脂質異常症
先日、とある作家さんのエッセイで人間ドックを受けた結果、脂質異常症という赤紙をもらい、それを脱するための涙ぐましい努力が書かれていた。
それを読んでこの作家さんはえらいな〜と感心した。かくいう私も過去の健康診断で例年、『脂質異常症です。三ヶ月以内に内科を受診し、結果をお知らせください』という赤紙をもらっていた。
私は無視した。
そもそも私は健康診断の結果に興味はない。じっくり見ない。健康診断だって渋々受けていた。(ご飯を抜く、という概念が私の世界には存在しない)
結果には悪いことしか書いてない。聴力検査の結果に『めちゃくちゃ耳聞こえてますね!』とか、レントゲンの結果に『素晴らしく美しい肺です!』とか、一言でも褒める言葉が記載されていれば見てみよっかな〜という気になるけれど、現実には『〇〇の値が高い』だの『脂質異常症』だの否定的なことしか書かれていない。
私はその結果の用紙に三秒目を通すと破り捨てていた。
仕事を退職したので三年近く健康診断を受けていないし、ビビりの私は人間ドックなんて無理だ。
しかし、くだんの作家さんのエッセイを読んで、ちょっと心がざらついた。
定期的に通院している病院で血液検査をした。二週間後に再び病院に赴いた時、先生から言われた。
「コレステロール値が高いですね。年齢的にも食生活とか見直す方がいいかもしれませんね。トクホの食品を摂るとか」
とやたら具体的にトクホ食品を勧められた。
でも。と私は考える。
好きな物食べさせて。
毎日頑張って生きているんだから。
「はぁ〜そうですねぇ」
と曖昧に返事をした。
それ以降もトクホの食品に目もくれず、好きなものばっかり食べている。脂質異常症を維持していることだろう。
あのエッセイを書かれた作家さん。尊敬します!
読んでいただき、ありがとうございました。