うかれ猫の俳句日記3 2018.9.3
秋風に わが痩身を抱きしむる
正人が、作った句を見せてくれた。
正人はね、自分の作った俳句をあたしに見せるだけ。あたしは、せっかく作ったんだったら、声に出して読んでくれたらいいのにって思う。
恥ずかしがりやなんだ。
カラオケにみんなで行っても、ぜったい正人だけは唄わない。でも、あたしは知ってるもんね。正人の声って、あたしにボソッと何かを言うときの声って、とてもセクシーなんだ。
秋寒や 黒の下着の浮かびくる
これ、あたしの句。
あたしの好きな、いつも着けてる黒の下着を、正人もけっこう気に入ってる。
今日のお休みの日、9月に入って肌寒い日が続いたんで、あたしたち布団の中で足をからめ合ってお話ししてた。あたし言ってみたんだ。「このパンティにはブラジャーついてるんだ。正人見たことないでしょ、見たい?」
「うん!」正人って、シャイなくせに正直もんなんだよね。
あたしは普段、ほとんどブラジャーはしないけど、とくにこのブラジャーは胸がとっても大きく見えるので、めったに使わない。
寝ころんでる正人の前で、あたしはモデルのように立って、下着を披露した。
あたし言ったの。「女のおっぱいは偽物よ」
でも正人、たまらなくなったみたいで、立ち上がって、あたしのブラジャーの上から熱心におっぱい揉んでるし。ぜんぜん感じないのに。ばかだなあ、正人。
正人、あたしが君に望むのはさ、あたしがあたしのこの小さくて可愛いおっぱいが好きなように、正人もあたしのこのおっぱいを愛してほしいってこと。
そして、正人も自分のことを、自分の、痩身かなんかわかんないけどさ、抱きしむるなんて言ってないで、自分のことを好きになってほしいってことなんだ。