どないすんねんこれ…
いや…マジで何なんだよこのおっさん…。意味わかんねぇ…
「ふむ…お主の名前は成島渚というのだな?」
「あ?ちげっ…そうだけど何でお前知ってんの?いや…マジでお前何なん…」
「ワシは神だ」
もう信じるわ。お前マジgod 神様リスペクト。
あんな急に女にできるんなら信じるわ。
「そしてお主はまだ16歳の小娘じゃな?」
「いやちげえよ!俺は大学2年の21歳なんだけど…」
…お前まさか!俺の歩んできた歴史を改変しようとしてんじゃねえか!?
「仙都亜希大学とは恐れ入った、お主なかなか頭が良いではないか!見た目は馬鹿そうだったのにのぉ」
「おい!今すぐ殴られるか、謝るか選べ」
「おお、すまんすまん」
それはそうと、マジでどうすんだよこれ。
元に戻して頂けないとマジで困るんだけど
「いや、それは無理じゃな」
「なんで」
「だってワシ、女になったお主の言動にゾクゾクしておるもん」
気持ち悪っ!ドMかよ!
鳥肌立っちまったわ!
「お前の趣味嗜好に付き合ってられるか、早く元に戻せ!さもないとお前の顔に膝蹴り食らわすぞ」
「ご褒美じゃな!?よし!こい!」
いやもう行かねえよ! なんでお前にご褒美やらにゃいかんのだっ!
何なんだよこいつ…
「冗談はさておき、ワシの力は4年に一度しか使えないのじゃ、諦めるんじゃな」
「オリンピックかよ…」
素直にハイそうですか。と大人しく引き下がる訳にはいかないんで
俺はおっさんに間接技を決めて尋問する。
「戻せ!」
「イデデデデ!ムリムリムリムリ!だから4年に1回しか叶わんのじゃあぁ!ムリムリムリムリ!」
「嘘つくなテメエ!骨折るぞ!」
「嘘じゃありませんからぁあ!神に誓っても嘘じゃない!」
ちっ!こいつマジで言ってんだな…
すぐに解放して、考える。
このまま寮に帰宅するとどうなる?
同期生に襲われる…
あいつの家はどうだ?
…あいつに襲われる。
ちっ!実家しかねぇじゃねえか!
「どうした?もうご褒美は終わりかのう?」
「おい、お前…明日も同じ時間にここに来い、来なかったら血祭りにしてやるからな?」
俺はとりあえず、その場を後にして実家を目指すことにした。
手持ちは1万5000円。 無理だな
タクシー使ったら手持ちの金越えるし、到着したら駅まで迎えに…って女になってんの忘れてた。
迎えに来てくれる可能性はゼロだろ!
イタズラかと思われるし…
「こんばんは~…あの~…ちょっといいかな?」
「なんすか?今考え事してるんすけど?」
後ろ振り向くと、青い制服のお兄さん2人。
警察官だ。
「えぇ…」
「君、今何やってたの?」
「え…いや、その~…帰ろうとしてたら雨が酷くなっちゃってこんな時間に」
適当にしてはいい返答じゃないか?
これなら、自然な感じで怪しまれないだろ。
「ゲリラ豪雨だったもんね、家はどの辺りなのかな?」
「ええっと…横見町です」
「えぇ?横見町!?ここから電車でも2時間は掛かるじゃない!?もう終電過ぎてるよ!?」
俺は思わず、腕時計を確認する。
0時12分。
俺は硬直した 電車ないやん…。
警察官は俺の反応を見て、同情したのか二人で何か話し合っていた。
「家まで送ってあげるよ、見た限り学生さんみたいだし、タクシー呼べるお金無さそうだしね」
失礼だな! まぁ…事実、手持ちわびしいから送って頂けると助かるし…
「そこにパトカー止めてあるから一緒についてきて」
「ありがとうございます」