■ヒズル戦はマシロとともに ◎キリ、マシロ、ヒズル
マシロはキリの膝に乗ってマグに乗機することになった。
「キリ、頼むよ」
「女の子を膝に乗せるだけで戦力アップはあり得るのかい?」
「君が記憶を同期するのに手助けになるはずだよ」
本当かねとキリは首を傾げてしまう。半信半疑というところだろう。
「揺れたよ」
「威嚇射撃だ」
上空から足元付近に砲撃が着弾したのを見てキリはそう判断した。
それはつまり敵機が間もなく着地するのに合わせて隙ができることから少しでも目くらましさせるための射撃である。
「すぐ格闘戦になるぞ」
「君なら大丈夫だよ」
着地地点を割だして、銃から剣に武器を切り替える。
『少しは記憶の同期が進んだようだな』
初老の男の声だった。
「通信か」
「ヒズル様の声だ」
どうして様づけにするとは聞きそびれる。先ほどの砲撃で砂煙が巻きあがって警戒度が上昇したせいだ。
「着地点はわかっているんだ」
頭の中でカウントが反響する。これは敵機が踏みこんでくるであろう予想の時間を逆算した数字。
砂煙から敵機の右脚が現れると同時に剣の切っ先が突きたてられる。それを盾で受け止める。
「自分がこうまで動ける!」
たまに誰かが戦っている姿がフラッシュバックする。おそらく記憶の同期が進んでいるせいだ。だとすれば、此は彼の記憶か?
盾で弾ききったあと、キリのほうが剣を横に薙いだ。
しかし、そこにはマグの姿はなく砂煙を斬っただけである。
『攻撃は当てなければな』
男の声とともに敵機が剣を振りおろしてくる。それをキリは盾で防いで、剣で反撃をするも敵機は間合いをとって後ろに退がる。
「姿が見えたよ」
砂煙が少しずつ晴れていくと敵機のシルエットが見えてくる。
そこに向かってキリのほうから接近していく。
「大丈夫かい?」
「わからないけど」
こうしたほうがいいと思ったとしか言いようがなかった。
剣と剣がかち合うとお互いはまた離れる。
『わかってきているな』
「ヒズルは何を狙っているんだ?」
戦闘というより、やっているのは教練のそれに近い。おそらく、これが続くのだ。
そうなるとキリはまずルディたちの救援に向かうのは難しくなる。
それはヒズルのほうも同じで、こちらに釘付けできるということであった。
「くるよ」
マシロの声がすぐ傍から聞こえる。戦闘はまだ続くのだ。
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