けようとすると、意外なところから声でさえぎられた。
「・・・いえ、彼の言うことはおそらく本当です」
「な、何を!!」
「でも、一つだけ言います。やるからには、全力でお願いします。ボクも、全力で行きます」
「おい!!今までまったく本気を出してないような言い分だな!!」
「・・・いえ、それもおそらくは本当です」
「・・・嘘だろ」
誰かがそんな風に言った。
でも、まさかとは思ったけど・・・。
「わかりました。私が行きます」
占い師さんは、それまで被っていたフードを脱ぐ。
下からは、少し幼さの残る顔の金髪で髪の長い少女が現れた。
『何があったのでしょう?今まで一度も参戦したことの無い人が出ましたね』
ボクは司会の言葉を聞いて目の前の少女に尋ねる。
「・・・大きすぎる力?」
「・・・そう。あたり」
『ま、何はともあれ決まったようなので・・・試合、開始!!!』
試合の開始が宣言される。
「ボクは三谷空志。冒険者ギルド所属『夜明け』の魔道具技師」
「私はティーナ・ライトテイカー。冒険者ギルド『十二星座』の魔法使いです。行きます!!」
その言葉と同時に魔法が放たれた。
―――sideリカ
「何で?ソラが・・・」
「・・・確かにらしくねぇ」
「ソラ君は勝つためにあんなことしないよね?」
「・・・何か考えがあるんでしょうか?」
・・・たぶん、そうだ。
あの人は・・・アタシとソラの占いをしてもらった人。
あの時、ソラは何か感じたとか言ってた。
たぶん、それが理由だ。
「でも、何で?」
「行きます!!」
占い師、ティーナが魔法をつむぐ。
・・・どうやら、自分の指にはめた指輪が武器みたい。
「≪星の輝き≫!!」
「≪雷燕≫!!」
両者の魔法が激突する。
でも、≪雷燕≫!?
「おい!?ソラ!!何でそれを使った!!」
「相手の魔法もおかしいですぅ!!あんな、中級の上位魔法を魔法名のみで発動させました!!」
「それに、あの魔法は見たことが無いです!!」
『おおぉ!?な、何だこの魔法!?両者共に上級レベルの魔法を詠唱無しで放ったぁ!?』
ソラ、ダメだよ!
ソラまで・・・。
「おい!!やめろ!!その力は使うな!!」
「ティー!!ダメ!!」
向こうも必死だ。
たぶん、向こうも普段はこの力を隠してたんだろう。
「・・・そう、か」
「リカちゃん?」
ソラが感じた理由。
桁外れな力。
「・・・あの子、三魔源素だ」
―――side空志
「やっぱりね!!≪風火車輪≫!!」
「私もおかしいと思ってたんですよ!!≪星の一撃≫!!」
ボク等は互いに確認しあいながら戦う。
これしかないと思ったよ。
ボクの力にまるで共鳴するように感じる力。
そして、こっそりとマナで書いた文字を読めるところとかね!!
「まさか、マナを操作して『三魔源素』って書くとは思いませんでした!」
だろうね!!
あれはボクの専売特許だ。
「改めて自己紹介しようか?」
「いいですね!!私は、三魔源素で『星』を司るものです!!」
「・・・最強の魔法の力か、ボクは『月』の力を司るもので!!」
魔法銃から≪雷閃疾空砲≫を放つ。
それを相手はいとも簡単に止めた。
「≪魔法盾≫!・・・なるほど、知を司る力ですね」
「そうだよ!!≪焔鳥≫!!」
今度は意志を持った炎の鳥達がティーナに突撃していく。
向こうは魔法の壁を展開して簡単に受け止める。
・・・さすがは魔法の力最強なだけはある。
何故か解析できないけど、たぶん向こうは上級魔法を詠唱方式にもかかわらず無詠唱で放ってくる人だ。
「つくづく、ボク等の属性はチートだね!!」
「まったくです!!」
ボク等は魔法の応酬を続ける。
そして、均衡していたと思っていた実力は突然に崩された。
向こうの魔法によって。
「ですが、それが貴方の本気なのですか!!!」
「そうに決まってる!!≪八岐雷大蛇≫!!」
ボクは瞬時に魔法陣を展開させ、八つの頭を持つ雷の大蛇を呼び出す。
大蛇はティーナに向かって八つの頭を駆使して噛み付こうとする。
「・・・これが、本気なんですか!!」
その瞬間、ティーナの魔力に変化が起きた。
でかいのが来る!!
「私達の力は、その程度ではありません。
―――数多の星に願いを!!
≪流星の強襲≫!!」
向こうはついに短いながらも詠唱を始めた。
そして、上空に自分が押しつぶされると錯覚しそうなほどの魔力が収束していたのがわかった。
「新兵器の投入!!来い、ナイフ!」
ボクはポケットの魔術符から何本かのナイフを呼び出す。
そのナイフは刀身の幅がやたらと大きく、刀身には青いラインが引かれ、まるで回路のようになっている。
ボクはそれを自分の周囲の地面に突き刺し、魔法を起動する。
「≪月界≫!!」
≪月界≫のときに使う補助用魔術符の改良版。
あの遺跡の回路をヒントにより強固な≪月界≫をはれるようにした。
結界が発動すると同時に相手の魔法も発動した。
高密度の魔力の塊が雨のように降り注ぎ、結界に当たっては轟音を響かせる。
でも、どうにか持つみたいだ。
相手の魔法が終了したと同時にボクは結界を解除した。
「・・・何故、先ほどから『月』の魔法を使わないのですか?」
いきなりの向こうからの質問。
「どういうこと?ボクは最初から使ってるけど?」
「あれがですか?笑わせないでください。私達の魔法は、あんな小細工を施した手品ではありません」
とてもはっきりと言われた。
ボクが作り出し、何度も窮地を救ってくれた魔法を。
でも、何故か怒りはわいてこなかった。
「・・・もう一度聞きます。貴方は何故、本気で来ないのですか?」
・・・うすうすは感じていた。
やっぱり、そうだったのかって。
だって、月の神霊であるルーミアさんは『月』の名前を持つ魔法を発動していた。
でも、ボクが月の名前を持つ魔法は、防御系魔法と真言だけだ。しかも、四つだけ。≪月守≫、≪月界≫、≪月夜≫。まぁ、例外として≪月詠≫。
これがボクの全てだった。
「それに、先ほどからやってるのは何ですか?そのふぬけた攻撃は!!」
「・・・」
「・・・わかりました。私達の魔法では、一般的な魔法とは基準が少し違うのは知っていますか?」
いきなり向こうがボクに何かを説明しだした。
ボクは疑問に思いながらもその言葉をじっと聞く。
「普通、魔法は上級、中級、下級の三つのランクがあり。更にその中で上位、中位、下位とランク付けされ、全部で九段階のレベルがあります」
そこで一旦言葉を切り、ボクに視線を向ける。
そこには、何故か悲しさが満ちているように思えた。
「ですが、私達は使う魔法がどれも強力なため、中級がデフォルトで出せます。これが私達にとっての下級魔法なんです」
「嘘!?」
「真実です。そして、私達には上級より一つ上のランクである、魔導を使えます。ちなみに、これは古代の魔法です」
魔導?
てか、中級が下級?
それじゃ、ボクが今まで使ってたのって!!
「貴方が使う魔法、特に動物系のものは複雑な魔術構成ですがおそらくは中級の上位程度。つまり、私達の世界で貴方は下級魔法を使って倒そうとしているんですよ?」
マジかよ・・・。
これじゃ・・・勝てない。
「そして、これが魔導です。
―――私は願う!!
幾千の星を見つめる!!
私はこの世界で歌い、ともに生きよう!!
響け、星の唄・・・。
≪星の観測者≫!!」
膨大な魔力が渦巻く。とっさに≪月詠≫を使うけどやっぱり解析ができない。
ただ、これだけはわかる。今までの大会で使われてきた魔法なんか目じゃないものが来ることは。
ボクはさっきからの魔法のタイプを考え、上空からの攻撃を警戒する。
「・・・甘いです。これは、観測者です!!」
そして、魔力が地面から放出される。
しまった!!
「・・・散りなさい」
その言葉で、足元の魔力が爆発。
大きな光と共にボクの体が紙切れの如く吹っ飛ばされた。
そして、地面に強打。肺の中の空気が強制的に口から吐き出された。
「がぁ!?」
「・・・手加減したとはいえ、まだ意識を保っていましたか」
「・・・ッハ。・・・ボクの知り合いに・・・天災だけど、腕のいい。・・・服職人がいるんで・・・ね」
ボクは何とか体を起こし、片膝たちになる。
・・・これが限界か!
「ですが、何故そこまでするんですか?別に、私がやる必要は無かったはずです」
そう。
別に、この人と戦う理由は無い。
でも、残念ながら、ワケはある。
「・・・ボクさ、一人の女の子に嫌われてでも何とかしなきゃいけないことがあったんだ」
「・・・」
相手は何も言わずにボクの言葉を聞く。
「でさ、たぶん嫌われた。・・・でも、悔しいんだ。何で、その子を傷つけてまでやったのかって。確かに必要なことだった。でも、もっとボクに力があればもっといい解決方法が・・・どこぞの勇者の爺さんよろしく、『みんなが笑顔になれる』ようにできたかもしれない。だから・・・ボクと同じ系統の力を持つ、貴女と負けてもいいから戦って、もっと、強くなりたいって思ったんだ!!」
ボクは自分の体に鞭打ってふらふらになりながらも立ち上がった。
・・・まだ、いける。
ボクは、両手に銃を持つと、それを相手に、向けて構えた。
「だから、まだ、これだけで負けられない!」
その時、光があふれた。
作 「ついに来たよ!『星の襲来』!」
ルーミア 「わらわはルーミアぢゃ」
作 「ちーすっ!今回は専門家の方にお越し願いました」
ル 「ついに来よったな」
作 「イエス!『星』の子でたよ!」
ル 「『星』は簡単に言えば最強の魔法を使える属性じゃ」
作 「でも、それだと主人公も同じ?」
ル 「いや、『月』は正直行って三魔源素の中では一番弱い」
作 「ぶっちゃけますねー」
ル 「ただ、わかるだけじゃからな。まぁ、魔力を知るからこそマナを操れるんぢゃがな」
作 「じゃ、『陽』は?」
ル 「それは力の属性ぢゃ。詳しくはまた今度な」
作 「へ~。わかったようなわからないような?」
ル 「また今度教えてやる」
作 「じゃ、ここで茶番は終わりにして次回予告!」
ル 「・・・茶番?」
作 「僕作者だし」
ル 「・・・」
作 「さて、ソラの武器が進化。ソラは勝てるのか?」
ル 「いや、無理じゃろ。第二段階では勝てん。それに、向こうは様子がおかしいぞ?」
作 「それで勝てるようにするのが作者!」
ル 「・・・駄作のような気がしてきたぞ」
作 「まぁ、次回もよろしく!」