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もう子供じゃないんだから

「ん……お姉ちゃん、おはよ」

「おはよう、美葉」


 目が覚めたら、お姉ちゃんが私の寝顔を見ていた。……最初は普通に恥ずかしいし嫌だったけど、どうせお姉ちゃんより早く起きれないし、もう諦めた。


「美葉、朝ご飯用意してあるからね。一緒に食べましょ」

「うん」


 私はベッドから降りて、お姉ちゃんの部屋から出る。

 早く朝ご飯食べて、学校に行こう。


 私がリビングに行くと、お姉ちゃんが朝ご飯を持ってきてくれた。


「いただきます」


 お姉ちゃんが私の隣に自分のご飯を持って座った所で、私は手を合わせてそう言う。


「美味しい」

「良かったわ」





「ご馳走様」


 朝ご飯を食べ終えた私はお姉ちゃんにそう言ってから自分の部屋に行き、鞄の中を確認する。

 ……よし、忘れ物は無い。……と思う。

 鞄の中を確認した私は、制服に着替えてから、部屋を出る。


「お姉ちゃん、私はもう行こうと思うけど……」

「忘れ物は無い?」

「……私ももう子供じゃないんだから、大丈夫だよ」


 私だってもう中学三年生なんだから。……あと一年で私もお姉ちゃんと同じ、高校生だし。


「そう? そうよね。子供だったら私にあんなことしないものね」

「そ、それは! 子供だったから……知らなくて……」

「もう子供じゃないんじゃなかったの?」

「い、今の話だから! それは昔の話でしょ!」


 私はこれ以上話を掘り返させない為に、家を出る。

 すると、お姉ちゃんも荷物を持って一緒に家を出てきた。


「途中までは一緒に行くわよ」


 お姉ちゃんは家の鍵を閉めると、私に向かってそう言う。

 ……まぁ、それくらいなら普通の姉妹でもすると思うし、別にいい。

 ……いいと言うか、これも諦めた。だっていつも私がもう一人で登校くらいできるって言っても、お姉ちゃんは勝手に着いてくるし。


「早く行こ」


 私はそう言いつつ、お姉ちゃんが手を繋いでこようとするのを避ける。

 流石にそれは恥ずかしいから。


「お姉ちゃん、外ではやめてって言ってるでしょ」

「外じゃなかったらいいの?」

「……家の中で繋ぐ理由なんてないでしょ」


 家の前でこうやって話してても、時間の無駄だし、もうさっさと行こう。





 そうやって私たちは他愛のない話をしながら、いつもお姉ちゃんと別れる道に着いた。

 

「じゃあ、お姉ちゃん。私はこっちだから」

「気をつけて行くのよ」

「うん……お姉ちゃんもね」

 

 お姉ちゃんと別れた私は、お姉ちゃんと歩いてた時より早く歩いて学校に向かった。

 

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