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ストラグル  作者: 浅間 柘榴
序章
6/6

Act0-4

まだまだゼロ話がつーづくよー

---・- ・・-・・ ・・・ ・・・- ・・ -・--・ 


 満腹☆

 ふくふくと満足そうに腹部を撫でつつ外に出て、アラヤは天を見上げた。

 岩盤に覆われた光のない天井。闇に覆われたこの町は常に街灯が煌々と灯っている。

 センサーも複数積んでいるが、アラヤは視覚情報に重きを置いている個体なので、街灯……というか多少でも光がないと不便だ。

 だからこそ、電気様様。願わくば停電なんてしないでほしいと常に考えている。


 そんな暗い天井を見上げて、アラヤはさらに思考した。

 何を、しよう、と。

 本来なら図書館に行こうと思っていたわけだが……なんとなく、面倒くさくなったのだ。

「こう、体を動かしたい」

 普段がお勉強ばかりの生活なので、休みの日は体を動かしたい。

 そういう気分になるのだ。

「今からでも本戦……いくか? でもなぁ……」

 やりたいことを頭の中でリストアップして、考える。

 ……。

 …………。

「そうだ、【本戦】やろう」

 ポンッと拳で手のひらを叩いてアラヤは呟いた。

 面倒くさくなったようだ。

 が、即座にアラヤは懐に入れた封筒の存在を思い出した。

 これをもって【本戦】は流石に……落として失くしたらことだし、破れない保証もない。

「いったん家帰るか」

 一つ頷いてからアラヤは踵を返して家へ戻ることにした。

 

 アラヤの家は、比較的中央に近い場所にある。

 空き地の傍、ぼろい平屋。

 まぁ、それでも比較的マシ……というか優良な物件である。

 3LDKで風呂とトイレは個別にある。

 ユニットバスやら、そもそも風呂やトイレのない物件が多いルマトーンでは、アラヤの家はかなり優良な方なのだ。

 部屋は3つあるが一つは客室、もう一つは空き部屋、そして最後の一つは資料質になっている。

 最早図書室とか、そういう勢いである。

 そしてリビングも最早研究スペース。ベッドもここに置いてある。

 アラヤにとって家は研究と寝るための場所で、飯は大抵横丁で食べるか、ショートブレッドなのでキッチンを使うこともほぼない。

 そもそもキッチンを使うような食材は一般には流通していないというのもあるが。


 書斎の照明をつければ、ほの暗くオレンジの光がぼんやりと灯る。

 そろそろ取り換え時か。電球の予備はあったかな? とアラヤは思考しながら奥の方へ歩く。

 本来はダークブラウンで統一された落ち着きのある書斎だったのだ。

 が、いまや大量の書類や書籍に埋もれて落ち着きがない。

 本棚の周囲にも本は溢れて小高く塔がいくつも築かれている。

 膨大な量のそれは、誰かの日記から生活記録、どこかの国の人口統計、衣類や食の時点など。

 それらは幾ばかは図書館から借りたままのものだが、アラヤが集めてきたものもある。

 しかし、その大部分はもとからこの家に置いてあったものだった。

 前の宿主もアラヤと同じような職をしていたのか。それとも、この町ができた当初から用意されていたものなのか……不明なのだが、アラヤの予想では前者ではないかと思っている。

 アラヤが来た時、この本棚はきちんと整理され、保存状態も良かったのだ。

 一切触れていないというのは……つじつまが合わないと感じたからだ。


 部屋の最奥までたどり着いたアラヤのめど前には、小高い山ができていた。

 それはよく見れば机らしかった。

 これも、アラヤが来た時からすでにあった机。

 深いダークブラウンの机には引き出しが3つあった。


 本やら資料やらで埋もれたその机の、引き出しに店主から預かった封筒をしまう。

 それからアラヤは周囲を見渡す。

 意識なく零れた吐息。

 改めて意識すると書斎も、リビングも埃臭い。

「……掃除、しねーとなぁ」

 ここに積まれた本の幾ばかは図書館から借りパクしているものなんて、言えない。

 そろそろ返却しないと……怒られるどころではない。

 下手すると解体処理される……。

 が、それは次の休みにしよう。

 現実逃避ではない。決して。

 そう思うアラヤの目線は明後日を向いている。


 ……本戦をやってからやろうかな?

 後回しにするのはアラヤが嫌うアンドロイドの悪癖の一つ、だ。 

 が。

 今数に取り掛かるのは流石に苦行過ぎた。

 本戦をいくばかやったって誤差範囲のはず……!


 誰に言い訳しているのか、アラヤ自身もよくわかっていないが。

 言い訳を重ねつつアラヤは自宅を後にした。

 現実逃避。

 行動としてはまさしくそれなのだが。


---・- ・・-・・ ・・・ ・・・- ・・ -・--・  


あともう少しだけども。

後1、2話で1話に行けそうです

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