表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ3期決定】転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~  作者: 未来人A


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

199/306

第199話 結婚式後

 誓いのキスの後は、リーツやロセルたちが祝辞を述べた。


 またクランはこの場には来ていないが、祝いの書状を送ってきた。

 結構マメなところがある人だ。


 その後は、一気に宴会ムードになった。


 皆で食事と酒を楽しむ。


 出し物なども催されており、割とお祭りみたいな騒ぎになっている。


 貴族たちのパーティーといったら、もっと上品な感じをイメージするけど、上品さはほとんどなかった。


 だが、私としてはこういう雰囲気の方が、馴染めるし楽しかった。


「アルス様、このお肉美味しいですわよ」


 リシアも私と同じく楽しんでいるようだった。


「あ、良かったらわたくしが食べさせて差し上げますわ。はい、あーん」


 リシアはフォークに肉を突き刺して、私の口に近づけた。


 あーん、は私が彼女にやってもらいたいと思っていた行動ベスト3に入るのだが、ここは周りに大勢の人がいる。


 すごく照れくさい。


 しかし、せっかくやってくれたのだから、拒否はしたくない。


 周りをキョロキョロ見て隙を突くかのように、肉を食べた。


「どうですか?」

「お、美味しいです」


 味は確かに美味しかった。だが、それ以上に、憧れのあーんをしてもらえたという喜びが大きかった。


「中々お熱いじゃん」


 と気づけば私の隣にシャーロットの姿が。


「み、見ていたのか?」

「ばっちりと」


 シャーロットはニヤニヤしている。

 これはからかう気満々な表情だぞ。


「じゃ、邪魔をしちゃ駄目ですよ」


 常識人のムーシャがそう言って止めようとするが、シャーロットは聞き入れる気がないようだ。


「よし、わたしもアルス様にこれを食べさせてあげる」


 ケーキをフォークに刺して、私の口元に近づけてきた。


「ま、待て……」


 私は狼狽える。


「シャーロット様? 何をなさっているのですか?」


 リシアが恐ろしい声色で言う。

 後ろを確認してみると、口元は笑っているが、目は笑っていなかった。


「あ、あはは、冗談だよ」


 シャーロットは、笑って誤魔化しながら、ケーキを自分で食べた。


 リシアの迫力に、さすがのシャーロットもたじろいだようだ。


「アルス様も、もっとはっきりと断れば良かったのに、何で狼狽えたのですか?」


 う……

 私に追及が来た。

 少し怖い。


「いや、当然断ろうとしたぞ。しかし、いかんせん突然のことだったからな。戸惑ってしまったわけだ」

「そうだったのですか。食べる気はこれっぽっちもなかったわけですね」

「ああ、当然だ」

「それなら良かったです」


 リシアは笑顔だけど、妙な迫力を感じる。


 何だか、私はこれからリシアの尻に敷かれそうな気がした。


 食事を終えた後、私の誕生日だということもあって、プレゼントを貰ったりした。


 昨年も誕生日には色々もらったが、今年は結婚もするということで、さらに価値の高いものを貰った。


 結婚式と誕生日会が長ーく続いて、夜になってようやくお開きになった。


 私はかなり疲れたので、その日はすぐに寝た。



 翌日。


 ルメイルや、リシアの父のハマンドなどが帰るので見送りをすることに。


「これからも娘を頼んだ……いや、頼みましたカナレ郡長アルス・ローベント様」


 今ではハマンドは立場上私の下なので、敬語になるのだが、義父となる人が敬語というのは、何ともむず痒い気がする。


「リシア様を必ず幸せにします」


 ハマンドに改めてそう誓った。


「ルメイル様、この度はお越しいただき、誠にありがとうございました」

「構わんよ。お主とわしの仲ではないか。しかし、カナレは大規模な侵攻をかけられた割には、疲弊していないようじゃな」


 ルメイルは意外そうな表情でそう言った。


「これからは、お主がカナレを大幅に発展させてくれると、信じておる。頑張るのだぞ」

「はい!」


 ルメイルの激励に、私は力強く返答した。


 ルメイルとハマンドは自らの治める領地に戻って行った。



 ○



 その日の夜。


 結婚式当日は騒ぎ過ぎ、結局そのまま寝てしまったので、一日遅れることにはなったが……


 結婚したということは、即ちそういう行為をするわけで。


 俗にいう初夜を今日迎えることになった。


 風呂に入って体を清めた後、私は寝室に入る。


 リシアはまだいない。

 しばらくしてから来るようだ。


 ベッドに腰掛けて貧乏ゆすりをしつつ、リシアが部屋に入ってくるのを待った。


 ほ、本当に今日するのだろうか?

 上手くできるだろうか私に。

 前世で私は童貞だった。

 当然、今世でもそのような経験はない。


 急に怖気付いてくる。


 ここで寝た振りでもしてしまえば……


 いやいや、それはヘタレすぎる行動だ。リシアに幻滅されかねない。


 覚悟が全く決まらないまま、待っていると、コンコンと寝室の扉が叩かれた。


 心臓がドクンッと大きな音を立てた。


「アルス様、リシアです。入ってもよろしいでしょうか?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いつもながらのヤンデレ臭 大丈夫なのか? スマホを全部チェックされて、 5分毎にくるメールに全て返事しないと発狂したりしない? 気楽さで考えたら、間違いなくシャーロットの方が付き合い易そう…
[気になる点] 結婚するのにアルスは未だにリシア様呼びなんだな リシアがアルス様呼びするのは良いんだけどリシア様呼びはなんか違和感
[良い点] この先リシアは呂雉みたいになりそうだな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ