■お互いの距離感 ◎ルディ、アズミ、セイカ
ルディ、アズミ、セイカは野外にあるカフェのパラソルの下に揃って座っていた。
三人は私服であったが、ルディとセイカが何となく揃っている感じを与える。
そこでアズミが咳払いを一つしてルディに語りかける。
「ルディくん、セイカとの関係について私からとやかく言う資格はないが、すべてを快く思っているわけではないというのはわかってほしいな」
「セイカとの関係をあなたから許可をもらう必要があるのか?」
「必ずしもそうではない。だが、いまフユクラードとハルキアは微妙な関係だ。ましてや君はセイオームのそれもソウジ・ガレイ閣下とは対立する立場にいる」
「兄上、お言葉ですが、我々もいまルディたちの側に与しています」
セイカがまあまあと仲裁する形で会話に入る。
「それは一時的なものだ。ここには護衛対象がいる。国を超えて一同で護衛するという方針が各国から出された。我々はそれに選ばれたということだ」
「いいことではありませんか。むやみに対立する必要はありません。協調できることはすべきです」
「だからといって、セイカがルディくんの家から一緒に出てくるのはどうなんだ? しかもペアルックでな」
「これは……、ですね」
セイカはアズミから視線を外して顔を紅潮させていく。
「セイカを困らせないでくれ。俺はあなたが思っている以上に本気だぞ」
「スズカに何と説明をするつもりだ?」
「それをあんたが言うのか?」
ルディが表情が豹変する。いまにもアズミに掴みかかりそうな勢いだった。
「二人とも公衆の場でやめてください」
セイカがルディを抑える。
「すまなかった。私には言うべき資格はなかったな」
アズミは素直に謝罪をする。
「俺も悪かった。あなたがスズカを守ってくれていたのは知っていた」
「結局は飛ばされてしまったがね。私は結局、何もかも中途半端なままだ」
アズミは自嘲しながら一瞬だけ俯き、それからすぐに顔をあげてルディをまっすぐな視線を送る。
「だが、スズカは君から心が離れたわけではない。いまも君のことを思っているよ。そうだな……次の五カ国会議で確かめてみるといい」
それはすべてを語ったわけではないという――、いや、自身には語る資格はないということなのかもしれないとしてアズミは語らなかったのかもしれない。
「お二人ともいまはティユイ皇女の護衛の任務は継続中です。お忘れないように」
セイカに注意されて、苦笑いを浮かべるアズミと困ったような表情を浮かべるルディは互いに顔を見合わせるのであった。
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