妹と風呂。
その後、俺は半ば強引に妹に連れられて風呂に押し込まれた。
「なぁ」
「なぁに姉貴」
「お前、なんで一緒に入ってんの?」
「え?だって好きな人と一緒にお風呂入るの当たり前じゃない?」
乱れてるだろそれは!
お兄ちゃん、そんな教育した記憶ねぇぞ!?
…てゆーか好きな人ってなんやねん!俺はお前の兄貴だぞ!?
「あのさぁ…俺、今絶賛混乱中なんだよ…悩みを増やさないでくれるか?」
「もう悩む意味なくない?だって今現在、性別完全に変わってるし、元に戻るには例の"おっさん"の力を使わないと何ともならないんでしょ?」
確かにそうだけど、おかしくね?
願ってもいないのに女にされて喜べるか!?
あり得ないだろ!
「畜生…あのジジイ、マジではっ倒してやるからな」
「ウチは兄貴が姉貴になろうが関係ないけどね~、好きなのは変わんないし」
「光希…」
「え!?なに?惚れた?」
「…お前、この1年何があったんだよ…、お兄ちゃんお前の愛が重すぎて受け入れられねえよ…」
「は?」
もう気持ち悪いよそこまでいってると…マジで何があったんだよ。
ドン引きだわさすがに。
「かけがえのない物って無くして初めて気づいたんだよね…あたしの兄貴への恋心とか」
「いや…マジで気持ちわりいからやめろ」
なんだこいつ…頭打ったか?クスリでもやったか?
本当にヤバすぎるだろ…ないわー…マジでない。
「満更でもないくせに!」
むにゅっ むにゅっ
バカ妹は不意をついて俺の胸を揉みしだく。
見事なまでの自然な手つきで2,3回揉みしだいた。
「うひゃあ!?」
不意を突かれたあまり、俺はとんでもなく色っぽい声を上げちまった。
端から聞くと成人コンテンツのそれである。
「おまっ…ふざけんな!」
反射的にバカ妹の頭に握り拳を振り下ろした。
いったっーい!と叫ぶバカ妹。
ざまあみろ。やられて当然の行いだわ。
「痛かったけど…本当に女の子ってカンジ?」
「女の子ってカンジ?じゃねえよ…ふざけやがって…許可を取れよ許可を」
いや…求められても許可しねえけどな。
とりあえず、バカ妹には気を付けないといけない。という事はよーーっく分かった。
「うーん…」
こいつ…俺の胸に飽きたらず、自分の胸も揉んでやがる。
もはや重症だな。早くなんとかしないと。
「いや…ウチと姉貴のカップサイズ…変わんなくない?」
「は?」
「これなら、ウチの下着貸してあげられるよ!」
…いやいらんわ! どうせ1日だけだ!
下着などつける必要すらねえよ。
「謹んでご遠慮しとく」
「なんで!?」
何でって分かるだろ普通…。
野郎が妹の下着を着けるなんて気持ち悪すぎて嘔吐を促すレベルだぞ!?何考えてんだ?
「お母さんに言いつけたら絶対怒られるもんねー」
「お母さん?はんっ!お母さんなんか怖くねえよ!俺は絶対に女物の下着は付けねぇからな!」
頑なに拒んでやる!
健全な男子としてな!
「まぁいいやー、その件は後にして~髪の毛の洗い方とか教えるからちゃんと聞いてよ?」
そして、地獄の様な女の子レッスンが始まった。
「ちょっと~!シャンプーが雑すぎ!」
「あ~!まだコンディショナー使っちゃダメぇ!」
「ボディーソープは泡が出るまで身体に塗っちゃダメ!」
「洗顔はちゃんとスポンジ使って洗うの!」
そうか…これが女子…。
途方もなく地獄だ。
そして、物すごくめんどくせー…。
早く元に戻りたい…。