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美少女からパンツ丸出しで土下座されたらどうすればいい?

「あたしを弟子にして下さい!」


 ある日曜日の昼過ぎ、軍病院から出て庭園を散歩していた俺の目の前には土下座少女。


 わけがわからないよ。


 勢いよく土下座したせいで少女のポニーテールは頭頂部に垂れて、スカートはめくれてピンク色のショーツが丸出しだ。


 俺の隣では愛犬の柴犬(♀)が、満開の桜に興奮して今日も無意味に尻尾を振っている。まぁ俺の犬じゃないけどさ。


 俺のすぐ横で噴水から勢いよく水が打ち上がり、涼やかなBGMをお届けしてくれる。


 でも俺の視線は少女のショーツに釘付けだ。


 うわぁ、やわらかそうなまるいお尻だなぁ。

 うわぁ、絶対この子気付いてないよ。

 うわぁ、マジでエロい。


 だんだん俺の中で罪悪感が芽生える。


 今時土下座なんてするほど真剣に頼み込む女の子のパンツを盗み見るのってどうなんだろう?


 いや別に盗み見てないよ。だって向こうが見せてるんだもん。


 何の弟子か知らないけど断りにくいな、パンツ見といて断るのはちょっと。


 心の中で悪魔と堕天使が写メっとけ言う中、一〇〇メートル先に人の気配を感じて俺はハッとする。


 このままではこの子のパンツを他の人にも見られてしまう!


「と、取り合えず顔を上げてくれないか。君、誰?」


 また少女は勢いよく顔を上げて、可愛らしい顔の眉をキリッと上げる。


「は、はい! えっと、あたしは藤林叶恵よ……あ、です!」



 俺は肩を落として渋面を作る。


「……君、敬語慣れてないなら普通に喋っていいよ、ていうか何歳?」

「え、ああうん。あたしは誕生日が来たら一六歳よ。今高一なの」

「俺も一六だ、タメ口でいいだろ?」

「わ、わかったわ、うん」


 藤林は立ち上がり、気持ちを整えるようにしてややリラックスした表情になる。


 あらためて見ると、かなり可愛い子だった。


 綺麗な輪郭を描いた顔は、メイクではない整った眉の下、ぱっちりとした大きな目を中心に、小さく愛らしい唇や健康的なミルク色の頬、艶やかな前髪に飾られている。


 絶世の美少女とは言わないが、男子なら一生に一度は付き合ってみたいと思うような少女だ。


 スタイルも良く、青いミニスカートから伸びるスラリとした足が俺の心臓の鼓動を早める。半袖の白いブラウスを押し上げる女性的な膨らみが俺の男心をくすぐり、相反するようにキュッとくびれた腰回りは思わず抱きしめたくなってしまう。


 俺は咳払いをしてから尋ねる。


「それで? 弟子っていうのはどういう事だ? 人違いとか」

「あんたさ、あのリヴァイアサン桐生(きりゅう)(あさ)()でしょ?」


 俺の奥歯に、力が入る。

 藤林の口元が、にんまりと笑った。


「やっぱりね。二十三世紀最大の大戦、月戦争で敵軍一騎駆けや軍勢殺しをしまくった軍神で生きた伝説の少年兵。敵軍の海をもろともせず突っ切り宇宙の海を飛翔する姿から敵につけられたコードネームがリヴァイアサン。前の作戦で大ケガして療養のために地球に戻ってきたんでしょ?」


「……全部お見通しか」

「ニュースの後、都内の軍病院片っ端から回ったんだから」


 えへん、と藤林は誇らしげに胸を張る。


 そうすると、ブラウス越しにも解る形の良い胸を覆うブラが、透けてうっすらとだが見えてしまった。


 本人は気付いていないようだが、ピンク色だったから間違いないだろう。下とおそろいだ。


 ずっと女子のいない軍生活だったので、妄想力が発動しそうになった。


 俺は慌てて視線を上げる。


「っっ、そ、そうなのか、ご苦労さん。まぁそんな訳だから、さっさとリハビリして早く月に戻らないと。詳しくは言えないけど今、月のとある大資源地帯を制圧できそうなんだ」

「そうなんだ……ねぇ、ニュースだと月面の八パーセントが日本領らしいけど、本当?」

「本当だよ。それも資源地帯ばっかな。でもまだ特等地の二割は戦場だ。それよりもお前の話。弟子ってなんのだよ」

「そうだった」


 と、藤林は姿勢を正して、真剣な眼差しで俺の顔を見つめる。


「実はあたし、国防学園付属専門高校の生徒なの。それで桐生に軍事甲冑の操縦を教えて欲しくって」

「軍事甲冑の? それに付属って、お前甲冑戦の選手か?」

「ええ、あたしはどうしても日本最強を決める、秋のレッドフォレストに出場したいの!」


 まだ一五歳の少女ながら、その瞳からは確かな迫力を感じる。


「レッドフォレストか。まぁ戦争始まってから甲冑試合の人気は天井知らずだし、このご時世、女の子なら誰でも一度は憧れるだろうけど……」


 コーチなら他にもっと適任がいそうだが、下着を見たうしろめたさで頭が重たくなってくる。駄目だ、首を縦に振っちゃいそう。


「うん、いいよ」

「本当!?」

「ああ、そのかわり俺の療養中だけだぞ。リハビリが終わったら月に戻らないとだし」

「やたっ♪」


 両手でちっちゃくガッツポーズをする藤林。

 女の子のガッツポーズってなんでこんなに可愛いんだろう?

 同じガッツポーズでも軍の筋肉男爵達とは大違いだ。


「それでレッドフォレストまでの流れは?」

「え?」


 藤林がきょとん、と俺を見返した。


「俺はずっと戦場にいたからな、勘違いがあっても困るし、大会のシステムは確認しておきたい。お前がレッドフォレストに参加するには具体的にどうすればいいんだ?」

「うん、まずクラス代表選抜に勝って、それから各クラスの代表者が参加する学園トーナメントで優勝。学園の代表になってから東京大会で優勝。あとは関東大会に優勝すれば、レッドフォレストで西日本の代表と戦えるわ」


 俺はあごに指を当て、作戦遂行までのフローチャートを作る。


「クラス代表選抜。学園トーナメント。東京大会。関東大会。そしてレッドフォレストか……それで藤林、お前のレベルってクラスの中だと今どんなんだ?」

「あたし? 弱くはないわよ」

「つまり強くはないんだな?」

「うっ…………」


 藤林は気まずそうに視線を逸らした。

 やれやれ、下着を見た罪悪感からとはいえ安受けしてしまったが、クライアントが全国行きをお望みならそれに見合った特訓しないとな。


「まぁいい。俺の手にかかればどんな奴でも東京最強は保証してやるさ」

「さっすが最強の少年兵、期待してるわよ♪」

「任せとけって、それでクラス代表戦はいつだ?」

「四日後よ」

「無理」

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