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第3話 不殺縛りのレベリング

 本編中に新しい仲間や、キャラクターが成長した際に、後書きにて現在のステータスを記載致します。


 また、今回の神器(笑)は特例で記載していますが、今後新たな装備やスキル獲得の際も後書きにて記します。

 転移魔法の光に包まれ、視界は真っ白に染まっていた。

やがて一面が白かった景色が薄れ、転送先の景色が視界に映し出されてゆく。

 俺が異世界において初めて見た外の光景は、物語でよくある始まりの草原…ではなく廃れた城の入り口だった。


 ……超!帰りてぇぇ!

 いやいやいくら何でもおかしすぎるだろ!?初期フィールドが敵幹部の拠点とか、俺TUEEEのチート持ちの奴ですら挑まねぇだろ。てか転送してからあのクソ神は何も言ってこないし。

 あれか、人に仕事を押し付けて、あとは自分は知らんふりですか。ハッハッハ…ブッ〇すぞ☆


 さて今にも回れ右して逃げ帰りたいところだが、城のテラスからずっとこちらを睨みつけている鎧騎士と目があってしまい、非常にまずい空間に囚われてしまったので動けずにいた。

 装備の装飾などを見るに中堅以上、もしかすると目標の幹部かもしれない。


 どうやって弁明するかな~と考えていると、ずっと睨んでいただけの鎧騎士が声を発していた。

 俺個人としてはここで「弱き者が我が前に現れるな。疾く失せよ。」的なことを言ってくれると非常にありがt…


 「選べ、挑んで死ぬか。背を向けて死ぬか。」


 \(^o^)/オワタ。どっちにしても生かして帰す気ないじゃないですかヤダー…。しかも殺意満々で会話を持ちかけることも不可能そうだ。

 本当にどうしてこうなった。前世でここまで酷い仕打ちを受けるようなことはしてないぞ。てかマジに逃げ道が無い、どうする?どう動く?どうすれば生き残れる?

 頭の中を必死になって動かす中、鎧騎士は剣をこちらに向けて再度口を開く。


 「…立ちすくんだままの死を選ぶか。」


 やばい時間がない殺される。今死なないためにはこれしかない。ええい、どうにでもなれ!


 「これなる城を構えし城主、並びに城を守りし堅牢なる騎士たちよ。遠目にても風格が感じられるその出で立ちから、さぞ名の通った武人であるとお見受けする!

 私は貴殿らに対話を望む者ッ!なれど貴殿らが決闘を望むのならば、私は貴殿らの…いや()()()()決闘に応じよう!」


 口上を言い終えると共に俺は片方のグローブを鎧騎士に向かって投げつけた。

 昔に演劇部の手伝いの際に覚えたセリフだが、騎士の決闘のセリフってたしかこんな感じだった気がする。でもよく考えると割と過激な挑発な気が…あ、ヤべェやり過ぎたかなコレ。


 ちょっとやり過ぎた挑発をしたことに後悔していると、先ほど投げたグローブが返ってきた。

 さて、挑発を受けた鎧騎士の様子だが…。


 「フ……フハハハハ!貴様がよほどの自信がある愚者か、それとも虚勢を張った道化師か!どちらにせよその命を張った口上、気に入ったッ!

 良かろう、我が城へ足を踏み入れることを許すッ!我が兵を打倒し、最奥の我の元までたどり着いて見せよ。その暁には、我自らが首を刎ねてくれよう。

 さぁ、かかってくるがいい。命を張りし、名も知れぬ騎士よッ!!」


 最奥となると、あの鎧騎士が魔王軍幹部で間違いなさそうだ。挑発に対して鎧騎士はとても気分が良さそうだ。

 良かった、こっちとしては挑発に命かけざるを得なかったからな。これで下手打って死ぬ覚悟さえしたくらいだ。何も得れずに、初っ端から無駄死にという事態は避けられた。


 城の扉が開き、外から確認できる範囲では、鎧を纏った獣人(コボルト)が様々な武器を用いてこちらが入ってくるのをじっと待っている。

 壁には無数の血痕があり、まるで城に入った者の末路を表している様だった。


 さて、もう戦うしか道がないのだが、その前に自分のステータスと女神が与えた神器(笑)を確認しよう。モンスター相手に、不殺プレイをしなきゃいけないんだ。ちゃんと役に立つものであることを願おう。

 戦闘の意思があると判断してくれたのか、準備中に何も言わずにただじっと待ってくれているのはありがたいことだ。


 そして、女神が自分に与えた武器は自分にとってはありがたい武器であり、俺は胸を撫で下ろした。



 ・不壊の木剣<ディラン・デル>

 ――折れず、曲がらず、壊れずと謳われる伝説の名剣デュランダル。その逸話を元にとある妖精が自然と魔法のみで作り上げた直剣。

 似た名前に恥じない強度を持ち、魔法付与(エンチャント)の伝達率が非常に高いため、魔法が多少不得手でもこの武器には問題なく付与することが出来る。また術者の魔力によって威力は更に上昇する。

 刃が無いため、殺傷力は皆無に等しい。代わりに相手の魔力を奪うことに長けており、この武器を用いて魔力枯渇(マインドゼロ)の状態にすると、敵を倒した時と同じ経験値を得られる。



 神器(笑)という割には結構なチート神器だった。まぁ転生前にちょっとみた程度だが、一振りで山や海を割る威力があったり、自分の好きなように空間を操ったり、挙句には時間や異次元にまで干渉できる能力と比べれば、本当に神器(笑)となるのも仕方ないか。


 武器を数回素振りし、腕に馴染ませる。準備が整ったことを伝えるように俺は獣人(コボルト)達を睨みつけた。

 獣人(コボルト)達も待っていたと言わんばかりに、各々の武器をこちらに構えた。


 「剣だけじゃなく、槍や斧、ナックルにナイフ、盾持ちまでと勢ぞろいだな。」


 素手の敵すら戦ったことがないのに、多種多様の武器種の使い手が並んでいる。戦法を把握することとしてはこれ以上にない練習相手になるだろうが、初戦としては鬼すぎる。

 さらに付け加えると、俺のレベルがまだ[5]しかないのに対して、チュートリアルの情報では近辺の平均レベルが[23]であるため、それ以上のレベルであると考えられる敵から一発でも攻撃を貰えば致命傷になりかねない。

 最終的には幹部の鎧騎士と戦うことになるので、なるべく敵を倒してレベリングも行わなければならない。

 そしてなにより逃げられない。


 もうやだ、頭の中で死亡BGM流れてきた。とりあえず死んだらあの女神(バカ)に顔面ストレート叩き込んでやる。ごめんな父さん、女子供は殴っちゃいけないっていってたけどあれは殴らないと気が済まねぇわ。


 後のことを延々と考えても、敵はもう待ってはくれない。モンスターらしく煩わしい鳴き声を上げながら剣を持った獣人(コボルト)が突進してくる。

 振り下ろされる剣はとても単調で俺でもなんとか避けれる程度だ。もううだうだ考えてる時間はない。

成るように成れってんだコンチクショー!


 ――敵が攻撃するよりも先に木剣を一閃する。俺はもう死んだと思ったが、なんと倒れていたのは獣人(コボルト)の方だった。

 息はしているがピクリとも動かない獣人(コボルト)を見て今一度困惑する。


 「嘘、マジで……?」


 倒したことが信じられなかった。これは幻なんじゃないかとも思った。あまりにも信じられなくて簡易的に表示したステータスを確認した。

 先ほどまで[5]だったレベルが[8]に上がっていることを確認して、ようやく俺自身が倒したことに気付く。


 ステータスを閉じ、他の仲間を見ると驚いた表情をしており、中には後ずさりする者までいた始末だ。

 怖気ずに今度は斧持ちが突っ込んでくるが、剣よりも単調だった攻撃を簡単に見切り、先ほどと同じように斬りつける。次もまた一撃いれるだけで、倒れこんでしまった。


 なるほどな、コイツ等は体力や攻撃力はあったとしても、持っている魔力は少なくて、さらに武器を器用に扱うまでの技術や知能は無いってことか。

 ……がむしゃらに動いてみただけだが、なんとなく勝機が見えてきた。よし、もうちょっと頑張ってみるか!


 

 ――向かってくる敵を躱して、斬る。躱して、斬る。敵を倒すたびに自分の動きがより早く、より重くなり、感覚の一つ一つが研ぎ澄まされる様にも感じていた。

 それでもまだ敵の方がレベルが上であることに変わらない。敵対するのは1対1、各個撃破して安全に立ち回る。自分も強くなってるからとかいって調子に乗る気はない。

 慢心、ダメ、ゼッタイ。


 本当に面白みも何もないままに獣人(コボルト)を撃破していく。部屋にあふれていたモンスターは、今や気絶した状態で山のように積み上げられている。


 「お前で、終わりだ!」


 一階にいた獣人(コボルト)を全て倒し、周囲の安全を確認した上でステータスを表示する。

 ここに来たばかりの時はワンパンで死にそうなレベルの俺でしたが……なんということでしょう。今やレベルは[25]。あんなに怯えていた獣人(コボルト)より高くなってしまいました。

 いや敵を倒すのに慣れてはきたけど、この数を一人で行けたって事実を飲み込めねぇわ。

 俺自身の功績を信じ切れずにポカンとしていたら部屋の中に声が響いてきた。


 『戦法はどうであれ、よもやあの数の兵を相手に単騎にて突破するとはな。我に決闘を申し出るだけの実力はあるか…。

 だが次の階ではこのようにはいかぬ。量で駄目ならば質で勝負と言う奴よ。先ほどの戦法など全く通じぬと思えよ?』


 あぁ、何かすごい楽しんでるな魔王軍幹部。そしてまだあるのか。もうここまで頑張ったんだし良くない?素直に会ってくれるか、もしくは町に帰してくれよ。疲れるんだよマジでさぁ……。

 そんなことを言っても、そして考えても無駄ということは分かっている。けど嘆かずにはいられねぇわ。


 重い足取りで何とか2階へ続く階段を上る。――そういえば。

 あれだけ大量のモンスターを倒して、レベルもここまで上がったんなら、スキルポイントだって溜まってるはずだ。 

 次の戦いをちょっとでも生存率あげる為にここで振り分けて行くか。

 俺は改めてステータスを開き、今度はスキル欄に目を通した。使ってなかったから分からなかったが、ちょっとだけ馬鹿を見た。


 「魔法ってスキルで習得しないと攻撃に使えないのかよ…。」


 俺は限られたスキルポイントを、初期魔法と付与魔法につぎ込み、パッシブスキルには防御系に振り分けた。

 武器スキルなどもあったが他を優先して振り分けたために直剣の技1つしか習得できなかった。

 現状は直剣しか使わないからいいとはいえ、メインウェポンで使える技が1つしかないのは味気が無い。

 しかし、安全性を考慮すると、どうしても技よりも能力上昇を優先しちゃうんだよな…。


 スキルも振り終え、ようやく次の階へ上る。階段を上るにつれて内装は少しずつ綺麗になっている。


 「ふ~ん、ちゃんと城らしくなってきたじゃないか。」 

 ロキ・レイン Lv5→Lv25

 暗黒騎士 熟練度0→熟練度40

 

 筋力・C 50→110

 精神・C 42→102

 耐久・C 48→108

 俊敏・C 53→113

 器用・C 64→124


 ステータスは筋力、精神、耐久、俊敏、器用と分けており、ステの横にある英字は[レベルが上がるごとのステの伸び率]を表しています。


A→5 B→4 C→3 D→2 E→1


 となり、1レベルごとに均等に上がります。(計算楽なので)

 主人公は1話で明かされたようにオールCですので1番計算が簡単なキャラだと思います。


 ちなみに鎧騎士に戦線布告した際の補足を少々。


 敵に対して手袋を、(作中ではグローブでしたが)投げつけることは「お前など片手で充分。」という挑発の意味があり、手袋を受け取った相手が持ち主に投げ返すことによって決闘の合図が成立するようです。


 また、途中で貴殿呼びから貴公呼びに変えましたのは[貴殿は対等以上][貴公は対等以下]という意味合いになります。

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