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魔眼少女  作者: つばさ
22/25

魔眼少女第5章「運命の岐路-起」

いよいよ魔眼少女の掲載を始める時がやってきました!

本日の8:00〜18:00までの短いあいだですがどうぞご覧下さい

詳しい詳細は後書きにて

Twitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえると見やすくて嬉しいです!

運命の岐路-起


「完全なる救済」それは誰もが願い、ついには誰も到達し得なかった願い

過去にそれを人々の幸せを助ける事で成そうとした男がいた、少しでいい、ほんの少しでも世界の光になれるのなら自分の努力は惜しまない、そう思い生きてきた男にある時転機が訪れる

「私はあなたに殺して欲しいの」

まだ年端もいかない少女は青年に頼み込んだ

少年はその願いを拒絶した、死んでは何も変わらない、救いなど訪れないと信じていたから

その結果少女は自らの手で命を絶った、その時に少年は悟った、どれだけの努力を重ねようと全ての人々を同じ場所(しあわせ)に辿り着かせる事など出来ない

だが全ての人々が平等に辿り着く終着点は既にあったのだ

「死」は全ての終わりであり始まり、そこに救済を望めるのならどれだけ幸福な事であろうか

その日から男は死を学んだ、ある時は極悪人を殺し、またある時は自らを慕う少女を手にかけた、挙句自らの命までを他人に絶たせようとした

男は既に狂ってしまったのだ、「死」に取り憑かれた男の末路をここに記そう、それこそが過ちの救済なり


「おや起きましたか?」

銀髪の少年は老人の隣に立つ

「夢を見ておった、救済を求め続けた憐れな少年の夢をな」

「だけれどそれも成就する、その結果があるなら少年の夢も決して不必要なものでは無かったのでしょう」

「そうじゃな、跡一週間もすれば毒は街中に広がる、それまでにお前がする事はわかっておるな?」

「未南雲神奈を含むこの計画を邪魔する者達の排除、当然理解してますよ」

「決して手を緩めてならんぞ、彼らはこの世界に唯一残った反逆者じゃ、その足掻きは侮れん」

「勿論ですよ、僕だって計画の成功を祈っているんですから」

ドアを開ける少年の眼は歪に光る


時刻はもう18時過ぎである、夕暮れの中私と優香は病院へと赴く

「おかえりなさい、そしてお疲れ様、叔母さまの事は聞いたわ、大丈夫よ私は訴える気なんてさらさら無いから」

「それにしても和葉さんって凄く強いのね、私危うく負けちゃうところだったわよ!」

そんなことを笑いながら話せる彼女には叔母さまは100年経っても敵わないだろう

「ロブルスについても新しくわかったことがあります、それで魔眼使いを集めてその情報を共有したいんです」

それを聞くと澪さんの顔が少し暗くなる

「その件なのだけどね、緋夏斗が探し回ってくれたのだけどもう遅かったのよ、神奈ちゃんが知っている魔眼使い以外はロブルスの手にかかったていたわ」

「そんな...」

間に合わなかった、いやそもそも彼が殺人鬼になってからもう四年、間に合うはずが無かったのかもしれない

「それもおかしな話よね、なんで神奈の知り合いは殺されて無いのかしら?」

「ロブルス自身も魔眼の存在は知っていても誰が持っているか知らない可能性があるわね」

「そうだとしたら最悪の事態ですよね、あいつなら魔眼使いを探し出す為にこの街で何をするかわかりません」

「一先ずその子には気をつけるように言っておくべきね、それと残っている人達だけでも一度集まって方向性を確かめるべきよ」

「そうですね、それじゃあ全員の予定を聞いておきます」

私と優香は病室を出る

「随分行動的になったわね、彼女」

沙彩が呟く

「元々あんな性格なのよ、それが家族を亡くしてから未南雲の跡取りとして強く生きようと無理してたのよ」

「そう言えば明日にでも退院していいそうですよ、毎日のように見舞客に来てもらうなら元気な身体で会いに行った方がいいだろうって」

どうやら早く出してくれと言っていたのがようやく叶ったようだ

「院長に今度御礼を渡すって言っておいてもらえるかしら、色々お騒がせしましちゃったからね」

前回も今回も病院側の手を煩わせてしまった、旧知の仲とはいえ礼くらいはしなくては

「わかったわ、それじゃあ私はそろそろ看護師の職務に戻るとしようかしら」

彼女も部屋を去る、1人残った澪は不安を感じていた

「いつから騙してたっていうのよ、ロブルスさん...」

あの魔眼使いの名簿を作るのに協力した私は彼の計画の片棒を担いだと言っても過言では無い、だからこそまだ残っている彼らだけは絶対に失わない


「ただいま帰りました」

誰も待っていない屋敷の扉を開ける、当然のことながら部屋に灯りはない

「ほら電気つけるわよ」

優香がスイッチを押す

「ていうか今更なんだけどあなたってここ以外に住む場所はないわけ?」

今までは流れで行動を共にしていたがこれからはどうするのだろうか

「そりゃあるわよ、でも1人でいるなんて寂しいじゃない」

そんな目で見られたら断る事なんて誰も出来やしない

「わかったわよ、叔母さまもしばらく戻って来ないだろうし取り敢えずはここに住みなさい」

「それじゃあよろしくね神奈、この場合はお母さんと呼んだ方がいいかしら?」

「呼ばなくていいっての、そもそもあなたの方が年上じゃない」

「レディーに年齢の事は禁句よ、それに今は7歳の少女だもの」

この国では生まれてからの年数を年齢と言うと言ってやりたかったが切りがなさそうなのでやめておく

「私はみんなの予定を聞くから先にお風呂にでも入ってなさい」

「はーい」

元気な返事と共に優香はお風呂場に向かう

「はあ、結局巻き込む羽目になっちゃうとはね」

愛生衣ちゃんと咲には出来る事ならこちら側にはもう足を踏み込んでは欲しくない

でももうそんな事は言っていられる状況ではない

返信が返ってくる、その返答は当然OKであった、彼女達も私と同じ困ったちゃんなのだ

そして他の皆も同様であった、類は友を呼ぶとはまさに的確な表現である

皆の予定を考えて集合するのは一週間後の夜ということになった

それまでロブルスが動き出さない保証はどこにもないが殆どの人が自衛をする程度の能力は持ち合わせているので心配する必要もないないだろう

「愛生衣ちゃんには咲がついてるし、澪さんも病院にいる間は沙彩さんが居る、緋夏斗さんは...そっか魔眼を持ってないんだっけ」

私は一通りの作業を終えて夕食の支度を忘れていた事に気づく

今から用意するのも億劫になるくらい疲れているので今日は出前でも取ることにしよう


次の日

「優香、本当に1人で大丈夫?」

誰もが家から出るのが憂鬱になる月曜日、私は学校をサボって家でダラダラ、いやいつ攻めてくるかわからないロブルスに対する策を練ろうと思っていたのだが優香に諭され学校に行く羽目になってしまった

「大丈夫よ、それよりも早く行かないと遅刻するわよ!」

まるで母親のような振る舞いをする彼女だが実際1人で暮らせるのか本当に心配だ

「何よその顔は、私だって自分で食事を作るくらい出来るわよ!」

「はいはい、行ってきます優香」

「最初からそう言えば良かったのよ、行ってらっしゃい神奈」

学校に着くといつもと何1つ変わらない日常があった、非日常を数日間過ごしてきた私はそれに違和感を感じざるを得なかった

昼休みに咲に声を掛けられ、また屋上でご飯を食べることになった

「私達はともかく神奈が学校に来るとは思わなかったな」

「家に少しうるさいのが居てね、全く戦う前くらいサボらせろっての」

「やっぱり戦うの?」

「ええ、ひょっとしたらあなたも戦う羽目になるかもしれないわ、その時は魔眼の力を目一杯使いなさい、それと負けそうになったら逃げるのよ」

「わかった、私の眼が役に立つかわからないけど精一杯頑張る」

「愛生衣には私がついてるから大丈夫だよ、それに修行だって頑張ってるじゃん」

「そういえばそんな話もあったわね、真面目にやってるんだ?」

「そりゃ勿論、沙彩さんにも稽古をつけてもらったよ」

どうやら咲自身も強くなっているようだ

「あなた達なら心配は要らなそうね、それと山さん、お兄さんに1人で戦わないように伝えてもらえるかしら、ロブルスを倒すまでは原則として2人以上で行動してもらうわ」

ずっと魔眼奪いを追いかけてきた彼でも1人で突っ込んで敵う相手ではない

「それじゃあお兄ちゃんは私達と一緒に行動してもらうよ、もっとも学校にいる間は1人にさせちゃうけどね」

「前は守ってもらったから今度は私の番...」

愛生衣も決意を固める、やはりこの子達なら問題無いだろう

キーンコーンカーンコーン、チャイムと共に昼休みは終わりを迎え、私達は走って教室に戻る


拘置所内

「入れ」

和葉は看守に言われ扉を開ける

「お久しぶりね」

そこでガラス越しに待って居たのは澪はだった

「お久しぶりです、あの時は本当にすみませんでした!」

「過ぎた事はもういいわよ、それよりも今はロブルスの事よ、彼に対抗するためには可能な限り魔眼使いを集めておきたいの、だけれど緋夏斗に聞いたらあなたが出るのを嫌がってるなんて言うから直談判しに来たのよ」

和葉は、はあと溜息をつく

「自分のした事の落とし前は自分でつけます、どんなに繕っても結局手を下したのは私ですから」

彼女の決意は固い、きっとそうでもしないと神奈ちゃんに会わせる顔がないのだろう

「仕方がないですね、今日のところは別の用事もあるので撤退します、でももう二度と後悔なんてしないように行動するって約束してください」

「わかってるわ、その時が来たら私も動きます」

和葉は背中を見せる、彼女が必要になる事態なんて起こらないのが一番だ

だけど何か確信めいた予感があった、ロブルスはきっと私達の想像を超えた何かを使ってくる、その時私達はそれに対抗出来るだろうか?

不安を胸に澪は拘置所を出てその裏手へと回る

そこで待って居たのは意外な人物であった

「お勤めご苦労様です」

「拘置所にこんなにいる人間なんて世の中に居ないんじゃないか、いっそ刑務所に行った方が楽だった気がするがな、まあこれで子供達にまた会える、感謝してるよ」

茶化すように笑う澪に対して男は少し不機嫌そうに返す

「あなただって大切な戦力なのよ、それをむざむざと刑務所に送ったら後で取り返しのつかない事になっても困るもの」

「あなたに協力するなんて一言も言った覚えは無い、俺は彼女を助ける為に動く」

「それで十分よ、全く子供にしている笑顔を普段から見せればいいのに」

そう言いながら澪はスマホに写った写真を見つめる

「その写真、どこでっ」

男は恥ずかしそうに画面を隠す

「あなたのスマホに大切に保存されてたわよ、随分と幸せそうね〜」

「わかった、協力すればいいんだろ、頼むからその写真の事だけは秘密にしてくれ!」

得意げな表情で澪は微笑む

「最初からそうしてればいいのよ、全く素直じゃ無いんだから」

「一言余計だ、それで俺はどうすればいい?」

「ひとまず一週間後の夜8時に元未南雲家、つまり神奈ちゃんの家に集合よ」

「あいつの家なのか、そうか考えておく」

「来なかったらこの写真を神奈ちゃんに見せちゃおうかしら、7歳は犯罪よね〜」

「誤解を招く言い方をするな!わかった極力努力はする」

「言っておくけどあなたのスマホのGPSはバレバレよ」

「行けばいいんだろ、なんて顔をして行けばいいんだ...」

「一度ナンパした子に対してどんな顔をするの何もないんじゃない?」

「あれは気の迷いだ、どうやって話しかけたらいいかわからなかったんだよ、そもそも俺は女子高生には興味は無い」

「ふーん、女子高生には...ね」

「誤解だっていってるだろう!」

この押し問答は彼曰く後30分は続いたらしいがそれは割愛させてもらおう


静かな社長室の中、晴人は懐かしい写真を眺めていた

「岬、ようやく奴に辿り着いたよ、まさかロブルスさんだったとは思いもしなかったが、これでようやく全部終わるんだ」

思えば彼女を失った時からどれだけの時が経っただろうか

3年前パンドラで果たした偶然の出会いが彼と岬の運命を変えた

高校の同級生だった岬と晴人、そして羽田美香は神の悪戯か同じ時間帯にパンドラの扉をくぐり思わぬ再開を果たした

最初にパンドラに居たのは晴人であった、そして次に来たのが岬である

「岬じゃねえか、まさかお前も魔眼使いだったのか?」

晴人も驚いていたがそれ以上に岬はビックリしていた

「山崎君、えっなんで?」

晴人の質問も耳に入っていないようだ

「見ない顔だのお、晴人の知り合いなのかい?」

「ああ、俺の高校の時の同級生だ、まさかこんなところで会うなんてな、心臓が飛び出ちまうかと思ったぜ」

「私の方こそビックリしたわよ、ところでここがパンドラで合ってるの?」

「そうじゃよ、此処こそが魔眼の研究所パンドラじゃ」

「私仕事が欲しいんです、魔眼使いならこの街に来たら親切にしてくれる人がいるって親切な魔眼使いの人に聞いて、私何も考えずにここまで来ちゃったせいでお金とか全然無くて...」

物凄い早口であたふたしながら喋る岬に対してロブルスは落ち着いて告げる

「仕事なら私が紹介しよう、ちょうど今度隣町のビルの中に新しい店が入る予定ですそこのスタッフを募集していたはずじゃ、口をきいておくから今度行ってみるといい」

「ありがとうございます!」

その会話が終わった瞬間、パンドラのドアを開ける新たな影があった、その影こそが羽田美香その人である

「あれっ岬ちゃんに晴人君?まさか2人とも...」

さっきも聞いたセリフだ、また振り出しからかと思ったがどうやら違ったようだ

「おや美香じゃないかい、今日はどうしたんだね?」

なんと彼女は既にパンドラに来たことがあったらしい

「昔高宮さんが襲われた奴が居たじゃないですか、えっと....そうだ魔眼奪いです、そいつが最近また現れたらしいんですよ」

ロブルスは眼をかっと開いて告げる

「奴には近づいてはならん、絶対にな」

こんなロブルスさんは初めて見た、怒りとも悲しみとも取れる表情はなんだか不思議であった

「わかりました、でも魔眼奪いが今回襲ったのは私の恩師なんです、どうにかして捕まえてやりたいんです」

「あの...魔眼奪いって何?」

何も知らない岬が会話に割って入る

「魔眼を奪いその者を殺害する、まさに狂気の悪魔じゃよ、幸運にもまだパンドラに良く来ている魔眼使いは襲われていないんじゃ、じゃがそれがいつ現実になってもおかしくは無いんじゃよ、だから決して近づいてはならん」

「へえ、それでその魔眼奪いに美香の知り合いがやられちゃったわけね、だったら仕返しくらいしてもいいじゃない」

「絶対に駄目じゃ、今のお前さんじゃ奴には敵わん」

その時ロブルスは一瞬だが眼をかっと開いて立ち上がる

「少し用事を思い出した、晴人彼女達をお願いしてもいいかの?」

ロブルスは足早に去っていく

「取り敢えず久々だな2人とも、美香はいつからここに通ってるんだ?」

「5年くらい前かしらね、こっちの大学に来た時にある人にパンドラについて教えてもらってそれからね」

「俺よりも昔から来てたのか、それなのに今日まで会わないで岬が来た日に初めて会うなんて不思議なもんだな」

「それで運命を感じるのは晴人の勝手だけど魔眼奪いを追うのを邪魔するなら容赦しないわよ」

「そんな怖い顔するなよ、ロブルスさんだって美香のことを心配してるから言ってるんじゃないか」

「じゃあこうましょう、私達3人でロブルスさんに内緒で対魔眼奪いのチームを作るの、3人で居ればきっと大丈夫よ」

「それいい考えじゃない、晴人もやるわよね?」

どうやら彼女達は本気のようだ、学生時代から彼女達に随分と振り回されていたものだ、今更それが変わったりはしない

「わかった、ただし奴と戦うことになったら絶対に3人でいること、それが条件だ」

そうして俺達は同じ道を歩く事になった、いやそう思っていたのは俺だけだったのかもしれないと今になって思うことがある

そしてある日美香から魔眼奪いを見つけたと報告があった、宅配会社を経営している俺はどうしても外せない大口の取引先との約束があったため15分ほどの追跡を要請した

また岬は現場から少し離れた所に居たのでそこに辿り着くのは俺と同じくらいになるようだった

俺は約束を時間通りに終わらせて走って現場へと向かった、魔眼奪いをようやく見つけ出すことが出来た、その気持ちは現場の光景で一変する

そこに居たのは魔眼奪いではなく血を吹いて倒れる美香の姿だった

「なんでだよ、おい美香、返事をしてくれよ!」

心臓を何かに抉られたようで即死だった、きっと走馬灯を見る暇すらも与えられなかっただろう

後ろから走ってくる足音が聞こえる、刹那、魔眼奪いかと思い構えるがその足音の主は岬だった

「何があったの...」

茫然とする彼女に晴人は告げる

「見ちゃダメだ、ロブルスさんには俺が連絡する、岬は家に帰るんだ」

「何言ってるの、美香は、なんでこんな事になったの!」

「きっと1人で魔眼奪いに挑んだんだ、くそっ俺がもう少し早く着いてりゃこんな事には!」

ぶつけようのない怒りが晴人を襲う、なんでこんな日に限って仕事があったのか、何故美香に念を押さなかったのか

思えば彼女の魔眼奪いに対する執念は俺達とは一線を画していた、こんな結末少し考えれば容易に想像出来たじゃないか

「私が美香を送るわ」

「お前何言ってんだ...」

その時岬の眼が紅を灯す、その光は美香の身体を包み込む

「私の眼はね神葬の魔眼っていうの、簡単に言えば死者の魂を天へと還すそれが私の力なのよ」

美香を包んでいた光が消えた時、一滴の涙が彼女の身体にポタリと落ちた

「なんでだろうね、こんな力親友に使う時が来るなんて思ってもなかった...」

涙を流しながら呟く彼女を晴人は抱きしめる

「俺達で仇を取ろう、それが美香への餞だ」

晴人は拳を強く握りしめる


「社長、少しだけいいですか?」

副社長(いや実質的な経営をしているの彼の方なのだが)に呼ばれる

「おう、構わないぜ」

晴人は写真を仕舞う、必ず勝つ、その思いを胸に歩き出す



「お久しぶりですね、みんな元気にしてましたか?」

学校の帰りに彼女は大切な家族がいる場所に行っていた

時刻は5時過ぎ、お盆でもない日にこんな時間に墓を訪ねる人影はなく静かな空間に彼女1人が存在していた

思えばあの日、人の道を踏み外した私は色んな人たちの助けでどうにかここまで戻ってきたのだ、だから今回はそんな人達に恩返しをする為に頑張ろうと決めていた

それで墓地(ここ)に決意表明をしにきたわけだがここに居るとどうしてもあの日の事を思い出してしまう


「今日は父さんは休みをもらえたから久しぶりに家族で遊園地に行こうか!」

朝起きて顔も洗っておらず髪もボサボサで寝ぼけていた時いつも仕事で忙しい父が家に居たのに驚いた

しかも普段は出不精のくせに突然遊園地に行こうなんて言うから何かあるのではと疑ってしまう

「あら、何か謝りたい事があるのなら先に言った方がいいわよ?」

どうやら母も同意見のようだ

「酷いなあ、会社の上司からチケットを4人分貰ったんだよ、なんでも家族と行こうと思ってたのに臨時の入っちゃったとかでね」

「それなら支度しましょう、早くお化粧しなくちゃ」

母の変わり身の早さは相変わらずである

「遊園地楽しみだねお姉ちゃん!」

弟は楽しようにはしゃぐ、そんな彼を冷静に見ている私も内心はちょっぴり嬉しかったりする

何しろ家族で出掛けるなんて正月かお盆くらいなものだ、こんな何でもない日に遊園地に行けるなんて思っても見なかった

「服は用意して置いたから早く着替えてきなさい」

もう化粧を始めている母は仕事が早い

部屋に行くと服と荷物が一式揃っていた、彼女が前日から知っていたのではないかと疑いたくなる仕事ぶりだ

私が着替えて部屋を出ると家族はとっくに準備を終えてテレビを見ていた

「本日の運勢が一番アンラッキーな方は...獅子座のあなた!本日は外出は控えた方がいいかも、ラッキーカラーは青です!」

青か、私はそう思ってバックに付いているボタンを押すとハートの色を変えられるアクセサリーを青にする

「みんな準備出来たみたいだしそろそろ出発しようか」

私達は車に乗り込む、久々の車だが酔い止めも飲んだしラッキーカラーも決めた、何の心配も無いだろう

車が家から出て五分もたたない頃悲劇は起こった、いつもと変わらぬ道、何一つ危険な事など無いはずの場所でそれは起こった

隣の車線の運転手が一瞬後ろを向いて何かに驚いたかのように慌てハンドルを間違った方向にきったのを今でも鮮明に覚えている

轟音と共に巻き起こる爆発、どうやら突然の幸運には突然の不幸がお似合いだったようだ

「はあラッキーカラーは青だったのにな...」

私は切り傷から出る血でハートが紅く染まるのを見ながら呟くのであった


「おーい愛生衣!」

私の大切な親友の声で意識が今に戻る

「ちゃんと決意表明できた?」

そうだ肝心のそれはまだ言っていたなかった

「忘れてた」

咲に向かってふふっと笑ってから彼女は墓に向き直る

「絶対に勝ってまたここに来ます、だから私に力を貸してください!」

久々に大きな声を出したせいか一気に気が抜けてふらりとする

「おっと危ないよ」

彼女は私のふらついた身体をささえてくれる

だから私は立っていられるのだ

「ありがとう咲ちゃん」

そうして私達は誰もいない墓地を去って行く

どうも新作を思いついてから旧作が踏み止まっていたダメ作者のつばさです

それでも何とか「魔眼少女」を書き終えることが出来ました

そして少しでもこの小説を色んな人に見てもらうためにある企画を思いつきました

それこそがアニメの一挙放送ならぬ、小説の一挙掲載です!

というわけで本日の8:00〜18:00にアニメよろしく30分に一話投稿致します

またTwitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえれば作者が突撃しに行きます!

是非色んな方と感想を言い合ってもらえればと思います

作者Twitter https://mobile.twitter.com/atorietsubasa


時間ピッタリに上げられそうなものは予約掲載でする都合上後書きはテンプレのみになります

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