ゴブリンでもゲーム廃人の俺がトレーニングすれば異世界だって救えます
「第7回モンスターバース世界大会。優勝は……RENさんです!」
モンスターを育てて戦う大人気RPG「モンスターバース」。
それにドはまりするゲーム廃人【道永レン】は、誰も使いたがらないマイナーモンスターで勝つ事を信条としていた。世界ランク上位の常連で、世界大会出場3回目にしてついに優勝。――しかし、表彰式を目前に、目の前が真っ白になった。
目が覚めると……、上空には2つの太陽と、宙を漂う島々に囲まれ、レンはその中心に浮かぶ神殿にいた。
「ここは、どう見ても……」
見覚えがあるどころじゃない。今まで幾度となく見てきた、モンスターバースに酷似した世界だった。
「ようこそお越しくださいました、道永レン様」
「え……、エルしゃま?」
うさ耳に巫女服の少女が、状況が呑み込めないレンに語りかけた。
彼女の名は【エルシー】。モンスターバースでプレイヤーをサポートする大人気キャラで、プレイヤーなら一度は彼女に恋をするとも言われている。
「お願いですレン様。この世界を救ってください!」
――エルシーに導かれ、彼女の暮らす集落へ案内される。
そこで頭に角、背中にコウモリのような羽を生やした、ファンタジーで俗に【悪魔】と呼ばれる者。それに虐げられる人々の姿をあちこちで見た。
「この世界では数年前【魔王】を名乗るものが、悪魔の群れを率いて現れ、侵略を開始したのです。最初は我々も育てたモンスターと共にたたかったのですが、……結果は大敗、大半のモンスターが滅ぼされました。」
「だから俺をこの世界に呼んだってのか? あれと戦うために?」
「はい、レン様は異界にて、どんなに弱いモンスターも強く育てることができると聞いております」
「今、戦えるモンスターはどれくらいいる?」
「ゴブリン、スライム、フェアリーなど……です」
それらは全てゲーム序盤でしか出てこない、いわゆるザコばかりだ。
「何とかならないでしょうか?無理難題なのは百も承知ですが――」
「くっくっく……」
「レン様?」
レンは不敵な笑みを浮かべ――、
「エルしゃま、俺にとって……チート級のモンスター達を使い強くなった気でいるプレイヤーを、マイナーモンスターで蹂躙してやる事が、最高に楽しいんだよ!」
独自の理論でトレーニングした弱小モンスターとともにレンは、最強の魔王達に立ち向かう革命への道が始まる。
文化放送の「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の
「タイトルは面白そう」のコーナーで読まれたネタを
リメイクした作品です
ついに始まった第6回「小説家になろうラジオ大賞」
作品についての話は活動報告で書くので乞うご期待!!