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【アニメ3期決定】転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~  作者: 未来人A


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第162話 領主たち

11月9日にコミカライズ版が発売です。よろしくお願いします。

 数日後、各領主たちがカナレ城へとやってきた。


 トルベキスタから、プレイド家、クメールからオルスロー家がやってきた。

 リシアの姿もあった。彼女は私の姿を見た瞬間、嬉しそうな表情で駆けよってきた。


 そして、私に抱き着いてきた。


「良かったです、アルス様……とても心配しておりました……」


 リシアは少し肩を震わせていた。

 抱き着かれた瞬間は慌てたが、リシアの肩の震えを感じて冷静さを取り戻す。


「心配をかけさせて申し訳ありません。無事戻ってまいりました」


 リシアの背中に手をまわして、安心させるように言った。

 安心したのかリシアの震えは止まった。


 リシアは私から離れた後、私以外に聞こえないような小声で呟いた。


「しかし、こんなに早くカナレ郡長になるとは、やはりアルス様は見込んだ通りのお方ですわ」


 いつもの甘い声ではなく、冷静沈着な声だった。


「ふふふ、このまま行けば、ミーシアンの総督までなられるかもしれませんわ」

「そ、総督? 流石にそれは……」


 総督になるとなったら、クランか跡継ぎのレングを蹴落とす必要がある。流石にそのつもりはない。このカナレ郡をちゃんと発展させていって、強い領地にするのが当面の目標だ。


「冗談ですよ」


 ニコニコしながらリシアは言ったが、冗談に聞こえないのは私だけだろうか。リシアが野心の高い娘であると、久しぶりに実感した。


 トルベキスタ領主であるハマンドと、クメール領主であるクラルが私の下へとやってきた。


 近くにやってきて、ハマンドとクラルは跪き、首を垂れた。


「カナレ郡長アルス・ローベント様に忠誠を誓います」


 二人ともそう宣言をした。


「頭を上げて下さい。私はまだ未熟者ですから、郡長になったとはいえ、分からぬことも多いです。協力してカナレ郡をより良い領地にしていきましょう」


 私はそう返答すると、二人は頭を上げた。


 パッと見た限りでは、ハマンドは私に対して不満はないようだが、クラルは不満があるというわけではないが、値踏みするような目線を向けてきている。


 まだ、私が郡長として的確な人材なのか、測り損ねているのだろう。

 心の底から忠誠を誓っているというわけではなさそうだ。反感をかわれてはいないようなので、これから領主としてきちんと働けるところを見せていけば、認めてくれるだろうと思う。


 祝宴が始まり、賑やかなムードになった。

 そこでハマンドの口から、リシアとの婚約の話題が出てきた。


「戦が終わったらリシアとの婚約を進めるという話でしたが……」

「そうでしたね。しかし、まだ戦は終わったわけではないですので、近いうちにアルカンテス攻めが始まるでしょう。それが終わったらと私は思っています」


 私は自分の考えを伝えた。


「そ、そうですね。戦が終わった後という話でしたので、今するのは違いますわね」


 リシアは賛同した。残念そうな、しかし、どこかほっとしたような、そんな表情を浮かべていた。


 祝宴は無事に終わり、翌日、領主たちは自分たちの屋敷へと戻っていった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 女性は古来17歳で妊娠 18才で出産が一番リスクが少ないと事情通の リシアは知ってるのでしょうね! あまり早いと産後の肥立ちが悪く死ぬケースが多いよ? 大名家の姫は使える女中が 殿の寵愛を受…
[一言] リシアは成り上がりを優先して考えるのなら、 クランの2人の息子と同行していた時に、 どちらか、まあレングを落とすべきだったんじゃないかな しかしやはり夫の身分が高ければ満足ってわけでもないだ…
[良い点] リシアはやっぱり野心かわいい! [気になる点] ハマンド単刀直入すぎるw もうちょっと戦のこととか族長のこととか色々話してから聞く内容では?
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