表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
此方より幻想へ。彼方より現実へ。~皇系戦記~  作者: あかつきp dash
第九話 平穏は終わり、そして……
124/205

■蘇芳色のアルガルタ ◎キリ、ヒズル

 あたりは雨が降り続いている。


『キリ、いますぐそこから逃げなさい』

 マグに乗っていたキリにレイアが通信を入れてくる。


「逃げろって言ったって……」

 どうしろというのかとキリは戸惑う。しかし、レイアは大真面目だ。

『キリ、ニィナは足止めを食らっている。悪いが、一人で切り抜けてもらうしかない』


 シンクが通信に割って入ってくる。

「どうしたらいいんです?」


『悪いが、気の利いたアドバイスはできない。ヒズルが本気ならお前は受けて立つしかない』

「これまでと何が違うんです?」


『ヒズルの乗るアルガルタは他の人神機とも違う。現状で対等に戦える人間はいないだろう』


「同じ人型のメカだったらそんなに差は出ないんじゃないんですか?」

『本来ならな。ところが、何体かの人神機は(れい)(いき)(きよつ)(かい)と呼ばれる特殊能力を持つ機体がある。アルガルタはその一機だ』


「霊域旭界とか初めて聞いたんですが」

『数少ない人神機でも備えている機体はほとんどいない。当然だよ』


 するとヒズルが通信に入ってくる。

『話はすんだか?』


 キリの目前に蘇芳色の鎧武者。まさにその表現がぴったりだと言えた。

「どうして俺を狙う? 強いヤツと戦いたいというわけでもないんだろう」


『そうだな。貴様の父との約束を果たすためとでも言っておこうか』

「俺の父親だって?」


『これ以上、交わす言葉は不要』

「問答無用ってことかよ」


 マグの盾をかかげる。それと同じくアルガルタがツルギを抜き放つと盾が横一文字に破壊される。


振断盾(ハオリ)を斬った?」

 キリは驚愕する。と同時に逃げられないことを確信する。


 キリはマグのツルギを構えると突きたてたままアルガルタへ突貫をする。

『そうだ。己の命をかけて飛びこんでこい!』


 アルガルタがツルギを一振りするとマグの両腕が切り落とされる。

『だが、私は容赦せん!』


 さらにアルガルタが一振りすると両足も寸断される。

「どういうんだ!?」


 キリのマグはこれで動きが封じられてしまった。

『この程度とは笑止』

 アルガルタがゆっくりと向かってくる。


『……死ね』

 アルガルタのツルギはキリのコックピットに狙いをすませる。


 するとアルガルタを狙って光弾が飛んできて、それをかわすためにアルガルタは後退する。

『きたか』


『キリくんはやらせません。あなたの相手は私がします』

 ティユイの声とともにラゲンシアの姿がそこにあった。


お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

感想、評価、お気に入り登録も今後の励みになりますので、ぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ