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デート

 俺らは学園から音速モノレールに乗り街へ。


 駅を降りると俺らは街をブラついた。叶恵は通りやショッピングモール、映画館の場所などを教えてくれた。


 叶恵は気付いていないようだが、すれ違う男は全員叶恵を振り返っている。

 やっぱり叶恵は、世間的にも見ても可愛いようだ。

 俺の目に狂いは無い。


「あ、これ可愛い」


 途中のゲームセンターでは、叶恵がUFOキャッチャーのぬいぐるみに反応。

黄色くて丸い、ひよこのぬいぐるみだった。


「じゃあちょっと運だめしでもするか」

「運だめし?」

「ああ、もし取れたらレッドフォレストに一歩前進」

「え、やだ怖い。ていうかあれ穴からすごく離れているし無理よ」

「まぁ見てなって」


 五〇〇円で六回出来るタイプなので、俺はLLGを操作して電子マネーから五〇〇円支払う。


 戦場で鍛えた空間認識能力を駆使し、俺は五回目のトライで丸くひっかかりの少ないひよこを穴のすぐ近くまで持ってくる。


 その後ラスト一回も失敗し、でも落ちたひよこは穴の近くでグラついた。


「お願い、落ちて」


 叶恵が両手を合わせる間に俺は反対側へ回り込んだ。


「噴っ」


 そしてガラスに掌底を見舞う。運動エネルギーはガラスと空気を浸透、ひよこで爆発した。


 ぽてり、とひよこが穴に落ちて、叶恵の顔がほころんだ。


「ヤタ。ぴよちゃんゲット♪ ここのゲーム叩いても揺れないのに凄いじゃない朝更」

「揺らしてないぞ、今のは遠当てだ」

「遠当て?」


 聞き返されて、俺は説明する。


「運動エネルギーの爆発点をコントロールする技だよ。ほら、重ねた瓦を殴って三枚目や五枚目だけを割るってやつ。普通は固体でないと駄目なんだけど、頑張れば空気でもできるぞ」


「あんたはどこの何者よ!」

「はっはっはっ、日本軍人たるものこれぐらいできないと」


「あんたは全日本兵に謝りなさい! まったくもお、相変わらず規格外なんだから。あ、ごめんあたしちょっとお手洗い行ってくるから、ぴよちゃんお願いね」


 叶恵は俺にひよこを渡すと、その場を後にした。

 俺は手持無沙汰で、なんとなくひよこを手でいじってしまう。


『楽しそうですねマスター』


 俺の脳内に、オオクニヌシの声が響く。


 オオクニヌシは量子化されているが、AIの一部は量子化される直前、俺の耳の裏に装着しているLLGに移るので会話ぐらいはできる。


 次にオオクニヌシを再構築すると、LLGからAIデータは全て転送される。


「まぁな、そりゃ殺し合いより遊んでいる方が楽しいでしょ」

『それは私との戦場デートが楽しくないという意味ですか?』

「そういう意地悪な質問は男に嫌われるぞ。俺は嫌わないけど」


『敬愛していますよ、マスター。マスターの幸せをお祈り致します。具体的には戦場の英雄になって、戦後はビッグスターとして悠々自適に暮らしてハーレムを作って毎日毎日極上の美女をとっかえひっかえしながら札束で貧乏人の顔をひっぱたき』


「どんな幸せだよ」


『冗談です。マスターは広い大きな家と、美しい妻と可愛い子供と賢い犬と若い愛人と現地妻のいる幸せな家庭を』

「その家庭は崩壊のカウントダウンが始まってるぞ」


『マスターとの会話は楽しいです』

「俺もだよ、っと、叶恵が帰って来た」


『では私はヤンデレストーカーのように静かにしておりますので、また』

「おまたせ朝更、お昼食べに行きましょ」


「OK」

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