3-5:「いっしょにいる時間」
大学生のときに大学のすぐ近くのアパートに住んでた友人を思い出しました。
大学までダッシュすれば1分もかからないとか言ってた気がします。それくらい近かったら遅刻せずに済みそう! ……と思っていたのですが、その友人いわく「ギリギリまで寝ようとして遅刻する」らしいです。私は満員電車で数時間死んだ目になりながら通学してましたね。なんだこの話。
いくら学部学科が同じと言っても、受ける授業が全部同じになる、なんてことはない。
一限の必修科目はたまたま蒼井さんと同じものだったけれど、選択科目も同じものを取っているというわけではない。むしろ被っていたら奇跡みたいなものだ。
ちなみにこれはフリではない。ちゃんと休みの日のうちに確認をした。授業が被っているのは平日は毎日入っている必修の一限だけだ。一限に必修を入れないでくれ、大学よ。
とにかく、僕は二限の講義へと向かうために3号館を一度離れて8号館へ。蒼井さんは二限が空きコマだから一度アパートに帰るらしい。僕も二限が終わったら一度帰るので、そこでいっしょにお昼ご飯を食べる約束をしている。
朝のうちにお昼ご飯は作っておいて冷蔵庫にしまっているから、別にいっしょに食べる必要は無いんだけどどうやら蒼井さんが僕と一緒に食べたいらしい。
……そういうことを言われると僕に気があるんじゃないかと勘違いしてしまいそうになるから、やめてほしい。というかこれ僕のこと好きでしょ。
いやまあ、こっちに越してきて以来一人で食べている様子は見たことがないので、一人に慣れていないってだけの可能性もあるけれど。
ただ僕としては好きな人といっしょにいる時間が増えて嬉しいのは確かで、まだ始まってすらいない二限の『経済史』の講義に対して早く終われと祈りを捧げるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
祈りが通じたのか、二限の講義は簡単な確認テストだけだった。どうやら連休で今までの講義内容を忘れていないかの確認だけやる予定だったらしい。
解いた人から解散にしてよいとのことだったので、爆速で解いて即帰宅。そもそも、僕にとって大学の授業は退屈ではあるが一度聞いてさえしまえば嫌でもすべて頭に入るので復習なんてしなくても試験の類は余裕なのだ。
──まあ、僕が天才だというのは否定しない。高校の頃の模試では常に全国一位だったし。国内で学力的に行けない大学はなかったんじゃないかな。
ただ疲れるもんは疲れるから、講義が早く終わるに越したことはないし、出なくていい授業は徹底的にサボる。
なんてことを思いながらアパートに帰ってきた。自室の鍵を開けて部屋に入る。
僕の目に映るのは、僕の布団でスヤスヤと眠る蒼井さん。
「あの……蒼井さん……?」
困惑する僕の表情とは対照的に、蒼井さんは幸せそうな表情だった。
でも一つだけ言わせてほしい。
「なんで……僕の部屋で寝てるの……?」
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