■キハラとホノエ ◎キハラ、ホノエ
スヴァンヒルトから後方デッキより白を基調とした機体と赤を基調とした機体が出撃する。
『こちら白雫虎。ホノエ、指示通りの配置につけ』
「こちら焔朱雀、了解」
ホノエがキハラに返答する。
「キハラ、暇そうだな」
『そちらも定位置についたら砲撃はオートだろうが』
「それについては否定しないがな」
『まったく人神機は試作品の兵器を装備しないといけない決まりでもあるのか?』
「渡り鳥のことか?」
渡り鳥とはホルティザードが装備している端末で、長尺の砲台が二門と両脇に三連装ガトリング砲が二門ついたものである。格闘戦が主体の人機戦において、このゴツゴツした装備は致命的だ。
なので、砲台については着脱が可能な仕様になっている。尚、渡り鳥は単体でも運用が可能である。
ちなみに長尺の砲門は雲雀。3連装ガトリング砲は大瑠璃という銘がつけられている。
「まあ、見ていろ」
定位置についたホルティザードは両肩の一〇メートルはあろうかという砲門から光弾を放つ。
砲撃がファランドールの下方を通りすぎるの確認したホノエはキハラに確認をとる。
『ファランドールが軌道を変更した。以降、砲撃は一定間隔で行え』
「了解。出力は一〇〇パーセントから六〇パーセントに落とす」
『許可するぜ』
指揮はキハラに任せるほうがしっくりくるとホノエは感じていた。
「了解」
『艦長より派手にやってくれとのことだ』
キハラはニヤリとしている。こういう荒事がお好みのようだ。もっともそれはホノエも同じだった。
「ふっ。面白い艦長だ」
それからホルティザードは砲撃を両肩の長尺砲門から交互に行う。
『接線領域:五〇にて人機戦だ。ホルティザードはジルファリアを抑えろ。ラゲンシアの相手は俺がする』
「マグもいるみたいだが、そっちはどうするんだ?」
『三角形で後方配置だろ。こっちまで出張ってこねえよ。どうせ砲撃でこっちの嫌がらせだろ。だったら渡り鳥と梅花で牽制する』
梅花というのはガナウィルクの別機とも呼べる虎型の機体である。対であるがために人型は桜花とも呼ばれて分別されている。
配置はこれで決まった。あとは接線領域:五〇まで待つばかりだ。
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