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AM7:34

作者: 水元れい

朝靄の公園


そこにしみ渡るむく鳥の

この上ないほどに清潔な声を想像して


わたしは飛んだ


粒状の分子が宙で

空色を透かして

大きく飽和していくなか


地面を背に見る世界はうつくしく


わたしもこんなふうになれたなら

こんなふうになることなんてなかったなんて

思うほどに


うつくしく


金切り声を上げて笑った


わたしが取りこぼしてしまった色々に謝りながら


木のざらざらした質感に涙を流すことも

映画の中の音楽に引きずられることも

最早なく


スプーンの中に見えるのは

生命と、終わりの汀


そっと傾ければ落ちていく

そこにへばりつく一粒にあこがれて


そんなことを考えもしない人々に

猛烈な劣等感を感じている


淋しくはないのだ

決して


ハロー、グッドバイ

現実はーー


朝露の満ちた青色の公園で咽び泣く


もう二度と

この手から何ひとつ

こぼさぬように


ハロー、コスモス


わたしの生命に揺れている

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