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お姉ちゃんに諦めてもらいたい

 お姉ちゃんと適当な話をしながら、手を繋ぐのを断って歩いていると、あっという間にお姉ちゃんと別れるところに着いた。


「行ってくるね、お姉ちゃん」

「ええ、気をつけるのよ」

「……うん。お姉ちゃんもね」


 お姉ちゃんにそう言って、私は学校に向かった。





「おはよー」


 いつも通りそう言って教室に入った私は、何人かに挨拶されながら、自分の席に座った。

 そして自分の席に座った私は、夏希にも挨拶をした。


「ん……おはよう」


 すると夏希は相変わらず眠そうに返事をしてきた。

 ……最早これがデフォルトすぎて、夏希が眠そうに返事をしない方が心配になりそう。


「じゃあ美葉、今日も寝るから、起きれなかったら起こして」

「はいはい」


 私が適当に返事すると、夏希は特に気にした様子もなく、机にうつ伏せになった。

 



 どうせ授業が始まったら起きるんだろうなぁ、と思ってたけど、一応チャイムがなった時に夏希の方を向くと、やっぱり起きていた。


 そして、授業とホームルームが終わった。


「夏希、今日はどうする?」

「……今日は行く」


 やった。これで今日は暇にならないし、夏希には悪いけど、お姉ちゃんに、私が夏希とイチャイチャしてるように見せたら、今日こそ諦めてくれるかもしれないし。


「じゃあ一緒に帰ろ」

「ん」


 そう言って、鞄を持った私たちは、学校を出て私の家へ向かった。

 

「お邪魔します」


 家に着いたら私が自分の部屋に向かい、夏希がそう言って靴を並べてから、私に着いてくる。

 お姉ちゃんが帰ってくる時間帯になったら、夏希とイチャついてるように見せるために、リビングに行くつもりだ。


「何する?」


 私の部屋に夏希と二人で入った私は、夏希にそう聞いた。


「……んー、寝る」

「いや、流石に冗談でしょ」


 いくらいつも眠そうな夏希でも、いつも私の家に来た時とか、普通に遊ぶじゃん。

 ……あ、逆に一緒に寝るっていうのもありなのかも。……お姉ちゃんが帰ってくるまで、私と夏希が一緒のベッドで寝てたら、お姉ちゃんは私が夏希と変なことをしたと勘違いするかもしれない。


「いいよ。一緒に寝よ」

「え……普通に冗談のつもりだったんだけど」

「いや、夏希はどうせ眠いでしょ? だから一緒に寝よ」

「確かに、眠くないかと聞かれたら眠いけど、寝るくらいなら美葉の家に来てないよ。それに、寝るとしても、なんで一緒に寝るの」


 た、確かに。……普通、お泊まりとかでもないのに友達と寝たりしないよね。

 

「ひ、人肌とか体験したくない? 暖かくて、いつもより気持ちよく寝れるよ」


 いくら夏希でも、こんな事じゃ一緒に寝るなんて言ってくれないかな。


「何してるの? 早く寝よ」


 そう言って夏希は私をベッドに誘う。


「あ、うん」


 いや、まぁ私としてはいいんだけどさ。

 私は夏希とベッドに入り、夏希を抱きしめて、わざと少し服をはだけさせながら、目を閉じた。


 これでお姉ちゃんが諦めて、私以外の人と結ばれたらいいな。……夏希にはほんとに悪いけど、まぁ、人肌が気持ちいいってのは事実だから、許して。

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